箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

沖縄の原風景を留める今帰仁

2024年04月21日 06時14分00秒 | 教育・子育てあれこれ
沖縄の今帰仁(なきじん)は、沖細本島北部の緑豊かな地域「やんばる」にあります。

今帰仁の集落にはフクギが植えられています。

分厚い葉は、風を防ぐだけでなく、暴風や高波による塩害も防いでくれます。

葉が塩分を吸収してくれるのです。

沖縄では茶色に錆びた自家用車をよく見かけます。

四方が海で囲まれているため、車は本州より錆が出ることが多いのです。

集落の周りをフクギの並木が囲っているので、風はやわらぎ、気温や湿度もちょうどいい具合に保たれます。

このような屋敷は、以前は沖縄のあちらこちらで見かけることができましたが、いまは大半が失われました。





今帰仁は、沖縄の原風景を留める地域です。

今帰仁へは、修学旅行の民泊で泊まりました。

古きよき沖縄が現存しているのが今帰仁です。

インプットする教師

2024年04月20日 06時33分00秒 | 教育・子育てあれこれ
教師の仕事は、ある意味で、児童生徒に対して、アウトプットすることが多いという性格をもっています。

もちろん、いまの時代では、教師は「教える」というよりは、子どもの学習を促進する役目が重視されます。

とはいえ、教師はやはり、アウトプットすることの多い仕事です。

そうなると、インプットをしっかりしておかないと、児童生徒は「からっぽ」の人から学ぶことになってしまいます。

その点で、いまよく言われている「リカレント教育」の対象には、学校の教師も含まれるのです。

また、「リスキリング」は、新しいことを学び、新しいスキルを身につけ、新しい業務に役立てることで、企業から社員への「投資」です。

学校の教師にも本人任せにするのではなく、人事を扱う教育行政もリスキリングの機会を設けるべきです。

常に学び続ける意欲と態度は、いまの教師にいちばん必要な資質です。

ただ、教師の多忙解消の目的で、働き方改革を推進する時代の中で、常に学び続ける時間をどう確保するかが課題になります。

のんべんだらりと時間を過ごすのではなく、いかに有効的に過ごすか、これは教師一人ひとりの工夫になります。



コンビニの曲がり角

2024年04月19日 06時06分00秒 | 教育・子育てあれこれ
コンビニは、アメリカで規模の小さい店が高い売り上げを上げている例をまねて、1974年に日本でセブンイレブンの1号店が東京豊洲で開店されたのが発祥とされています。

それから50年間で、コンビニは日本で独自の発展を遂げてきました。

当時、夕方になると閉店していた小売店がほとんどでしたが、コンビニは深夜まで開いていました。

しばらくして24時間営業が珍しくなくなったのでした。

遅くなっても、「開いていてよかった」と利用客は喜びました。

そもそもアメリカでのコンビニは、日用品で不足している品を買い足す役割を持った店でした。

しかし、日本では生活日常品を揃える店として発展してきたのでした。

かなり高齢と思われる地域の、ひとり暮らしをしていそうなおじいさんが食料品を買いにこられているを見かけることもあります。

現在まで、順調に店舗数も増え、売り上げも伸びてきました。

2023年には、過去最高売り上げを記録しました。

ところが、今後はどうなるかといえば、店舗数は飽和状態です。

もちろん地方に行けばまだコンビニが地域の近くにないとか、遠い場所にしかない場合もあります。


でも、昨今の働き手不足が影響し、年中無休、24時間営業では立ち行かなくなってきています。

消費者は利便性を享受してきましたが、今後は過重労働というオーナーをはじめとする店舗側の犠牲の上に成り立つビジネススタイルは限界を迎えるでしょう。

時代も変わり、コンビニは持続が可能な経営スタイルが求められています。










助けてほしいと言える関係をつむぐ

2024年04月18日 07時12分00秒 | 教育・子育てあれこれ
日本では一人住まいが増えていて、単身世帯はすべての世帯のおよそ4割を占めるようになりました。

「孤独を感じる」と調査に回答した人も、4割程度になり、回答者には単身世帯の人や経済的に困窮している人が多く含まれていました。


「親しい近所づきあいをしている」という割合は、1970年代中頃には50%を超えていましたが、今は16%ちょっとにまで減りました。

わたしの地域でも、わたしの親世代の頃の近所づきあいとわたし世代のそれとでは明らかに、希薄になってきています。

おそらく、コロナ禍は人間関係の希薄化を加速させたと考えられます。外出が減り、対面で話す機会も減りました。

孤独に感じる人が恒常化すると、孤立する危険が高まります。

そこで今、地縁的なつながり、血縁的なつながりにとってかわる居場所を整える必要があります。

家族がいないと、よく問題視されるのが見守ってくれる人がいない状態です。

同時に自分が見守る人もいないことも、自分の役割や貢献を実感できないという問題にも発展します。

ゆるやかにつながり、いざというときには他者の世話になる人間関係や居場所を、行政の行き届かない点をカバーする市民活動やNPO活動により、つくりだしていく動きも広がりつつあります。

孤独/孤立問題に周りの人びとの理解を深めていくことも大切になります。

日本社会はとかく「人には迷惑をかけない」「他者に頼るなんて。当人がしっかりしないと」という心理が強くはたらきます。

ですから、助けてほしいと言いにくく、黙っていて問題が深刻化しやすくなります。


欧米の「困ったら、人に頼る」という価値観と対照的です。

誰もが安心して暮らすことができる社会づくりは、いま喫緊の課題です。

自分の尺度をもつ

2024年04月17日 07時51分00秒 | 教育・子育てあれこれ
教育的見地からいうならば、これからの時代を生きる若い世代には、自分の尺度をもって生きてほしいです。

人生が100年時代だとすれば、学校卒業後の人生はとても長く続きます。

何がしあわせかは、周りではなく、自分が決めることです。

自分はどういうものかを知り、自分に向き合い、自分で考える。

それには、苦しさやつらさが付随するでしょう。

自分の弱さを知ることにもなります。

しかし、自覚した自分の弱さに裏打ちされた力こそが、自分の頼りになるのです。

多様な価値観に触れ、自分の尺度ができていきます。

そのように築いてきた尺度は、揺るがぬ自信となります。