足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1308 ~ ツルネコノメソウ・ハナネコノメ ~

2015年03月22日 | 植物

観 察 月 日  2015.3.11.晴 8℃

観 察 場 所  厚木市 不動尻

 私が初めてハナネコノメに出会い、「きれいだ!」と感動したのは

、もう遥か昔の事である。

 その場所をピンポイントして見ようと、古い丹沢登山地図を取りだし

て見た。本厚木から宮が瀬までバスで70分、料金は100円とあり、

当然宮が瀬ダム等なかった時代だ。土山峠を越え下って行くと宮が

瀬の集落、その手前道路から一段低い所に家が一軒あり、そこには

鉄の大きな檻があった。立ち寄って見れば良かったのだが、猟師の家

かと一人思っていた。

 その家の裏側は小鮎川の上流で、その付近にはハナネコノメの白

い花で埋まり、赤褐色の葯が印象的であった。今はダムの底に沈ん

だものか、その場所は特定出来なかった。

 最近はハナネコノメの咲く時期になると、谷太郎川の水源、不動尻

に通っている。ここは他のネコノメソウの他、多くの動植物に出会う事

が出来るからだ。

 谷川に転がる大きな玉石はコケで覆われ、それをベースにして、ツル

ネコノメソウが花を付けている。ネコノメソウの仲間は、花弁を持たづ、

蕚片を皿の縁の様に立ち上げた中に、デザートの様に黄色や赤褐色

の葯を並べ、メルヘン的なルーペの世界だ。

 中でもツルネコノメソウは、蕚片を平開する。

 ハナネコノメも、渓谷の飛沫の掛かりそうな大きな玉石の上で白い花

を付ける。ハナネコノメは花猫の目、花を素直に見れば四枚の花弁に

見える。ツルネコノメソウの蕚片は平たく開いているが、一層開いて大

きく成長し、白く色を付けたのがハナネコノメだ。

 普通、人がハナネコノメの花を見れば花弁に見える様に、昆虫もそれ

に引かれて花へやって来る所を見ると、花弁と感じているのだろう。もし

も、ハナネコノメが話す事が出来たら、「花弁だ」と言うに違いない。 

 人間の世界だけが、花の構造の上から見て“ 蕚片 ”だと言っている事

に間違いなさそうだ。

不動尻の渓谷には 大きな玉石が転がっている。

玉石には コケがびっしりと付いている。

コケをベースに ツルネコノメソウが!

玉石の上に 群落をつくっている。

花弁は無く 四枚の蕚片が平開しているのが特徴だ。

玉石のコケをベースに ハナネコノメが。  まだ蕾だ。

咲き始めの頃の 雄蕊の葯は赤褐色で美しい。

ツルネコノメソウの蕚片を一層平開し 成長させ 白く色を付けた形だ。

       * 「知る」 ことは、 「感じる」 ことの半分も重要ではない。 (レイチェル・カーソン)


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