JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

東海汽船のジェットフォイルが起工式を迎える

2019-05-30 | シャック便り
本日東海汽船が発注したジェットフォイルの起工式が神戸の川崎重工で行われました。現在の予定では2020年3月に進水式、6月に竣工し、翌7月より就航の見込みです。川崎重工でのジェットフォイルの建造は1994年以来となります(中国の造船所が1995年に2隻を建造したらしいのですが詳細不明)。

新船の就航により「セブンアイランド虹(1981年建造)」が置き換えられる予定です。


ジェットフォイルはボーイングが開発したもので1974~1985年に建造されたものはボーイングが、その後1989年~1994年に建造されたものは川崎重工が建造しています。途中で製造ライセンスが川崎重工に売却されたためで、船内の造作を見れば明らかに川崎重工製の船の方が良質です。一方で飛行機の流儀で製造されており部品を交換することで性能を維持できるため建造から38年経過した「セブンアイランド夢」も就航することができており、中古船の売買で需要調整が行われてきました。

とはいえ精密なメンテナンスが必要など維持コストがかかるため現役で稼働しているジェットフォイルの多くが日本または香港の噴射飛航の所属となっており、初期に建造されたボーイング製は部品交換での維持が困難なほど老朽化が進んでいるのが実情です。このため東海汽船は川崎重工が所有するストック部品を活用する形で新造に踏み切りました。


今度どうなるかですが、日本にいるボーイング製のジェットフォイルは
・佐渡汽船 ぎんが
・東海汽船 セブンアイランド愛・虹(虹は退役予定)
・九州郵船 ヴィーナス2
・鹿児島商船 トッピー7
・コスモライン ロケット2
の6隻あります(鹿児島商船とコスモラインは船舶のみ所有し種子屋久高速船が運航)。1隻は置き換えが決まっていますので残る5隻の動向が気になるところですよね。

一方で川崎重工製のジェットフォイル3隻を保有するJR九州高速船(博多-釜山)がジェットフォイルから三胴船「QUEEN BEETLE」に置き換えることを公表しています。これらは他の業者に放出されるでしょうから新造に二の足を踏んでいる会社もあるようです。今後どうなるのか注目したいと思います。
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末期的状態を迎えたオリエンタルエアブリッジ

2019-05-28 | シャック便り
長崎県の地域航空会社オリエンタルエアブリッジで5/27に同じ機体が3回も機材トラブルを起こしました。国土交通省からは整備が適切だったか確認するよう同社に口頭指導がありました。


以前にも触れたとおりオリエンタルエアブリッジはボンバルディア社製のプロペラ機DHC-8-200型機2機で運航していますがいずれも機材の老朽化が著しく、1機は今年中に、もう1機も来年中に機体寿命を迎え運航できなくなります。

もちろん会社側も後継機材の検討を行っており、日本エアコミューターや天草エアラインで実績のあるATR42または全日空のDHC-8-400型機への置き換えが有力案でした。しかしながらATR42は全日空グループでの採用実績がなく、全日空からは整備での協力ができないことを既に通告されていますし、DHC-8-400型機では滑走路が1,200mしかない壱岐空港では72名の定員に対し僅か27名しか乗せることができません。採算が取れないことは明らかです。

このため「当面のつなぎ」として中古のDHC-8-200型機2機を購入する方針なのですが未だに具体的なことが公表されていません。このような中で老体に鞭を打ち末期的状態で運航を続けなければならない状態に陥っています。昨日の機材トラブルもそのような中で起きたものです。


もはや手詰まりに近い状態のオリエンタルエアブリッジをどうするのか、長崎県も全日空も何もできていないように思います。

最善の手はJALに対し支援の要請を行うことですが、全日空はメンツがあるので直接頭を下げることはないでしょうし、もちろん持参金がなければ相手にしてもらえません。一つの方法としてこんなことはできないのでしょうか?

