風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

東京オリンピック

2013-09-08 | 世界・平和
札幌の冬季オリンピックと同時開催予定だった
1940年の幻の東京オリンピックは
世界初のアジアでの、そして有色人種国での開催。
大きな目的は、対外的には大国としての存在主張、
国内的には国威再確認だったと思う。
まして昭和15年というと皇紀2600年をいわうために
国内は盛り上がっている年。
東京での開催が決まる前後のことは
先日読んだ「小さいおうち」に描かれているが、
概ねここ半年ほどの世論と変わらない。
純粋に東京開催を喜び、経済効果を期待し、
日本の力を信じて疑わない世論がほとんどだったろう。
国威は大いに発揚され、
まぁ発揚され過ぎたせいで返上となった。

1964年もアジア初、有色人種国初だったが、
こちらはどちらかというと戦後復興で必死だったころ。
日本全体がその日その日を生きるため
国民ひとりひとりが自分のことで精一杯だったころだから
国民に自信を取り戻し、ひとつの方向性に向かうには
最高のイベントだったろう。
結果的にそれが高度経済成長につながった。

さて2020年は?
「復興五輪」というけれど、
1960年の時と違って復興しなければならないのは限定地域だけ。
とりあえず東京は大きな復興事業の必要はない。
被災地そっちのけでの「復興五輪」がどのようなものになるか
じっくり見させてもらう。
まさか前々回のような国威発揚が目的じゃないよね。

アベノミクスで背負った大きな借金、
まだまだ足りない被災地復興政策と資金、
先が見えない福島の汚染水処理とその費用、
結論の出ない社会保障制度改革と年金の問題・・・
さて、オリンピックに用意したという4千億円は
どの財布に入っているのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする