ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大内ダム

2017-12-07 02:14:28 | 香川県
2017年11月25日 大内ダム 
 
大内ダムは香川県東かがわ市水主の与田川水系様松川上流部にある香川県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、様松川および与田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、旧大内町への上水道用水の供給を目的として1966年(昭和41年)に竣工しました。
 
ダム湖一帯は大内ダム公園として遊歩道などが整備され桜の開花時期には多くの花見客でにぎわうようです。
右岸上流から
ダム左岸に管理事務所、その手前に巡視船繋留用の浮桟橋があります。
 
浮桟橋。
 
竣工記念碑
香川県営ダムではおなじみ、戦前風の立派な石碑。
 
下流面。
ゲートピアには香川県営ダムでよく見られる螺旋階段。
 
天端から見下ろすと
左奥は浄水場、手前が洪水吐減勢工、右手に利水放流設備、右奥は既得水利権向け灌漑用ゲート。
 
総貯水容量はちょうど100万立米
ダム湖を一周する遊歩道が整備され一部は『四国のみち』ハイキングコースになっています。
 
天端はゲート部分がクランクになっています
取水設備は半円形。
 
右岸から上流面。
 
ダム下から
手前は放流設備。
 
面に張り出したクレストにローラーゲート1門あり頭上に大きなゲート操作室が乗っています。
これは同じ香川県営の大川ダム前山ダムとそっくり。
 
ダムカードは管理事務所玄関に置かれ『ご自由にどうぞ』というスタイル。
四国ダム堰堤88箇所巡りの判子も管理事務所入り口にありました。
 
2179 大内ダム(1199
香川県東かがわ市水主
与田川水系様松川
FNW
26メートル
121.2メートル
1000千㎥/904千㎥
香川県土木部
1966年

見坂池

2017-12-06 15:05:34 | 徳島県
2017年11月25日 見坂池
 
見坂池は徳島県阿波市土成町宮川内の吉野川水系宮川内谷川にある表面石張粗石コンクリート重力式ダムです。
竣工記念碑には『徳島県営砂防堰堤築造ノ計画ヲ見ルニ至リ之ヲ貯水池ニ利用スルコトハ一石二鳥ノ策ナリトス』と記されており、1939年(昭和14年)に御所池を築造した御所耕地整理組合が、さらなる干ばつ被害に対処するために徳島県が宮川内谷川に建設を計画していた砂防堰堤を灌漑用貯水池として活用する旨が記されています。
見坂池は1943年(昭和18年)に着工されますが戦争激化により工事は遅延し、結局終戦後の1946年(昭和21年)に灌漑・砂防目的のダムとして完成し、御所耕地整理組合が改組された御所土地改良区が管理を行っていました。
その後1964年(昭和39年)に見坂池上流500メートル地点に徳島県営宮川内ダムが完成したことで、見坂池は事実上その役割を終えることとなります。
現在は砂防堰堤として現地に存在しているというのが実情のようです。
 
宮川内ダムから国道318号線を南下すると国道脇に見坂池の竣工記念碑が建っています。
 
竣工記念碑の少し上流に古い側道がありこれを下ると池の右岸に出ます。
上流面はやや広い間隔で石が張られ、目地かしっかりと施されています。
 
越流部には木板をはめ込む溝が刻まれています。
堤体中央には石段があり、その下にゲート操作の設備があるようです。
 
ダム便覧では総貯水容量5万5000立米となっていますが、貯水はされていません。
ちなみに竣工記念碑では貯水量は12万9525立米となっています。
 
下流面。
 
排砂ゲートかと思いましたが、防災ダムとすればいわゆる穴あきダムの穴に相当するようです。
上流面のゲート操作設備はこの開閉を行うものでしょう。
 
微かな踏跡を辿りなんとかダム下に下りることができました。
堤体の厚みや傾斜は砂防堰堤そのものです。
 
切石が奇麗に布積みされた御所池と異なり、石は不整形で目地が欠けているところが多く見られます。
戦時中の人手や物資不足の中で作られた分だけ、御所池ほどの丁寧さで建設できなかったんでしょう。
 
副ダムも石積み。
 
先述の竣工記念碑には見坂池の諸元について『長サ五十七・五米 高サ十二米』とありこれに従うと堤高15メートルを満たしておらず見坂池は『河川法上上のダムではない』ということになります。
一方で昭和10年代に四国では特異点ともいえるべき2基の石積堰堤がこの地に出現したことは非常に興味深いところです。
 
