Go Hollywood!!映画れびゅう

今まで見てきた映画の覚え書き。(ネタばれ注意!)雑記録。

ハナミズキ (2010)

2011-04-21 08:15:33 | 映画レビュー(ハ行)
ハナミズキ (2010)
監督:土井裕泰
脚本:吉田紀子
キャスト:新垣結衣、生田斗真、向井理、蓮佛美佐子、松重豊、薬師丸ひろ子


北海道の海辺の町。
将来の夢をかなえるために大学進学を目指す紗枝(新垣結衣)は推薦入試に向かう途中、電車の事故で試験会場に間に合わないかもしれず焦っていた。
そこに居合わせた水産高校に通う漁師の息子康平(生田斗真)が、知り合いの車を借りて試験会場に送ると提案。
ところがまだ仮免中だった康平は運転ミスで事故を起こしてしまう。
結局紗枝は試験を受けそびれ落ち込むが、真剣に謝る康平に好意を抱く。

これがきっかけでつきあうことに。
一般入試を目指し受験勉強する紗枝とそれを一生懸命サポートする康平だったが、彼女の大学受験がうまくいけば二人の先にあるのは離ればなれの遠距離恋愛。
複雑に揺れる康平の恋心。

春になり、晴れて東京の大学に合格した紗枝は東京に旅立ち、やはり二人の間には微妙なずれが生じてゆく。

すれ違いはどんどん深まり、カメラマンの先輩(向井理)のつてを頼ってNYで仕事に就く紗枝と、急逝した父の借金を抱えて働かなければならない康平に別れが訪れる・・・。




久々に若い恋愛ものを見たわ~~~~。
ハナミズキの歌が素敵だったのと、小説を読んだ友達が「泣きました。」って言ってたのと、生田斗真のことを常々”かわいい~~~~”と思ってたので、つい手が出てしまいました。


だけどさ~~~~、おばさんはダメよね。
浸れないの~~~。
だって先が読めちゃうもの。
遠距離はぜーっったいに難しいとか、あんまり違った生活をする者同士が結ばれるためには、どちらかが自分の今の何かを捨てて片方も元へ行かなければ無理よ~~~なんて思いながら見ちゃうしね。


ばらしていい???
ネタばらしよ、読みたくない人はもうここでやめといて。







私の持論としては、一度歯車の違った二人は二度と歯車が噛み合うことはないと思ってるんだよね。
断言してもいいくらいだなぁ。

この映画では紆余曲折の末二人はまた出会えるんだけど、ワタシ的には「ありえね~~~~!」って感じなんです。
うまく行き過ぎなの。
片方が離婚すりゃ、片方も彼氏との別れがあって、すっきり元サヤに戻れるシチュエーションがタイミング良く訪れるなんて・・・・ないっつーの。

だいたいね、一度別れると、例えば片方がその後の恋に破れて元カレ(カノ)がどうしてるかなと思って消息を辿っても、片方は幸せにしてたり、結婚してたりするもんよ。
で、無理やり奪おうなんてしちゃ、それこそ泥沼劇場の開幕よっ!!!
そうなっちゃ、素敵なラブストーリーにならないわね。おほほ~~。


ごめんね、おばさんがうだうだクダまいたりなんかしちゃってね。




ところで、この映画が公開の頃、交付のためにバラエティーによく出演してたのは生田斗真ではなくて向井理だったような記憶があるんだけど。
この映画って男性メインは、向井理だったのかなぁ?

最後にもう一つ毒吐きますが、ユルシテ。
特番2時間ドラマでもよかったよ・・・、これだったら・・・・。


あ!そうそう。
薬師丸ひろ子って、うまく年をおとりになりましたね。
今回もかわいく素敵なお母さん役でした。

邦題:ブラック・スワン Black Swan (2010)

2011-02-06 22:35:15 | 映画レビュー(ハ行)
Black Swan (2010) ブラック・スワン
Director : Darren Aronofsky
Screenplay : Mark Heyman
Cast : Natalie Portman, Mila Kunis, Vincent cassel, Barbara Hershey, Winona Ryder

ニューヨークシティーバレーカンパニーのダンサー、ニナ(ナタリー・ポートマン)。
彼女の母(バーバラ・ハーシー)も元バレリーナ。
母の果たせなかった夢をも背負い、彼女は人一倍レッスンに励んで来た努力家だった。

