風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

花伽藍

2011-08-05 | 読書
ボロボロになりながら
それでも全身で人を愛することを描く作家。
マイノリティとしての感情を
ごく当たり前に取り上げる作家。
そんな作家の理想と言える老後の姿が
この短編集最後の作「燦雨」。
現実は更に厳しく、理想に過ぎるのだけれど、
作家自身をそれぞれ投影しているのではないかと思える
繊細で、激しくて、そして哀しい登場人物達、
彼女達はこれぐらいの未来を夢見てもいい。

「花伽藍」中山可穂 角川文庫
コメント
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