ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

八ツ場ダム

2023-11-17 17:00:00 | 群馬県
2015年10月10日 八ツ場ダム
2016年10月09日
2023年 9月25日 
 
八ッ場ダムは左岸が群馬県吾妻郡長野原町川原畑、右岸が同町川原湯の一級河川利根川水系吾妻川にある国交省関東地方整備局が直轄管理する多目的重力式コンクリートダムです。
群馬北西部を横断し渋川市で利根川に合流する吾妻川は利根川の主要支流の一つですが、草津白根山をはじめとする火山活動の影響で水質は強酸性であり、吾妻川の治水は酸性水の中和事業がその前提となっていました。
1965年(昭和40年)の品木ダムおよび草津中和工場の完成により吾妻川の水質が改善したことから、1967年(昭和42年)に八ツ場ダム建設が採択されますが激しい反対運動により土地買収は長期化、1994年(平成6年)にようやく付帯工事が着手されました。
しかし民主党政権による事業中止決定などにより事業は翻弄され、2015年(平成27年)1月にようやく本体工事が着手、2019年(令和元年)に事業採択から50年以上を経過し八ッ場ダムが竣工しました。
同年試験湛水時に令和元年台風19号(東日本台風)が襲来、おりしも貯水池が空っぽだったことで吾妻川下流域での洪水被害低減に大きく貢献したのは記憶に新しいところです。
八ッ場ダムは国交省関東地方整備局が直轄管理する特定多目的ダムで、吾妻川の洪水調節(最大毎秒2800立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持、1都4県1市および2企業団への上水供給、2県への工水供給、群馬県企業局八ッ場発電所でのダム式発電(最大出力1万1700キロワット)を目的としています。

八ッ場ダム建設事業は我が国屈指の長期化事業となり、また政治に大きく翻弄された一方、本体工事着手後は見学会等積極的な広報活動が功を奏し土木ブーム・インフラブームの先鞭となりました。
ダム完成後はダムサイトの『なるほど!やんば情報館』や湖畔の道の駅を中心に関東のダム屈指の集客力を誇るとともに周辺観光の拠点として地域振興に大きく貢献しています。

八ッ場ダムには本体建設工事期間中に二度、さらにダム運用開始後の2023年(令和5年)9月に3度目の訪問をしました。
当ブログではまず完成後のダムを紹介したのち、終盤で建設工事中の写真を掲載します。
 
左岸ダムサイトの駐車場に車を止めたのち、エレベーターでダム下に下ります。
ダム下も下流園地として整備され、様々なアングルでダムを見上げることができます。
堤高116メートル、堤頂長290.8メートルの立派な躯体。

 
放流設備は非常用洪水吐としてクレストラジアルゲート4門
水位維持用オリフィスとして高圧ラジアルゲート1門、常用オリフィスとして高圧ラジアルゲート2門
さらに利水放流設備としてホロージェットバブルおよびジェットフローゲートを1門ずつ装備。
洪水吐直下には赤い管理橋(八ッ場もみじ橋)が架かっています。


洪水吐導流部とエレベーター出入口。
エレベーターは9時30分~16時30分に開放。


八ッ場もみじ橋から
クレストラジアルゲート4門と水位維持用オリフィス1門、常用オリフィス2門を見上げます。


ラジアルゲートをズームアップ。


洪水吐減勢工
八ッ場もみじ橋の下に利水放流設備があります。


右がホロージェットバルブ、左がジェットフローゲート。


ちょうど発電所の見学会があったので参加しました。
こちらが発電機で最大11700キロワットの発電を行います。
見学会はプロジェクションマッピングを駆使した斬新なものですが、担当者との質疑応答もなくダム慣れた人には正直物足りない。

エレベーターでダムサイトに上がり左岸上流側にある『やんば見放台』へ。
左手が情報館である『なるほど!やんば資料館』を併設した管理棟。
訪問時はまだ洪水期のため、貯水位はEL555.2メートルの洪水期貯留準備水位。
八ッ場ダムの洪水期は7月~10月5日まで。
それ以外の非洪水期は有効貯水容量すべてが利水容量となります。


左岸から下流面
高い襟が特徴。


ステンレス製の銘板。


総貯水容量1億750万立米のやんば吾妻湖。
正面は八ッ場大橋。
その袂に水陸両用バスが見えます。


直轄ダムらしく天端は2車線幅ありますが、開放は徒歩のみ。
左はエレベーター棟、右は取水設備機械室。
無駄使いは許されない時勢を受けてか?高欄や手すりの意匠は簡素。

 
ゲート越しに減勢工を見下ろす
あまり見ない黄緑のゲートが新鮮
一方、八ッ場もみじ橋の赤がよく映えます。


アングルを変えて
左岸広場中央の建屋の下に発電所があります。
左上の青い屋根は旧吾妻線を利用した自転車型トロッコの八ッ場駅。


右岸上流から
個人的にはこのアングルからの絵が一番好きかな?
管理棟の左手は巡視艇繋留設備。


ズームアップ
水位は洪水期貯留準備水位。つまり洪水期の満水。
オリフィスの予備ゲートが見れるのはこの時期ならでは。

上流の八ッ場大橋から遠望。


ここからは建設工事中の写真です。
やんば見方台から
9枚目写真と同じ位置になります。
掘削のため発破が行われています。
(2015年10月10日)