ある日,プリマだったベス(ウィノナ・ライダー)がカンパニーを去る事となり、ディレクターのトーマス(バンサン・カッセル)が新しいプリマを指名すると言う。

オーディションでトーマスを前に懸命に踊るニナ。
ニナのダンスが終わると、トーマスは「白鳥の踊りは完璧、でも黒鳥は最悪だ。」と言い放つ。

しかし、ダメだと思っていたプリマの座はニナのものとなった。
トーマスはニナを指名したのだ。

トーマスは同じくロスから来たと言うリリー(ミラ・クニス)を代役として指名する。
リリーは官能的で黒鳥を踊るには完璧のダンサー。
トーマスはニナに官能的に激しく踊る事を要求するが、うまく答えられないニナは、リリーにプリマの座を奪われないかと不安を抱く。

自分の夢を娘に託している、厳格でまた支配的な母の期待を重く感じてはいるものの,純真でまじめすぎる自分の殻をどうしても破れないニナ。
一方、トーマスの指導により黒鳥の踊りを深めていくうちに目覚めた自分の奥底に潜むダークサイドに触れ,それをひどく恐れる。

本番が近づくにつれ、彼女は白と黒の間で悩み、もがき、その葛藤が彼女を破壊してゆく・・・。



この神経が細かすぎて壊れそうなニナを演じるナタリー・ポートマンは、体重を20パウンドも落としちゃってます。
まぁ、細いこと!
それに加え、毎日4時間におよぶバレエの特訓をしていたと言うからすごいもんです!

この映画は、ナタリーの一人芝居かというほど彼女のシーンばかり。
題材は重く、さぞかしくら~い現場かと思いきや、ライバルのミラ・クニスは彼女の親友だそうで、撮影を離れると和気あいあいだったようですね。
二人のラブシーンもあるんですけど、友達だからこそやりにくかった???
結構ハードなラブシーンですぜ。


おまけに、ただ今妊娠中のナタリー。
お相手は振り付け指導兼、映画の中では王子役として踊っていたベンジャミン・ミルピード。
この映画のテーマカラーの黒と白とは裏腹に、撮影中からラブラブのピンク色だったわけねん。


ほんのちょっとしかでてこないけど、元プリマ役のウィノナ・ライダー。
わたし、彼女っていい女優だと思うのよね。
過去の万引き事件がなければ今頃、オスカーのノミネーションをいくつも取ってたかもね~~~。
ほんっとに惜しいわ・・・。

ニナの心理について語りたいことがいっぱいあるんだけど、そうするとネタバレになっちゃうもんで難しいねぇ~。
いい子ちゃんの自分が嫌でもっと完璧なダンサーになるために変わりたいという気持ちがあるものの、ダークな自分や官能的なことを嫌悪する気持ちもある。
それが高じて彼女の精神は壊れ始めて行くんだけど、どこまでが現実でどこからが妄想か、よーく考えながら見て下さい~~~。
映画を見終わったあとで「あ!あのシーンは!」と気付く事も多かった私です。


痛くてエッチで、ほんでもって救いのない映画です。
覚悟してご覧下さい。


最後にバレエのシーンは本当に素晴らしかったと付け加えておきます。
あれがちゃちだと感情移入できないわ。
いやいや完璧!!!


邦題:ベストキッド The Karate Kid (2010)

2010-06-24 12:37:49 | 映画レビュー(ハ行)
The Karate Kid (2010)
Director : Harald Zwart
Writer : Christopher Murphey
Cast : Jaden Smith, Jackie Chen, Taraji P. Henson, Wen wen Han, Ronguang Yu, Zhenwei Wang

デトロイトに住むドレ(ジェイデン・スミス)はお母さん(タラジ・P・ヘンソン)と二人暮らし。
車関係の会社に勤める母が国外に栄転になり、親子は北京へ引っ越す事に。

知らない土地、言葉も通じないところに引っ越しになってちょっとへこんでいたドレだったが、引っ越し先のアパートの近くの公園では同じような歳の子供たちがいるのを見て少しほっとした。
公園でバイオリンを持った少女メイヤン(ウェンウェン・ハン)を好きになっちゃうドレ。

