経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

親鸞そして日蓮、「天皇制の擁護」第二章

2008-11-21 00:15:20 | Weblog
  親鸞そして日蓮
      天皇制の擁護---第二章

鎌倉仏教は民衆を政治の主体にしました。
仏教特に日本の仏教では次のような等式が成り立ちます。 
   衆生 = 菩薩= 仏
これを翻案すれば
 民衆 = 武士 = 君主
になります。この主題を一番明瞭に宣言したのが親鸞と日蓮です。
親鸞は「悪人正機」といいました。悪人が真っ先に救済に預かると。
言い換えれば人間は本来の生地のままで救済される、というわけです。
日蓮の信心の基軸は「折伏逆化」です。世俗を場とし資糧として戦うことにより世俗に理想を実現するとなると、人間には政治行為が必要だ、だから人間はすべて政治の主体だとなります。
これ以上明晰な人民主権説があるでしょうか?この思想はインドのヴェ-ダ、秦漢隋唐の文化と思想をわが国の培地で総合し創造してでき上がった日本独自の政治思想です。

親鸞・日蓮やその後継者が活躍した鎌倉室町時代は活気に満ちた時代でした。簡単な例を挙げます。14世紀、現在の神戸市近傍にあった兵庫北関を通過する財貨は、同時期ハンザ同盟の中心都市リューベックの10倍あったそうです。

「天皇制の擁護」目次
 目次 記紀・源氏物語・愚管抄、親鸞そして日蓮、徳川合理主義、天皇は文化の守護者
王家の系譜、古代ギリシャ、ユダヤの神、パウロとアウグスティヌス、アングロ・サクソン(1)、アングロ・サクソン(2)、統治、君主