箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

助けてほしいと言える関係をつむぐ

2024年04月18日 07時12分00秒 | 教育・子育てあれこれ
日本では一人住まいが増えていて、単身世帯はすべての世帯のおよそ4割を占めるようになりました。

「孤独を感じる」と調査に回答した人も、4割程度になり、回答者には単身世帯の人や経済的に困窮している人が多く含まれていました。


「親しい近所づきあいをしている」という割合は、1970年代中頃には50%を超えていましたが、今は16%ちょっとにまで減りました。

わたしの地域でも、わたしの親世代の頃の近所づきあいとわたし世代のそれとでは明らかに、希薄になってきています。

おそらく、コロナ禍は人間関係の希薄化を加速させたと考えられます。外出が減り、対面で話す機会も減りました。

孤独に感じる人が恒常化すると、孤立する危険が高まります。

そこで今、地縁的なつながり、血縁的なつながりにとってかわる居場所を整える必要があります。

家族がいないと、よく問題視されるのが見守ってくれる人がいない状態です。

同時に自分が見守る人もいないことも、自分の役割や貢献を実感できないという問題にも発展します。

ゆるやかにつながり、いざというときには他者の世話になる人間関係や居場所を、行政の行き届かない点をカバーする市民活動やNPO活動により、つくりだしていく動きも広がりつつあります。

孤独/孤立問題に周りの人びとの理解を深めていくことも大切になります。

日本社会はとかく「人には迷惑をかけない」「他者に頼るなんて。当人がしっかりしないと」という心理が強くはたらきます。

ですから、助けてほしいと言いにくく、黙っていて問題が深刻化しやすくなります。


欧米の「困ったら、人に頼る」という価値観と対照的です。

誰もが安心して暮らすことができる社会づくりは、いま喫緊の課題です。


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