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岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化等「岡山からJリーグ百年構想を」。情報リスペクトブログ。

クラブ経営について48

2012-10-27 00:39:51 | スポーツ文化・その他

 事例紹介レポです。
 先日の「FOOT×BRAIN」で、マンUの特集がありました。ビジネス目線で見つめた赤い悪魔の真実、巨大クラブに浮かび上がる光と影とは「マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のありえないビジネス戦略」というテーマで番組が進行されています。いつかマンUのようなチームになりたい、マンチェスターのようなホームタウンになりたいという考え方があるようですが、当ブログとしては懐疑的です。そんな金満クラブでいいのか、当ブログはどちらかといえば、ブンデスリーガをお手本とすべきと考えます。日本サッカー界はドイツに目はむいており、Jリーグもそうです。
     
 イングランドプレミアリーグは'92年に再編。その後爆発的な成長を遂げ、今や欧州の主要リーグの中でも断トツで収益の高いリーグとなっている。その中の稼ぎ頭は1878年に誕生したマンUで、リーグ優勝19回、FCWC優勝1回、欧州CL優勝3回を誇る名門。名将ファーガソン監督は26年も監督をやっています。9月に出た事業の儲けを示す純利益増加率が79.2%。(日産自動車は7%増、NTTは8%減) 営業収入('10-11)は420億円。(J1浦和は54億円) 今年8月にはニューヨーク証券取引所に株式上場し、企業としても経済界に注目されている。
【堅実経営】
 サッカークラブの3大収入は、入場料と放映権と事業収入(グッズ、スポンサー等)で、先シーズンのプレミアリーグの主要クラブの収入で5クラブが出ましたが、マンUは入場料:138億円、放映権料:151億円、事業収入:131億円、合計420億円と、他のクラブ(マンS:196億、アーセナル:287億、チェルシー:286億、リバプール:232億、トッテナム:204億)より3大収入すべてで抜きんでています。
 20年前にプレミアリーグが立ち上がった時に、マンUのエドワーズチェアマンがビジネスモデルの基礎を構築。収支を1%単位で吟味していった。その流れは今も生きており、主要クラブの人件費率で、マンUは46%で他のクラブ(マンC:114%、インテル:90%、ミラン:88%、リバプール:70%、アーセナル:55%)と比べて一番低く、理想的なクラブ経営の姿。(ドイツやスペインは50~40%代)
【新ビジネスへの着手】
 世界で初めてクラブ公式マガジンを発刊し、国内どこでも購入でき、大ベストセラーになった。また、オールド・トラフォードにグッズを揃えたメガストアを設置し、観戦に来たサポーターが来店するようになった。
【海外戦略】
 タイでプレミアリーグが中継され、圧倒的に人気があり、タイのゴールデンタイムに合わせた試合時間の設定など、リーグ全体の戦略が功を奏している。そして、成長著しいアジアの有名企業がヨーロッパ進出を目論んで、続々とスポンサーになっている。タイ人はタイ代表選手は余り知らないのに、マンUなどユーロの選手には詳しい。マンUの潜在的なファン数として、アジア太平洋には3.2億人、中東・アフリカには1.7億人いるそうです。これは90年代にアジアに展開した先見性の賜物です。
 マンUは他に先駆けて、香港に海外の営業オフィスを開設。これは東アジアが伸びていくだろうとしてアジアオフィスを設置し、現在マンUのスポンサーにはアジア企業はとても多くなっている。ちなみに日本企業では、ヤンマー、カゴメ、東芝メディカルシステムズ、新生銀行など、香川効果もある。今後はアフリカに力を入れかけているとか。
【ファーガソン監督の目利き】
 監督の目利きとクラブの実行力ができあがっている。監督は「誰を獲って誰を使うかに関しては、一切口を出さないでもらいたい。クラブの経営には口を出さない」という理念を貫いており、経済の専門家と現場の専門家のバランスが取れている。すべての組織マネジメントの理想ができている。
   

【上場と借入金】
 上場をせざるを得ないところまで追い込まれていた。投資家と見れば、中途半端な上場で、200~250億ドルくらいクラブに資金が入ってくると思われたが、実際は180億ドルしかなかった。大きな問題は500億ドルの借入金である。
 これは2005年に現オーナーのグレーザーファミリーが、クラブを担保にして買収資金を借り入れたものと言われている。上場も一部返済するためであり、株の売上の半分を返済に充て、残りをポケットに納めたという話があるとか。グレーザーの二男は子どもの頃からマンUのファンで、いつかという希望がやっと叶ったそうです。オーナー一族も余り利益を得ておらず、このクラブで一儲けしようという思いは余りないそうです。
【経済的不安】
 UEFAがファイナンシャルフェアプレー制度を導入し、赤字クラブはUEFA主催大会に出場できず、個人オーナーの私財による穴埋めも禁止という制度で、日本も今年からクラブライセンス制度を導入。
 
 以上、抜粋紹介でした。紹介はしましたが、当ブログとしてはプレミアリーグのスタイル、マンUのスタイルはJクラブには馴染みにくいと思います。マンUみたいになりたいという価値観もあるのかもしれませんが、買収と巨額の借入金、また先日の記事で紹介した「FCユナイテッド・オブ・マンチェスター」の存在もあり、グローバルでは素晴らしいサッカークラブでも、決して地域の宝とは言えないのかもしれません。
 また、マンチェスターの人口は49万人で一見少なく思えますが、その都市圏人口は224万人で英国第3位と決して小さい街ではないのかもしれません。J1浦和がマンUを目指すのは何となくわかりますが、日本の片田舎のJクラブが目指すべきクラブではないと当ブログは考えます。地方のJクラブが目指すべきは、今はJ1仙台だと確信します。一般的に、地域を見ずに商業主義に傾倒し、見てくれだけを優先すれば、「マンUになりたい」と思ってしまうのかもしれませんね。

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