3573 見坂池(1198)
徳島県阿波市土成町宮川内
吉野川水系宮川内谷川
FA
12メートル(ダム基準未達)
57.5メートル
55千㎥/55千㎥
御所土地改良区
1946年

宮川内ダム

2017-12-05 17:48:39 | 徳島県
2017年11月25日 宮川内ダム 
 
宮川内ダムは徳島県阿波市土成町宮川内の吉野川水系宮川内谷川上流部にある徳島県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、宮川内谷川の洪水調節、既得取水権としての御所地区および大井出地区の農地への灌漑用水への補給と安定した河川流量の保持、御所地区の新規農地への灌漑用水の供給を目的として1964年(昭和39年)に竣工しました。
2003年(平成15年)の改修で堤体を掘削して選択取水設備と低部放流設備が増設され、ダムの運用能力が大きく向上しました。
 
 
宮川内ダムは国道318号線沿いにあり、ダム湖右岸にある『道の駅 どなり』が目印となります。
国道318号線から
ダム下へ通じる管理道路は立ち入り禁止のため下流からはこれが精一杯です。
クレストにローラーゲートが1門
2003年の改修で堤体の掘削が行われた部分だけコンクリートが白くなっています。
 
右岸から下流面。
やはり掘削された白いコンクリートが目立ちます。
選択取水設備と低部放流設備が新設されたせいか、天端にはプレハブ風の建屋があれやこれやと乗っかっています。
 
天端は開放されていますが、職員さんにスズメバチの巣があるので注意とくぎを刺されました。
 
減勢工と放流設備
河川維持放流が行われています。
 
ゲートは超流型2段ローラーゲートという非常用洪水吐と常用洪水吐を兼ねた変わった構造です。
 
ダム湖は総貯水容量135万立米
非需要期ということで水位はずいぶん低くなっています。
ダム湖奥に見える建物は御所温泉で、その先に道の駅があります。
 
左岸から下流面。
 
放流設備をズームアップ。
利水放流を行っている放流管の左手に、2003年に新設された低部放流設備の放流管が見えます。
 
上流面
奥が管理事務所、手前に艇庫とインクライン。
 
上流から
ローラーゲートと選択取水設備
ゲートが2段構成になっているのが分かります。
 
宮川内ダムは四国ダム堰堤88箇所巡り1番札所で判子は天端のフェンスに架かっていました。
 
追記
宮川内ダムには95万立米の洪水調節容量が確保されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに23万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2128 宮川内ダム(1197
徳島県阿波市土成町宮川内
吉野川水系宮川内谷川
FNA
36メートル
130メートル
1350千㎥/1220千㎥
徳島県県土整備部
1964年
◎治水協定が締結されたダム

御所池(相坂ダム)

2017-12-05 14:29:50 | 徳島県
2017年11月25日 御所池(相坂ダム)
 
御所池は徳島県阿波市土成町宮川内の吉野川水系宮川内谷川右支流内谷川にある灌漑目的の表面石張粗石コンクリートおよび粗石モルタル工重力式ダムです。
吉野川北岸地域は阿讃山脈から吉野川に注ぐ各支流が扇状台地を形成し平野部では軒並み伏流するため、古来より農業用水の確保は困難を極めていました。
宮川内谷川流域の旧土成町も同様で、昭和以降灌漑用貯水池建設機運が高まり御所耕地整理組合が結成されました。そして国や県への陳情により国庫の補助を獲得し4年の歳月をかけ1939年(昭和14年)に御所池が竣工しました。
現在は御所耕地整理組合を引き継いだ御所土地改良区が管理を行っています。
ダム所在地の地名から相坂ダムもしくは相坂堰堤とも呼ばれ、四国ダム堰堤88箇所巡りのサイトでも相坂ダムとなっていますが、ここではダム便覧に従って御所池の名称を使用します。
御所池は四国では数少ない石積堰堤となっており、Bランクの近代土木遺産に選定されています。
 
国道318号線の道の駅『どなり』の一つ北側の分岐を西に折れ、さらに二つ目の分岐を左に取ると御所池左岸に到着します。
左岸に建つ立派な竣工記念碑。
 
天端にはゲート巻き上げ機が並びます。
 
副ダムと減勢工
 
貯水池は総貯水容量24万5000立米。
 
上流面
ゲートは左岸から自由越流式4門、ラジアルゲート2門、自由越流式1門という並び。
ゲート中央に取水設備があり、ラジアルゲートの上には巻き上げ機があります。
また自由越流式洪水吐は扶壁に溝が刻まれ、角落しになっています。
 
ダム下へも下りることができます。
堤体には長方形の切石が布積みされています。
 
5番6番ゲートは越流面がやや低く、ラジアルゲートが装備されています
古いゲートのようですが、まさか1939年(昭和14年)製?
 
