ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『大怪獣のあとしまつ』

2023-03-27 23:13:08 | 邦画
公開当時から酷評の嵐のこの映画。題材やあらすじを観る限り普通に面白そう。周りのやつは映画をわかっていないから、ちゃんと評価だできないんだ。…そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

この映画の脚本を書いた人はマジでヤバい。劇中に登場する(ギャグとも言えない)ギャグが全部ダダ滑り。一つも面白くなく、ただひたすら寒い。役者はよくこんなセリフを平気で言えるものだと感心する。
そもそもなんだこの中途半端な映画は。シリアスものともコメディものとも言えないストーリーは。私の勝手なイメージでは当初は『シン・ゴジラ』路線を目指したが、途中で力量のなさに気がついてコメディ路線に切り替えたという感じ。

題材は面白うそうなだけに本当に残念であった。だれかこの映画なかったことにして作り直してくれないかな。

「ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者」 「えき」KYOTO

2023-03-21 21:02:34 | ○○展


いくら好きといえども、こうも行っていると食傷気味になってくる。
始めていく美術館だけど、京都駅直結の伊勢丹の上で美術館っていうよりイベント会場っていう感じ。おまけに結構混んでいてゆっくり観ることなんかできやしない。

特に語ることはないけど、行けばやっぱりそれなりに楽しかったりする。でも、やっぱり空いているところでみたいな。今度は久々に堺のミュージアムに行くかな。

「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」  滋賀県立美術館

2023-03-21 20:59:16 | ○○展




旅行中に大阪から京都に向かっているはいいが、どこに行くか悩んでいた。行ったことのない京都鉄道博物館に行ってみるか、はたまた久々に水族館に行ってみるか。しかし、京都に着く寸前に滋賀に行くアイディアが思い浮かんだ。そんなわけで久々に滋賀に上陸してみた。

美術館は京都から数駅の瀬田駅からバスに乗って行く。
とっさに思いついたもんだから美術館でどんな企画展やっているのかちゃんと調べなかった。ざっと見た感じ現代アートかと思ったら写真家の展示だというのを入場してからわかった。

とはいえ、写真といえど一見すると現代アート的に観えなくもない抽象的なところがある。しかし、「よくわからない」の一言では切り捨てらなれない暖かみと柔らかさがどの作品からも感じる事ができる。漠然とした言いようだが、独特の光の使い方には惹かれるものがある。

また、アート的な作品以外にも地元滋賀県の障害者施設の模様や東日本大震災直後の街の様子を収めていたりとメッセージ性の作品もある。この手の作品にはどうしても打算的なものを感じがちだが、この人に限ってはそんなことなかった。

全然知らない方であったが、当人の地元である滋賀でこういう作品展に出会えたのは良かった。
後日調べて知ったが、映画『誰も知らない』のスチル写真は川内さんが撮ったんだね。よく観る柳楽君のジャケットは川内さんによるものなのかな。

ジャクソン・ブラウン 3月20日 大阪フェスティバルホール

2023-03-20 23:12:36 | ライブ


セットリスト
1.Before The Deluge
2.I'm Alive
3.Never Stop
4.The Barricades Of Heaven
5.Fountain Of Sorrow
6.Rock Me On The Water
7.Downhill From Everywhere
8.Call It A Loan
9.Here Come Those Tears Again
10.Linda Paloma

休憩

11.Until Justice Is Real
12.The Dreamer
13.The Long Way Around
14.Sky Blue And Black
15.In The Shape Of A Heart
16.Doctor My Eyes
17.Late For The Sky
18.The Pretender
19.Running On Empty

アンコール

20.The Load Out / Stay
21.Take It Easy
22.Our Lady of the Well

2017年以来の来日公演。本当だったら2年くらい前のフジロックに来るはずだったが、中止になったんだよね。まあ、わざわざフジなんか行きたくないから結果オーライだったがね。

ジャクソン・ブラウンは今回が3回目の参戦だが、過去一番の公演だった。有休とってわざわざ春休みにして大阪まで行った甲斐は大いにあった。
大阪公演は早々にsold outだったが、自分はA席で距離はありつつも見やすい、いい位置であった。

