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本番直前に運指変更

今年最初のコンサート「初春の音楽会」のプログラムの中に、バッハの「リュート組曲第3番よりクーラント、サラバンド、ガボット」というのが入っています。このうち、これまで弾いてきた「ガボット」の運指に無理があることがわかりました。同じ左指で連続する2つの音を押さえたまま弾いていた……という、よくあるパターンです。運指の見なおし作業は、これまでにも何度もやっていますが見落としていました。
この曲は、初めてコンサートで弾いてからすでに30年以上経過しています。その後も何度人前に出したかわかりません。少し間が空くとすぐに弾けなくなり、その度に「なんだか指がもつれそうな曲だな」と思いながらも、テンポを落として繰り返して練習し、本番直前にかろうじてとり戻す……ということをやってきました。
若いころから弾いている曲の中にはこういうのが少なくありません。
つまり、若いころは、運指の良し悪しも自分の指との相性もわからずに、「弾けなかったら、難しいところを取り出して、テンポを落として反復して指に覚え込ませる」というのが正攻法だと思ってきたわけです。
難しい曲でかつ運指に少々無理がある場合でも、指もやわらかく時間も体力もたっぷりある人が猛練習すれば、ある程度は弾けるようになるものです。でも年齢を重ねると、そういう曲はほぼ弾けなくなります。若い人でも忙しくて練習時間がとれなくなれば、同じく弾けなくなります。
この曲のように何度も弾けなくなった曲を、弾ける状態でずっと維持しようと思ったら、今使っている運指に無理はないか無駄はないか、じっくり見なおすことが絶対必要です。
本番は今週末です。こんな直前で運指を変えることには、リスクがありますが、やってみましょう。なぜなら、それをしなかったら「コンサートが終わったらまた弾けなくなる」というのが目に見えているからです。
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