ところが、同い年くらいの中国人グループに目を付けられ、その日から執拗にいじめをうける事に・・・。

おまけにその子たちは街でも有名なマスター・リー(ロンロン・ユー)率いるカンフー道場にかよっているため、歯が立たない。

ある日いじめっ子にこてんぱんにやられているところをアパートのメンテナンスマンをやってるハン(ジャッキー・チェン)という男に助けられる。
日頃は冴えない男なのに、目も覚めるようなカンフーでいじめっ子たちからドレを守ってくれたハン。

ドレはハンに「強くなりたい。カンフーを教えてほしい。」と頼み込んだ。
するとハンは彼を連れてマスター・リーの道場に行き、いじめっ子たちにカンフーの大会での戦いを宣言。
大会の日まで一切手を出させない事をリーに約束させるのだった。

その日からマスター・ハンの特訓が始まった。
すぐに強くなりたいドレには理解の出来ないへんてこな特訓ばかりなのだが・・・。




お若い方(!)はご存じないと思いますけど、1980年代に大ヒットした”ベストキッド”のリメイク版です。
ラルフ・マッチオ主演、マスターはパット森田で大ヒット。
第4作目なんて、今を時めくヒラリー・スワンクが主演でしたのよー。
お若い方にはわかんないとは思いますけど!

ええ、ええ、私もつっこみました。
では皆さんでどーぞ!!
「空手ちゃうやん、カンフーやん!」

今回は師匠がジャッキー。教えるのも正真正銘カンフーでございます。
多分昔のカラテキッドへのオマージュとして、タイトルは変えなかったのでしょう。
プレミアのレッドカーペットでは、ラルフ・マッチオも来場。わたしはインタビューが始まるまで、「この人誰?主役二人の間に堂々と立ってはるけど???」と首を傾げたくらい容貌が変わっておりました。
昔はカワゆいオトコの子だったんですもの!

今回の主役ジェイデン・スミスは、あのウィル・スミス夫妻のご長男。
カワゆい上に、もんのすごい身体能力をお持ちで!
ジャッキーもさぞ鍛えがいがあった事でしょう。
カンフーシーンは見応えありますよ~。


大会のシーンでは、内藤選手との試合での亀田親子を彷彿とさせるよーなシーンがあり、ちょっと旦那と内輪ウケしてしまいました。
ホントにあの事件をヒントに脚本書いたんちゃう?


ジャッキー様はお年をとられて、昔のような激しいアクションが見られないのがちょいとさみしいので御座いますが・・・。
昔から見続けているファンとしては、これからも老体にむち打ってでも(?)まだまだ活躍してほしいなと、個人的には思っています~。



邦題:ハングオーバー! The Hangover (2009)

2010-06-09 09:35:19 | 映画レビュー(ハ行)
The Hangover (2009)  ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
Director : Todd Phillips
Writer : Jon Lucas, Scott Moore
Cast : Bradley Cooper, Ed Helms, Zach Galifianakis, Justin Bartha, Heather Graham, Ken Jeong

ハチャメチャB級コメディーかと思いきや、なんと何とゴールデングローブ作品賞に輝いちゃったこの映画。
日本でも劇場公開無しで、DVDだけの公開になるところが、賞を取ったもんだからあわてて劇場公開が決まったという曰く付きのよーですねぇ。

今を時めくイケメン俳優、ブラッドリー・クーパーも出てますしね。
みんなの憧れ美乳の持ち主ヘザー・グラハムもストリッパーで出演。
相変わらずの美乳でした。うふふ。



ダグ(ジャステイン・バーサ)の結婚を前に、彼の友人の英語教師のフィル(ブラッドリー・クーパー)、歯科医のステュー(エド・ヘルムス)、花嫁の弟でちょっとエキセントリックなアラン(ザック・ガリフィアキス)は男4人でバチェラーパーティーをかねた旅行を計画。
羽目を外すんじゃないかと心配する花嫁には「ナパのワイナリーに行く。」と嘘をつきつつ、行き先はラスベガス!

花嫁の父から借りたゴーカなメルセデスのコンバーチブルに乗っていざ出発!

ラスベガスでは、シーザーパレスの最上階のヴィラ(一泊4500ドル!)に止まり、「さぁ、行くぞ!」とノリノリの4人。
ところが、朝起きてみると全員ひどい二日酔い。おまけに記憶が全く抜け落ちてる!
なんとバスルームには虎(!)がいるし、キッチンには鶏が歩き回り、クローゼットには赤ちゃんがおきざりになってて、ステューの歯が一本抜けてる?!
おまけに花婿ダグの姿がどこを探してもない・・・。
一体昨日の夜は何があったんだ????



