Go Hollywood!!映画れびゅう

今まで見てきた映画の覚え書き。(ネタばれ注意!)雑記録。

Easy A (2010) 日本未公開

2011-04-28 19:41:05 | 映画レビュー(アルファベット)
Easy A ( 2010)
Director : Will Gluck
Writer : Bert V. Royal
Cast : Emma Stone, Penn Badgley, Amanda Bynes, Dan Byrd, Thomas Haden Church, Lisa Kudrow, Patricia Clarkson, Stanley Tucci, Alyson Michalka


オリーブ(エマ・ストーン)は、親友リアノン(アリソン・ミショーカ)からファミリーキャンプへ一緒に行こうよと誘われるんだけど、どーにか彼女を傷つけないように断りたい。
というのも、リアノンの家族は筋金入りのヒッピーで食べ物もスタイルも意味不明。
前回の悪夢のよーな(?)キャンプが脳裏によみがえったオリーブは、断りの口実に「週末は大学生の彼氏ととデート。」と嘘をついちゃたりなんかして。

週明けになってリアに「で、彼氏とのデートは?Hした?」としつこく聞かれ、つい嘘のロストバージンストーリーをでっちあげて話してしまった。
運悪いことに、おしゃべりの敬虔な(ちょっと"度の過ぎる”)クリスチャンであるマリアンヌ(アマンダ・バインズ)にそれを聞かれ・・・。
あっという間に学校中に尾ひれ背びれのついた噂が流れ、皆に興味津々の目で見られるオリーブ。

ある日、同級生のブランドン(ダン・バード)に「ゲイだって皆にいじめられるのがいやだから、恋人のフリしてくれない?」と頼まれ、ハウスパーティーでわざと皆に聞こえるように大きな声でHしてる演技を。

これもまた噂が噂を呼び、オリーブには”尻の軽いふしだら女”のレッテルを貼られちゃう。

わざわざ疑惑を解くのも面倒になったオリーブは開き直って、ちょうど英文学の授業で習っていたゴシックロマン小説の”緋文字”のヒロインと同じように胸に赤の”A”を縫い付けた娼婦さながらの服を着て学校に通うことに。

ブランドンからコトの真相を聞いた、ちょっとイケテない男の子(ギーク)たちがお礼をするから僕ともHしたたフリをしてほしいと次々にオリーブのもとにやって来る。
冗談じゃないと一度は断った彼女、つい情にほだされてその役をかってでることに。
お礼はギフトカードやポイントカード。

そのうちどんどんオリーブの悪評が広がり、誰も彼女に近づかない。
いつも通りに接してくれるのは、幼なじみのトッド(ペン・バッジリー)だけ。
しかし、ついにはヤリすぎで性病をまき散らす悪女の噂までたっちゃった!!!


友達を傷つけまいと口にした嘘が嘘を呼び、ギークたちをほっとけなくて人助けしちゃったためにまた嘘を重ね・・・。
オリーブの嘘はジェンガのごとく積み上がって「いったい私、どうしたらいいの~~~~?!」





80年代に大ヒットしたジョン・ヒューズ監督のいくつかの青春映画をベースに、お人好しな女子高生を主人公にした映画。
当時の映画はどちらかと言うと男の子目線の映画、これはかなり女の子目線で描かれてますね。


そしてオリーブが赤い"A”の文字を胸元に縫い付けるエピソードの元ネタが、ホーソンの”緋文字”。
その昔、未婚の女性の姦通(いわゆる婚外交渉)がまだ重罰だったニューイングランドのピューリタン社会で、好きな男の子どもを身ごもった女性が相手の名前を明かすことを拒み、貫通の罪を一人で背負うことを決意。そんでもって、胸に姦通を意味する”A”の緋文字をつけて生きてゆく・・・っちゅう話です。
最近(と言っても15年くらい前)映画化されたのは、デミー・ムーア主演のヤツかな。