発破作業直後。
(2015年10月10日)


これは八ッ場大橋からの眺め
ブルーシートのあたりにかつての吾妻線川原湯温泉の駅がありました。
(2015年10月10日)。


初訪から1年後に再訪。
山留めが完了、いよいよ本体の打設がスタートします。
(2016年10月9日)


本体頭上にはケーブルクレーンが架かり、吾妻線鉄橋跡にはベルトコンベアが設置されています。
(2016年10月9日)


(追記)
八ッ場ダムには洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0624 八ツ場ダム(0010)
左岸 群馬県吾妻郡長野原町川原畑
右岸         同町川原湯
利根川水系吾妻川
FNWIP
116メートル
290.8メートル
107500㎥/90000㎥
国交省関東地方整備局
2019年
◎治水協定が締結されたダム

神水ダム

2019-04-22 08:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 神水ダム
2018年11月23日
2019年 4月13日
 
神水ダムは左岸が群馬県藤岡市鬼石町、右岸が埼玉県児玉郡神川町の利根川水系神流川中流部にある群馬県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
群馬県企業局は水資源開発公団(現水資源機構)による下久保ダムに発電業者として事業参加し、ダム式発電所である下久保発電所を建設しました。
神水ダムは同発電所の放流水による水位変動を緩和するために下久保ダム下流3キロ地点に建設された逆調整池で、下久保ダムと同じく1968年(昭和43年)に竣工しました。
さらに2002年(平成14年)には、利水従属発電の鬼石発電所が建設され最大出力790キロワットのダム式発電を行っています。
 
本庄児玉インターから国道462号線を西進、神流川を渡り群馬県に入り藤岡市内の旧鬼石町中心部を抜けると神水ダムに到着します。
国土地理院地形図にはダム名はなく、単に『逆調整池』と記載されています。
ダム左岸から
(2018年11月23日)
 
越流面直下に副ダムがありその下流側に洗堀防止のブロックが敷かれています。
堤高は20.5メートルですが基礎地盤が深いせいか見たところは15メートルあるようには見えません。
また川が県境になっており、対岸は埼玉県です。(2018年11月23日)
 
上流面
一番左岸寄りのゲートだけ上がっています。
 
天端は自動車通行可能、といっても軽でぎりぎり・・・
(2018年11月23日)
 
ダムの下流の眺め。
 
鬼石発電所
河川維持放流を利用して発電を行っています
建屋は波打つ水をモチーフにしたデザイン。
 
貯水池(2018年11月23日)
 
鬼石発電所の取水口。
 
右岸に艇庫とインクラインがあります。
こちらは埼玉県
(2018年11月23日)
 
右岸から見た天端
今は下流に神流川を渡る立派な橋がありますが、それができる前は県境をまたぐ重要な生活道路だったようです。
 
国道462号から上流面
洪水吐ゲート4門に排砂ゲート1門
(2019年4月13日)
 
(追記)
神水ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0614 神水ダム(0099)
左岸 群馬県藤岡市鬼石
右岸 埼玉県児玉郡神川町上阿久原
利根川水系神流川
20.5メートル
130.5メートル
502千㎥/200千㎥
群馬県企業局
1968年
◎治水協定が締結されたダム

下久保ダム

2019-04-21 08:00:00 | 群馬県
2015年12月05日 下久保ダム
2016年 2月13日
2016年 6月26日
2018年11月23日
2019年 4月13日
 
1947年(昭和22年)のカスリーン台風により利根川流域各所では未曾有の洪水被害が発生、これを受け経済安定本部により『利根川改訂改修計画』が策定され、建設省(現国交省)により利根川水系9カ所に多目的ダムを建設し利根川の総合的な治水が企図されました。
群馬県西部においては利根川の主要支流であり群馬県西部地域大半を流域とする烏川水系へのダム建設が計画され、烏川右支流の神流川中流部下久保地点へのダム建設が決定しました。
1959年(昭和34年)より建設省により下久保ダム建設が着手されますが、『利根川水系水資源総合開発計画(フルプラン)』採択により、事業は建設省から新たに組織された水資源開発公団(現水資源機構)に移管され1968年(昭和43年)に竣工したのが下久保ダムです。
下久保ダムは水資源開発公団法(現水資源機構法)によって建設された多目的ダムで神流川および烏川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、東京都および埼玉県への上水道用水と工業用水の供給、群馬県企業局下久保発電所でのダム式発電を目的としています。
2001年(平成13年)には下久保第二発電所が建設され、河川維持放流を利用して最大290キロワットの小水力発電を行ています。
下久保ダムは右岸岩盤の透水性が高く、その遮水処理のために堤体が『L字』に折れ曲がっており、ほぼ直角に曲がった特異な形状から『カド』の愛称で親しまれています。
 
鬼石から国道462号を西に向かうと左手に下久保ダムの堤体が見えてきます。
こちらは主堤となり、クレストにラジアルゲート2門、オリフィスゲート2門、コンジットゲート2門が見えます。
(2016年2月13日)
 
管理所裏手の展望台から。
 
右岸の副堤も上流側に『へ』の字に屈曲しています。
(2018年11月23日)
 
標高500メートルの城峯公園からはより高い位置から俯瞰できます。
(2018年11月23日)
 