パトカーは盗んじゃうわ、マイクタイソンから虎は盗んできちゃうわ、ストリップ劇場でハチャメチャに騒ぎ、おまけにステューはストリッパーのジェイド(ヘザー・グラハム)と結婚式も挙げちゃってるという事は分かった3人だけど、とにかく見つからないダグを探し出して、無事に結婚式に間に合わせなきゃいけない。


いやぁ、とにかく見て下さい。

コメディーにはちょくちょくクセのある役で登場する中国人俳優ケン・ジョンがまたまたクレイジーな役を演じきってくれてます。彼のキレっぷりはいつも気持ちいいくらい針が振れきってますねぇー。
キレまくりにシーンは、何カットも(ケンのアドリブで)撮られていてDVDのおまけにのってます。
共演者もマジ笑い。
目が離せないアジアン俳優の一人です!


ステューは、調子こいて自分で自分の歯を抜いちゃう設定なんだけど、どう見ても本当に歯がない感じなんだよねー。
入れ歯メイクじゃなくて・・・。
と思ったら、エド・ヘルムス、乳歯が抜けてから大人の歯が一本生えてこなかったようで、ホントにあの歯がないんだって。この役にうってつけねん。
日頃は差し歯をしてらっしゃるみたいですけど。


さてストリッパー役、最初のオファーはリンジー・ローハンにあったそーですが彼女はオファーを蹴り、ヘザーがやる事に。
賞までとっちゃった結果を見て、リンジーは悔しがったけど後の祭りってことで。
最近めっきりついてないデスネ、リンジーちゃん。


映画が終わっても最後のクレジットのところで、酔っぱらった4人が撮りあったむちゃくちゃな酔っぱらい写真がたくさん流されますので最後までスィッチ切らずに見てちょーだいね!噴飯ものです。

では、ゴールデングローブ作品賞に輝いたハチャメチャおゲレツムービーをどーぞお楽しみ下さいませませ!


邦題:ぼくたちの奉仕活動 Role Models (2008)

2009-10-24 00:18:54 | 映画レビュー(ハ行)
Role Models (2008)  ぼくたちの奉仕活動
Director : David Wain
Writer : Paul Rudd, David Wain
Cast : Seann William Scott, Paul Rudd, Christpher Mintz-Plasse, Bobbie J. Thompson, Elizabeth Banks

こんなB級R指定(エッチなシーンとFワード満載)映画、まさか日本で公開にはならへんやろと思ったら、・・・あった。
多分劇場公開無しでDVD発売だけかもね。
B級の割には、結構面白くて楽しめたんだけど。・・・子供と一緒は駄目よ~!


ネガティブでひねた性格のダニー(ポール・ラッド)と金はないけど女の子をひっかけることに関してはピカイチのウィーラー(ショーン・ウィリアム・スコット)は、栄養ドリンクの販促のための“ドラッグ追放キャンペーン”と称した学校関係の営業廻りをしている。
今の仕事にも満足してないうえに、突然彼女にも振られてイライラしていたダニーは、駐禁をとられてレッカー移動されそうになった営業車を実力行使で奪回しようとして警察沙汰に。

二人は”ジェイルに入るか、150時間の奉仕活動をするか”の選択を迫られたが、そりゃ勿論だれだって奉仕活動に行くわよねぇ。

ところがその奉仕活動、ご想像の通り一筋縄じゃいかないやっかいなもの。

ダニーとウィーラーは訳ありの子供と仲良く150時間を過ごすというボランティアにつくことに決定。

ダニーには、オタクで内気なアーギー(クリストファー・ミンツープラッシ)。
アーギーは、中世騎士のコスチュームを着て実際に騎士になりきって戦うとゆー超オタクのクループに青春をかけている。
そのオタク集団のなりきり様が、もうダニーには理解不能。

ウィーラーには母子家庭の黒人の少年ロニー(ボビー・J.トンプソン)がお相手。
このロニー、口が最悪に悪い上に手のつけられないやんちゃ坊主。
どんな大人も一日だってもったことがない。
なんとか歩み寄ろうとするウィーラーも閉口するが・・・。



