箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子どもがぼやくときには

2016年02月27日 11時26分38秒 | 教育・子育てあれこれ



家で子どもがぼやくことがあります。

友だちのこと、部活での不満、先生の対応について・・・。

子どものぼやきに、親はどうつきあったらいいのでしょうか。

おとながよく取り違えてしまうのが、ぼやきと相談の区別です。

子どもがぼやきを言っているときには、解決を求めていない。しかし、相談のときには解決を求めている。この違いがあると思います。

だから、子どもがぼやいているときには、とくに解決を求めているのではないので、聞き流すといえば乱暴な言い方になりますが、ただ聞いてあげることで十分だと考えています。

聞いてもらえることで、子どもの気持ちは満たされます。基本的に解決方法やアドバイスはいりません。

しかし、たんなる子どものぼやきに対しても、「誠実な」おとなは、「わたしがなんとかしなければ」と、解決に乗り出そうとすることが往々にしてあるのです。

「こうしたらいいんじゃない」とアドバイスしたり、「そんことをしているからアカンのよ」と攻撃に転じることもあります。なかには、「学校へ行って、先生に言ってくるわ」ともなります。

子どもにしてみれば、ただ話を聞いてほしかっただけなのに、怒るんやったら「もう、いいわ」とキレたり、傷ついたりします。

基本的に子どもは自分のなかに、解決策を持っているのです。解決策を持っているので、相談しているのではないのです。ぼやきは聞いているだけでいいのです。

ここまで読まれた保護者の方のなかには、そうはいうけど、子どもの持っている解決策って確かなものなの?おとなからみれば、ちゃんとかを考えていない、いい加減なものですよ。そんなのは解決策になっていないことが多いんですよ。だから、私は解決に乗り出すのよ・・・。

このような声が聞こえてきます。たしかに、子どもの考えている解決策が間違っているのが明らかなときは、やはりおとなが介入しなくてはなりません。

しかし、まっこうから反対したら子どもは聞きません。よけいにかたくなになりがちです。この点が、中学生という思春期の子どもへの接しかたのポイントです。

そのようなとき、子どもが正しい方向に向いてくれると信じて、いっしょに考え、選択を子どもに託します。

おとなと子どもの意見を、同じまな板の上にのせて、子どもに選ばさせるなら、たいていの場合、正しい方を選びます。

あとになって、「なんや、ちゃんとわかってたんや」とおとなは思うんです。子どもにしてみれば、「何が正しい、何が間違いはわかっているけど、強要させられるのはイヤ」というのが思春期の子どもの本音です。

おとなが上手な接しかたを心得ていると、子どもが納得した上で、考え方や行動のしかたを正しい方向に直していくことができます。