ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『少年法入門』 廣瀬健二

2023-04-26 22:47:32 | 


ヤフーニュースのコメント読んでいると少年犯罪が起きると必ず「厳罰化しろ」とある。感情論としてはわかるが果たしてそれが正しいのか。
ということでこの本を読んでみた。

まず大前提として少年という特性を考えなくてはいけない。少年というのは大人と比べて未熟であり、犯罪を犯すも環境の影響も大きい。また可塑性もあるため教育効果も高い分更生のことも考えなければいけない。

未成年が犯罪を犯すと即刻少年院送りかと思ったが、必ずしもそうではなく、必要に応じて教育を施している。逆に言うと厳罰化すると必要な教育が受けられないということになる。以前読んだ『ケーキの切れない非行少年たち』にもあったが、そもそも自分の犯した罪を理解できない、反省ができないという少年がいる。そういうことを鑑みると少年法の必要性がわかってくる。

少年法の入門書としては十分な一冊だと思う。
明確な答えがないことだからこそ、感情論を振りかざすことなく、学んでいくことが大切だ。

ボブ・ディラン 4月16日 東京ガーデンシアター

2023-04-16 22:04:08 | ライブ


セットリスト
1.Watching the River Flow
2.Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
3.I Contain Multitudes
4.False Prophet
5.When I Paint My Masterpiece
6.Black Rider
7.My Own Version of You
8.I'll Be Your Baby Tonight
9.Crossing the Rubicon
10.To Be Alone With You 
11.Key West (Philosopher Pirate)
12.Gotta Serve Somebody
13.I've Made Up My Mind to Give Myself to You 
14.That Old Black Magic
15.Mother of Muses 
16.Brokedown Palace
17.Goodbye Jimmy Reed
18.Every Grain of Sand

2,3年前に来日予定だったが、流れてしまい、リベンジの来日公演。しかし、ディランに限ったことじゃないが、チケット代の高騰が凄いな。一番安い席で21,000円とかブルジョアの遊びだよ。

今回は同時期にクラプトンが来日している。9割9分9厘ないとは思うが、ステージにクラプトンがゲストで現れることを期待してチケットを買った。

事前に入場前に携帯を専用ケースに入れて使用不能にするというアナウンスがあった。こういう友達を積極的になくしていくスタイルがディランらしい。
チケットは売れ行きが悪いようでA席がS席にランクアップした。S席買ったやつm9(^Д^)プギャー。

しかし、このセットリストを見てくださいよ。「Like A Rolling Stones」はもう諦めたが、とうとうこれまで演っていた「風に吹かれて」もなくなった。というか代表曲と言える曲が一曲もない。
最初の2曲は「おっ」と思ったが、後は新曲が中心。新譜も買ってはいるのだけど、アレンジが違うのかピンとこない。というか、相変わらずワンパターンなアレンジだ。「Gotta Serve Somebody」と「Every Grain of Sand」は渋いチョイスがだ、嬉しいかと言われると別にそうでもない。
ディランは相変わらずピアノで最後の曲でようやくハープを吹いた。

ステージは結構照明を落としている。そしてそれほど広くないステージを更に狭く使っている。バンドメンバーがディランの方を向いて取り囲むようにしているが、何かあったときに瞬時に対応できるようになのかと勘ぐってしまう。

ライブ数日前にTwitterでデッドのカバーを演るという情報が目に入ってしまった。この日も16曲目はデッドのカバーらしかったが、かなりグダグダであった。

ライブは17時開始で18時40分頃には終了。これで2万超えとかふざけるなと言いたくなる。ただ、SNSでも文句を言っている人はおらず、私が少数派なようだ。

ライブは不満があったが、家に帰って久々に『血の轍』聴いたら名盤過ぎて感動した。やはりディランはCDに限る。それでも来日すれば赴くのがファンの努めだから苦しい。

もちろんクラプトンとの共演なんてあるはずもなかった。

ドゥービー・ブラザーズ 4月15日 岩手県民会館

2023-04-15 22:33:18 | ライブ


セットリスト
1.Nobody
2.Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)
3.Here to Love You
4.Depending on You
5.Rockin’ Down the Highway
6.You Belong to Me
7.Easy
8.South City Midnight Lady
9.Clear as the Driven Snow
10It Keeps You Running
11.Another Park, Another Sunday
12.Eyes of Silver
13.Better Days
14.Don’t Ya Mess With Me
15.Real Love
16.World Gone Crazy
17.Minute by Minute
18.Without You
19.Jesus Is Just Alright
20.What a Fool Believes
21.Long Train Runnin’
22China Grove

