ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

駒場池

2017-02-28 23:04:02 | 愛知県
2017年2月25日 駒場池
 
駒場で『こまんば』と読みます。
駒場池は愛知県豊川市にあるアースダムで、豊川用水の西部幹線水路の調整池として愛知用水公団(現水資源機構)により1968年(昭和43年)に建設され、現在は水資源機構豊川用水総合事業部が管理を行っています。
豊川用水西部幹線水路から取水した水を貯留し、豊川市・蒲郡市に灌漑用水・上水道用水・工業用水の供給を行っています。
 
豊川用水の概要(水資源機構豊川用水総合事業部ホームページより)
 
 
駒場池は県道377号線沿いにありますが、豊川浄水場が隣接しているためか規制が厳しくダムの堤体への立ち入りはできません。
ダム管理道路入口も施錠されここから下流面を遠望するのみです。
 
ズームアップ
水資源機構のアースダムでよくみられるダム名の植栽はないようです。
 
上流面
堤体の奥に浄水場のタンクが見えます。
 
取水塔。
 
斜樋のようにも見えますがインクラインかも?
 
インレット
豊川用水西幹線水路からの流入部
現在工事中です。
 
インレットを上流から。
 
同じ豊川用水の調整池である万場調整池や大原調整池に比べてガードが厳しく敷地外から撮影するのみでした。
 
1226 駒場池(0839)
愛知県豊川市平尾町
北緯34度51分29秒,東経137度20分11秒
DamMaps
豊川水系豊川
AWI
24.6メートル
187.5メートル
900千㎥/800千㎥
水資源機構
1968年


長篠堰堤

2017-02-28 18:23:58 | 愛知県
2017年2月25日 長篠堰堤
 
長篠堰堤は愛知県新城市の豊川本流にある中部電力の発電用取水堰堤で、1912年(明治45年)に福沢桃介率いる豊橋電気によって長篠発電所の取水堰として建設されました。
その後は名古屋電灯⇒東邦電力⇒中部電力(現在の中部電力とは別会社)⇒東邦電力⇒中部配電を経て戦後の電力分割民営化により中部電力が事業を継承しています。
現在も長篠発電所で最大760キロワットの発電を行い発電した電力は主としてJR飯田線へ送電されています。
長篠堰堤は堤高8メートルと河川法上のダムの要件を満たしていませんが、秋田県の藤倉堰堤、大分県の白水堰堤とともに日本三大美堰堤とされダム便覧に参考掲載されています。
またその歴史的、技術的価値から近代土木遺産にも指定されています。
 
長篠発電所は発電機を水車から離れた上部に設置し長いシャフトで連結するナイアガラ方式をとっています。一方で取水堰の長篠堰堤も『愛知のナイアガラ』と呼ばれていますが、それは発電方式によるものではなく堰堤から取水口に至る長い導水路を越流する水の様があたかもナイアガラの谷のように見えることに由来しています。
 
国道151号線の有海交差点を左折して国道257号に入り県道21号分岐から豊川右岸側(西側)の旧道を北上するとすぐに花の木公園釣堀センターに到着します。
右手の釣堀の先が長篠堰堤ですが地元では花の木ダムとも呼ばれているようです。
 
取水堰堤から取水口に至る導水路から越流する水
この越流が愛知のナイアガラと呼ばれる所以です。
 
同じ導水路をスローシャッターで。
 
堰堤部分。
 
堰堤中央の赤いトラスで鉄板を支え止水しており、両岸は余水が自由越流しています。
訪問時は水量が多いせいか迫力ある越流が見れました。
 
 
堤頂部は立入禁止。
 
 
下流からみた導水路の越流。
 
スローシャッターで。
 
取水口部分
写真は雨水用のゲートで、この奥に取水ゲートがあります。
ここから720メートルのトンネルで長篠発電所に送水されます。
 
素晴らしい晴天、おまけに水量も豊富で堰堤、導水路ともに迫力ある越流を見ることができました。

S505 長篠堰堤(0838)
愛知県新城市横川
豊川水系豊川
8メートル
25.4メートル
中部電力(株)
1912年

大原調整池

2017-02-28 15:21:23 | 愛知県
2017年2月25日 大原調整池
 
大原調整池は愛知県新城市にあるロックフィルダムで、豊川用水の東部幹線水路の調整池として東海農政局により1993年(平成5年)に建設され、水資源機構豊川用水総合事業部が管理を行っています。
豊川用水東部幹線水路から取水した水を貯留し、新城市周辺に灌漑用水と上水道用水を供給しています。
 