左岸主堤上流面。
 
天端は車道
巨大な取水設備操作室が天端を跨いでいます。
 
減勢工は右手に大きく湾曲。
(2016年2月13日)
 
『カド』にある竣工記念碑、建設当時の水資源開発公団となっています。
(2016年2月13日)
 
『カド』の標石
(2016年2月13日)
 
『カド』を真上から見下ろします。
(2016年2月13日)
 
右岸から上流面
(2016年2月13日)
 
ゲートをズームアップ
ラジアルゲートの間にオリフィスの予備ゲートが並びます。
右手は選択取水設備。
 
2016年6月26日放流設備点検イベント
 
6月26日に実施された下久保ダム放流設備点検イベントに参加してきました。
イベントの具体的な内容については別項にて詳細を記載しています。
今回は通常の訪問では見ることができない場所からの写真を中心に掲載したいと思います。
 
右岸から
 
分画部、つまりカドの内部。
 
堤体直下。
クレスト、オリフィスのほかにコンジットゲートも装備。
 
副ダム。
 
下久保発電所。
 
水車ランナー。
 
クレストゲートが全開しました。
 
 
普段はそばでは見れない減勢工
形状の異なるバッフルピアが2列に並びます。
右手は河川維持放流を利用した下久保第二発電所。
 
オリフィスゲートが開き始めると溜まっていた雨水が流れ落ちました。
 
すべてのゲートがオープン。
 
展望台から
 
2016年のイベントでは渇水のため水位が低くクレスト放流はありませんでした。そのせいか参加者は昨年の半分程度だった様ですが、カドの内部を見られる堤体B1トレッキングなど楽しいイベントも多く、充実した1日となりました。
 
(追記)
下久保ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0615 下久保ダム(0095)
左岸 群馬県藤岡市保美濃山
右岸 埼玉県児玉郡神川町矢納
利根川水系神流川
FNWIP
129メートル
605メートル
130000千㎥/120000千㎥
水資源機構
1968年
◎治水協定が締結されたダム


道平川ダム

2018-12-08 14:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 道平川ダム
2018年11月25日
 
道平川ダムは群馬県甘楽郡下仁田町の利根川水系鏑川右支流道平川にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、鏑川の洪水調節・安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給・流域2市2町への上水道用水の供給を目的として1992年(平成4年)に竣工しました。
鏑川本流にダム建設適地がなかったため鏑川右支流道平川でのダム建設が決定しました。しかし同ダムだけでは鏑川本流の洪水対策としては不十分であり、かつ道平川単独での集水能力ではダム湖の貯留を賄えないため、併せて鏑川源流部の三カ所に洪水調節能力を持つ屋敷川取水ダム市野萱川取水ダム相沢川取水ダムを建設しここから導水トンネルで道平川ダムへ貯留することになりました。
またダム建設にあたってはRCD工法が採用され、関東地区では同工法によって建設された最初のダムとなっています。
 
国道254号線に道平川ダムを示す標識がありこれに従って左折するとダム右岸に到着します。
道平川ダムと3基の取水ダムの位置関係。
 
クレストには12門の自由越流式洪水吐が並び、左右両岸には堤趾導流壁。
また対岸(左岸)に管理事務所があります。
(2018年11月25日)
 
右岸から上流面
対岸には艇庫とインクライン。
(2018年11月25日)
 
左岸上流側にある3基の取水ダムからの導流路吐口。
(2018年11月25日)
 
天端は歩行者のみ通行可。
 
減勢工
左岸には河川維持用の放流設備が、右岸には群馬県を象った植栽があります。
(2018年11月25日)
 
荒船湖と命名された貯水池、両岸には西上州特有の奇峰岩峰が並びます。
総貯水容量は510万立米。
(2018年11月25日)
 
左岸に艇庫とインクラインがあり、艇庫の屋上が展望台になっています。
(2018年11月25日)
 
艇庫屋上の展望台からの眺め
(2018年11月25日)
 
左岸上流から(2018年11月25日)
 
左は取水設備、
2門あるオリフィスゲートは高さが異なっており、左手が非洪水期、右手が洪水期のゲートとなります。
(2018年11月25日)
 
(追記)
道平川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0625 道平川ダム(0105)
群馬県甘楽郡下仁田町南野牧
利根川水系道平川
FNW
70メートル
300メートル
5100千㎥/4900千㎥
群馬県県土整備部
1992年
◎治水協定が締結されたダム

相沢川取水ダム

2018-12-07 13:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 相沢川取水ダム
2018年11月25日
 
相沢川取水ダムは群馬県甘楽郡下仁田町の利根川水系鏑川右支流相沢川にある群馬県が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
群馬県は県西部の甘楽富岡地区を横断する利根川水系鏑川の治水・利水対策の一環として、同水系への多目的ダム建設を企図しますが、鏑川本流にダム建設適地がなかったため鏑川右支流の道平川にダム建設を決定しました。しかし、同ダムだけでは鏑川本流の洪水対策としては不十分であり、また道平川単独での集水能力ではダム湖の貯留を賄えないため、同時に鏑川源流部の三カ所に洪水調節能力を持つ取水ダムを建設し、導水トンネルで道平川ダムへ送水し貯留することとしました。
市野萱川取水ダムは3箇所の取水ダムの一つで、鏑川の支流である相沢川に道平川ダムと同じく1992年(平成4年)に建設されました。
 