ダム下から
ちょっと逆光になってしまいました
堤体下部の穴は排砂ゲート。
 
減勢工には副ダムがあります。
 
ラジアルゲートをズームアップ
天端の巻き上げ機でワイヤーを巻きながら動かします。
 
神戸~淡路島~徳島と石積堰堤がラインのように分布しています。
良い花崗岩が取れるといった地質的な背景なのか?それとも何か技術的・文化的な背景があるのか?
気になるところです。
 
2119 御所池(相坂ダム)(1196)
徳島県阿波市土成町宮川内
吉野川水系内谷川
15.9メートル
90メートル
245千㎥/200千㎥
御所土地改良区
1935年

川股池

2017-12-05 12:55:37 | 香川県
2017年11月25日 川股池
 
川股池は香川県東端、東かがわ市川股の馬宿川水系馬宿川源流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
竣工記念碑によればもともと馬宿川流域には1937年(昭和14年)に完成した『初代』川俣池がありました。しかし完成後も漏水が激しい上に災害による被害もあり長く空池となっていました。
戦後、食糧増産機運が高まる中で、香川県のかんがい排水事業により旧堰堤の上流2キロ地点に1962年(昭和38年)に建設されたのが川俣池です。
その後1966年(昭和41年)には旧川俣池も改修により小路池として復活、現在は川俣池、小路池ともに相生土地改良区が管理を行い、併せて112.5ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
県道34号から県道102号へ左に折れるとすぐに小路池が現れます。さらに県道とは名ばかりの隘路を2キロ進むと川股池に到着します。
名前は池ですが立派なコンクリートダムです。
 
天端は車両通行可能ですが、対岸から先の林道は通行止めです。
 
上流面
半円形の取水設備。
 
立派な竣工記念碑ですがひびが入っています。
 
導流面と減勢工
左手に取水設備からの底樋があります。
 
クレストは自由越流式洪水吐が2門。
扶壁に戸当たりがあり、ゲートを嵌めこむようになっています。
試験湛水の際に使用されたと思われます。
 
ダム湖は総貯水容量27万2000立米
山の向こうはもう徳島県。
 
右岸から。
 
上流面。
 
右岸には香川県のダム溜池でよく見られる不動明王像が鎮座します。
 
 
2174 川股池(1195)
香川県東かがわ市川股
馬宿川水系馬宿川
26メートル
103メートル
272千㎥/272千㎥
相生土地改良区
1962年

小路池

2017-12-05 02:25:33 | 香川県
2017年11月25日 小路池
 
小路池は香川県東かがわ市川股の馬宿川水系馬宿川上流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
水利に乏しい馬宿川下流の旧相生村では明治以降たびたび新池築造が図られ、1938年(昭和13年)に念願かなって完成したのが川俣池です。
しかし完成後直後から激しい漏水が続いたうえに、災害により堤体が被災したため長く空池状態となっていました。
1962年(昭和37年)に川俣池の上流約2キロ地点に新『川俣池』が完成、その4年後の1966年(昭和41年)に旧『川俣池』も改修工事が竣工し、新たに『小路池』と命名され復活しました。
川俣池、小路池ともに相生土地改良区が管理を行い、併せて112.5ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
県道34号から県道102号に入るとすぐに小路池が現れます。
県道が堤体を斜行しています。
 
逆アングルから
車道の下も堤体が続いており堤高は15.2メートルとなります。
 
天端は草ボウボウ。
 
総貯水容量は23万立米
この上流2キロに川股池があります。
 
右岸の斜樋。
 
左岸から上流面
草が覆っていますが上流面はコンクリートで護岸されています。
右岸には香川県らしい三角錐のおむすび山が・・・・
 
左岸の横越流式洪水吐
越流面は緩やかに湾曲しています。
 
洪水吐導流部に架かる県道の橋。
 
上の写真の橋から見た洪水吐。
 
 
当初の名前を新ダムに奪われるなど数奇な運命の小路池ですが、今は新川俣池ともども下流域の貴重な水源となっています。
 
2181 小路池(1194)
ため池コード
香川県東かがわ市川股
馬宿川水系馬宿川
15.2メートル
260メートル
230千㎥/219千㎥
相生土地改良区
1937年竣工
1966年改修工事竣工