豊川用水の概要(水資源機構豊川用水総合事業部ホームページより)
 
大原調整池は東名高速道路に隣接しており、高速道路から見えるダムとして知られています。
ダム上流には五葉城跡があるほかダム湖周辺は五葉の森として遊歩道が整備されハイカーや周辺住民の憩いの場となっています。
ダム湖は五葉城跡から五葉湖と名付けられています。
 
堤体直下から
左岸(向かって右手)に洪水吐導流部があります。
 
下流面には『大原調整池』と書かれていますが、あいにくの逆光で文字が光って見えません。
 
左岸の洪水吐。
 
 
上流面。
 
下流面。
 
天端は歩行者のみ通行可。
 
洪水吐の横にはインクラインと艇庫があります。
 
天端から
ダム直下を東名高速が走っています
写真ではわかりませんが高速の先を豊川用水東部幹線水路が流れています。
 
初谷池や万場調整池同様大原調整池も市民の憩いの場となっている自然豊かなダムです。
 
1287 大原調整池(0837)
愛知県新城市富岡
北緯34度50分26秒,東経137度29分44秒
DamMaps
豊川水系豊川
AW
47.9メートル
351メートル
2020千㎥/2000千㎥
水資源機構
1993年


万場調整池

2017-02-28 13:57:34 | 愛知県
2017年2月25日 万場調整池
 
万場調整池は愛知県豊橋市にあるアスファルトフェイシングフィルダムで、豊川用水の東部幹線水路の調整池として東海農政局により1993年(平成5年)に建設され、水資源機構豊川用水総合事業部が管理を行っています。
豊川用水東部幹線水路から取水した水をここに貯留し、都市用水としては豊橋南部浄水場に送られ上水道や工業用水として利用されています。また灌漑用水としては非需要期にここに貯留した水を農繁期に豊川用水に補充しています。
 
豊川用水の概要(水資源機構豊川用水総合事業部ホームページより)
 
万場調整池は神出川を挟む丘陵地を掘削して建設されましたが、透水性の高い砂地地盤のため堤体はアスファルトにより表面遮水処理されています。また貯水池底部には合成ゴムシートを敷設して遮水する珍しい構造のダムとなっています。
 
貯水池の周囲は全長3.3キロの遊歩道として整備されているほか遊具なども設置され、ウォーキングを楽しむ市民や子供たちの憩いの場となっています。
今回は左岸の駐車場に車を止めて、遊歩道を時計回りに一周してダムを見学しました。
 
左岸からダムの下流面
左の建物は送水機場。
 
洪水吐導流部と下流面
さすが水資源機構が管理するダムで下流面はきれいに刈払われています。
 
堤体下流には遊具が並びます。
 
右岸から。
 
右岸の取水塔
ここで取水された水は豊橋南部浄水場へ送られます。
 
調整池周辺には野菜畑が続きますが、右岸には野菜をモチーフにした遊具が並びます。
 
右岸上流から
丘陵地を掘り下げて建設した貯水池のため、貯水池全面がアスファルトにより遮水処理されています。
 
上流側
水がなければ競輪場のバンクのようです。
 
 
左岸には宇連ダムから長篠城に至る豊川をモデルにした水路がつくられています。
 
1236 万場調整池(0836)
愛知県豊橋市西赤沢町
北緯34度40分23秒,東経137度20分52秒
DamMaps
豊川水系豊川
AWI
AF
28.6メートル
370メートル
5390千㎥/5000千㎥
水資源機構
1993年


大坂池

2017-02-28 12:56:18 | 愛知県
2017年2月25日 大坂池
 
大坂池で『おおざかいけ』と濁って発音します。
大坂池は田原市和地町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1953年(昭和28年)に建設されました。
 
大坂池は県道420号線沿いにあり天端が県道になっています。
下流が埋め立てられたのかもしれませんが、見た目はダム便覧にある堤高18メートルもあるようには見えません。
 
天端は県道で車がいない隙に撮影しましたが、実際にはそこそこの交通量があります。
 
上流面
コンクリートで護岸されていますが、樹木が生え薮化しています。
おまけにゴミだらけ・・・。
 
薮の奥になんとか池が見えます。
 
池の直上には田原市の不燃ごみの最終処分場があります。
 
洪水吐や取水設備のようなものは見当たりません。
池自体はずいぶん荒れているうえに、池のすぐ上流には不燃ごみの最終処分場があります。
果たして灌漑用の水源の上流にごみの埋め立て処分場があるでしょうか?
現実には大坂池は灌漑用水源としては機能していないと思われます。
 
1217 大坂池(0835)
ため池コード
愛知県田原市和地町
北緯34度36分17秒,東経137度06分35秒
DamMaps
川尻川水系川尻川
18メートル
150メートル
21千㎥/21千㎥
管理者未確認
1953年

初立池

2017-02-28 11:32:44 | 愛知県
2017年2月25日 初立池
 
初立池は渥美半島先端の愛知県田原市の伊良湖岬近くにある灌漑用アースダムで、愛知用水公団(現水資源機構)により1969年(昭和44年)に建設されました。
豊川用水東部幹線水路の末端になっており渥美半島先端部に農業用水を供給しています。
 
豊川用水の概要(水資源機構豊川用水総合事業部ホームページより)
 
豊川インターから豊橋を経て国道259号線で伊良湖岬を目指します。
『初立ダム』の標識に従って進むと初立池に到着します。
左岸ダム湖畔に駐車場がありここに車をおいてダムを見学します。
 
取水塔。
 
左岸洪水吐。
 
天端を歩いているとちょうど日が昇ってきました。
 
天端から
池のすぐ南西に風力発電機があり、彼方に辛うじて海が見えます。
 
上流面はロックフィル。
 
下流から
下流面に『はつたついけ』の植栽。
 
ダム建設の際に鎌倉時代の東大寺再建の際に大仏殿の瓦を焼いた窯跡が発見されました。
国の史跡及び国宝に指定され埋没保存されています。
 
洪水吐導流部。
 
左岸から下流面。
 
ダム湖上流から取水塔。
 
インクラインはなく浮き桟橋が設置されています。
 
ダム北東側にアースフィルの副堤がありますが堤高12.5メートルのためダム便覧には掲載されていません。
 
豊川用水東部幹線水路からの流入口。
 
ダムを周回する全長2.4キロのウォーキングコースが整備され訪問時は朝の7時過ぎにもかかわらず数人のジョガーがランニングをしていました。

1223 初立池(0834)
愛知県田原市伊良湖町
豊川水系豊川
22.5メートル
346.5メートル
1700千㎥/1600千㎥
水資源機構
1969年

八丁堰

2017-02-08 19:00:00 | 千葉県
2016年2月21日 八丁堰
2017年2月04日
 
八丁堰は千葉県鴨川市宮山にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には吉尾土地改良の事業により1933年(昭和8年)に竣工と記されており、土地改良区の前身である耕地整理組合によって建設されたと思われます。
現在は土地改良区の統合により長狭中央土地改良区が管理を行っています。
 
八丁堰は国道410号線沿いにありアプローチは簡単なのですが、池はフェンスでガードされて天端や堤体は立ち入り禁止となっています。
アプローチのよさ上の事故や不法投棄を防ぐためにはフェンスの設置はやむを得ないんでしょう。
 
天端と下流面。
 
上流面
堤体中央に斜樋が見えます。洪水吐は左岸にあります。
 
斜樋。(2017年2月4日)
 
0653 八丁堰(0237)
ため池データベース 122230015
千葉県鴨川市宮山
加茂川水系板屋川
18メートル
80メートル
151千㎥/151千㎥
長狭中央土地改良区
1933年

山居堰(山谷堰)

2017-02-08 13:20:08 | 千葉県
2017年2月4日 山居堰(山谷堰)
 
山居堰(さんきょせき)は千葉県鴨川市天面にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には西山耕地整理組合の事業で1939年(昭和14年)に竣工とあり、受益農家の持ち出しで建設されたと推察されます。
ため池データベースでは現在も管理・所有は西山耕地整理組合になっています。
また山谷堰の名で呼ばれることもあるようです。
池には最寄りの車道から徒歩で10分ほどで着きますが、一部やぶっぽいところがあるうえに民家の犬がやたら吠えるので注意したいところです。
 