・オリエンタルエアブリッジの株式を他の株主(長崎県や所縁自治体など)から全日空が買い取り100%子会社にする。その際に持参金相当のプレミアを上乗せする。共同運航の解消に関わる費用負担など名目は色々付けられます。
・長崎県や自治体はこのお金を元に新オリエンタルエアブリッジを設立、JALにも若干額を出資してもらう。
・オリエンタルエアブリッジは新オリエンタルエアブリッジに営業譲渡し会社を清算。
・新オリエンタルエアブリッジは日本エアコミューターと業務提携しATR42の導入と整備の委託などの支援を仰ぐ。
・当面は持参金で食いつなぐ。


離島航路は離島の生活や経済に直結しており、運航停止という最悪の事態は避けて欲しいと思います。オリエンタルエアブリッジはもはや末期的状態であり、思い切った手を打たない限り今後の継続すら難しいと思います。
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新西国霊場 出開帳(6/5~9)の内容固まる

2019-05-26 | 御朱印めぐり
新西国霊場会が発足90周年を記念して6/5~9まで大阪・四天王寺で開催する出開帳の内容が固まったようです。チラシはこちら

既にご紹介の通り33の霊場+5つの客番(追加霊場)が一堂に会するもので、難関と言われる第二十八番札所の光明寺(加東市)、三十三番札所の瑠璃寺(佐用郡南光町)なども楽に回ることができます。


出開帳の内容については以下の通りで固まったようです。

(1)御朱印は希望の寺院のみで可
まだお参りできていない寺院のみ、これから回りたいけど遠隔地で難しいそうな寺院のみいただくことは構わないそうです。

(2)御朱印帳には制限があります
・市販の御朱印帳もOKですがサイズは以下の範囲内に限るそうです。
 横幅11cm×縦幅17cm ~ 横幅14cm×縦幅21cm
 (通常市販されている御朱印帳であれば差し支えないと思われます)
・納経料は1カ所300円。
・重ね印(既に頂いている御朱印に印のみを重ねるもの)は300円で対応可。
・今回の出開帳では御詠歌は対応不可。

(3)その他も制約があります
・お軸の御朱印はお断りだそうです。
・笈(おいづる:白衣)は200円で対応可。

なお新西国専用の納経帳や笈は四天王寺でも取り扱っています。


多くの方が訪れるための措置と思われますのでご協力をお願いします。
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沖縄の「ゆいレール」でSuicaなどが利用可能に

2019-05-25 | シャック便り
沖縄都市モノレール「ゆいレール」が2020年春を目処にSuicaなど本土のICカードでの乗車が可能になります。リリースはこちら


対象となるのはSuicaおよびSuicaと共通利用ができるICOCA・nimocaなど計10種です。従来から対応している沖縄本島独自のICカード「OKICA」も引き続きゆいレールで利用可能です。Suicaの片利用となる見込みで、逆となる首都圏や仙台・新潟などのSuicaエリアでのOKICAの利用(例えば山手線の新宿-渋谷)はできないものと予想されます。

ゆいレールでは本土のICカードが使えるものとして改札を通ろうとする旅行者が後を絶たないことに加え、那覇空港駅の券売機が常時混雑するなどの問題が起きています。さらに今年10月には首里-てだこ浦西間が開業する予定で混雑にさらに拍車がかかるため何らかの対策に迫られていました。

同じくOKICAが利用できる本島のバス4社(琉球・沖縄・那覇・東陽)については今回のSuica導入の対象外です。現時点では引き続き本土のICカードは使用できない見込みですのでご注意ください。
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第一電波が6/1より大幅な値上げを実施

2019-05-24 | シャック便り
第一電波が6/1より大幅な値上げを行うことになりました。


「近年の物価・仕入れ価格等の高騰により、現行の価格体系を維持するのが困難な状況となりました。」とのことです。値上げ対象品はモービルホイップ(HF・V/UHF)、固定用GP、同軸ケーブル、基台、伸縮ポールなど多岐にわたっており、値上げ幅も10%前後と大きなものです。詳しいことは以下でご確認ください。

