ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

西大谷ダム(西大谷防災溜池)

2016-11-29 14:48:51 | 静岡県
2016年11月26日 西大谷ダム(西大谷防災溜池)
 
西大谷ダムは静岡県掛川市にある灌漑・農地防災目的のアースダムで1958年(昭和33年)に当時の大須賀町によって建設されました。
ダム周辺は西大谷ダム公園として整備されているほか、管理釣り場があり地元では有名なヘラブナ釣りスポットになっています。
 
ダムは県道409号線沿いにあり堤体直下に大きな駐車場が設けられています。
右岸から。
右下が駐車場。
 
堤体下流面
黄金色のススキと秋空のコントラストが美しい。
 
天端は車両通行可。
 
上流面と右岸の洪水吐。
 
ダム湖(西大谷池)。
 
池には管理釣り場があり浮き桟橋が設けられています。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
湖畔の公園には城のモニュメント
場所柄掛川城を模したものでしょうか?
 
1165 西大谷ダム(西大谷防災溜池)(0722)
静岡県掛川市横須賀
弁財天川水系西大谷川
FA
 
15.1メートル
209メートル
掛川市
1958年

小笠池

2016-11-29 14:45:02 | 静岡県
2016年11月26日 小笠池
 
小笠池は静岡県掛川市にある灌漑用アースダムで1964年(昭和39年)に静岡県の事業によって建設されました。
堤体直下は小笠山への登山道の起点となっているほか、池を周回する遊歩道も整備されハイキングコースになっています。
一方で駐車場のトイレや遊歩道のトンネルは静岡では有名な心霊スポットです。
 
県道249号線から下小笠川に沿って市道を北上すると堤体直下の駐車場に到着します。
これが噂のトイレ
登山者の車が止まっています。
 
堤体下流面。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
池の周囲のもみじがちょうど色づき始めたところです。
 
天端には轍。
 
池には浮き桟橋、ダム湖の直上は小笠山で小笠神社が見えます。
 
下流面
直下に駐車場があります。
 
浮き桟橋には東屋。
 
浮き桟橋から堤体。
 
3372 小笠池(0721)
静岡県掛川市入山瀬
菊川水系下小笠川
 
24.6メートル
89.7メートル
管理者未確認
1964年

桜木池

2016-11-29 11:16:07 | 静岡県
2016年11月26日 桜木池
 
桜木池は静岡県掛川市にある灌漑用アースダムで1951年(昭和26年)に掛川市によって建設されました。
池は桜木池公園として遊歩道が整備され、湖畔には吉行淳之介文学館が隣接しています。
また池の周囲には女優の宮城まり子氏が創設した『ねむの木学園』関連施設が点在し、ちょっとした芸術村の様相です。
 
県道81号に『ねむの木村』の標識があり、これに従って北上すると桜木池に到着します。
洪水吐と斜樋。
 
洪水吐
 
洪水吐と上流面。
洪水吐の先が堤体になりますが、家が建ち一見どこが堤体がわかりません。
 
 
洪水吐導流部。
 
ダム湖(桜木池)
対岸に祠があります。
池では長崎ハウステンボスから送られた白鳥が日光浴をしています。
 
なんと!!
湖畔の遊歩道でミミズクが昼寝中。
人慣れているのか?よほど眠いのか?傍によっても泰然自若、身じろぎもしません。
 
 
 
池に隣接する吉行淳之介文学館。
 
池の手前には古い路面電車が展示されています。
 
1159 桜木池(0720)
静岡県掛川市上垂木
太田川水系垂木川
 
17.6メートル
51メートル
管理者未確認
1951年

原野谷川ダム

2016-11-29 09:38:40 | 静岡県
2016年11月26日 原野谷川ダム
 
原野谷川ダムは静岡県掛川市の太田川水系原野谷川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムで、1970年(昭和45年)に農林省の補助を受けた静岡県の事業によって建設されました。
管理は掛川市が受託しています。
 
掛川市街から県道39号を北上し大和田トンネルを抜け左に分岐すると原野谷川ダムに到着します。
左岸の竣工記念碑。
 
左岸の管理事務所。
 
天端は車両通行可。
 
下流面。
 
上流面
赤い防護フェンスで囲まれた放流ゲート。
 
防災ダムなのでダム湖はカラカラ。
 
通常は2門の放流ゲートから流水しています。
水中に副ダムが見えます。
 
右岸にある大木をくり抜いたトイレ。
 
右岸から
クレストは自由越流式が2門
放流ゲートが3門あり、水量に合わせてゲートを開閉しているようです。
この日は3門のうち中央の1門が閉じられていました。
左側にはインクライン。
 