天端の右岸側は竹藪化しており突入は自重。
 
天端にある塩ビパイプ
たぶんこれが取水管。
 
左岸の小さな洪水吐
水がちょろちょろあふれています。
 
洪水吐の少し上流にある池栓。
すでに機能していないようです。
 
さらに上流の斜樋
こちらも壊れています。
 
貯水池のサイズは1万4000立米
房総らしく水は濁っています。
 
堤体の下に下りると2本の導水路が合流しています。
手前は上の写真の洪水吐からの導水路、左手はわかりません。
 
斜樋も池栓も壊れており、塩ビパイプで取水を行っているようです。
帰りも犬に吠えられながら車まで戻りました。
 
3607 山居堰(山谷堰)(0833)
ため池データベース 122230030
千葉県鴨川市天面
房川水系房川
15.4メートル
40メートル
14千㎥/14千㎥
西山耕地組合
1939年

保台ダム

2017-02-08 12:00:00 | 千葉県
2016年1月21日 保台ダム
2017年2月04日
 
保台(ぼだい)ダムは千葉県鴨川市和泉の待崎川水系待崎川上流部にあるに灌漑及び上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
1985年(昭和60年)に農水省の補助を受けた千葉県のかんがい排水事業が着手されますが、これに上水道水源を求めていた鴨川市が水道事業者として参加し、1998年(平成10年)に保台ダムが竣工しました。
保台ダムは東条土地改良区への灌漑用水の供給、鴨川市水道課への上水道用水の供給を目的としており、ダムの管理は鴨川市水道課が受託しています。
 
県道191号に保台ダムへの標識があり、これに従って北に進むと鴨川カントリークラブとの分岐にかわいい保台ダムのモニュメントがあります。
(2017年2月4日)
 
左岸ダムサイトに駐車場があります。
ここは元清澄山への登山コースの起点になっており、冬場の休日は登山者でにぎわうようです。
天端は歩行者のみ通行可能。
(2017年2月4日)
 
左岸の管理事務所と艇庫。
なかなか立派な建物です。(2017年2月4日)
 
ダム湖は総貯水容量274万立米
房総らしく常緑広葉樹の原生林に囲まれています。(2017年2月4日)
 
天端路面には石張風の化粧型枠が施され、取水設備建屋も西洋の城郭風。
(2017年2月4日)
 
天端から
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
左岸高台に保台浄水場があり奥の建屋は浄水場への揚水機場です。(2017年2月4日)
 
洪水吐は自由越流式クレストゲート3門のみ。(2017年2月4日)
 
上流面(2017年2月4日)。
 
左岸展望台から俯瞰。(2017年2月4日)
 
隣接する保台浄水場と配水場
配水タンクは房総の海をイメージした青と白の塗装。(2017年2月4日)
 
バブル期に設計、着工されたダムということもあり各種建屋や天端の装飾など非常に贅沢で凝った作りとなっています。
 
(追記)
保台ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0688 保台ダム(0207)
千葉県鴨川市和泉
待崎川水系待崎川
AW
41メートル
198メートル
2740千㎥/2540千㎥
鴨川市水道課
1998年
◎治水協定が締結されたダム

第1袋倉ダム

2017-02-08 11:09:28 | 千葉県
2017年2月4日 第1袋倉ダム
 
第1袋倉ダムは千葉県鴨川市東町の二タ間川水系袋倉川にある灌漑・上水目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には鴨川市と東条土地改良区の事業で1923年(大正12年)に竣工と記され、土地改良区の前身であった耕地整理組合と鴨川市の共同事業で建設されたと思われます。
1971年(昭和46年)に当ダムの上流約1キロ地点に上水目的の第2袋倉ダムが建設され能力が増強されました。
現在も第1袋倉ダムは灌漑用水は東条土地改良区へ、上水道用水は第2袋倉ダムと合わせて鴨川市東町浄水場へと送水されます。
 
国道128号天津バイパスの東町交差点から袋倉川沿いを約3キロ北上すると舗装が終わり、車両通行禁止のチェーンが現れます。
ここから徒歩で600メートルほどで第1袋倉ダムに到着します。
右手の袋倉川に洪水吐減勢工が見えます。
 
下流面
きれいに刈り払われています。
 
天端。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
右岸の取水設備。
 
溜池新設記念碑。
 
ダム湖
総貯水容量15万7000立米
この上流に第2袋倉ダムがあります。
 
左岸の洪水吐。
 
ダムの半分が日影になり明暗差が大きく見づらい写真ばかりになっていましました。
形状は溜池ですがため池データベースへの記載はなく利水多目的ダムという扱いのようです。
上記のように当ダム上流には上水目的の第2袋倉ダムがありますが、度重なる災害でダム手前の通路が崩壊しており第2袋倉ダムへの到達は非常に困難な状況です。
 