1曲目に「Before The Deluge」というのは意外であった。もちろん大好きな名曲ではあるが、終末を感じさせるこの曲を最初に持ってくるのは何か意図があったのか。何にせよこれからの展開を期待せざるを得ない。
「Fountain Of Sorrow」ではピアノに移って演奏するが、やはり70年代の曲では一際盛り上がる。私の大好きな「Rock Me On The Water」でも同様に盛り上がる。

去年か一昨年に出た新譜からも演るが、MVも作られた「My Cleveland Heart」を演らなかったのは予想外だった。どうしても聴きたいわけではないが、予習はしていたからガッカリ。

「Call It A Loan」の演奏前にはMCで今年亡くなったリンドレーについて述べている。英語がさっぱりなので詳細はわからないが、リンドレーと共作ということを言っていたと思う。この曲がリンドレーと共作というのは知らなかったな。
いい曲なのはもちろんだが、やっぱり生でリンドレーとの共演は是非とも観てみたかった。あまり話題にはならないが、個人的にはレノン・マッカートニー、ジャガー・リチャーズ、プラント・ペイジに匹敵するロック界の名コンビだと思うよ。

「Here Come Those Tears Again」では珍しく楽器を持たずに歌っていた。ジャクソンのようなシンガソングライターが楽器を持たずに歌っているのって本気な感じがしてちょっとうれしい気分になる。同じく『The Pretender』の「Linda Paloma」も渋いチョイスでたまらんな。ライブで聴けるとは思わんかった。

休憩中にはあまりにいいライブなのでツアーパンフを買いに行ってしまった。が、これが薄すぎて1分くらいで読めるレベル。これで2,500円かよと軽く絶望した。

休憩後の2部は後半が70年代目白押しで絶頂する。
16〜19曲目を見てくださいよ。こんなの盛り上がらないわけ無いでしょ。字面だけで絶頂するわ。特に「Running On Empty」は私とジャクソンが初めて出会った思い出の曲。何度聴いてもあの時 Youtubeで聴いたときのことを思い出す。もちろん楽曲としてもカッコいいロックナンバーで大大大好きである。

興奮のまま一段落はするが、ホントのお楽しみはまだまだこれから。
アンコール明けのあと出てくるのはジャクソン一人。そしてピアノに向かう。まさかあの曲を演ってくれるのかと思ったら、そのまさかであった。めちゃくちゃ好きな曲ながら過去2回のライブでは聴くことができなかった「The Load Out / Stay」のメドレーを演ってくれるではないか。ジャクソンが弾き始めた瞬間はマジで鳥肌モノだった。「Stay」のアレンジがアルバムバージョンとは違い長めであった。途中「People stay〜」の部分で観客に振るが突然過ぎて歌うことができなかた。前もってわかっていれば順応できたのに悔しい。
途中歌詞を「osaka」に変えて歌っていた。

最後はお約束どおりの「Take It Easy」と「Our Lady of the Well」のメドレー。お約束とは言ったが、ガッカリ感は皆無で安心する。

過去一番と前述はしたが、ホントに良かった。高校生の時から好きなだけあって、やっぱりジャクソン、私にはいつまでもあなたが必要です。
前回までもいたかどうだったか記憶にないが、コーラスの女性が2人いたのもよかったね。でも、やっぱりリンドレーが亡くなったのは悔やむ。
あと、途中ローディーが持ってきたギターに「違っているよと」なんていう微笑ましいシーンもあった。

後日の広島公演では「Your Bright Baby Blues」、名古屋では「 Looking Into You」を演ったのは羨ましい。ライブは水物とはわかってはいても、この2曲はね〜。

『時の征者』の頃から思っていたが、ジャクソンにヒゲは似合わないと思う。

『片隅の人生』 モーム

2023-03-19 22:25:56 | 


モームは短編の名手なんて言うけど、私はやっぱり長編の方が断然好きだな。まあ、モームに限ったことではないけど。

そんなに期待して読み始めたわけではないけど、これが結構面白くて嬉しい。
物語は中国に住むイギリス人の医者がひょんなことから航海に出て色んな人と出会ってというものだが、そんな単純なお話では終わらないのがモームだ。

登場人物もキャラクター的に面白く、年老いた医師と若者たちとの対比もいい。医師を通してモームの哲学を感じ取れるのもいいし、青年の謎が明らかになっていくのもエンタメ的で非常に面白い。もちろんお得意のNTR要素もある。

旅行中に読んだが、車窓そっちのけで夢中になった。もっと早くに読めばよかったと思える一冊だった。