ダム便覧では灌漑もダムの目的に入っていますが、ダム湖はカラカラで実際には防災専用だと思われます。
 
1170 原野谷川ダム(0719)
静岡県掛川市丹間
太田川水系原野谷川
 
31メートル
90メートル
掛川市
1970年

宝谷池

2016-11-28 17:40:18 | 静岡県
2016年11月26日 宝谷池
 
宝谷池は静岡県掛川市にある灌漑用アースダムで明治23年に掛川市によって建設され、戦後静岡県のため池等整備事業によって整備され現在に至っています。
 
掛川市街から県道270号を東進して石上バス停を左折、さらに初馬川手前を右折すると宝谷池に到着します。
堤体は2段になっており、下段は桜が植えられ竣工記念碑が設置されています。
 
堤体上段
ここだけ見るととても堤高15メートル以上には見えません。
 
天端にも桜が植えられています。
 
上流面はコンクリートで補強。
 
ダム湖(宝谷池)
一見小さく見えますが畝りながら奥に続いています。
 
右岸の洪水吐
洪水吐まで下りることができます。
 
下流側から洪水吐
こんなアングルから洪水吐を見れるため池は珍しい。
 
洪水吐導流部。
 
左岸の斜樋。
 
1144 宝谷池(0718)
静岡県掛川市初馬
太田川水系初馬川
 
15.5メートル
89メートル
管理者未確認
1890年

奥山中池

2016-11-28 17:05:25 | 静岡県
2016年11月26日 奥山中池
 
奥山中池は静岡県菊川市にある灌漑用アースダムです。古くからあった3連の溜池が1997年(平成9年)に県のため池等整備事業によって整備され、真ん中の溜池の堤高が15メートルになり河川法上のダムとなりました。
現在は大井川用水菊川幹線と連携して運用されており、大井川右岸土地改良区が管理を行っています。
 
地図の赤マルが奥山中池
青い波線が大井川用水菊川幹線です。
 
県道250号から西方川に沿って市道を北上、写真のトトロの案内板に沿って左折すると奥山池に到着します。
 
奥山下池湖畔に弁財天を祭った祠があります。
 
下池から中池の堤体を見上げます。
 
堤体を町道が斜行しています。
 
天端は車両通行可
といっても左岸で車道は終わりすぐに山道になります。
 
天端から下流を見下ろすと、すぐ下に下池があります。
 
左岸の斜樋。
ここで取水された水は下池に送られます。
 
左岸から斜樋と上流面。
 
洪水吐。
 
ダム湖(奥山中池)。
さらに上流に上池があります。
 
 
3338 奥山中池(0717)
静岡県菊川市西方
菊川水系西方川
 
15メートル
67メートル
大井川右岸土地改良区
1997年

谷田大池

2016-11-28 14:20:27 | 静岡県
2016年11月26日 谷田大池
 
谷田大池は静岡県菊川市にある灌漑用アースダムで明治維新直後の1871年(明治4年)に菊川町によって建設されました。
その後、大井川用水の整備に伴って大井川用水菊川左岸幹線の調整池となり2013年(平成25年)からは大井川右岸土地改良区が受託管理を行っています。
谷田大池周辺は御前崎遠州灘県立自然公園に指定され、近接する横地城跡を中心としたハイキングコースの一部となっています。
 
県道245号から牛渕川に沿って農道を東進すると谷田大池に到着します。
天端は車道、池の周辺の丘陵には茶畑が広がっています。
 
ダム湖(谷田大池)。
谷田大池の先に横地城跡があります。
 
左岸の斜樋。
太いパイプで大井川用水から揚水して水を貯留します。
 
堤体直下には大井川用水菊川左岸幹線が通っています。
左の建物は揚水機場で大井川用水の水をポンプアップして谷田大池に貯留します。
 
左岸洪水吐。
 
左岸から
草が生えていますが上流面はコンクリートで補強されています。
 
堤体下流面。
 
取水口からの導水路。
右手のパイプで大井川用水の水を谷田大池にポンプアップします。
 
洪水吐導流部。
 
横地城跡案内図。
 
1156 谷田大池(0716)
静岡県菊川市東横地
菊川水系牛淵川
 
16メートル
136メートル
大井川右岸土地改良区
1871年

丹野ダム

2016-11-28 12:44:38 | 静岡県
2016年11月26日 丹野ダム
 
丹野ダムは静岡県菊川市にある灌漑用アースダムで1957年(昭和32年)に土地改良区によって建設されました。
ダム周辺は御前崎遠州灘県立自然公園に指定され、丹野池公園として整備されているほかヨット競技会場としても利用されています。
 