千足ダム

2017-12-05 00:22:22 | 香川県
2017年11月25日 千足ダム 
 
千足ダムは香川県東かがわ市川股の馬宿川左支流千足川上流部にある香川県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、千足川および馬宿川の洪水調節、既得取水権としての灌漑用水への補給と安定した河川流量の保持、旧引田町への上水道用水の供給を目的として1987年(昭和62年)に竣工しました。
 
県道34号線に千足ダムを示す標識があり、これに従って右に折れると千足ダムが見えてきます。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが4門、常用洪水吐として高さの異なる自然調節式オリフィスゲートが2門あります。
 
右岸から下流面。
 
ダム湖は総貯水容量185万立米。
 
天端は車両通行可能
管理事務所は左岸の岬の先端部にあります。
 
減勢工とエンドシル。
 
右岸下流側にプラント跡が残り一部が展望台デッキになっています。
 
天端はゲート部分がクランクになっています。
 
左岸にある竣工記念碑
香川県営ダムではおなじみの立派な石碑
 
上流面。
 
こちらも香川のダムや溜池でよく見られる不動明王。
 
初めての香川県営ダム訪問となりました。
ダムカードは管理事務所玄関に置かれ『ご自由にどうぞ』というスタイル。
四国ダム堰堤88箇所巡りの判子も管理事務所入り口にありました。
 
2186 千足ダム(1193
香川県東かがわ市川股
馬宿川水系千足川
FNW
41.4メートル
197メートル
1850千㎥/1690千㎥
香川県土木部
1987年

宗極池

2017-12-04 16:14:46 | 香川県
2017年11月25日 宗極池
 
宗極池は香川県の東端、徳島との県境間近の東かがわ市南野の坂本川水系坂本川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地記念碑によれば1915年(大正4年)に県の補助を受けた宗極池耕地整理組合の事業で築造が着手されますが、1917年(大正6年)の集中豪雨で構築済み堤体の3割が流出する惨事となりました。
しかし、県による補助が追加され1923年(大正12年)に無事完成に至りました。
直近では国営の総合農地防災事業により2001年(平成13年)に大規模な改修が行われ現在の姿となり、2003年(平成15年)からは香川用水からの補給が開始されました。
池の管理は受益者で組織される宗極池耕地整理組合が行っています。
なおダム便覧の竣工年度は1956年(昭和31年)になっていますが、この根拠は不明のためここでは改修記念碑の1923年を採用することにします。
 
高松道引田インターから国道11号を東進し、讃岐相生駅手前を右折して集落を抜けると高松道の高架の先に宗極池の堤体が見えてきます。
堤高27.3メートル、犬走りを挟んで2段構成の立派なアースダムです。
 