3608 第1袋倉ダム(0832)
千葉県鴨川市東町
二タ間川水系袋倉川
AW
22メートル
60メートル
157千㎥/150千㎥
鴨川市・東条土地改良区
1923年

松部ダム

2017-02-07 17:57:20 | 千葉県
2017年2月4日 松部ダム
 
松部ダムは千葉県勝浦市松部の夷隅川水系夷隅川左支流にある上水目的のアースフィルダムです。
勝浦市水道事業の第3次拡張事業により1976年(昭和51年)に竣工しました。
しかし当ダムから送水していた松部浄水場は施設の老朽化と南房総広域水道企業団からの受水開始に伴い現在休止となっています。
2025年(令和7年)には 夷隅地域2市2町の水道事業統合が予定されており、松部浄水場及び松部ダムはこのまま運用停止となる公算が大きくなっています。

松部ダムは勝浦市中心部から北西に約4キロ地点、勝浦東急ゴルフコース北側にあります。
ダム北側から遠望
堤高21.2メートル、堤頂長85メートルのアース堤体。 
温暖な房総らしくダム周辺はスダジイなどの常緑広葉樹林に囲まれています。
 
ダムの下流面
右岸(向かって左手)に洪水吐があります。
 
上水道水源のため規制が厳しく堤体への道はゲートが設置され立ち入りできません。
 
2990 松部ダム(0831)
千葉県勝浦市松部
夷隅川水系夷隅川
21.2メートル
85メートル
175千㎥/112千㎥
勝浦市水道課
1976年

御宿ダム

2017-02-07 17:31:50 | 千葉県
2017年2月4日 御宿ダム
 
御宿ダムは千葉県夷隅郡御宿町実谷の夷隅川水系上落合川にある上水目的のアースフィルダムです。
御宿町水道事業の第1次拡張事業により1977年(昭和52年)に竣工しました。
ここで取水した水は御宿町浄水場を経由して町内に送水されます。
英水道道用水も悔い敵のにあるアースダムで、町営水道の水源として1977年(昭和52年)に御宿町によって建設されました。
ここで貯水された水は導水管で下流の御宿浄水場に送られます。
2025年(令和7年)4月に 夷隅地域2市2町の水道事業統合が予定されており、当ダムや浄水場の運営は新たに設立される水道企業団が引き継ぐ予定です。
 
県道273号線から町道を西に進むと御宿ダムに到着しますが、ダムの手前にゲートがあり立入できません。
 
ゲート越しに下流面を遠望。
堤高23.5メートル、堤頂長151メートル
総貯水容量61万立米で御宿町水道事業の中核を担う重要な貯水池です。
 
洪水吐からの導水路に架かる橋。
 
0675 御宿ダム
千葉県夷隅郡御宿町実谷
夷隅川水系上落合川
23.5メートル
151メートル
610千㎥/579千㎥
御宿町
1977年

名熊ダム

2017-02-07 17:00:00 | 千葉県
2017年2月4日 名熊ダム
 
名熊ダムは千葉県いすみ市下布施の夷隅川水系名熊川にあるに灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1979年(昭和54年)に千葉県の事業で竣工と記されており管理はいすみ市布施土地改良区が受託しています。
ダム便覧の堤高18.8メートルに対し、ため池データベースでは堤高13メートルとなっており、これを採ればダムの要件未達となります。

ダムの入り口には厳重なゲートがあり関係者以外立入禁止となっており、詳細は不明です。
 
機会があれば管理する土地改良区に見学許可を要請したいと思います。

0673 名熊ダム
ため池コード 122380152
千葉県いすみ市下布施
夷隅川水系名熊川
18.5メートル(ため池データベース13メートル
119メートル(ため池データベース125メートル)
245千㎥(ため池データベース201千㎥)/201千㎥
いすみ市布施土地改良区
1979年

