箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

呼応する関係

2020年11月04日 08時20分00秒 | 教育・子育てあれこれ


教師は子どもの力を伸ばすために、一生懸命指導します。

たとえば、この高校に入りたいという目標が生徒にあるとき、その進路実現に向かい、教師はこのように学習をしなさいとアドバイスします。

このとき、生徒の側に、成績を上げたいという思いがあり、その努力をすることで目標に近づくことができます。

または、部活で熱心に顧問の教師が指導しても、生徒に「うまくなりたい」「入賞したい」という願いと実行する態度がなければ、結果は出ません。

このように、教師の願いと子どもの思いが一致してはじめて、結果や成果が出ます。


このことをうまく表した言葉があります。
「啐啄同時」(そつたくどうじ)です。

卵の中にいるひな鳥が内側から卵の殻をコツコツとつつくことが「啐」です。

親鳥がそれにこたえて外側から殻をつつくのが「啄」です。

ひな鳥のコツコツだけでは、殻を割ることができません。そこで、親鳥が外側からコツコツして卵の殻が割れ、ひな鳥は出てくることができます。

つまり、ひな鳥のコツコツと親鳥のコツコツのタイミングが合うと、卵が割れ、新しいひな鳥が誕生するのです。

この営みを「啐啄同時」と言いますが、教師と生徒の関係も同じです、教師の願いと生徒の思いが呼応して、生徒は成長します。

そのためには、教師は「いま、生徒はどんな気持ちでいるのか」「どうしたらその気持ちを高めることができるか」「そのため、なにが今できるのか」を考えます。

教師と生徒が双方向のかかわりをもつことで、教育の結果は出やすいのです。