経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

追加増税の処方箋とやら

2014年09月25日 | 経済
 消費増税の処方箋ねぇ。追加増税を1年延期する代わり、補正予算用の余剰財源4兆円を、丸々2015年度予算に組み込み、少子化対策などを約束どおり実施するというのが、現実的な策だろうね。景気の雲行きがおかしいので、できれば、少子化対策などは年度内から執行を開始したい。ちんたら議論してないで、さっさと厚労省に準備させるんだな。

 増税を前提にすると、補正は10兆円規模が必要になる。5兆円だと前年度並みでしかないから、財政支出を維持するにとどまり、追加増税の悪影響をまったく相殺できないからね。「5兆円の補正で大丈夫」などと言うような、ロクに勘定もできないエコノミストは、ハナから呼ばないことだね。

 「法人減税で行ける」というような輩には、増税で、少なくとも3.2兆円(増税額の6割)は減るであろう消費を、設備投資の上乗せで埋められるのか、聞いてみたらよい。自然体の1.5%増に4.5%も上乗せするのは、しんどいよ。バブル景気の米国への輸出で沸いた2006年度の設備投資の伸びだって5%台だったんだからさ。

 正直、この程度の経済運営の舵取りで、人数を集めて延々議論をするなんて、無能をさらすようなもの。本当は、低所得の若者や女性への再分配を、どんな形でするのが効果的かといった、経済社会の在り方でも議論しないと。在庫急増でデフレスパイラルの危機が勃発 しかねない情勢で、増税マニアのお勉強のために、時間を費やすなんて情けなくないか。

 もっとも、前年度並みにも足らない補正予算を、効果が望み薄の法人減税に突っ込んで、一度、決めたことだからと、「バンザイ突撃」を敢行するというのが、一番、日本的だ。外国人投機家の格好の稼ぎ場になりそうだよ。

(今日の日経)
 パナが車部品の欧州大手を傘下に。軽で未使用車が膨らむ。増税点検前倒し、処方箋も。温暖化対策を米中が主導権。経済教室・地方再生はコンパクト化・大西隆。

※未使用車だったとはね。事実を掘り起こした良い記事だったよ。※コンパクト化は分かるんだが、年寄りは頑として立ち退かなかったりするからねぇ。

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