河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

史上最強のオペラ

2007-04-19 20:52:00 | 本と雑誌

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本の紹介なんですが、

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史上最強のオペラ

THE TOUGHEST SHOW ON EARTH

ジョセフ・ヴォルピー著

JOSEPH VOLPE

佐藤真理子 翻訳監修

発行:インプレサリオ

発売:ぴあ

3333

343ページ

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ヴォルピーさんというのは、1940年生まれで、

1964年にメトロポリタン・オペラハウスに見習大工として仕事をはじめ、

ルドルフ・ビング総支配人のもとなどで、大道具主任、技術部長を経て、

1990年に生え抜きのメトロポリタン・オペラハウス総支配人となる。

2005-2006シーズンを最後に引退。

ヴォルピーによる自身の歴史本である。

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71ページ目

「大道具の仕事場に戻る途中、ビングのオフィスの外でカルーソーの姿を見かけた。この偉大なテノール歌手に会釈をすると彼も頷いた。」

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エンリコ・カルーソーさんというのは

有名なテノール歌手である。

1873年生まれ、1921年没。

71ページ目に見かけたカルーソーは誰だったのだろうか?

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同じく71ページ目

「指揮者のカール・ベームはピットへ入って行った。

歌手のレオニー・ライサネクは王妃役、

ジェームス・キングは王様役、

ウォルター・ベリーは染物屋、

クリスタ・ルドウィッグは染物屋の妻役、・・・・」

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普通の音楽好きなら、こう書く。

「指揮者のカール・ベームはピットへ入って行った。

歌手のレオニー・リザネックは王妃役、

ジェームズ・キングは王様役、

ワルター・ベリーは染物屋、

クリスタ・ルードヴィッヒは染物屋の妻役、・・・・」

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1940年生まれのヴォルピーが1921年に亡くなったカルーソーを見かけることは一般的にはあり得ない。

訳が間違っているか、独特の言い回し、誰かのあだ名、などいろいろ考えられる。

ただ、カルーソーを見かけた話はほかのページにも出てくる。

また、そのあとの、歌手の日本語読みについてもかなり変。

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早い話が、音楽のことを知らない人が、訳している。

71ページ目は例であるが、他のページも基本的に惨憺たるものだ。

あまりひどいので、正しいところまで疑いたくなる。

まぁ、あらすじはあっているから、自分で訳す手間、原語で読む手間を考えると楽ではある。

3333円の価値があるかどうかは、再考の余地あり。

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内容的には読んでのお楽しみであるが、等身大の書きぶりには好感をもてる。また、年代なども正確。だから訳がますます問題だ。

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ちゃんと読みたい人は原語オリジナルを横に置くことを勧める。

BARNES & NOBLEで買うと25ドル95セント。

おわり

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