アンコール
23.Black Water
24.Takin’ It to the Streets
25.Listen to the Music

数年前に来日したときに観た武道館公演は最高だった。未だに最高の来日公演はと聞かれればあの時のドゥービーと答えざるを得ない。
来日公演が正式に発表される前から噂にはなっていたが、まさかホントに来日してくれるとは。しかも、マイケル・マクドナルドも一緒に。しかもしかも、岩手に来てくれるとは。驚きしかないジャパンツアーの初日にいざ参戦。
ただ、チケットの売れ行き的に座席の格上げなんてあるんじゃないかと思ったが、満席ではないものの普通に客は入っており安心した。

マイケル・マクドナルド来日!なんて言ったものの、実はマイケル・マクドナルド期はそんなに好きじゃないし、聴いてもいない。スティーリー・ダンは聴くし、あのサウンドが嫌いということは決してないが、あれをドゥービーでやる必然性がさっぱりわからないでいた。

実際マイケル・マクドナルドがボーカルをとっている曲はほとんどピンとこなかった。というか前半は知らない曲がほとんどだった。13曲目は新曲だとMCで言っていた気がした。

しかし、そこはドゥービー、楽曲の持つパワーは知識の有無を吹き飛ばす楽しさにあふれている。
後半の代表曲の連発には絶頂してしまう。ベタではあるが私「Long Train Runnin’ 」はメチャメチャ好きなのよ。マイケル・マクドナルド期は苦手とは言ったが、それでも「What a Fool Believes」は名曲と言わざるを得ない。「Takin’ It to the Streets」の前奏のピアノソロ、そしてサックスとの絡みもメチャカッコいいよ。

ラストナンバーの「Listen to the Music」はサビをみんなで大合唱。なんて楽しい時間だっただろう。

マイケル・マクドナルドの有無はともかく、やはりドゥービーのライブは最高だ。年齢的なものはあるが、もう一回くらいは来て興奮させてほしい。


「みちのく いとしい仏たち亅 岩手県立美術館

2023-04-15 21:00:31 | ○○展


ドゥービーのライブまで時間があったので特に興味はなかったが美術館で時間つぶし。後で知ったが、コンサート会場で「鈴木敏夫とジブリ展」をやっていたと知りそっちにすればよかったと後悔。

仏像は興味ないジャンルの一つ。どれも同じに見えるし、ありがたさも感じない。芸術作品というよりは仏教のアイテムとしてのイメージだし。

今回の展示の仏像はプロである仏師が彫ったものではなく、その土地の大工等が彫った民間仏である。プロが彫ったような精巧さや荘厳さはないが、どこか愛らしさや温もりが感じられる。中には笑ってしまうような低クオリティとも言えるようなものがある。
しかし、当時の人はどのような思いで彫り、どのような気持ちで祈ったかを考えると笑ってもいられないかもしれない。クオリティこそ低いが、そこには強いな思いが込められていたのだろう。だから今日まで受け継がれているのか。

『二都物語』チャールズ・ディケンズ

2023-04-12 20:50:37 | 
 

旅行中に持っていた本が尽きたので岡山駅の本屋を物色したが、めぼしいものが見当たらない。そこで手にとったのがこの本。いつかは読みたいとは思っていたが、優先度は低い。しかし、他にないのでこれでいいやと購入した。

どうしても唯一読んだことのあるディケンズ作品の『大いなる遺産』と比較してしまいたくなる。あちらが冒険活劇、マンガ的というのに対し、こちらはもうちょいドラマ性があり、文学的である。

二都であるフランスとイギリスを舞台に壮大な物語は読み応えがある。その中で革命に巻き込まれる登場人物と男女の恋愛を見事に描いている。
ただ、これは私の能力の問題でもあるが、ちょくちょく人物が誰かわからなくなる。

面白い作品であることは間違いないが、読み込みが足りず、物語の奥底まで楽しめたとは言えない。時間を置いて再読したいな(そう言っていつも読まないが)。