話の筋としてはシンプルで、この二組の大人と子供のあいだに対等の友情が生まれて、ちょっとけんかもして、また理解し合えて・・・、みたいな映画なんです。ご想像の通り。
でもなんかええよ。
成り行きですることになったボランティアだけど、だんだん気持ちが入ってゆく二人がね。結構まじめに取り組んでるやん、って。


中世騎士団の中にキングとして君臨するアジア系の俳優ケン・チョンがもう、わっるい顔してるんやわ~。
いっつもこういうい意地の悪い役で出てきて笑わせる彼ですが、実際はお医者の免許も持ったエリートなんですねー。
頭もいいし、コメディーも出来る。オモロいやつです。
この人のおかげで、コスプレオタクシーンはかなり映えたよ!

ウィーラーとロニーの方はと言えばエロ話をまじめに語り合っちゃったりなんかして、「結局女の話ばっかじゃん!」と言いたくなるような・・・。でも仲良しの糸口はここにあった?!
しかし、「おっぱいに目を奪われたら、もう負けなんだ。おっぱいを意識から消さなけりゃ女には勝てない。」なんてナンパの持論を小学生相手にマジで語られてもなぁ~。

しかしあれだけFワードを小学生にいわせた脚本家はなかなかおれへんで・・・、と思ったら、ポール・ラッドなんですねぇ。
ここ数年おバカムービーでの露出も多いポール・ラッドですが、脚本製作もちょいちょいなっさっているようで今後も期待しております。

二人が営業していたようなエナジードリンク、よくスーパーでも売ってますが、あれはあんまり飲んだらあかんねんで。
映画の中でダニーが「これだって毒だぜ。」と言っているけど、ほんまにちょっとハイになる成分が入ってるらしい。
ブリトニー・スピアーズが妊婦の時、エナジードリンクを手に持って買い物してるシーンがパパラッチされて、「あんなの飲んで母親失格。」なんて言われてたもんね。

日本の芸能界でも最近話題のドラッグ。
あかんよね。よいこの皆さん真似したらダメよ。
興奮物質は外から取り入れるんやなくて、頭使って自力でハッピーになったらええんどす。




邦題:パッション The Passion of the Christ (2004)

2009-10-08 22:58:54 | 映画レビュー(ハ行)
The Passion of the Christ (2004)  パッション
Director Screen Play : Mel Gibson
Cast: James Caviezel, Maia, Morgenstern, Monica Bellucci, Hristo Shopov

最初にご注意申し上げておかないといけないのは・・・、かなり激しい虐待シーンの連続なので、そう言うのを目にするのが苦手な方は見ない方がいいと思います。

小学校の頃から聖書を読んだり勉強したりする機会のあった私が、何度ともなく日曜学校の先生と暗唱したキリストの受難のシーン。
聖書って独特の文章だから、小説とは違って割と乾いた文面なのね。たんたんと書かれているとゆーか。
それがあの文面通りに映像にするとこんなに残酷で過酷なものになるものなのかと、手で顔を覆いながら見た2時間でした。

ヨハネ・パウロ2世がこの映画をご覧になって「聖書に書かれてある通りです。」とコメントされたということで、バチカンのお墨付きとの前評判でしたが。
確かに聖書の中に「葦の枝で何度もぶった。」「つばを吐きかけた。」「目隠しをして何度もぶった。」「いばらで作られた冠をかぶせた。」などと拷問の数々がしるされていますが、これを映像にするといかにイエスが苦しい過酷な時間を過ごしたかがまざまざと分かります。
きっと、軽々しく十字架のアクセサリーをファッションで身につけようなんて思わなくなると思いますよ。



ある朝の未明、司教たちの策略とユダの裏切りによりイエス(ジェイムズ・カヴィーゼル)は捕らえられる。
彼は勿論自分の行く末を既に知っていた。しかし、とらわれのときが近づくまでそのことを恐れ、迷い、汗をまるで血のように流して苦悶していた。それは悪魔のイエスに対する誘惑であった。