新価格表①

新価格表②


一部販売店では「値上げ前の最終セール」を行っていますので、もし必要な品がある方は今のうちに買っておいた方がいいと思います。
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女川出島移動運用メモ

2019-05-23 | シャック便り
[女川町出島]
出島は宮城県女川町の沖にある島です。

出島の人口は約120人で出島集落と寺間集落に分かれて住んでいます。漁業が主産業です。東日本大震災の津波により壊滅的被害を受け、それぞれ集落を高台に移転させる復旧工事が行われています。本土とは一番狭いところで300mしか離れていないため架橋工事が行われるそうです。


[島内での運用]
海岸周辺になりそうです。


[島へのアクセス]
JR女川駅近くの観光桟橋からシーパル女川汽船の定期船が1日3便あります。便によって寄港パターンが異なりますので間違えないようにしてください。定期船は出島港と寺間港に着岸します。

シーパル女川汽船は荷物の積み卸しと乗客の乗下船が終わればダイヤによらず出航させています。このため定刻より10分前後前倒しで出航してしまうことがあります。余裕をもって港に着くようにしてください。乗船券は船内で購入となります。


[島内でのアクセス]
シーパル女川汽船の区間利用を除けば徒歩のみです。出島と寺間の両集落間は県道で結ばれています。


[宿泊施設]
「民宿いずしま」が寺間にあります。予約での利用となります。


[島内の店]
現在はないそうです。


[注意点]
島内では復旧工事が行われており、立入できないところが多くあります。


[おみやげ]
特にありません。女川町のお土産はJR女川駅前の商店街や女川駅1Fの物産販売所で手に入ります。
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移動耳より情報

2019-05-22 | シャック便り
[久米商船の新造船「フェリー海邦」が7/1より就航]
那覇-渡名喜-久米島を結ぶ久米商船の新造船「フェリー海邦」が7/1より就航することが決まりました。これに伴い「ニューくめしま」が5/31をもって引退します。

「フェリー海邦」は大分の臼杵造船所で建造された1200tのフェリーです。久米商船では2012年に「フェリーなは」の後継として「フェリー琉球」を新造、残る「ニューくめしま」の置き換えが期待されていました。しかしながら資金面で実現せず一時は高速船での置き換えも検討されたものの日本の造船所ではほとんど建造されていない三胴船でないと就航率が下がることなどから断念、ようやく在来型フェリーの建造が決まりました。

6月中は「フェリー琉球」1隻で那覇発の1往復のみの運航となり上下とも渡名喜に寄港しますから毎日渡名喜への日帰りが可能です。また7/1からはダイヤを改正し船ごとで異なるダイヤを一本化、あわせて1便の出航時刻が8:30から9:00に繰り下げられます。


[天草エアラインの計画運休は来年3月まで続く可能性も]
今年2月に機長1名が病気療養となり、以降一部の便の運休が続いている天草エアラインについて運休を解消できる見込みがたっておらず、最悪の場合来年3月まで約3割の便の運休が続く可能性が示されました。同社の公式サイトでは既に8月までの運休予定が公開されています。

機長には「1日8便まで・1ヶ月100時間まで」の制限があり、今いる2名の機長では制限に引っかかるため主に運航時間の長い熊本-伊丹線を中心に運休する見込みです。

会社は新しい機長を探しているもののLCCとの人材の取り合いで見つからず、加えて運休便が増えることで今期決算が赤字に転落する見込みで苦しい状況に陥っています。


[中央道昼特急が廃止]
JRバス関東と西日本JRバスが運行している「中央道昼特急」が5/17のダイヤ改正で廃止されました。当該便は「東海道昼特急」に振り替えられています。

中央道昼特急は中央道経由で東京-大阪間を結ぶ昼間の高速バスで2003年に運行を開始、一時は2往復でしたが2014年に1往復が廃止されていました。東名が事故閉鎖等で運行できない場合の補完的役割を担ってきたものの新東名の開通により東名の交通量が減り時間のかかる中央道経由は存在感が薄くなっていました。