下仁田町中心部から国道254号線を西進、道平川ダムへの標識をやり過ごし次の二股を左に採り旧道を進み、相沢川沿いに進むと相沢川取水ダムに到着します。
写真の緑マルが相沢川取水ダムです。
 
右岸から
(2018年11月25日)
 
右岸より下流から
向かって右手(左岸か)から自由越流式洪水吐が2門、常用洪水吐、
左手(右岸)は道平川ダムへの導水路向け水路
(2018年11月25日)。
 
道平川ダムへの導水路向け水路
(2018年11月25日)。 
 
屋敷川取水ダムの銘板
(2018年11月25日)。
 
左岸から
左岸に非常用洪水吐が2門、その先に常用洪水吐が並びます。
屋敷川取水ダム市野萱川取水ダムとは構造が異なります。
(2018年11月25日)
 
天端から
右手は道平川への導水路向け水路
左手は非常用及び常用洪水吐からの導流路
(2018年11月25日)。
 
道平川への導水路向け水路(2018年11月25日)。
 
非常用及び常用洪水吐からからの導流路
河川維持放流もこの流路が使われています。(2018年11月25日)
 
ダムの上流
ダム湖はなく水量の少ないこの時期は堆砂した砂の下で伏流になっています。
(2018年11月25日)。
 
上流から
向かって右手から道平川への導水路向け取水ゲート、常用洪水吐、自由越流式非常用洪水吐2門と言う並び。
(2018年11月25日)。
 
3222 相沢川取水ダム(0104)
群馬県甘楽郡下仁田町南野牧
利根川水系相沢川
FNW
16.5メートル
64.5メートル
群馬県県土整備部
1992年

市野萱川取水ダム

2018-12-06 01:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 市野萱川取水ダム
2018年11月25日
 
市野萱川取水ダムは群馬県甘楽郡下仁田町の利根川水系鏑川源流部の市野萱川にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
群馬県は県西部の甘楽富岡地区を横断する利根川水系鏑川の治水・利水対策の一環として、同水系への多目的ダム建設を企図しますが、鏑川本流にダム建設適地がなかったため鏑川右支流の道平川にダム建設を決定しました。しかし、同ダムだけでは鏑川本流の洪水対策としては不十分であり、また道平川単独での集水能力ではダム湖の貯留を賄えないため、同時に鏑川源流部の三カ所に洪水調節能力を持つ取水ダムを建設し、導水トンネルで道平川ダムへ送水し貯留することとしました。
市野萱川取水ダムは3箇所の取水ダムの一つで、鏑川の支流である市野萱川に道平川ダムと同じく1992年(平成4年)に建設されました。
 
下仁田町中心部から国道254号線を西進、道平川の標識をやり過ごし荒船風穴標識に従って左手の旧道に入ります。
次の二股を左に採るとすぐに車両通行止めのバリケードが現れます。ここから100メートルほど歩くと市野萱川取水ダムに到着します。
写真の青マルが市野萱川取水ダム。
 
左岸から
左岸(向かって右手)に自由越流式の非常用洪水吐、その先に常用洪水吐、一番右岸寄り(向かって左手)に取水口から道平川ダムへの導水路へと続く水路が並びます。
写真では分かりませんが、常用洪水吐には屋敷川取水ダム同様チロル式の取水口があります。
(2018年11月25日)
 
市野萱川取水ダムの銘板
(2018年11月25日)
 
天端
(2018年11月25日)
 
左は非常用及び常用洪水吐の減勢工
右手は上流面の取水口および常用洪水吐のチロル式取水口から道平川ダムへの導水路にへの水路
構造は屋敷川ダムとほとんど同じです。
(2018年11月25日)
 
奥の水路橋が道平川ダムへの導水路
左手に屋敷川取水ダム、右手に道平川ダムがあります。
取水口から取水された水は河川維持用水が戻され残りが道平川ダムへと送られます。
 
ダム湖はなく砂が堆積しています
水量が少ないせいか伏流となっているようです、
(2018年11月25日)
 
ダム上流面の取水口
(2018年11月25日)
 
 
上流面
(2018年11月25日)
 
下流面
(2018年11月25日)
 
3221 市野萱川取水ダム(0103)
群馬県甘楽郡下仁田町南野牧
利根川水系市野萱川
FNW
25メートル
91メートル
群馬県県土整備部
1992年

屋敷川取水ダム

2018-12-05 11:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 屋敷川取水ダム
2018年11月25日
 
屋敷川取水ダムは群馬県甘楽郡下仁田町の利根川水系鏑川源流部の屋敷川にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
群馬県は県西部の甘楽富岡地区を横断する利根川水系鏑川の治水・利水対策の一環として、同水系への多目的ダム建設を企図しますが、鏑川本流にダム建設適地がなかったため鏑川右支流道平川にダム建設を決定しました。しかし、同ダムだけでは鏑川本流の洪水対策としては不十分であり、また道平川単独での集水能力ではダム湖の貯留を賄えないため、同時に鏑川源流部の三カ所に洪水調節能力を持つ取水ダムを建設し、導水トンネルで道平川ダムへ送水し貯留することとしました。
屋敷川取水ダムは3箇所の取水ダムの一つで、鏑川本流の源流である屋敷川に道平川ダムと同じく1992年(平成4年)に建設されました。
屋敷川取水ダムは3基の中でもっとも北に位置し、道平川ダムへの導水路の起点となっています。
 