県道244号線を北上すると丹野ダムに到着します。
下流面。
 
ダムの下流には水田が続き、丹野ダムはこれらの水田の水源になっています。
 
右岸の斜樋。
 
天端は車道になっています。
上流面はコンクリートで補強されています。
 
ダム湖(丹野池)
ヨット競技の会場になっています。
 
左岸から天端。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐。
 
上流から
ダム周辺は県立丹野池公園として整備され、ダムを周回する遊歩道が設置されています。
 
1164 丹野ダム(0715)
静岡県菊川市丹野
菊川水系丹野川
 
21.7メートル
175メートル
土地改良区
1957年

内谷池

2016-11-28 12:43:58 | 静岡県
2016年11月26日 内谷池
 
内谷池は静岡県菊川市古谷にある灌漑用アースダムです。
明治時代の竣工というだけで正式な竣工時期は不明です。
 
東名高速の相良牧之原インターから県道242号を南下、古屋地区の茶畑の中に内谷池がありますが残念ながら池への道路にはゲートが設置され立入禁止になっています。
 
内谷池周辺の茶畑は国営牧之原農業水利事業により灌漑用水路が整備されましたが、内谷池は現在も古屋地区の水田の貴重な水源となっています。
 
3440 内谷池
静岡県菊川市古谷
菊川水系内谷川
 
15メートル
45.6メートル
管理者未確認
明治時代

大代川農地防災ダム

2016-11-28 12:05:34 | 静岡県
2016年11月26日 大代川農地防災ダム
 
大代川農地防災ダムは静岡県島田市の大井川水系大代川上流部にある灌漑・防災目的の重力式コンクリートダムで、1968年(昭和43年)に静岡県の農地防災事業により建設され、島田市が受託管理を行っています。
 
国道473号から大代川沿いに県道81号を進むと大代林道入口が現れます。
林道は車両通行禁止ですが徒歩での通行は問題ないのでここに車をおいて林道を歩きます。
 
林道を約1.5キロ歩くとダムに到着します。
右岸が少し湾曲したなかなか格好いい堤体で、グリーンの手すりがいいアクセントになっています。
 
右岸の管理事務所
堤体は立ち入り禁止。
 
天端。
 
これは放流ゲートの清掃用の施設のようです。
 
放流ゲートのスクリーン。
防災ダムなのでダム湖はカラカラです。
 
上流から
樹林が視界を遮りこれが精一杯です。
 
ダムの目的には『A』の灌漑も入っていますが、防災専用ダムのようにダム湖はカラカラでした。
 
追記
大代川農地防災ダムには農地防災容量が設定されていますが、近年頻発する豪雨災害に備えて豪雨の際に事前放流を行う治水協定が締結され、基準降雨量358ミリの雨が予想される場合には事前放流により合計61万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1169 大代川農地防災ダム(0714)
静岡県島田市大代
大井川水系大代川
FA
 
43メートル
122メートル
島田市
1968年
◎治水協定が締結されたダム

伊自良溜池

2016-11-15 11:44:37 | 岐阜県
2016年11月12日 伊自良溜池
 
伊自良溜池は岐阜県山県市にある灌漑用アースダムで1966年(昭和41年)に岐阜県の事業で建設されました。
ダム湖の伊自良湖はもともと観光地でしたが今年1月に『恋人の聖地』に認定されカップルのデートコースの一つになっています。
 
県道174号線のドン詰まりが伊自良溜池です。途中の道路には『伊自良湖』の標識が各所に設置されていおり迷うことはないでしょう。
堤体直下は岐阜バスの転回場になっています。
アースダムですが基部は石積みです。
 
堤体中央に階段があります。
 
天端から。
 
県のため池等改修事業による改修工事が行われています。
工事関係者の方の許可を取って撮影させていただきました。
 
工事のため水抜きされています。
 
上流面
コンクリートの護岸がはぎ取られています。
 
左岸の斜樋。
斜樋周辺はきれいに石積みされています。
 
右岸から
洪水吐に橋がかかっていますが工事のため立ち入り禁止。
 
洪水吐
水色の越流部がいいインパクト。
 
ダム湖インレットに恋人の聖地があります。
 
 

1104 伊自良溜池(0713)
ため池コード 212150012
岐阜県山県市長滝
木曽川水系伊自良川
18メートル
126メートル
540千㎥/540千㎥
伊自良湖管理組合
1966年