だが彼は、「それが天の父の御心なら。」と悪魔の誘惑を振り切って、兵士たちと対峙する。

それから彼が十字架にかけられてなくなるまでの12時間、残虐きわまりない仕打ちを受けることになるのだ。

「イエスは神の子。」と頭の中では分かっている母マリア(マヤ・モルゲンステルン)であったが、目の前でむち打たれ殴られて血だらけになっている救世主は確かに自分のお腹を痛めた愛する息子である。それをただただ見守り続けることしか出来ない母親の心境は計り知れないものであっただろう。
マリアを支え、ともにイエスを見守るマグダラのマリア(モニカ・ベルッチ)、そして使徒ヨハネ。

総督ピラテ<日本の歴史教科書ではピラトゥス>(フリスト・ショポフ)は、司教たちの言うような罪状をイエスに認めることが出来なかった。
しかし、煽動され「イエスに死を!」と叫び続ける民衆たちを敵に回しては反乱が起きる可能性があると懸念。
そこで極悪犯バラバを連れてこさせ、「お前たちは、このイエスと極悪犯バラバのどちらを釈放すればいいか考えてみよ。」と呼びかけた。
しかし民衆は口を揃えて「バラバを釈放して、イエスを処刑せよ。」と叫ぶばかり。
仕方なく彼はイエスを処刑場に送った。

むち打ちの刑ではガラスや骨を埋め込まれたムチで60回以上も打たれるイエス。
彼の身体は、皮がめくれ、骨がみえるほどに傷つき、大量の血を流す・・・。

その後、重い十字架の横木を背負わされゴルゴダの丘へ。
そんな重いものを背負えるだけの体力も気力もないはずなのだが・・・。
殴られてむち打たれて顔も身体も人のものとは思えない様相に変わってしまっている。
ここまでなっている人間をまだ残虐に傷つけられる人々の気がしれないと思うのだけど・・・。
丘では、両手首両足を杭で十字架に打ち付けられ、十字架にかけられる。
彼が十字架にかけられて数時間後、ついに死の時が来る。
「父よ、父よ、なぜ私をおみすてになったのですか?」と言い、息絶えるイエス。
その時、天は曇り嵐が起こる。
画面は急にゴルゴダの丘を上から見る俯瞰図となるのだが、これは天の神の目線なのか。
そして一粒の雨が天空から丘の土の上に落ちる・・・。神の流した涙のように。


しかし、拷問シーンは大したもんですよ。
きつい、きつい!!!
十字架だって杭うたれた両手首で全体重を支える苦しみを想像しただけでもひどいものだと思うでしょう?
もう見てる方も耐えられない気持ちですー。

イエス役のジェイムズ・カヴィーゼルは実際にむちがあたってしまって怪我をしたそうなのですが、あの小道具がリアルなものだったら・・・、相当の傷になってたんじゃないでしょうか?
十字架を背負って歩くシーンでは、十字架の重さに肩の関節を外してしまったり・・・。
文字通り体をはった演技をさせられたジェイムズですが。
ひどいですね、メルも。

まぁ、メル・ギブソンも敬虔なクリスチャンでこの映画のために私財をなげうったとのことなので、妥協は許せなかったのでしょう。
ホラー映画並みに流されるイエスの血ですが、これを見て子供の頃に先生が「イエス・キリストは私達の罪のために血をお流しになった。」と言う言葉が身にしみて理解できたような気がしたのでしたー。
そして、台詞をこだわって当時の言葉、アラム語・ラテン語で演じたのはかなりよかったなあと。
映画は、この残虐なシーンの所々に母と若かりしイエス、マグダラのマリアのエピソード、最後の晩餐のシーンなどが挟み込まれて進んでゆきます。
また、イエスを捕らえたり処刑する側の兵士たちや司教の中にもイエスの姿を見て何かを感じたり、「これは本物だった。」と気づく者も出てきます。
そう言う心の動きを演じている脇役の人々にも目を向けながら映画を見てみて下さい。


これを機会に、イエスの受難(Passion)の部分をネットか聖書で読まれてみてはいかがでしょう。
・・・と言う私は、洗礼を受けたクリスチャンではありませんが・・・。

邦題:ブラインドネス Blindness (2008)

2009-08-12 13:37:33 | 映画レビュー(ハ行)
Blindness (2008) ブラインドネス
Director : Fernando Meirelles
Writer : Don McKeller
Novel : Jose Saramago
Cast : Yusuke Iseya, Yoshino Kimura, Mark Ruffalo, Julianne Moore