下仁田町中心部から国道254号線を西進、道平川の標識をやり過ごし荒船風穴標識に従って左手の旧道に入ります。
次の二股を右に採り、国道下を潜ると屋敷川取水ダムに到着します。
写真の赤マルが屋敷川取水ダム。
 
左岸から
(2018年11月25日)
 
屋敷川取水ダムの銘板
(2018年11月25日)
 
天端、ダム入口から車両進入禁止となっています。
(2018年11月25日)
 
左は2門の洪水吐の減勢工で3列のバッフルピアの先にスリットの入ったエンドシルが並びます。
右の細い水路は道平川への導水路向けの水路。
(2018年11月25日)
 
ダムの上流
ダム湖はなく水量の少ないこの時期は堆砂した砂の下で伏流になっています。
すぐ上流には砂防ダムがあります。
(2018年11月25日)
 
ダム上流面
左手が自由越流式の非常用洪水吐
中央が常用洪水吐でチロル式で道平川ダム向けの集水をしています。
右手のゲージも道平川ダム向けの取水口。
(2018年11月25日)
 
下流面
向かって右手(左岸)から自由越流式非常用洪水吐、中央は常用洪水吐、左手(右岸)は道平川ダムへの導水路向け水路
(2018年11月25日)
 
上流面取水口と常用洪水吐でチロル方式で取水されたはこの細い水路から道平川ダムへの導水路へと送られます。
写真には写っていませんが、すぐ手前にゲートがあり、河川維持放流分が下流へと流されます。
(2018年11月25日)
 
常用洪水吐は越流面がチロル式取水口になっており、水の大半は道平川へと送られます。
(2018年11月25日)
 
常用洪水吐をズームアップ
越流面がスノコ状になっておりチロル方式で取水されています。
(2018年11月25日)
 
3222 屋敷川取水ダム(0102)
群馬県甘楽郡下仁田町南野牧
利根川水系屋敷川
FNW
16メートル
49.5メートル
群馬県県土整備部
1992年

坂本ダム(再)

2018-12-04 15:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 坂本ダム(再)
2018年11月25日
 
坂本ダム(再)は群馬県安中市松井田町の利根川水系碓氷川にある群馬県県土整備部が管理する不特定利水目的の重力式コンクリートダムです。
もともとは建設省所管の砂防ダムとして1958年(昭和33年)に竣工し、1981年(昭和56年)に河川管理施設として群馬県に移管されました。
その後碓氷川を水源としていた碓氷上水道企業団などの水利権者から河川流量の安定化を求める要望が強まり、群馬県は坂本ダム再開発事業に着手、1994年(平成6年)に同事業が竣工しました。
坂本ダム(再)は碓氷川の安定した河川流量の維持および既得取水権としての上水道用水・灌漑用水への安定した補給を目的としています。
不特定利水単独目的の県営ダムは珍しく、全国でもここと島根県の笹倉ダム(再)くらいしか思い浮かびません。
 
ダム建設当時から環境に配慮した『シビックデザインダム』に指定され、天端は近接する旧信越線鉄道施設をモチーフにしたデザインとなっているほか、堤体や副ダムは化粧型枠を使った石張風となっています。
またダム再開発に合わせてダム湖である妙義湖の環境整備も進められ、駐車場、トイレおよび湖畔を巡る一周1.2キロの遊歩道が整備され、今では安中市の観光名所の一つとなっています。
 
安中市横川から国道18号旧道に入り、霧積温泉へ向かう県道56号を分けるとすぐに左手に碓氷湖の標識が現れます。
これに従って左折すると碓氷湖畔に到着です。
まずはダム下に下りてみます。
クレストに自由越流式洪水吐が3門あり、転波越流しています。
 
クレストをズームアップ
旧信越線のトラス橋をモチーフにしたデザイン。
(2018年11月25日)
 
左岸から下流面
(2018年11月25日)
 
上流面
手前に斜樋があり河川維持放流用水を取水しています。
(2018年11月25日)
 
管理事務所はロッジ風
これもシビックデザインの一環。
 
減勢工と副ダム
側壁や副ダムは化粧型枠による石積み風
左手に放流ゲートがあり河川維持放流が行われています。
(2018年11月25日)
 
ダム湖(碓氷湖)は総貯水容量77万8000立米。
湖畔を一周する遊歩道が整備され、上流にはめがね橋をモチーフにした橋が架けられています。
(2018年11月25日)
 
右岸から
(2018年11月25日)
 
堤体も化粧型枠を使った石積風です。
こうやって見ると鉄道の鉄橋と見紛うようです。
 
ダム湖上流から遠望
(2018年11月25日)
 
せっかく来たので本物のめがね橋も見学。
 
 
追記
坂本ダム(再)には洪水調節容量が配分されていませんが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3074 坂本ダム(再)(0106)
群馬県安中市松井田町坂本
利根川水系碓氷川
36.3メートル
85メートル
778千㎥/500千㎥
群馬県県土整備部
1994年
◎治水協定が締結されたダム