上大須ダム

2016-11-15 09:21:40 | 岐阜県
2016年11月12日 上大須ダム
 
上大須ダムは岐阜県本巣市根尾上大須の木曽川水系揖斐川支流根尾東谷川にある中部電力(株)の発電用ロックフィルダムで、隣接する関市の長良川水系西ヶ洞谷川にある川浦ダムを上部池、上大須ダムを下部池として奥美濃発電所で最大150万キロワットの揚水式発電を行っています。
1973年(昭和48年)のオイルショックにより原油価格が高騰、水力発電が再評価されます。とくに火力発電や原発と連携が図れ余剰電力を有効に活用できる揚水発電に注目が集まり、電力各社は揚水発電の建設計画を推進しました。
中部電力は包蔵水力に余裕のある揖斐川と全くの手つかずだった長良川源流部に着目、1976年(昭和51年)に着工、1995年(平成7年)に竣工したのが川浦ダムと上大須ダムです。
 
本巣市垂水から県道255号を北上すると正面に巨大なロックフィルダムが見えてきます。
通常はダムサイトまで車で上がることができ天端も開放されているようですが、この日は天端へ通じる道路が工事中で通行できませんでした。
左岸から遠望。
 
洪水吐をズームアップ。
三角屋根の建屋がおしゃれです。
 
下流から
クレストは中電レッドのラジアルゲートが2門。
 
洪水吐をズームアップ。
 
 
仮排水路でしょうか?
 
ダム直下には奥美濃発電所の変電設備があります。
 
道路工事がなければ天端も立ち入り可能だったので残念至極です。
ちなみに上部ダムの川浦ダムはダムへの管理道路は関係者以外立ち入り禁止。
ちょっと縁が薄い上大須ダムと奥美濃発電所でした。 

(追記)
上大須ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1125 上大須ダム(0712)
岐阜県本巣市根尾上大須
木曽川水系根尾東谷川
98メートル
294.5メートル
14500千㎥/9000千㎥
中部電力(株)
1995年
◎治水協定が締結されたダム

川上堰堤

2016-11-14 23:12:44 | 岐阜県
2016年11月12日 川上堰堤
 
川上堰堤は岐阜県揖斐郡揖斐川町の揖斐川支流坂内川にあるイビデンが運営する発電用取水堰堤で、1925年(大正14年)に揖斐川電気(現イビデン)によって広瀬発電所の取水堰堤として建設されました。
戦時中も日本発送電へ出資されることなく社名改称した揖斐川電気工業が所有し続け現在に至っています。
川上堰堤で取水された水は下流の広瀬発電所に送られ最大8000キロワットの発電を行っています。
堤高は6メートル弱で河川法上のダムではありませんがダム便覧に参考掲載されています。
最近の改修で越流面はコンクリートになりましたが依然堤体の大部分は石張となっており建設当時の姿を忠実に残しています。
 
横山ダムから国道303号線を西進すると左手に川上堰堤が見えてきます。
下流から
残念ながら越流部は改修でコンクリートになりましたが堤体の大半は石張です。
 
右岸に2門の排砂ゲート
 
越流部。
中央だけ切れ込みがありここから越流しています。
 
アングルを変えて。
 
前面越流の際には、越流した水が中央に集まるように傾斜がつけられています。
 
右岸から。
 
左岸上流側から
正面に取水口があります。
 
取水口をズームアップ
堰柱や取水口周辺は竣工当時の姿を残す練石積。
 
 
越流面がコンクリートになってしまったのは少し残念ですが、竣工当時の姿を残した素晴らしい堰堤です。
近代土木遺産に選ばれてもおかしくないと思うんですが・・・。
 
S514 川上堰堤(0711)
岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内川上
木曽川水系坂内川
5.91メートル
38.18メートル
千㎥/千㎥
イビデン(株)
1925年

神岳ダム

2016-11-14 18:47:34 | 岐阜県
2016年11月12日 神岳ダム
 
神岳(かみがたけ)ダムは岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内川上の木曽川水系揖斐川支流坂内川源流部にあるイビデン(株)が運用する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1935年(昭和15年)に川上発電所の取水ダムとして揖斐川電気(現イビデン)によって建設され、ここで取水された水は川上発電所に送られ最大4000キロワットのダム水路式発電を行います。
電力会社以外の民間企業が運営する珍しい水力発電設備です。
 