荒木根ダム

2017-02-07 14:35:00 | 千葉県
2016年2月21日 荒木根ダム
2017年2月 4日 
 
荒木根ダムは左岸が千葉県夷隅郡大多喜町石神、右岸がいすみ市大野の夷隅川水系大野川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
夷隅川は千葉県最大の流域面積を持つ二級河川で、古くから流域の貴重な灌漑用水源となってきましたが、夷隅川流域では地表近くに水溶性天然ガス層があり渇水期に河床や水田からガス成分や塩分を多量に含んだ『かん水』が湧出し、農業に多大な悪影響を与えていました。
そこで千葉県は1970年(昭和45年)に農林省(現農水省)の補助を受けた鉱毒対策事業『夷隅地区』に着手、その中核施設として1978年(昭和53年)に竣工したのが荒木根ダムです。
運用開始後は夷隅町が管理を受託、その後の合併で現在はいすみ市が管理業務を引き継いでいます。
荒木根ダムには通常の灌漑用水容量とは異なり鉱毒希釈用水容量が配分され、灌漑期に流域のガス成分や塩分濃度が上昇した際に希釈用水を放流し灌漑用水の中和を図っています。
農水省の補助を受けた鉱毒対策事業によって建設されたダムとしては千葉県の平沢ダム、宮城県の田ダム、山形県の生居川ダムがあります。
 
荒木根ダムには2016年(平成28年)2月に初訪、2017年(平成29年)2月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。

荒木根ダムには県道82号を南下すると荒木根ダムの標識があり、これに従って右折すると荒木根ダムが見えてきます。
堤高33.5メートル、堤頂長302メートルとアースフィルとしてはかなり大きな堤体です。
(2016年2月21日)
 
ダム下流から。
景観的に一本杉がなかなかいいアクセントになっています。(2017年2月4日)
 
天端は車両通行可。(2017年2月4日)
 
上流面はコンクリートで護岸。
(2016年2月21日)
 
右岸に管理事務所と取水設備があります。
(2016年2月21日)
 
総貯水容量205万2000立米と農業用アースフィルダムとしてはかなり大きな貯水池。
(2016年2月21日)
 
ダム周辺は房総らしい凝灰岩の特異な地形。
(2016年2月21日)
 
ダム下には防風目的の杉が並びます。
(2017年2月4日)
 
下流面。
(2017年2月4日)
 
左岸の横越流式洪水吐。
(2016年2月21日)
 
(2017年2月4日)
 
荒木根ダムはあくまでもかん水対策の農業用ダムですが、下流の大野川は旧夷隅町の上水道水源となっており、当ダムの運用開始により同水道事業も水質改善および取水の安定化という恩恵を受けています。
 
(追記)
荒木根ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。 
 
0671 荒木根ダム(0239)
左岸 千葉県夷隅郡大多喜町石神
右岸    いすみ市大野
夷隅川水系大野川
33.5メートル
302メートル
2052千㎥/1947千㎥
いすみ市
1978年
◎治水協定が締結されたダム

雨竜湖

2017-02-07 13:06:42 | 千葉県
2017年2月4日 雨竜湖
 
雨竜湖は千葉県長生郡一宮町東浪見(とらみ)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1951年(昭和26年)に一宮町東部土地改良期の事業により竣工と記されており、前身となる耕地整理組合の事業で建設されたと推察されます。
九十九里浜最南端に位置する一宮町は海岸沿いに平坦地が広がりますがもとは砂丘で透水性が高いうえに水利に乏しく、営農は貧弱な畑作にとどまっていました。
昭和に入り西側山間部に多数の溜池を築造し砂丘地帯の農地開発がすすめられますが、雨竜湖もこうした溜池の一つと考えられます。
管理は周辺の溜池ともども一宮町東部土地改良区がを行っています。
 
雨竜湖は県道274号線に隣接しており堤体右岸下に駐車スペースがあります。
県道が下流面を横切り、右岸に天端に登る階段があります。
 
県道沿いにある機械室。
 
ダムの下流の眺め
県道はヘアピンを描いて下って行き国道128号線にぶつかります。
 
右岸洪水吐と斜樋。
 
洪水吐
溢れた水は奥のトンネル式導流路を流下します。
 
斜樋。
 
ダム湖と上流面
てっきり奥の建物が管理事務所と思い玄関まで行くと普通の民家でした。
 
天端からは海が見えます。
 
天端
刈り払いされていません。
軍茶利ダムもそうですが、一宮町東部土地改良区は冬場の草刈はしないようです。
 
0657 雨竜湖
ため池コード 124210013
千葉県長生郡一宮町東浪見
河川名不明
15メートル
110メートル
264千㎥/204千㎥
長生郡一宮町東部土地改良区
1951年