ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『ありきたりの狂気の物語』 チャ-ルズ・ブコウスキー

2017-09-30 22:03:50 | 
先日発売したばかりの新刊。もちろん書かれたのは随分前だが、新刊を買うっていい気分だ。

『町でいちばんの美女』とセットの短編集だが、読む前にパラパラめくると「レイプ!レイプ!」なんて話がある。脱力とともに期待がこみ上げてくる。

否定する声もあると思うが、ブコウスキーは長編の方が絶対にいい。短編も一作一作はいいのだが、こう立て続けに読むとあくが強くて食傷気味になってしまう。あの個性をサクッと読めるという利点もあるから難しいところだけど。
一応気に入ったエピソードを挙げると一本目の「狂った生きもの」、「職業作家のご意見は?」そして「レイプ!レイプ!」。タイトル通り狂った作品が多い。
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『海と毒薬』 遠藤周作

2017-09-17 21:52:07 | 
長年読みたいと思っていたものの、なかなか手を出すことができないでいた一冊。そして遠藤周作を読むのもこれが初めて。

読むまでは、もっと淡々と乾いていながらも生々しい描写があるのだと勝手に思っていたがそうではなかった。登場人物の心に迫った人間的な物語だった。フィクションとはわかっていたものの、もう少しノンフィクション的なものを期待していた自分には物足りなかったが、小説としてのできは良い作品なのだろうな。解剖が始まるまで、始まった後の登場人物の心は良く描けていたと思う。が、これらの部分はみんなフィクションなんだろうな。実在の事件にこのようにフィクションを混ぜられてしまうと、なんだか興醒めになってしまうと思うのは自分だけかな。

どうせなら完全なフィクション、もしくはノンフィクションとして読みたかったな。
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『ブコウスキーの酔いどれ紀行』 チャールズ・ブコウスキー

2017-08-27 22:03:59 | 
チナスキーではなくブコウスキー自身のヨーロッパ旅行のエッセイのような作品。チナスキーでもブコウスキーでも変わらないといえば変わらないのだが、やはり本人だと一味違う。そして何より旅行中の写真が作者のリアルを見せてくれるし、身近なものにしてくれる。

別に特に書くことはなくタイトル通りブコウスキーが旅先でも酔いどれているだけ。毎回言うけど、それがいいんだよな。それでもテレビ番組の出演時や朗読会で狙ったかのように波乱を起こすのはさすがである。

邦題は内容とブコウスキーのキャラクターのわかりやすさをあらわしているが、どうもいただけない。原題は『Shakespeare Never Did this』というユーモアを感じさせる素晴らしいタイトルだ。
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『冷血』 トルーマン・カポーティ

2017-08-27 22:03:02 | 
もう10年も経ってしまったが、『カポーティ』の映画でカポーティのこともこの本のことも知った。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技には感動したが、映画自体へ別にという感じであった。それでも小説を手に取ってみたが、退屈で投げ出してしまった。

その後数年経ってホフマンやこの小説の偉大さを知って読みたいとは思っていたが、一度投げ出したのとページ数が多いのとでなかなか手を出せなかったが、読み終えての衝撃はものすごい。自分の中の読史に間違いなく入る作品であった。

何が凄いってこの小説がノンフィクションであること。にもかかわらずまるで作者が現場にいたかのような、もしくは創作であるかのように克明に描かれているのである。作者は取材に取材を重ねて書き上げたようだが、それにしても描写が細かすぎる。もはやカポーティも事件の当事者といっても差し支えないであろう。

本の方はやはり序盤は町や被害者家族の説明の導入的な感じで面白くない。ただ、この退屈な時を過ぎて事件が始まると、ページをめくる手が止まらなくなる。単に事件が起きました、警察が動きます、犯人が捕まりますなんて単純な話ではなく登場人物の「心」にまで入り込んでいる。
加害者が凶悪な犯罪を起こしたことは間違いないし、同情できるものではないが、こうして本で読むと感情を超越したものを感じることができる。

カポーティはこの本の制作を機に作家として、人間として人生を変えてしまったようだ。そう考えるとタイトルの「冷血」により一層深い意味を感じてしまう。



















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『いなごの日』 ナサニアル・ウエスト

2017-08-20 18:06:14 | 
ボウイの愛読書リストにこの本があって何となく気になったので手に取ってみた。

あらすじ読むとハリウッドを舞台にした立身出世物語なんてあるから期待したが、あんまりアメリカンドリーム要素はなかったし、ひたすらドロドロした人間関係をつづっているだけ。もうちょっとハリウッド的側面や仕事している描写を出してほしかったな。はっきり言ってそんなに面白くなった。

いなごはガッカリだったけど、一緒に入っている「クール・ミリオン」はそこそこ面白かった。田舎もんがのし上がっていくサクセスストーリーかと思ったら悲しいほどの負の連鎖しかなく、体ももがれて最後は死んでしまう何の救いもない話。

表紙は気持ち悪い感じがするけど、読んでからだと不条理な感じが、作品を表しているんだなと思うことができる。
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