中木ダム

2018-12-04 01:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 中木ダム
2018年11月25日
 
中木ダムは群馬県安中市松井田町の利根川水系碓氷川右支流中木川にある安中市上下水道部が管理する上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
もともとは碓氷川流域農地への灌漑用水供給と砂防を目的とした群馬県営ダムとして1959年(昭和34年)に竣工しました。
しかしその後の減反政策や碓氷川左支流霧積川に防災目的の霧積ダムが完成したことなどからダムの存在意義が薄れる一方、安定した上水道水源の確保を模索していた碓氷上水道企業団の利害が一致、1979年(昭和54年)に中木ダムは同企業団に譲渡され、上水道目的のダムに転用されました。
現在は安中市・松井田町の合併により安中市上下水道部が管理運用を行っています。
 
安中市街から国道18号を西進、上信越道を潜り県道51号と合流する五料交差点の先を左折して市道を進むと中木ダムのダム下に到着します。
堤高は41メートル、クレストにローラーゲートが3門装備。
(2018年11月25日)
 
減勢工
左手は河川維持放流、明らかに後付け設備です。
堤体右隅は漏水でしょうか?
 
ダム直下に下りてみました。
(2018年11月25日)
 
ダムの背後には裏妙義の岩峰が聳えます。
(2018年11月25日)
 
下流面(2018年11月25日)
 
天端は立ち入り禁止(2018年11月25日)
 
昭和30年代竣工のダムらしく取水設備は円形。
 
ダム湖は妙義湖で総貯水容量160万立米。
妙義山の岩峰に囲まれています
(2018年11月25日)
 
上流面。
 
さらに上流から
(2018年11月25日)
 
県営ダムが、自治体の上水用ダムに転用された珍しいダムです。
 
(追記)
中木ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0617 中木ダム(0108)
群馬県安中市松井田町五料
利根川水系中木川
41メートル
148.1メートル
1600千㎥/1350千㎥
安中市上下水道部
1959年
◎治水協定が締結されたダム

鹿沢ダム

2018-12-03 12:41:49 | 群馬県
2018年11月24日 鹿沢ダム
 
鹿沢ダムは群馬県吾妻郡嬬恋村の利根川水系吾妻川上流部にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的のアースフィルダムです。
水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
鹿沢ダムもそんなダムの一つで1927年(昭和6年)に吾妻水力電気(株)により田代発電所(現鹿沢発電所)の調整池として建設されました。
1939年(昭和14年)の電力統制令により日本発送電に接収されたのち、1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東京電力が事業継承しました。
大沢川・吾妻川・大横川で取水された水が鹿沢ダムに貯留され、1キロ超の導水路で東京電力鹿沢発電所に送られ最大5600キロワットの水路式水力発電を行っています。
日本では数少ないコンクリートコア型式のアースフィルダムで、戦前の貴重な土木建築物であることからCランクの近代土木遺産に選定されています。 
 
嬬恋村田代の国道144号線に田代湖の標識があります。
これに従って北に折れると鹿沢ダムに到着します。現地では田代湖の名称が一般的です。
 
堤頂長981.1メートルの長大なアースフィルダムですが、全面にフェンスが設けられちゃんとした展望ポイントはありません。
 
 
堤体は犬走りを挟んで2段構成。
 
右岸湖岸にある嬬恋かるたの標識
かるた王国群馬ならでは。
 
右岸から
堤体は緩やかにL字状に湾曲しています。
 
貯水池
総貯水容量は536万4000立米。
 
右岸にある大沢川・吾妻川・大横川からの流入口。
 
左岸の鹿沢発電所への取水口。
 
右岸にある小さな洪水吐
湖沼をダム化した調整池で実質河道外貯留のため溢流することはほとんどないと思われます。
 
浅間連峰が一望できる絶好のロケーションで本来ならば高原の湖という風情を満喫できるのでしょうが、悲しいかな貯水池全体がフェンスに囲まれて立ち入ることができません。
発電施設に加えて過去に水死事故があった影響もあるんでしょうがちょっともったいない気もします。

0590 鹿沢ダム (1427)
群馬県吾妻郡嬬恋村田代
利根川水系吾妻川
18.2メートル
981.8メートル
5634千㎥/5536千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1927年
 


大津ダム

2018-12-03 11:04:20 | 群馬県
2016年10月 9日 大津ダム
2018年11月24日
 
大津ダムは群馬県吾妻郡長野原町の利根川水系吾妻川にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
豪雪地帯を水源とし水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
大津ダムもそんなダムの一つで1931年(昭和6年)に建設され(事業者不明)、電力統制令により日本発送電により接収されたのち戦後の電力分割民営化で東京電力が事業継承しました。
大津ダムではダム左岸にある大津発電所で有効落差14.55メートルを利用して最大2000キロワットのダム式発電を行っています。
大津ダムは日本では数少ないローリングゲートを2門備え、石貼りの越流面も含めて竣工当時の姿をそのまま残しているといわれています。
なお2020年(令和2年)の東京電力ホールディングスの組織改編により大津ダム及び関連発電施設はすべて同社の100%子会社である東京電力リニューアブルパワー(株)に移管されました。。
 
