浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

責任

2013-07-22 06:57:58 | 日記
 自民党、公明党が圧勝である。あと3年間、安倍政権が続く。国民は、確かに投票率が低かったが、安倍政権を選択したのである。

 安倍政権が行おうとする政策は、消費税の増税、格差社会のより一層の進展、原発再稼働によるさらなる危険な日本、米軍と一体となった海外での軍事行動の展開、教育の国家主義的再編、TPPによる日本の富の巨大企業への移転・・・・・まさしく国民にとってよくない方向へと進ませるものであることが、一部の(ボクは、ボクたちと同じ思考をしている人を「一部」と表現する)人たちには明々白々であるが、しかし多くの国民には見えない。

 それはなぜか。

 先ず第一に、マスメディアが、自公、民主がすすめてきた悪政を圧倒的に支持するという流れの中で、多くの国民には、そうした翼賛的な情報のみが与えられ、ボクたち一部の考えていることがまったく伝えられていないから、安倍政権の政策の危険性に思いを致さないのだ。

 第二に、長い間不況の中に沈淪していた国民は、安倍政権の誕生の頃からの円安、株価上昇が大々的に報道されることにより、景気がよくなるのではないかという根拠なき期待をもち、それがいまも続いているのだ。株価が上昇しても株をもっている富裕者だけがより豊かになるだけであるし、円安になれば輸入品価格はは当然上昇して物価上昇となるのだが、そういうことは考えない。

 先日紹介した『TPPで暮らしはどうなる?』のなかに、「今だけ、金だけ、自分だけ」ということばがあったが、そういう気持ちの人々が圧倒的に多くなっているのだろう。近視眼的な対応しかなくなっているのだ。

 第三に、国民の多くはどういう投票行動をしてもたいして変わりはしないし、自民党であろうが、民主党であろうが、同じ日本人だから悪いようにはしないだろうという根拠なき「信頼」があるのだろう。今の日本は、生活が不如意になってきていても、それでも生きていけるし、また非正規労働とブラック企業への就労という雇用が口をあいて待っている状態の中でも、若者の幸福度が高くなっているという調査結果もある。そのなかで、オタク感覚で安倍や麻生を支持する若者たちが増えているように思われる。サヨクを嫌悪し、ウヨクに身を寄せる心情が、まさに心情が膨張していることは確かだろう。そういう時流がつくられてはいる。

 確かに悪くなっていくのは、その背景に政府による悪政があるのだが、悪くなるスピードは「徐々に」であるから、政策と悪化との因果関係を多くの人は直接感じられない。

 第四に、新聞を開けば自民党の広告、テレビをみれば自民党の広告、ラジオをきけば公明党の広告、圧倒的な宣伝がなされていた。他の政党については、ボクの目や耳に入らなかった。やはりカネの力だ。そういうカネを用意し、つかうことができる政党が勝つのである。ということは、大企業の支援を受けた、大企業のための政治をする政党が国民の意識をつかむことができるというわけで、まさにカネがすべてを決めるという時代になっといえるのだ。選挙はカネで買う時代なのである。


 自公が圧勝した。悪政はどんどん推進されるであろう。悪政により、日本国民は徐々に首を絞められていく。仕方ない、そうされてしまう選択をしたのだから、甘受してもらうしかない。投票活動には、それに参加してもしなくても、責任が伴う。苦しむ選択をしたのだから、苦しもうではないか。

 しかしボクたちは、そうであっても、政治に開眼してしまった人たちは、そういう状況を座視しているわけにはいかない。もちろんボクたちは一部でしかない。そういう一部であるという自覚をもつべきだ。

 だからこそ、一部であるボクたちはみずからの思考を鮮明に表していくことが必要だ。国民の前には、安倍政権翼賛の情報しかないのだということを自覚すべきであって、それに抗するためにはボクたちの考えをあらゆる場所で愚直なまでに訴えていくしかない。

 それがボクたち一部の責任であるのだろう。

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