なお「東海道昼特急」についてもこのダイヤ改正により土山BS・名神大山崎・名神高槻・千里ニュータウンへの停車を取りやめています。


[JR北海道が10月から運賃値上げ]
経営難にあえぐJR北海道は10月より運賃の値上げを予定しています。初乗りは170円から200円となり、札幌-新千歳空港間も1,070円から1,150円となる予定です。

ただしこの値上げでも経営改善にはほど遠く、資金枯渇の危機が続くことになるそうです。
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5/23からの沖縄移動は中止させていただきます

2019-05-21 | 移動運用予定
5/23より予定しておりました沖縄移動は中止させていただきます。

数日前から右腋の下に大きな腫れができ化膿していました。かなり大きな腫れになり先ほど病院で切り開いて膿出しを行っていますが、当分の間消毒のため毎日の通院が必要となり旅行不可との所見を頂きました。

腋の下は機材を入れたリュックを背負うと腕と擦れて痛いところであり、今月中は近隣の移動運用も困難な状態です。


飛行機代はJALに電話し病気の際の特例適用で無手数料での払い戻しとなりました。まさかこの特例を2回使うとは思いませんでしたが、航空会社よりOKとのことでしたので軍資金は温存できる見通しです。次回沖縄は11月予定です。


大変申し訳ありませんが事情ご勘案いただきますようよろしくお願いします。


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「2019春期 京都非公開文化財特別公開」に行ってきました②

2019-05-20 | 御朱印めぐり
京都古文化保存協会による恒例の「春期 京都非公開文化財特別公開」の続きです。


長楽寺を出て八坂神社を通り抜けましょう。令和の文字だけ金泥にした特別な御朱印を授与しているそうです。

地下鉄東山駅近くに得浄明院があります。歴史は新しく、1894年に皇族伏見宮家の出身である誓圓尼が信州善光寺の京都別院として創建しました。善光寺がどの宗派にも属していないため得浄明院もどの宗派にも属していないそうです(浄土宗とは縁があるらしい)。

誓圓尼の実兄は幕末に「中川宮」と呼ばれた久邇宮朝彦親王で、長州を京から追い出すなど政治力を発揮しています。朝彦親王の孫が昭和天皇の香淳皇后ですから、朝彦親王は新天皇陛下の高祖父にあたります。という経緯で今回の特別公開なのでしょうね。

本尊は善光寺と同じ阿弥陀如来です。本堂の地下を巡る真っ暗な戒壇巡りもできます。

得浄明院の御朱印です。お願いした直後に定期観光バスのご一行が来て御朱印帳が積み上がっていましたからギリギリセーフでした。


得浄明院の西に和菓子の「餅寅」があります。名物は「明智饅頭」です。

隣に明智光秀の首塚があり、餅寅の家が代々首塚を守っているそうです。それなら明智饅頭を名乗っても問題ないですよね。来年大河ドラマになることが決まりましたのでお客さんが増えそうですね。

「餅寅」から白川を渡ると古川町商店街です。かつては生鮮品などを扱う店が多かったのですが次第に寂れ今はゲストハウスなど観光客向けの店が多くなっています。


お昼にしましょう。最近は河原町丸太町にあるタイ料理または台湾料理のお店にしています。今回はタイ料理の方にします。グリーンカレーにトムヤムクン、春巻などがセットになったランチです。


河原町丸太町からはバスで堀川丸太町に行き、乗り換えて堀川寺之内に到着。先日桜の時にも回ってきた場所です。「人形寺」として知られる宝鏡寺のすぐ近くに慈受院があります。

1428年に足利4代将軍義持の正室だった慈受院が創建した臨済宗のお寺で、以来皇族や摂関家などが入山した尼寺です。通常非公開とのこと。

本堂は今回の天皇陛下の代替わりで名を知られるようになった光格天皇の産殿を下賜されたものだそうです。本尊の釈迦如来像や後水尾天皇の念持仏だった阿弥陀如来像などを公開しています。

