ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『ステージ・マザー』

2021-02-28 22:01:35 | 洋画
予告観て面白そうだったから観に行ったが、思っていたのとはちょいと違ったかな。

ゲイの息子が亡くなって経営していたゲイバーを再建していくお話。
予告を観た感じではバーの再建がメインのサクセスストーリー要素が強い映画なのかと思っていたが、人間ドラマが中心。ゲイの息子を持つ家族、夫婦、そしてゲイとして生きる者たち、シングルマザーとして生きる女性それぞれの悩みを描いている。

主人公のマザーは親身になって彼らの悩みを聞いて寄り添っていくが、結局自分の夫とは分かり合えないまま終わるのがなんとも皮肉。
最近よく「アメリカは自由な国ではない」というワードを耳にする。息子がゲイであることをひた隠しする保守的なテキサスの夫はまさにその言葉の体現であった。

バーの再建の方は都合良すぎるくらいにサクサク成功してしまい、なんだか拍子抜けだったな。うまい具合に指導できる人、歌える人、作曲、演奏できる人がいて、もうちょいそちらの方にも一味あってもいいのでは思った。
だが、リニューアルしたショーで歌うステージパフォーマンスは見応えがあってなかなかのもの。


『わたしは、ダニエル・ブレイク』

2021-02-21 23:14:32 | 洋画
どうしてもタイトルを「わたしは、ダニエル・クレイグ」と言ってしまいそうになる。

社会や福祉に救われないシングルマザー親子と中年男性の物語。
本当に支援が必要な人に手が差し伸べられず、煩雑で不可解な手続きが多い役所仕事というのはどこの国でも同じことなんだな。子供を巻き込んでの貧困というのは観ていて胸が痛くなってくる。
この手の問題になると「自己責任」という言葉を耳にするが、その一言で切り捨てるのは非道い。ならば国は一体なんのために存在して私たちは税金を払ってきているのかとも思える。

映画賞も獲って真面目ないい映画だとは思うけど、誰が観ても同じような感想しか持たないかなという点では面白みに欠ける。

『クラッシュ』(4K無修正版 1996)

2021-02-20 23:29:32 | 洋画
自動車事故に性的興奮を覚えるっていう時点でハイレベルすぎてついていけない。世の中色んな事思いつく人がいるもんだね。こりゃドラゴンカーセックスも誕生するわけだわ。

ストーリー的にどうだと言及することはとてもできないが、それでも傷の生々しさなんかはクローネンバーグだなというのがわかる。
あと、出てくる3人のお姉ちゃんがいい感じにいやらしいので視覚的には十分に満足できる。

ジェームズ・スペイダーって今どんな活動しているのかとググって近影を観たら、ひえ~、すっかり禿げ上がっとるやないか。時の流れは恐ろしい。

「池袋への道―近世の歴史資料、池袋モンパルナス、森山大道」 東京芸術劇場

2021-02-14 23:12:05 | ○○展



森山大道が無料で観られるということで、東京芸術劇場に初めて訪れてみた。
展示スペースは小さいものの森山大道らしい池袋の街が広がっている。見慣れた町も森山大道のカメラを通してみると違ってみられるもんだから不思議だ。
森山大道と池袋ってなんかつながりがあるのかなと思ったら、実際に住んでいたんだね。そういえば私が持っている「記録NO.33」も池袋を取っているね。


館内は撮影可能。これは豊島区の犬?

別の部屋では高山良策の絵も展示してあった。彼もまた池袋に住んでいて、その芸術集団を池袋モンパルナスと言うんだってね。

『天国と地獄』

2021-02-14 23:10:47 | 邦画
まだ10本程度しか観ていないけど、やっぱりこれが黒澤映画の最高傑作だと思う。そして日本映画史に残る作品だ。初めて観たときは観終わった後にため息が出たもんだ。

何といっても完成度の高い作品。犯人の高度な犯罪計画も見どころではあるが、人間ドラマの駆け引きも非常に見ごたえがある。上映時間は2時間半近くあるが、長さを全く感じさせない。
モノクロ映画は基本的に嫌いだけど、この映画に限っていは緊迫感、重厚さが増していいんでないかと思う。ピンクの煙も映える演出になるし。

面白すぎて逆に多くを語れない。そんな映画だ。