ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『封印再度』 森博嗣

2014-05-17 19:47:19 | 
森博嗣を初めて読んだのは大学生になってからだった。そのとき自分は経済学部で自分の選んだ進路に後悔を覚えていたところだった。ホントは自然科学を学びたかったのに社会科学の分野に行ってしまったことにだ(理系と文系という区分の仕方は好きになれない)。森博嗣はトリックも理科的だし登場人物も理系、そして何より森博嗣が名古屋大学の工学部で助教授をやっていたという始末。作品は何冊か読んだが読むたびに自分の選択の後悔の気持ちが強くなっていくのと、自然科学への憧れを強く持つようになった。そして今、工学部ではないが自然科学の分野に進んだ自分が森博嗣の作品を読んだらどんな気持ちになるかと思って作品を読んでみることにした。

処女作の『すべてがFになる』は力作であったが、とりたてこの人の作品を面白いと思ったことはない。トリックがどうというよりも犀川先生が活躍してくれればそれでいいという感じである。本の登場人物ながら犀川先生の振る舞い方、スタンスがカッコよくて憧れてしまう。ただちょっと西之園君がうるさいのとタバコの描写が多すぎるのが頂けないな。
肝心の事件の方はとり立てるほどのも出ないから言及しないけど、可もなく不可もなくというところ。トリックも森博嗣らしく、壺と鍵の件も興味深かったが感嘆するほどではないかな。

なんだか最近大学の先生という職業がすごくカッコよく思えるようになってきた。自分はなれる気がしないけど、もしなれたら犀川先生みたいになりたいな。まあ、実際にあんな人がいたら相当浮く気がするけど。
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『Tommy』 The Who

2014-05-09 20:25:06 | 洋楽


そんなに好きなアルバムではなかったけど、数年前にロジャー・ダルトリーが来日して再現ライブを演るというので慌てて聞き込んで映画の方も観たらすっかりお気に入りになってしまった。
「ロックオペラ」というだけあって聴きごたえは十分である。このアルバムはホントに1枚で1つの作品という感じで途中の曲だけ聴くということはしたくない。聴くときは全部通して聴きたい1枚である。ただそうすると1時間以上かかってしまうから気軽に聴けないのが難点である。
全曲を通して1つのストーリーとなっているのが実に面白いし、よくできているなと思う。このアルバムは曲だけでなくて物語も追わなければ意味がない。歌詞カードだけでなく映画も観るとグッと理解が深まるからおススメである。ただ、音楽と映画とで若干ストーリーが違うらしいけど。
色々いい曲がたくさん入っているんだけど「この曲がいい!」って曲単位で言うのは野暮ったくなるからよしておこう。

やっぱりフーの全盛期というだけあって素晴らしい作品だ。演奏、ボーカル、そしてメロディーメーカーとしてピートが超一流だということが聴くたびに再確認してしまう。でも『Who's Next』の方が好きなんだよね。
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「水辺のアルカディア」 島根県立美術館

2014-05-06 18:41:09 | ○○展
今日は島根県立美術館で「水辺のアルカディア」という企画展を見てきた。なんか見覚えがあるなと思ったら渋谷でもやっていたよう。しかも、渋谷よりも安い料金でちょっとお得な気分に。連休最終日で混んでるかと思ったがそんなことはなくて安心した。

見るにあたっての予備知識は、ほとんどないままに行った。ただ、なんとなく好みじゃなさそうだなと思ったが、やっぱり好みとは違うものだったな。作品自体の力は凄いのかもしれないけどちょっと重いというか堅いというかで私には合わなかったな。一点くらいは気に入る作品があるかなと思ったが無くて残念であった。
ただ常設展の方は意外にもよかった。日本画なんか興味ないと思っていたけど歌川広重の浮世絵なんか家に飾っておきたいくらいだな。他にもいろいろ気に入った作品はあったけど一番魅かれたのは森山大道という人の写真だな。初めて聞く名であったが壁にでかでかとモノクロのハーレー・ダヴィットソンが飾ってあるんだな。説明文によると、この写真を見た寺山修司は「ガソリンのにおいがするね」と言ったそうだが、その気持ちがよく分かる。氏の作品はこの一点しか展示されていなかったがすごいインパクトだったな。家に帰ってから他の作品も見たがアンダーグラウンドっぽくていいな、気に入ってしまった。ちょっとウォーホルに通ずるところもあるんじゃないかと思う。

宍道湖のすぐそばに建つこの美術館は建物からの景観も作品といってもいいくらいだな。展望台からは宍道湖を一望できて、すごくいい眺めであった。次行くときは絶対に陽の沈む時間にしよう。
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「写真家・植田正治が撮る松江-変わらない風景と移り行く風景」 松江歴史館

2014-05-05 20:54:24 | ○○展
以前に恵比寿で「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーブ」を見てから気になるアーティストになった植田正治の写真展が松江歴史館で開催されていた。植田正治の出身は鳥取だが松江にも縁がるようである。
ゴールデンウィークまっただ中で、通りには観光客も多くいたので混んでいたらイヤだなと思ったが杞憂であった。入場まず思ったのは心の中で「狭い~」と叫びたくなるほどの展示スペースであった。まあ300円だしな。それでも作品の魅力は相変わらずで松江の街並、住民が飾ることなくありのままに写されていてほっとする。水の都松江というだけあって橋の写真がとても多かった。今回のテーマは「春と夏」であり季節感が写真を通して伝わってくるのがわかる。タイトルには松江と入っているが出雲の写真も数点展示してあった。それにしても夕陽と宍道湖の組み合わせは素晴らしいな。まだ直にその光景は観てないんだよな。
作品のほとんどは昭和40年前後だが写真の横に同じ場所の現代の写真も展示されており比較もできるようになっていて面白かった。当然半世紀も経つと変わるところもあるけど、基本的なところは変わってないなと思った。それがいいことなのか悪いことなのかはわからないけど松江の魅力なんだと受け取っておくことにした。

一番驚いたのは企画展とは別に展示してあったレゴで作った松江城と和菓子で作られた花だったりして。
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『舟を編む』

2014-05-05 13:53:21 | 邦画
公開当時から気にはなっていたけど日本アカデミー賞を獲った途端に興味が失せてしまっていた。最近はテレビで放映するのが早くなって嬉しいやら寂しいやらで複雑だ。

結論から言うとすごく面白かった。キャスティングもすごくいいけどやっぱり原作がいいからなのかな。監督は『川の底からこんにちは』の石井裕也だったから結構期待していたけど。
メインは辞書作りだけど登場人物がみんな成長していく様子がすごくいいね。不器用な主人公だけど周りの人間も彼に影響を受けて変わっていく。2時間そこそこであそこまで描いたのはお見事だな。最近はすっかり低視聴率男のイメージのオダギリジョーもすごく良かった。やっぱり役者としては優秀なんだな。
しかし辞書作りにあんなに時間がかかるとは思いもよらなかったな。15年くらいかかっていたかな。作っている間に新たな言葉がどんどん生まれてくるだろうし、ある意味際限のない仕事だな。今まで気にも留めたことないけど辞書を作るっていうテーマがまず興味深い。

しかし、一つ腑に落ちないのはよくヒロインは主人公と結婚する気になったな。彼女が一番の変人ではないか。
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