経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

徳川合理主義---「天皇制の擁護」第三章

2008-11-22 02:54:40 | Weblog
     「天皇制の擁護」 第三章 徳川合理主義

ヨーロッパの18世紀は啓蒙思想と合理主義の時代と言われます。 全く同様のことがわが日本の徳川時代にもあてはまります。
前者の代表がホッブス・ロック・ヒューム・スミス、
後者は荻生徂徠・石田梅岩・二宮尊徳です。
合議システムの展開、社会契約説、身分制の否定、耕地の自由売買、金本位制と信用経済
流通経済の肯定、経済政策の必要性、貨幣数量説、労働価値説、有効需要などなど
あちらはあちらなりに、こちらはこちらなりに新しい考えを発展させています。

徳川時代は、民衆の自由や自治などは一切ない時代と思われてきました。
「百姓と胡麻の油はしぼればしぼるほど取れる」は、
封建的搾取を端的に示す言葉とされてきました。

実態は違います。
貨幣経済により商品作物(木綿、菜種、藍、塩、煙草等)を栽培し富裕になった農民から充分な年貢が取れない為政者がくやししまぎれに言った言葉です。

私は大阪府豊中市の上野小学校を卒業しました。
20年前に校舎を訪れたところ、3階から2階にかけて一面の壁画が眼に入ります。
徳川時代の農民が重労働にあえぎつつ酷使されている風景です。
このような時代像は専門家によりすでに否定されています。
しかし教育とは恐ろしいもので、いまだにこのイメージが支配的です。

徳川時代は合理的な思考を発展させ日本人の知性を高めた時代です。
幕末維新、日本人の識字率は世界一でした。

 (経済関係の意見は12月1日以後発表します その間自著の紹介をさせていただきます 読者の皆さ、貴方にとっての天皇制の意味が解りますか? あえて質問いたします)