ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『悪童日記』

2022-05-28 18:17:43 | 


結構重そうな作品だけど、SNS見ているといろいろな人が手に取っているイメージがある。
それならばと私も読んでみたが、確かに重い作品である。しかし、日記ではないが日記のように主人公である二人の少年の戦時中の日々が数ページごとに章が区切られて綴られているため読みやすくはある。

戦争という秩序が失われつつある世界を舞台に、逞しく生きているはずの二人の子供の無邪気さが怖く感じられる。物語の中で双子は名前も出てこず、区別されることもないが、自分たちの世界を持っていて、大人も読者も入り込む余地がないとさえ感じられる。
話は全然違うが、『禁じられた遊び』に通ずるところがあるかな。

ラストはなかなかにショッキングだが、続編もあるんだね。読もうかどうしようかは検討中。

『法学を学ぶのはなぜ?: 気づいたら法学部,にならないための法学入門』 森田果

2022-05-28 00:34:46 | 


私は別に法学部出身ではないが、法律にはちょいと興味はある。ちょこちょこ新書なんかで法学関係は読んでいたが、一番初めに読むにふさわしい作品だなと思った。

法律ってものすごく身近なものではあるが、法学を学んでいるか学んでいないかで見方に大きく乖離があると思う。
例えば何か事件が起こったとしても、素人は一元的な善悪でしか判断できないが、法律家っていうのは物事を多面的に見ることができるんだなというのを感じた。

普段なかなか考える機会のない法律(ルール)がどんな目的を持って存在しているかということを知ることができたのは非常に意義がある。

法学部を目指す人、なんとなく法律に興味を持っている人には非常にいいとっかかりの一冊であった。
文章は平易ながら法学の世界へ導いてくれる。

『シン・ウルトラマン』

2022-05-22 20:57:43 | 洋画
公開延期を乗り越えてようやく観賞することができた。てっきり庵野さんが監督なのかと思ったら、樋口さんが監督なんだね。

ダイジェストを除くと出てくる怪獣(禍威獣)、宇宙人(外星人)はネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラス、ゼットン。
てっきり一本筋のあるストーリーが展開されるのかと思ったら、それぞれテレビシリーズの内容をリメイクしたようなエピソードが続く。それでもやっぱり現代的にアレンジされている。異星人と政治家の外交のやりとりは今作ならではだと思う。

しかし、原作ファンを喜ばせるオタク的な要素もある。にせウルトラマンに化けたザラブ星人にチョップした時に痛がるのはファンならニヤッとしてしまう。ウルトラマンとメフィラスが人間形態ながら居酒屋で酒を一緒に飲むのは、一種のメトロンのオマージュか。
また、ゼットンを操るのをゾーフィというのは、なんかの雑誌の設定を借りたのだろうか。

純粋な怪獣バトル、SF、ダークファンタジーがバランスよく練り込まれた非常に見応えのある作品であった。設定を借りただけでなくオリジナルティも楽しめる稀有な作品だ。
これを言ってしまえばキリはないが、ピグモンやシーボーズといった敵対しない怪獣が出てきたらどうだろうという興味もあった。

ゼットンのデザインやメフィラスとのバトルだったりと、ところどころエヴァ感を隠しきれない部分があって笑った。

『野生の思考』とか絶対読まんと思っていたが、ちょっと読みたくなる。

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』

2022-05-07 23:45:23 | 洋画
知り合いに誘われて一緒に観に行ったけど、誰かと映画観に行くなんて何年ぶりだろう。隣に知っている人がいると、観ている最中なんだかそわそわしちゃう。
前作、前々作も観てはいるけど、あんまり覚えていないから慌てて復習はしたが、それがベターだったかな。

今作から悪役がジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに交代したが、この配役は正解だったと思う。今回しれっとグリンデルバルドが魔法使い連盟のお偉いさんに立候補しているが、ジョニデのままだったらあまりにファンキーすぎる出立ちで浮いていたと思う。

物語としては時折コミカルさも交えて面白くは観られたものの、魔法動物要素は薄めだったかな。なんだかこのままアクション路線が濃くなって魔法生物学者要素はおまけ程度になっていきそう。

一応麒麟が物語のキーにはなっているが取ってつけた感は否めない。
色々やらかした魔法使い連盟のトップも麒麟に選ばれたってことでしょ。麒麟さんガバガバやないすか。

深いことは考えずにポップコーンムービーとして見れば普通に楽しめる映画であった。というか3作の中では私は今作が一番好きだな。

「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」 東京都現代美術館

2022-05-04 23:34:38 | ○○展




久々の現代美術館。長いことリニューアルしていたけど、それだって終了したのは3年前。最後に行ってから6年も経っているから、道順も忘れてしまったよ。

改修工事ということであったが、正直足を踏み入れてもどこが変わったとははっきり指摘できない。もちろん変わっているのだろうけど、3年かけて何が変わったのだろうか。

井上泰幸という方は存じ上げなかったが、特撮階に大きく寄与した方なんだね。展示作品は絵コンテやミニチュアなんかがある。特にヘドラ関係は充実していた。
知っている作品も多いが、知らない作品もたくさんあった。特撮は奥が深いもんですね。