車道をさらに進むとダム左岸に到着します。
天端にある改修記念碑。
 
記念碑の隣にはおなじみの不動明王像。
 
天端は轍が残りますが、害獣防止柵があり一般車は進入できません。
 
上流から
右岸に洪水吐があります。
 
天端からは瀬戸内海が見え、左手奥には小豆島も覗えます。
現在高松道車線増幅工事中でダム下がごちゃごちゃしていますが、天端からの海の眺めは抜群です。
 
総貯水容量は24万立米。
池の奥の龍王山を超えればもう徳島県。
 
左岸の立派な斜樋。
2001年(平成13年)の改修で設置されました。
 
上流面はコンクリートで護岸
これも2001年の改修によるもの。
 
右岸の円形越流式洪水吐。
 
2154 宗極池(1192)
香川県東かがわ市南野
坂本川水系坂本川
27.3メートル
113メートル
240千㎥/240千㎥
宗極池耕地整理組合
1923年

旧吉野川河口堰

2017-12-04 15:17:01 | 徳島県
2017年11月25日 旧吉野川河口堰
 
旧吉野川河口堰は徳島県板野郡松茂町中喜来の一級河川吉野川左支流旧吉野川河口部にある水資源機構が管理する多目的可動堰です。
水資源公団法(現水資源機構法)によって建設された多目的ダムで、今切川河口堰と連携した旧吉野川・今切川河口部の洪水調節及び塩害防止、既得取水権として流域農地約3700ヘクタールへの灌漑用水の補給、鳴門市・北島町・松茂町への上水道用水の供給、徳島市・鳴門市・板野郡内22工場への工業用水の供給を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
旧吉野川河口堰の堤高は7.3メートルで河川法上のダムの要件を満たしていませんが、水資源機構法により河川法上のダムと分類され、ダム便覧にも正式に掲載されています。 
 
徳島自動車道松茂スマートインターから県道40号を東進、空港大橋手前を左折して旧吉野川左岸を北上すると旧吉野川河口堰に到着します。 
河口堰左岸に管理事務所と案内板があります。
 
右岸下流側から
手前が閘門、調節門1門、制水門5門で構成されています。
 
上流から閘門。
 
上流から
閘門の左となりが調整門、あとは制水門です。
 
天端は車両通行可能。
 
堰による総貯水容量は493万立米。
 
左岸下流から。
訪問時は潮位があがっているせいか堰の上下流の水位はほとんど差がありませんでした。
 
左岸上流。
 
左岸魚道
フラップゲートがついています。
 
2131 旧吉野川河口堰(1191)
徳島県板野郡松茂町中喜来
吉野川水系旧吉野川
FNWI
MB
7.3メートル
192.3メートル
4930千㎥/---千㎥
水資源機構
1976年

今切川河口堰

2017-12-04 13:21:02 | 徳島県
2017年11月25日 今切川河口堰
 
今切川河口堰は左岸徳島県板野郡北島町鯛浜、右岸徳島市川内町の一級河川吉野川左支流今切川河口部にある水資源機構が管理する多目的可動堰です。
水資源公団法(現水資源機構法)によって建設された多目的ダムで、旧吉野川河口堰と連携した旧吉野川・今切川河口部の洪水調節及び塩害防止、既得取水権として流域農地約3700ヘクタールへの灌漑用水の補給、鳴門市・北島町・松茂町への上水道用水の供給、徳島市・鳴門市・板野郡内22工場への工業用水の供給を目的として1975年(昭和50年)に竣工しました。
今切川河口堰の堤高は6メートルで河川法上のダムの要件を満たしていませんが、水資源機構法により河川法上のダムと分類され、ダム便覧にも正式に掲載されています。
 
徳島市中心部から県道29号徳島環状線を北上、共栄橋を渡った先の交差点を左折し県道39号線を南下、鯛浜橋手前を西に折れると今切川河口堰に到着します。
今切川左岸(北島町側)下流から
調節門1門、制水門6門、閘門上下2門で構成されています。
 
下流面には『今切川河口堰』の標識
現在制水門1門の補修工事中です。
 
左岸の魚道。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸上流から。
 
右岸にある工業用水の取水ゲート。
 
右岸の閘門(上流から)。
 
右岸の魚道。
 
右岸下流から
手前は閘門。
 
右岸に水資源機構旧吉野川河口堰管理所がありここでダムカードがもらえます。
管理所手前の小公園にある説明板。
また四国堰堤ダム88箇所巡りの判子はこちらの玄関先にあります。
 
 
2132 今切川河口堰(1190)
左岸 徳島県板野郡北島町鯛浜
右岸 徳島県徳島市川内町
吉野川水系今切川
FNWI
MB
6メートル
220メートル
---千㎥/---千㎥
水資源機構
1975年

本庄川ダム

2017-12-04 02:37:37 | 兵庫県
2017年11月24日 本庄川ダム
 
本庄川ダムは兵庫県南西部の南あわじ市阿万上町の本庄川水系本庄川源流部にある兵庫県農政環境部が管理する重力式コンクリートダムです。
南あわじ市阿万地区は淡路島を代表する野菜生産地ですが、水利に乏しい上に台風による農地被災も多く抜本的な治水・利水対策が流域農家の悲願となっていました。
そこで兵庫県農政環境部は農水省の補助を受け本庄川上流部への農地防災・灌漑目的のダム建設を計画、これに淡路広域水道企業団が事業参加し、2004年(平成16年)に竣工したのが本庄川ダムです。
本庄川ダムは本庄川の洪水調節・阿万地区の農地への灌漑用水の供給・淡路広域水道企業団への上水道用水の供給を目的とし、運用開始後は洲本土地改良事務所が管理を行っています。
 