横山ダムから国道303号線を西進、川上から坂内川に沿って町道を北上すると神岳ダムに到着します。
クレストは自然越流型。
 
 
ダム周辺の紅葉はちょうど見ごろですが明暗差が大きくなかなかいい写真が撮れません。
 
減勢工。
 
天端は立ち入り禁止
高欄のデザインが特徴的。
 
上流から。
 
 
ダム湖周辺の紅葉はまさに見ごろ。
 
神岳ダムで取水された水が送られる川上発電所。
 
神岳ダムを運用するイビデンは我が家には非常に関わり深い企業です。
19世紀後半、化学企業から電子機器企業に変貌する際にイビデンに投資して大きなリターンを得ることができた大変相性のいい会社です。
そんなお世話になったイビデンの発電用ダムと発電所を訪問することができ灌漑深いものがありました。

(追記)
神岳ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1062 神岳ダム(0710)
岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内川上
木曽川水系坂内川
20メートル
52メートル
215千㎥/150千㎥
イビデン(株)
1935年
◎治水協定が締結されたダム

徳山ダム

2016-11-14 18:17:06 | 岐阜県
2016年11月12日 徳山ダム 
 
徳山ダムは左岸が岐阜県揖斐郡揖斐川町徳山、右岸が同町開田の木曽川水系揖斐川最上流部にある水資源機構が管理する多目的ロックフィルダムです。
木曾三川の一つ揖斐川は古来より洪水被害が絶えず抜本的な洪水対策は流域住民の悲願でした。
1964年(昭和39年)に建設省により横山ダムが建設されますが、建設工事中の1959年(昭和34年)の伊勢湾台風で中部地方は壊滅的な被害を受け横山ダム上流に新たな洪水調節目的ダムの建設が計画されました。
一方急流が続く揖斐川は水力発電の適地であり揖斐川源流部に発電目的のダム建設の動きも浮上します。
これらの動きをまとめる形で1971年(昭和46年)に建設省により徳山ダム建設事業が発表され、1973年(昭和48年)に事業は水資源開発公団に移管、1976年(昭和51年)に『揖斐川総合開発事業』が正式に着手されました。
 
長期の補償交渉や高度成長の終えんによる水需要や電力需要の低下など環境の変化などもありダム建設を巡る動きは紆余曲折したものの、2000年(平成12年)から本体工事に着手、2008年(平成18年)に徳山ダムが竣工しました。
徳山ダムは横山ダムと連携しての揖斐川の洪水調節、既得取水権への補給と河川流量の維持、愛知県・岐阜県・名古屋市への上水道供給、中京工業地帯及び岐阜県下への工業用水の供給、中部電力徳山発電所での最大出力16万1900キロワットの発電を目的としています。
徳山ダムの総貯水容量66億㎥と堤体積1370万立米は日本一、堤高161メートルは日本第3位でロックフィルダムでは2位、多目的ダムとしては第1位と日本有数の巨大ロックフィルダムとなっており日本のダム100にも選定されています。
 
横山ダムから国道417号を北上、『境の尾一里石トンネル』を抜けると右手に巨大ロックが見えます。
 
洪水吐
クレストにラジアルゲートが4門、写真では見えませんが中央にオリフィスゲートが2門あります。
 
減勢工と中部電力徳山発電所。
当初計画では下流の東杉原に下部ダムを建設し揚水式発電を行う予定でしたが、電力需要見通しの低下により一般水力発電に事業が縮小されました。
 
天端は車両通行禁止
コンクリート打ちっぱなしの建屋が並びます。
ちょうど紅葉の盛りということで多くの観光客が訪れていました。
 
洪水吐
ここ数年で最低の水位になっています。
 
洪水吐導流部は巨大過ぎて見えません。
 
洪水吐の導流壁とダム湖(徳山湖)。
 
堤体中央の展望台。
このコンクリート構造物は??
 
発電所への取水設備。
 
徳山ダム周辺はちょうど紅葉の見ごろです。
 
下流面。
 
上流面
黒い石が精悍さを与えます。
 
日本有数の巨大ロックフィルダムですが、高瀬ダムのように下流から見上げることができなので高さを実感することができません。
また堤頂長は胆沢ダムや森吉山ダムの半分しかないので天端を歩いてもさほど大きく感じません。
やはり下流から見上げることができて初めて徳山ダムの巨大さを実感できるんだと思います。

(追記)
徳山ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。 

1130 徳山ダム(0709)
左岸 岐阜県揖斐郡揖斐川町徳山
右岸         同町開田
木曽川水系揖斐川
FNAWP
161メートル
427.1メートル
660000㎥/380400㎥
水資源機構
2007年
◎治水協定が締結されたダム