JR長野原草津口駅から国道145号線旧道を西進、群馬大津駅手前で左の枝道に入り駅の先で左折して踏切を渡りると大津ダムの変電所が見えてきます。そのまま川の方へ下ると大津ダムが目の前に現れます。
2門のローリングゲート、右岸は自由越流式の余水吐となっています。
 
2度目の訪問では越流はなく、石張りの越流面を愛でることができました。
(2018年11月24日)
 
左側(向かって右)のゲートが開かれ激しく放流されています。
右側のゲート(向かって左)は閉まっていますが、ゲートの上を越流しています。
激しい放流と繊細な越流の対比が素晴らしい。
 
 
ほぼ同じアングルで(2018年11月24日)
 
 
右岸(向かって右)は自由越流式になっており、美しい糸を引いています。
 
(2018年11月24日)
 
ローリングゲートと越流面をズームアップ(2018年11月24日)
 
ローリングゲートをさらにズームアップ(2018年11月24日)
 
水使用標識。
 
 
岐阜県の上麻生堰堤ともどもローリングゲートを擁するオールドダムの双璧と言えるでしょう。
 
(追記)
大津ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0593 大津ダム(0633)
群馬県群馬県吾妻郡長野原町大津
利根川水系吾妻川
19.6メートル
73.9メートル
108千㎥/78千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1931年
◎治水協定が締結されたダム

鍛冶屋沢ダム

2018-12-03 09:53:44 | 群馬県
2018年11月24日 鍛冶屋沢ダム
 
鍛冶屋沢ダムは群馬県吾妻郡東吾妻町の利根川水系吾妻川左支流鍛冶屋沢川にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
鍛冶屋沢ダムもそんなダムの一つで1929年(昭和4年)に松谷発電所の調整池として建設されました。(事業者不明)。
1939年(昭和14年)の電力統制令により日本発送電に接収されたのち、1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東京電力が事業継承しました。
川中発電所の放流水及び白砂川・吾妻川で取水された水が鍛冶屋沢ダムに貯留され、導水路で松谷発電所に送られ最大2万4500キロワットの水路式発電を行っています。
 
中之条から国道145号線を西進し、松谷交差点で左手の旧道に進みます。
松谷発電所を過ぎると右手の枝道に入り北に進むとすぐに国道145号バイパストンネル下で行き止まりとなります。
ここから川沿いに10分ほど歩くと鍛冶屋沢ダムに到着します。
トンネルからの水路は洪水吐斜水路です。
 
ダム下から
左岸に洪水吐越流部があります。
 
除塵機で集められた落ち葉が積もっています。
 
左岸の洪水吐と洪水吐導流部
ここから一番上の写真のトンネル吐口へと向かいます。
 
天端は立ち入り禁止。
 
上流面。
 
堤体本体のほかに、左岸側面にも洪水吐があります。
 
松谷発電所への取水口。
 
主として白砂川からの水が貯留され、硫黄成分の影響で貯水池はエメラルドグリーンになっています。
 
白砂川からの導水路吐口
水がエメラルドグリーンです。
 
人気の八ツ場ダムからわずか2キロ下流にある鍛冶屋沢ダムですが、八ツ場の喧騒とは裏腹に人気はなく貯水池に流れ込む水の音だけが絶えることなくが響いていました。
 
(追記)
鍛冶屋沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0592 鍛冶屋沢ダム(1426)
群馬県吾妻郡東吾妻町松谷
利根川水系鍛冶屋沢川
39.2メートル
90.9メートル
257千㎥/188千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1929年
◎治水協定が締結されたダム

赤三調整池

2018-12-03 08:04:01 | 群馬県
2018年11月24日 赤三調整池
 
赤三調整池は群馬県利根郡みなかみ町の利根川水系赤谷川にある東京発電(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
東京発電は1928年(昭和3年)設立の姫川水力を起源とする東京電力の100%出資子会社で、主として中小水力発電やクリーンエネルギーを手掛け中小水力発電においては日本のトップ企業です。
利根川支流の赤谷川では豊富な水量に着目して昭和30年代から電源開発が進められ、源流部では東京発電が、下流では群馬県企業局が発電事業を手がけました。
赤三調整池は赤谷川第三発電所の取水ダムとして1961年(昭和36年)に竣工し、ここで取水された水は約1.7キロの導水路で同発電所に送られ最大2400キロワットの水路式発電を行っています。
 
猿ヶ京温泉から県道270号を北上し川古温泉の標識に従って左折、赤谷川に出るとさらに左折すると赤三調整池に到着します。
ダム下は木々が茂り撮影はこれが精いっぱい。
釣り師がつけたと思われる河原へ下りる赤テープがありましたが、今回は腰痛で下りれる自信がなかったので自重しました。
 
 
天端は立ち入り禁止
立ち入り禁止の警告板の多いこと。
 
上流面
放流設備はローラーゲートが2門。さらに奥に土砂吐があるようです。
 
赤谷川第三発電所への取水口。
 
ダムが国交省と群馬県の河川管理境界になっています。
 
ダムの近くには某アニメでも登場した千葉市民高原千葉村があります。
来年からみなかみ町に移管されるため高原千葉村としての営業は年内いっぱいだそうです。
 
 
3584 赤三調整池(1425)
群馬県利根郡みなかみ町相俣
利根川水系赤谷川
17.1メートル
27.2メートル
26千㎥/24千㎥
東京発電(株)
1961年