県道76号線を南下して阿万上町に入ると本庄川ダムを示す標識が現れます。これに従って本庄川沿いに東進すると本庄川ダムに到着します。
ダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート2門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備するほか右岸に利水放流設備があります。
今回はオリフィスゲートから越流していました。
 
堤体直下から
ダムにタッチができます。
手前は監査廊入口。
 
右岸から
左岸に管理事務所があります。
 
上流面
ゲートの右手に取水設備があります。
 
天端は車両通行可能。
 
天端から。
 
右手は利水放流設備。
 
ダム湖は総貯水容量172万立米
ダム湖を周回する道路があり、地元住民の皆さんが少なからずウォーキングを行っていました。
 
下流面。
 
管理事務所
兵庫県農政環境部の事業で建設されたため、管理は洲本土地改良事務所が行っています。
 
2921 本庄川ダム(1189)
兵庫県南あわじ市阿万上町
本庄川水系本庄川
FAW
47.7メートル
184メートル
1720千㎥/1610千㎥
兵庫県農政環境部
2004年

大日川ダム

2017-12-01 17:40:57 | 兵庫県
2017年11月24日 大日川ダム
 
大日川ダムは兵庫県南あわじ市北阿万新田北の三原川水系大日川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には灌漑用ため池である美女池がありましたが、農林省(現農水省)の補助を受けた兵庫県の事業で美女池を取り込む形で1966年(昭和41年)に大日川ダムが建設されました。
美女池堤体は現在でもダム湖に残りともに大日川土地改良区が管理を行っています。
その後1997年(平成9年)に1キロ下流に県営の治水ダムである大日ダムが完成しましたが、大日川ダムで取水された灌漑用水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の農地に供給されています。
 
大日ダムから湖岸の道路を上流に進むと正面に大日川ダムが見えてきます。
白いコンクリートの大日ダムと対照的に、黒ずんだ堤体が特徴です。
ダム下は公園になっており、桜が満開の時期には多くの周辺住民が花見に訪れるようです。
 
洪水吐は農業用コンクリートダムらしく自由越流式クレストゲート5門のみ。
 
堤体左岸下部に取水設備からの吐口があります。
この水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の受益農地へと送られます。
 
車道をさらに進むと右岸ダムサイトに到着します。
天端はゲート部分が高くなっており、ゲート左岸側に取水設備があります。
 
天端は軽自動車や軽トラくらいなら通行できそう。
 
導流面と減勢工
左端が上から3枚目の写真の取水設備からの吐口です。
取水された水は河川とは別に灌漑用水路を通り、下流の大日ダムをバイパスして受益農地へと送られます。
 
ダム湖は総貯水容量110万立米。
 
左岸から。
 
下流面。
 
大日川ダムのさらに上流500メートル地点に美女池の堰堤が残っています。
大日川ダムができる以前は流域の貴重な水源となった灌漑目的のアースダムで、アーチ状に湾曲した堤体が特徴です。
現在は洪水吐部分が撤去され大日川ダムのダム湖と一体化しています。
 
六角形の取水設備
上流面は石積みで護岸されています。
 
1485 大日川ダム(1188)
兵庫県南あわじ市北阿万新田北
三原川水系大日川
42.8メートル
178メートル
2099千㎥/2032千㎥
大日川土地改良区
1966年

大日ダム

2017-12-01 15:00:04 | 兵庫県
2017年11月24日 大日ダム
 
大日ダムは左岸が兵庫県南あわじ市北阿万新田北、右岸が南あわじ市賀集生子の三原川水系牛内川左支流大日川にある兵庫県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
大日ダムは牛内ダムと連携して大日川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
大日ダムはダム下が公園として整備されているほか、フーチングの階段が開放されており開かれたダムとなっています。
堤高36メートルに対して堤頂長は247メートルと横長のダムで、クレストの自由越流式洪水吐と減勢工が左岸側に寄った変則的な構造です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが4門、常用洪水吐と自然調節式のオリフィスゲートがあります。
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
洪水吐上部が展望スペースとして全面にせり出した独特のデザイン。
 
フーチングの階段が開放されています
堤高が36メートルなので苦もなく登れます。
 
左岸から下流面
洪水吐上のせり出しが格好いい!
 