ある日突然発生した奇病。
目の前が白い牛乳を流したように真っ白になって失明する。
そしてそれは感染する。

最初に発病した日本人(伊勢谷友介)からその妻(木村佳乃)、診察した眼科医(マーク・ラファロ)、診察室にいた患者・・・と感染者が広がってゆく。

やがて感染者は牢獄のような施設に隔離され銃を持った兵隊に監視される。
その中で、秩序を失い絶望した患者たちは人間としての理性や尊厳を忘れ、秩序のない社会が生まれてゆくのだった・・・。
なぜかたった一人感染をしなかった眼科医の妻(ジュリアン・ムーア)は、夫を思い、感染したフリをして収容施設に。
しかしそこで彼女は地獄のような感染者たちの姿を目にすることになる。
彼女は「失明するより、ここで一人だけ目が見えていることの方が恐ろしい・・・。」と口にするのだった・・・。



はじめは奇病がパンデミックのようにものすごい勢いで広がる恐怖を描いた映画化なんかだと思って借りたんだけどね。
マーク・ラファロも出てるし見てみるか・・・と。
全然違ってたよぉ、パンデミックのこわさじゃなくて、恐怖によって理性を失った人間の恐ろしさを描いた映画なんです、これ。


ほんでもって、伊勢谷友介や木村佳乃が出てるのも知らんと借りてきてん。
二人ともさすが帰国子女、英語がお上手です。
・・・というか日本語の台詞もめっちゃ多いけどね。
日本語の台詞は伊勢谷さんがお書きになったようです。
ですので、ちょっと若者言葉になりすぎてるきらいがあったような気がしますけど、その方が彼らにとっては感情移入しやすかったんかもしれませんね。

知ってました?
彼って山本寛斎の腹違いの弟なんですって。
えらい年の離れた・・・。
娘の夫、椎名桔平と変わらへんのとちがいます?

二人ともハリウッドの大物俳優を前にして、見劣りしない演技、あっぱれでした。

私的には、人間ってもっと理性が保てて、あんな風に荒れきったりすることはないような気がするんですけど・・・。
皆さん、どう思います?

それともう一つ。
今回の夏に懸念されていた新型インフルエンザのことを思いました。
感染した人、また疑いのある人をまるで犯人のように扱うマスコミの報道に、この映画の感染者を隔離して銃を突きつける兵隊と重ね合わせてみていました。

日本で怪我をした父を連れてある総合病院へ行った時、表に大きく新型インフルエンザについての張り紙がありました。
蔓延している国に渡航した方云々と書いてあって、そこには括弧してメキシコ、アメリカ、カナダとあったんです。
「???蔓延なんて、してませんけど???」って思わずつっこんだわよ。
アメリカは日本に比べたら、むっちゃ大きな国です。人口比率を考えても、蔓延してると言うなら、日本の方が人口に対しての患者の数の比率が高いでしょうって。
これじゃ、普通の風邪を引いても病院なんかにかかったら、「疑い有り。」で隔離されて親兄弟に迷惑がかかるなぁと。
恐ろしいですね~。むやみに怖がらんといて頂戴な。

ハンサム☆スーツ(2008)

2009-04-24 01:12:58 | 映画レビュー(ハ行)
ハンサム☆スーツ(2008)
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
ビジュアルディレクター:飯田かずな
キャスト:谷原章介、塚地武雅、北川景子、大島美幸

うひゃひゃ!
お腹を抱えて笑いました~!!
私、これ、日本の映画館では見られへんわ。
みんなの迷惑になるほど大笑いやったから。


小さな食堂を経営してる大木啄郎(塚地武雅)は、料理の腕は抜群!
性格だっていいんだけどなんせイケテない度が激しく高い男性なので、街をゆけば女性にあからさまに避けられるわ、恋愛はことごとくふられるわ・・・。
そんなこんなの人生で「どうせ僕はブサイクだから・・・。」とかなりいじけてる。

そんなある日、お店にアルバイト希望でやってきた美少女ひろこちゃん(北川景子)。
「好きになっちゃ駄目だ、駄目だ!!」と思いながらも気持ちをおさえられず、恋心を抱いてしまう啄郎。
自分の料理を褒めてもらえた時に思わず「好き。」と言っちゃった彼に「私のどこが好きですか?」と尋ねるひろこちゃん。
どぎまぎした啄郎は外見が好きと言ってしまい、その言葉にひろこちゃんは憤慨してお店からいなくなってしまう。
分かっちゃいない啄郎は、今回ふられたのも自分のブサイクさゆえとまたまた深ーく落ち込むのだった。

