経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

1/15の日経

2015年01月15日 | 今日の日経
 日本人は本当に「痛み」が大好きなんだね。日経は、社説で「潜在成長率は0%台半ば」としておきながら、補正で0.8兆円、本予算で4.4兆円、地方で1.2兆円、年金で約0.5兆円、合計6.9兆円もの収支改善が行われて、GDP比で1.4%ものデフレ圧力になろうかというのに、まったく矛盾を感じないようだ。財政がニュートラルなら、今年の日本経済は、政府見通しの名目2.7%と合わせ、4%超の実力を持っているとでも思っているのだろうか。

 財政赤字が減るのなら、経済の許容量も考えず、手放しで喜ぶとは、本当に困ったものである。家計を預かるのと同じ感覚でどうするのか。消費再増税の5.4兆円の圧力には耐えられないと判断して見送ったはずなのに、6.9兆円の圧力は不安にならないらしい。そもそも、2.7%成長を目指すのに、一般会計の歳出は0.5%増であることに、誰も疑問を持たない。「景気回復、これしかない」と言いつつも、財政は足を引っ張ることになっていて、成長の牽引は民需にお任せなのである。

 こうした見方は、日経に限らないことで、このあたりの常識が変わらないうちは、日本で、まともな経済運営がなされることはないのだろうと思う。今年は、原油安があり、甘利経済相が言うように、経済に7兆円のプラスの効果があるから、あまり心配せずに見ていられるが、どう転ぶか分からない商品相場に頼るのは、危なっかしくてしょうがない。まあ、「知らぬがゆえの勇ましさ」なのだろう。こんなことをしておいて、「なんで景気回復が鈍いのか」と、ぼやいたりしないことだよ。

(今日の日経)
 来年度政府予算案96.3兆円決定、税収増で痛み先送り。長期金利最低を更新。社説・成長と財政両立の道筋見えぬ予算。歳出もっと削減を、エコノミストら。国債商品の下落続く。国債・想定金利1.8%で実勢との差はへそくりに。

※国債の分析記事は、自分の尺度を持っていて、高く評価できるよ。

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1 コメント

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Unknown (asd)
2015-01-16 12:04:58
全くその通りですね。財政政策が理解されない限り同じ事の繰り返しになるでしょう。そして財政政策が理解されることは我々が生きてる代ではおそらくありえないでしょう。我々は絶望の中で生きていくしかないのです。ハァ…
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