右岸から
減勢工は左岸側が片翼になった左右非対称。
 
上流面
クレストゲートの右手にオリフィスの取水口が、左手に取水設備があります。
 
減勢工は左右非対称。
 
ダム下は公園ですが、あまり使われている様子はありません。
 
総貯水容量110万立米のダム湖はさくら湖と命名されています。
この上流約1キロ地点に1966年(昭和41年)竣工の灌漑用の大日川ダムがあります。
 
天端は車両通行可能。
 
大日川のさらに上流、美女池の先に牛内ダムへの分水堰があることを帰宅後知りました。
予習は十分にしているつもりですが、まだまだ後の祭が多いのが反省材料です。
 
1523 大日ダム(1187
左岸 兵庫県南あわじ市北阿万新田北
右岸 兵庫県南あわじ市賀集生子
三原川水系大日川
FN
36メートル
247メートル
1100千㎥/1050千㎥
兵庫県土木部
1997年

牛内ダム

2017-12-01 13:20:35 | 兵庫県
2017年11月24日 牛内ダム 
 
牛内ダムは兵庫県南あわじ市賀集牛内の三原川水系牛内川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
牛内ダムは大日ダムと連携して大日川および牛内川の洪水調節を行うほか、牛内川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
南あわじ市の国道28号線国衙交差点から牛内川沿いに南下すると牛内ダムに到着します。
まずはダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが3門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備しています。
右手は利水放流設備。
 
左岸から
左岸に木製デッキの展望台があります。
 
左岸ダムサイトのモニュメント
淡路島の象徴であるスイセンをモチーフにしているのかな?
 
天端高覧にもスイセンの装飾。
 
減勢工は右岸側が片翼になった左右非対称
左手は放流設備です。
 
左岸の管理事務所
インクラインはなく浮桟橋が設置されています。
 
つつじ湖と命名されたダム湖は総貯水容量220万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸から下流面
牛内ダムはフーチングの階段が開放されています。
 
上流面
ゲート右手が取水設備。
 
1524 牛内ダム(1186)
兵庫県南あわじ市賀集牛内
三原川水系牛内川
FNW
59メートル
216メートル
2200千㎥/2100千㎥
兵庫県土木部
1997年

諭鶴羽ダム

2017-12-01 12:04:07 | 兵庫県
2017年11月24日 諭鶴羽ダム 
 
諭鶴羽ダムは兵庫県南あわじ市神代浦壁の三原川水系諭鶴羽川上流部にある兵庫県県土整備が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1965年(昭和40年)の台風23号、24号による洪水被害を契機に兵庫県は三原川本流上流部の諭鶴羽川への治水ダム建設を採択、諭鶴羽ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助治水ダムとして1975年(昭和50年)に竣工しました。
三原川水系では1997年(平成9年)に牛内ダム大日ダムが、1999年(平成11年)に成相ダム北富士ダムが各支流に建設され、治水能力は大幅に向上、さらに2004年(平成16年)にかけての改修で諭鶴羽ダムはゲートレス化されています。
諭鶴羽ダムは三原川の洪水調節、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての灌漑用水の補給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線円行寺交差点から県道535号線を南下すると諭鶴羽ダムに到着します。
右岸から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを1門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを1門装備、訪問時はオリフィスゲートから越流していました。
また写真では分かりませんが堤体下部に低水位および利水放流設備があります。
 
右岸ダムサイトの壁画
落書きが多いのはお行儀が悪い関西ならでは?
 
黒御影石の竣工記念碑。
 
兵庫県営ダムおなじみのタイムカプセル。
 
導流部と減勢工。
 
ダム直下には南あわじ市営のサイクリングターミナル「ゆずりは荘」があります。
ダムを見ながら宿泊できるダム愛好家には嬉しい施設。
 
ダム湖のゆずりは湖
総貯水容量は130万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸から下流面
対岸は管理事務所。
 
上流面
2004年(平成16年)の改修でゲートが撤去され自然調節式となりました。
改修で新たに設置された越流部だけコンクリートが白くなっています。
 
1500 諭鶴羽ダム(1185)
兵庫県南あわじ市神代浦壁
三原川水系諭鶴羽川
FN
43.9メートル
173メートル
1300千㎥/1200千㎥
兵庫県土木部
1999年