大仁田ダム

2018-11-30 12:00:00 | 群馬県
2015年12月09日 大仁田ダム
2018年11月23日
 
大仁田ダムは群馬県甘楽郡南牧村の利根川水系大仁田川源流部にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、大仁田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、南牧村への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
 
下仁田から南牧川沿いに県道45号を南西に進み南牧村役場手前を左折、大仁田川沿いの村道を進むとダムに到着します。
堤体直下は三ツ岩岳の登山口になっており、公衆トイレと駐車スペースがあります。
(2018年11月23日)
 
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐を4門、常用洪水吐としてオリフィスに自由調節式洪水吐を1門装備
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
右岸から下流面(2018年11月23日)。
 
上流面
対岸には三ツ岩岳の岩峰が聳えます。
(2018年11月23日)
 
天端は車両通行可能
三角屋根はエレベーター棟。
 
減勢工
左手に利水放流設備があります。
(2018年11月23日)
 
ダム湖(大仁田湖)は総貯水容量43万7000立米と溜池サイズ。
管理人さん曰く『日本で一番小さなダム湖』。
(2018年11月23日)
 
大仁田湖の石碑(2018年11月23日)
 
上流面。(2018年11月23日)
 
ダム湖上流から
左手に艇庫があります。(2018年11月23日)
 
ダム北側の三ツ岩岳は『ひとつばな(アカヤシオ)』の自生地として知られ、花に時期には多くの登山者が訪れます。
 
(追記)
大仁田ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3073 大仁田ダム(0101)
群馬県甘楽郡南牧村大字大仁田
利根川水系大仁田川
FNW
54.4メートル
163メートル
427千㎥/283千㎥
群馬県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

上野ダム

2018-11-30 10:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 上野ダム
2018年11月23日
 
上野ダムは群馬県多野郡上野村の利根川水系神流川源流部にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
首都圏への人口集中や東京湾臨海部への工場集積を受け電力需要のピークが急上昇を続けていた東京電力も1980年代より積極的に純揚水発電所建設を進め、同社9番目の揚水式発電所として2005年(平成17年)に神流川発電所が建設されました。
上野ダムは同発電所の下部調整池として同年竣工し、上部調整池である南相木ダムとの有効落差653メートルを利用して現在最大94万キロワットの揚水式発電を行っています。
発電所の設計最大出力は揚水式発電所としては世界最大の282万キロワットで、当初は2020年(令和2年)以降順次発電機を増強する予定でしたが、福島原発事故を受けた東京電力管内の原子力発電所がすべて停止中のためのこの計画は先送りされています。
上部ダムの南相木ダムは日本海に注ぐ信濃川水系、下部ダムの上野ダムは太平洋に注ぐ利根川水系となっており、上部ダムと下部ダムで県境および水系を超える揚水式発電となっています。
また下流の水質変化を抑える等のバイパス水路を利用した虎王発電所が2011年(平成23年)より稼働をはじめ、最大270キロワットの小水力発電を行っています。
 
上野村中心街から国道299号~県道124号を西進、『しおじの湯』手前で上野ダムの標識に従って左に折れ、そのまま進むと上野ダムの右岸ダムサイトに到着します。
今回はまずダム下へと向かいます。
しおじの湯から浜平トンネルを抜けるとすぐに右折、神流川沿いにしばらく進むと車止めとなります。
ここから徒歩で約1.5キロ、15分ほど歩くと上野ダム直下に到着します。
写真左手からの放流水は迂回水路を利用した虎王発電所からの放流水です。
(2018年11月23日)
 
非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲートが2門、常用洪水吐としてコンジットゲートが1門あります。
コンジットの右手(左岸側)には河川維持放流用の放流口があり、河川維持放流が行われています。
(2018年11月23日)
 
右岸ダムサイトに上がってきました。
駐車場から歩くとすぐにダム堤体が現れます。
右岸が屈曲しています。(2018年11月23日)
 
管理事務所
上野村は木工製品が特産で、巨大な木製壁画がはめ込まれています。
(2018年11月23日)
 
右岸から下流面
地山を挟んで手前が副堤、奥が主堤となっており、地山部分を中心に堤体が屈曲しています。
主堤はRCD工法、副堤は拡張レヤ工法と異なる工法で建設されました。
主堤は左岸寄りでも屈曲部分があります。
(2018年11月23日)
 
ダム湖岸の石のオブジェ
『うえのダム 0310』と書かれています。
 
天端から減勢工
陰影が大きく撮影に苦労しました。
(2018年11月23日)
 
ダム湖(奥神流湖)は総貯水容量は1840万立米。
向かって左手の尾根が日航機墜落現場となった御巣鷹の尾根。
(2018年11月23日)
 
左岸にある東電管理トンネル
神流川発電所や南相木ダムへとつながっていますが関係者以外立ち入り禁止。
(2018年11月23日)
 
天端。
西上州特有の岩峰が聳えます。(2018年11月23日)
 
左岸から。(2018年11月23日)
 
(追記)
上野ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3281 上野ダム(0111)
群馬県多野郡上野村楢原
利根川水系神流川
120メートル
350メートル
18400千㎥/12679千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
2005年
◎治水協定が締結されたダム