今日の経済教室のブラインダー先生の見解には、全面的に賛成だね。こういう論者が日本にいないことが寂しい限りだ。「国債のGDP比が先進国で最も高いから、財政出動は一切できない」という考えに凝り固まり、そこから一歩も出てこれない。
現実には、リーマン・ショック、東日本大震災と大型の財政出動を行っても、まったく問題は生じなかった。むろん、次も大丈夫だと言うつもりはないが、石頭ぶりが、あり得た未来を捨てて来たことは確かだろう。
財政赤字の恐怖症は、日米独に共通したものだ。本当は、デフレと財政破綻の間で、どんなリスク配分をするかが大事だが、そうした小難しい議論は、政治家には無理である。「財政赤字は是か非か」では、とても舵取りはできぬ。
ブラインダー先生は、通常のケインズ型とRRM型に分けるが、通常の不況も、回復経路は金利感応的な住宅投資と為替(輸出)であり、これに財政出動が加わる。その経路が断ち切られたり、忌避されるものがRRM型ということになろう。
日本は、住宅を先食いし、財政を忌避し、輸出頼りである。米国は、住宅が底ばい、輸出順調、財政は崖。南欧は、三つとも潰れているので、最も苦しい。今の日本は、大震災で仕方なく財政の忌避をやめたから、輸出で苦闘していても、相対的にマシな方になっている。
ポイントは、金融緩和や法人減税で、設備投資が出るとは思わないことだ。設備投資は、三つの経路の需要増大に反応して初めて出る。設備投資は、金利などより、需要リスクに強く左右されるからだ。まあ、こういう見方は、昔は当たり前だったように思うがね。
(今日の日経)
経済教室・金融危機方不況は長期化へ、日米独は財政拡大を、中銀頼みの刺激策限界に・アラン・ブラインダー。ニッポン金融会議。社説・もんじゅの転用には異議あり。世界経済の担い手・米中再逆転か。横浜で節電実験2割目指す。
※銀行復活の証拠かな。※是非はあろうが、見識を持った上での社説だね。※米倉経団連会長の住友化学は中国リスクで株価急落か。さすがに日経も付き合えないというサインか。
現実には、リーマン・ショック、東日本大震災と大型の財政出動を行っても、まったく問題は生じなかった。むろん、次も大丈夫だと言うつもりはないが、石頭ぶりが、あり得た未来を捨てて来たことは確かだろう。
財政赤字の恐怖症は、日米独に共通したものだ。本当は、デフレと財政破綻の間で、どんなリスク配分をするかが大事だが、そうした小難しい議論は、政治家には無理である。「財政赤字は是か非か」では、とても舵取りはできぬ。
ブラインダー先生は、通常のケインズ型とRRM型に分けるが、通常の不況も、回復経路は金利感応的な住宅投資と為替(輸出)であり、これに財政出動が加わる。その経路が断ち切られたり、忌避されるものがRRM型ということになろう。
日本は、住宅を先食いし、財政を忌避し、輸出頼りである。米国は、住宅が底ばい、輸出順調、財政は崖。南欧は、三つとも潰れているので、最も苦しい。今の日本は、大震災で仕方なく財政の忌避をやめたから、輸出で苦闘していても、相対的にマシな方になっている。
ポイントは、金融緩和や法人減税で、設備投資が出るとは思わないことだ。設備投資は、三つの経路の需要増大に反応して初めて出る。設備投資は、金利などより、需要リスクに強く左右されるからだ。まあ、こういう見方は、昔は当たり前だったように思うがね。
(今日の日経)
経済教室・金融危機方不況は長期化へ、日米独は財政拡大を、中銀頼みの刺激策限界に・アラン・ブラインダー。ニッポン金融会議。社説・もんじゅの転用には異議あり。世界経済の担い手・米中再逆転か。横浜で節電実験2割目指す。
※銀行復活の証拠かな。※是非はあろうが、見識を持った上での社説だね。※米倉経団連会長の住友化学は中国リスクで株価急落か。さすがに日経も付き合えないというサインか。
じゃあ、具体的には、というと、複雑に利害が絡み合ってなかなか前進しないというのが実態では?
世の中、どこかの政党みたいに単純ではないのです。