なんと言っても手入れの行き届いた庭が印象的です。

慈受院の御朱印です。即位記念のはんこ付きです。

たくさん回りましたから本日はここまで。


京都古文化保存協会の特別公開は毎年春秋に開催されています。毎年年明け直後から春先まで行われる京都市観光協会の「京の冬の旅」とは以下の点で違いがあります。

[良い点]
・山科や京都市外など郊外の寺社が公開されることがある
・御朱印が直書き可の寺社が多い

[残念な点]
・拝観料が1カ所800円で600円の「冬の旅」より割高
・説明にあたる学生ボランティアの説明にあと一工夫が欲しい


今回の御朱印情報です(朱印料は特記ない限り300円)。
安祥寺  2種を庫裏で授与。ただし直書きはいずれか1種のみ(選択可)。
雙林寺  1種を本堂で授与。
安養寺  1種を授与。
長楽寺  2種を受付で授与。うち1種は今回の特別公開限定。
得浄明院 4種を本堂で授与。直書きは本尊の御朱印のみで500円。
慈受院  4種を本堂で授与。直書きは本尊の御朱印のみ。オリジナル御朱印帳あり。
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「2019春期 京都非公開文化財特別公開」に行ってきました①

2019-05-19 | 御朱印めぐり
10連休の締めは京都です。最終日は皆さん京都から各地に帰るでしょうから比較的空いて穴場なんです。

5/6まで京都古文化保存協会による恒例の「春期 京都非公開文化財特別公開」が開催されています(一部は期間が異なる)。今年は天皇陛下の即位を記念した特別公開になっています。崩御ではなく譲位なので大々的にお祝いできますよね。

今回の特別公開では20の寺社が対象となっています(聖護院と積善院は1つとしてカウント)。中には東寺・仁和寺など「京の冬の旅(こちらは京都市観光協会主催)」でも常連となっている寺社もありますが、京都市外にある寺社やほとんど公開されない寺社が時折混じっているのが特徴です。


なんと言っても今回の目玉は東山の長楽寺で、天皇陛下の即位時にしか公開されない本尊・准胝観音が約30年ぶりに開帳されます。令和に改元された5/1からの公開となっています。この他西陣の慈受院、東山の得浄明院、山科の安祥寺が未訪問ですので行ってみます。これらの寺院はいずれも御朱印を頂けるようです。

回り方をどうするかですが、まずは山科に行き安祥寺からスタート、地下鉄東山駅から得浄明院と長楽寺を回ってみます。知恩院を挟んで南北なのでまとめられます。このほか近くにある寺社を合わせて回ってみたいと考えています。


JR山科駅に到着。

混雑というか混乱している京都駅から1駅離れるだけでのんびりしています。10連休でも山科は混まないのでスムースです。

JRの線路をくぐり安祥寺に向かいます。大正年間に建設された趣のある煉瓦のトンネルです。実は北側半分は昭和(戦前)にコンクリートで継ぎ足されており、この間の建築技術の変化が見て取れます。

トンネルを抜けた道をひたすら上れば安祥寺です。9時の拝観開始より15分ほど早く着きましたが既に20人ほどが並んでいます。9時には50人ほどになっていました。

855年に恵運が開山した真言宗のお寺です。創建当初こそ2万平米の広大な敷地と伽藍を有していましたが次第に衰退、応仁の乱により完全に廃寺となります。その後江戸時代に再建されますが維持費に困窮し敷地の多くを毘沙門堂に売却、さらに明治期の火災で多宝塔を失い小さなお寺になりました。通常非公開で、古文協の特別公開では今回初公開となります。

多宝塔に安置されていた五智如来像は火災以前に国立博物館に寄託されていたため無事で、このたび国宝に指定されることになりました。今回は本尊の十一面観音像(国重文)が公開されます。

拝観料を払うと多くの人が御朱印待ちで庫裏に並んでいます。直書きは本尊の十一面観音と国宝に指定された五智如来の2種類のうちいずれか1種類のみ(指定可)で、中には2日続けて並んで両方頂いた猛者もいるようです。20分ほど待って本尊の御朱印を頂きました。