主人公の女子高生を演じるのはエマ・ストーン。
多分日本ではまだまだ知名度は低いんじゃないかと思うんだけど、実はわたくし好みの女の子。
いわゆるかわいい系じゃなくて、さばさば気っぷの言い、懐の深~い女の子役をよく演じてる。
で、イケテない、いわゆるギークな男の子たちにその懐の深さでに受け入れる役が多いんだよね。
代表的なのが最後に思わずエマにほろりとさせられておバカ映画を見てることを一瞬忘れさせられてしまった”スーパーバッド”。(相手役はちょっとぽっちゃり系のジョナ・ヒル)
あれで一気にファンになっちゃいました。



オリーブの両親を演じるのはパトリシア・クラークソンとスタンレー・トゥッティ。
物わかりのよすぎるお父さんと(いつも芝居がかってるとこが超ウケる)、「あたしがあなたくらいのときはそりゃ沢山の人とやりまくったのよね~。ほとんどは男の子だけど。」と自分の恋愛経験をセキララに告白しすぎるお母さん。ところでパトリシアってコメディエンヌだったかしら?ちがうわよね。
しかし、母親の恋の武勇伝・・・あんまり聞きたくないわね。
このふたりがいい味出してます。
実はこの家族、名前みんな食べ物なの。父ちゃんディルで、母ちゃんローズマリー。(ハーブね。)オリーブの弟はチップ。

国語の先生には“サイドウェイ”のトーマス・ヘイデン・チャーチ。その奥さんでスクールカウンセラーを演じるのは“フレンズ”のリサ・クドロー。
親友役のアリソンはディズニーチャンネルのアイドル出身。
いい子ちゃんぶって、実はオリーブを陥れる噂を流しまくるいや~~~~な女の子には、一昔前にティーンアイドルとして一世を風靡したアマンダ・バインズ。”ヘアスプレイ”に出てましたね。

こう見てもかなり充実した脇役陣。でも日本では彼らはマイナーかなぁ~~~。
どう?
もしかしたら、劇場公開はスルーしてDVDだけの公開になっちゃうかもね。
若い頃、80年代のちょっとシニカルな恋愛ものにハマったことがあるならぜひぜひ○○○TAYAとかで借りてみてみて下さいまし。



いい子ぶりっこの善人の顔して、実は腹黒~~~いマリアンヌ。
あーゆオンナがザマーミロ的な結末を迎えるのって、「あぁ~気持ちいいわ!!!」と思うワタシも相当腹黒い。ほほほ。
でも実社会ではそういう子は痛い目みないパターンが多いんだよね。
世渡り上手の罰当たりってか。あ~、面白くねー。



ワタシがつい好意的にオリーブに肩入れしちゃうのは、自分の昔を思い出して「こんなことあるある~~。」と思っちゃったから。
情け心を出してギークたちを助けちゃったあげくドツボにハマってしまっちゃうとことか、最後には「え~~いっ!お前らがそう思うなら勝手に思ってやがれ。」と開き直っちゃうとことかも。

その昔情け心を出してまんまとドツボにハマったことが何度もあるよなぁ。
あげくに今で言うストーカーまがいの災難に巻き込まれたこともあるし。
外見で誤解されて陰口言われても「勝手に思ってろ。」って、相手のご想像通りにわざと振る舞ってやったりしたこともある。
自虐的?やけっぱち?行くとこまで行ってしまえって感じ。(オリーブのセリフにある”Not with a fizzle,but with a bang."ってか。)
いやいや、面倒なのよね。
いちいちワタシは毒のない女ですよ~~~って振る舞うのが。
皆に好かれたいとも思ってないしええねんって思ってる方がラク。
・・・の割にガラスの心だったり、面倒な女ね、考えてみりゃワタシって。

でもね、この映画にもメッセージとして入ってるんだけどさ、ちゃんとフィルターを通さずに見てくれる人はちゃんといるものよ。
沢山はいないけど何人かは、ちゃーんとね。
ありがたいことです。



サイアクのシチュエーションも、エマ・ストーンが嫌みなくコケティッシュな表情で演じてくれるこの映画を見て元気が出ること間違いなし。
では、今時のアメリカの高校生活をちょこっと垣間みてみませんか?








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