三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会との「交流」23

2009年06月03日 | 日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会
【金大中大統領への要請文(2002年4月17日) 3】

■韓国政府へのお願い
 「朝鮮村」の中の犠牲者が埋められている場所は非常に広く、一市民団体や、一会社で何とかできるものではありません。また、「朝鮮村」の歴史的成立過程から考えて、一民間会社が管理をすべきものでもないと考えます。
 根本的には、「朝鮮村」に埋められている犠牲者たちは、日本の植民地となった朝鮮民族の受難の歴史とともにあるということです。
 「朝鮮村」の遺骨を発掘し、死因を特定し、ひとりでも、その遺骨の身元を明らかにし、息子あるいは夫あるいは父が、どこで、どのようにして亡くなったかも知らないであろう家族のもとに、遺骨を返すことは、韓国政府がすべきことではないでしょうか。
 もちろん、「朝鮮村」における虐殺について、第一に責任を問われなければならないのは、日本政府です。しかし、日本政府にそれを要求している間に、遺骨は、崩壊していくでしょう。海南島は1年を通して、非常に蒸し暑いところです。専門家によれば、発掘され、空気に触れた遺骨や副葬品は、たちまち、崩壊していくだろうということです。

 わたしたちは、つぎの2点を韓国政府にお願いしたいと思います。
 1、「朝鮮村」に埋められている人たちの遺骨を、死因を特定するために解剖してほしい。全部は無理でも、何体かでも。
 2、「朝鮮村」の遺骨の処遇を、国家プロジェクトとして考えてもらいたい。

 このことについて、韓国政府が関与してくださるなら、わたしたち紀州鉱山の真実を明らかにする会は、協力を惜しみません。

 日本人は、自分たちの侵略の歴史を直視しようとせず、またかつて直接の加害行為にかかわった世代の日本人のおおくは、それを隠したまま、死んでいこうとしています。現在の日本の右傾的な政治・社会状況から考えて、日本の侵略史を総体として明らかにすることは、今後いっそう重要になっていくだろうと思います。
 わたしたちは、1945年当時の住所をたよりに、紀州鉱山に強制連行された人たちを訪ねて韓国に数回行きました。そのとき、地方の洞事務所や面事務所や市庁の民願係にとてもお世話になりました。
 大統領がこの手紙を直接読まれるかどうかわかりませんが、青瓦台の民願係にお送りしてみます。
 わたしたちの会の活動についても報告しましたのは、わたしたちの会の趣旨を知っていただきたいからです。わたしたちの会は、会員の会費で運営され、会員には日本人も朝鮮人もいます。
 わたしたちは、5人で、第4回海南島「現地調査」で、3月20日~4月5日まで海南島にいってきたばかりです。発掘された遺骨のうち数体は、身元も明らかにされないまま、ガラスケースにいれられ、訪れる人たちの目にさらされています。これは、非業に死んでいった彼らが望んでいることとは思えません。
 以上、簡略に「朝鮮村」について、現段階での調査・研究結果と現在の状況を書き記すとともに、わたしたちのお願いを書きました。そして、ご参考になればと考え、KBSとMBCのドキュメンタリー、わたしたちの海南島調査報告・論文等をいっしょにお送りします。
 ご多忙かと思いますが、よろしくご検討のうえ、ご返事をお待ちします。

■添付資料
1、 三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者(李基允氏・相度氏)の追悼碑を建立する会『会報』25号(1997年3月16日)、26号(1997年10月19日)、28号(1998年10月18日)、31号(2000年3月19日)、32号(2000年10月20日)、33号(2001年3月30日)。
2、紀州鉱山の真実を明らかにする会(金靜美、佐藤正人)「海南島 1998年夏――田独万人坑・石碌万人坑・八所万人坑・朝鮮村」、『パトローネ』35号、写真の会パトローネ、1998年10月。
3、紀州鉱山の真実を明らかにする会(金靜美、佐藤正人、斎藤日出治)「海南島 2000年春――朝鮮村・后石村・大坡村・羊角嶺水晶鉱山――」、『パトローネ』42号、2000年7月。
4、紀州鉱山の真実を明らかにする会(金靜美、佐藤正人)「海南島 2001年1月――海南島駐屯日本海軍第16警備隊に虐殺された朝鮮人の遺骨が「発掘」された――」、『パトローネ』45号、2001年4月。
5、김정미「일본점령하중국海南島에서의강제노동」、朴慶植先生追悼論文集 『近現代韓日関係와在日同胞』서울大学校出版部、1999年8月。
6、金靜美「日本占領下の海南島における強制労働――強制連行・強制労働の歴史の総体的把握のために――」①・②、『戦争責任研究』27・28、日本の戦争責任資料センター、2000年3月・6月。
7、金靜美「日帝期  의 強制連行 問題에 관하여」、『各国의 歴史教科書에비친過去清算問題』国際教科書研究所(2000年5月23日~24日, 서울에서 열린 第9次国際歴史教科書学術会議(主催、国際教科書研究所)에서의 報告)。
8、佐藤正人「日本占領下の海南島における朝鮮人虐殺――アジア民衆共同の東アジア近現代史認識をめざして」、『亞細亞諸國의 歷史科書에 비친 抗日運動』国際教科書研究所(2001年10月23日~24日上海에서 열린 第10次国際歴史教科書学術会議(主催、国際教科書研究所)에서의 報告)。
9、韓國KBS“해남도에 묻힌 조선의 魂”(1998年8月31日放映)。
10、韓國MBC“하이난섬의 大虐殺”(2001年3月1日放映。3・1独立運動紀念特別다큐멘터리)。
11、김정미 紀州鑛山으로의 조선인 강제연행 강제노동의 사실추구의 과정에서 구술자료로 복원하는 강제연행의 역사 2001년 12월 19일 서울에서 열린 제1회 2001년도 구술자료수집결과 보고회에서의 보고。
12、金靜美「国民国家日本の他地域・他国における暴力――海南島の場合」、『洪鍾先生退任記念論文集』白山出版社、2002年4月。
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