本堂からお参りしましょう。十一面観音像は262cmと大きなもので奈良時代の作と言われています。近年修復されたことおあり美しいお姿です。

さらに大師堂なども公開されています。特別公開でなければ拝観することが難しいため貴重な機会でした。

安祥寺の御朱印です。


地下鉄山科駅で地下鉄とバスの1日乗車券を購入し東山に向かいます。東山からは一旦市バスに乗り祇園に向かい、祇園から北に上がる形で進んでゆきます。

祇園のバス停に到着。長楽寺への道すがらに雙林寺がありますから寄り道しましょう。特別公開のお寺はお昼休みがないですが、一般の小さなお寺ですとお昼時は気が引けますので早めに回ることにした次第です。

雙林寺は長楽寺と同じく805年に勅命により最澄が創建したとされている天台宗のお寺です。平安末期の歌人・西行が隠棲したお寺です。1384年に時宗に改められるものの明治期に天台宗に復帰しています。

雙林寺は大谷祖廟や円山公園、さらには高台寺にも敷地を取られ、今は小さなお寺になっています。コンパクトな本堂と境外の西行庵だけが今の寺域です。

西行庵は道すがらにありました。

本尊は薬師如来で、京都十ニ薬師霊場七番札所になっており御朱印が頂けます。

雙林寺の御朱印です。


大谷祖廟の脇を登ってゆきます。この奥が長楽寺ですが、長楽寺の山門手前から北に入る道があり、これを進むと安養寺です。安養寺を名乗るお寺は新京極にもありますね。あちらは「倒蓮華」として知られています。

こちらの安養寺は「吉水草庵」とも呼ばれる時宗のお寺です。長楽寺と同じ時期に桓武天皇の勅命で最澄が創建しています。すぐに荒廃するものの1175年に浄土宗の宗祖・法然が入り浄土宗の布教拠点としています。この間浄土真宗の宗祖・親鸞が法然に弟子入りしています。法然の生涯にとって重要な場所ですが法然上人二十五霊場にはなっていないようです。

その後1380年代に時宗に改宗しています。明治になって円山公園に敷地を召し上げられ規模が小さくなりました。

本堂には時間内であれば自由に中に入って良いとの紙が出ています。中には一人拝観客がおり、明らかに御朱印待ちでしたのでお参りしながら待っていると御朱印帳を手にしたご住職が出てこられました。お願いしたら快く引き受けてもらえました。

本尊の阿弥陀如来像は法然が念仏を唱えていた由緒ある像だそうです。ひっそりとしていながら歴史あるお寺のようでした。

安養寺の御朱印です。


いよいよ今回の目玉である長楽寺です。805年に勅命により最澄が延暦寺の別院として創建したとされ、建礼門院が出家した由緒あるお寺です。1385年に時宗に改められています。江戸期に幕府から敷地の多くを大谷祖廟に譲るよう命じられ衰退、さらに明治政府からも敷地を円山公園に召し上げられ今は小さなお寺になっています。

つまり長楽寺・安養寺・雙林寺は似たような歴史をたどっていることになりますね。


長楽寺は秋の紅葉の穴場であり、混雑のピーク期でも比較的スムースに拝観できるため私もご案内したことがあります。

拝観券売り場の手前に御朱印の受付があり、ここで用紙に希望を書いて預けておく形だそうです。

本尊の准胝観音は天皇陛下の即位時のみ公開される秘仏です。最澄が彫ったとされています。5/1には2時間待ちになったとのこと。

庭園も公開されています。

長楽寺の御朱印です。こちらが通常授与されるものです。

こちらが准胝観音の開帳時限定の御朱印です。長楽寺の准胝観音は引き続き6/16まで公開されますからぜひお参りに行ってみてください。


長くなりましたので後半は次回に。御朱印情報は後半の最後にまとめてご紹介します。
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