一方、洋服の青山では世紀の大発明品の成功をおさめていた。
開発者白木(中条きよし)は、発明品”ハンサムスーツ”を着させる価値のあるブサイク男を探していた。
そのハンサムスーツを着れば、顔は勿論、身長、体型そして声だってハンサムに変えられるという代物。
友人の結婚式に着るスーツを探しに青山にやってきた啄郎を白木は「これこそハンサムスーツで変身する価値がおおいにある男!」と半ば強引に店の奥にある秘密の部屋に連れてゆく。

わけの分からないままスーツを着せられた啄郎が見た鏡の中には・・・。
なんとブサイクな自分ではなく、非の打ち所のないイケメン(谷原章介)が立っていた!!

それからの啄郎は、食堂のオーナーであるブサイク啄郎とイケメンスーパーモデル光山杏仁(谷原になったときの啄郎の名前)という2重の生活を送ることになっちゃうのだ。




いきなり超イケメンになって、周りの人間の自分に対する扱いに違いを感じちゃう啄郎。
人間って、第一印象の与えるものが大きいってことは否めないもんねー。
深くつき合わなくちゃ内面の良さなんて気づいちゃもらえないし、不細工すぎると深くつきあうチャンスもないというのが啄郎の悩める所で・・・。
それは「あるある~。」なんだよね。
例えばブサイクでなくても第一印象で「取っつきにくい。」とか「怖そう。」と判断されたら「もうそれまでよ~。」見たいなね。
「それまでよ~。」と早めに切り捨てないでねってゆー映画なわけ、これは。

そんでもって啄郎(杏仁)の周りには、外見が好きと言われて怒っちゃうひろこちゃんとか、体型も顔もイケテナイんだけど素朴で思いやりのある本江ちゃん(大島美幸)とか、外見を売る仕事をしているスーパーモデルのライカ(佐田真由美)なんて人たちがいて、啄郎がもう一度本当の自分や外見について考えることになってゆくのね。
なんか面白くて、ほんわかあたたかい気分にもなれるなかなか痛快な映画でした。

そして今回、私が惹かれたのはなんと言ってもこの映画の色彩!!
色の組み合わせといい、絵のきれいさといい、もうスゴーく感動しました。
思わずアートディレクターさん(飯田かずな)の名前を検索したくらいです。
気持ちを明るくシアワセにしてくれる色合いというか・・・、なんだか素敵なマジックみたいでした。
そのきれいな色の中で微笑む大島美幸さんが、むちゃくちゃキュート。
脚本をかいだ旦那(鈴木おさむ)も惚れ直したんちゃう???
そして実は開発者白木もハンサムスーツを着てるんですが、ハンサム中条きよしを脱ぐとさてさて誰がでてくるんでしょーか???


最後に監督さん。
この方、私が大学時代にお目にかかったことがある方ではないかと思うのですが・・・。
大学の時、京産大お友達に誘われて映画研究会の自主映画にでたことがあるんですねー。
その時監督をしていた英くんではないかと。
だったらうれし~な~!こんな立派に成功してるなんて!!!
あの頃は撮影の合間に「海でクジラを撮る人になりたい。」なんて将来のことを話したり、青い恋愛論なんかを語りあったり。そうそう、取り立てほやほやの免許で私を撮影場所の大山まで連れて行きましたね。あのドライブははっきり言ってちょい怖かった~。
でもいい思い出です。
そしてあの英くんがこの映画の監督さんだとしたら、私の思い出がまたまたうれしいきもちで縁取られたみたいでなんだかいい気分です~!
今後のご活躍を期待しています!



邦題:P.S.アイラブユー P.S. I Love You (2007)

2008-12-30 00:36:12 | 映画レビュー(ハ行)
P.S. I Love You (2007)  P.S.アイラブユー
Director : Richard LaGravenese
Writer : Richard LaGravenese, Steven Rogers
Cast: Hilary Swank, Gerard Batler,Lisa Kudrow, Kathy Bates , Harry Connick Jr.

ホリー(ヒラリー・スワンク)は、アイルランド旅行先で熱烈な恋に落ちたジェリー(ジェラルド・バトラー)と若くして電撃結婚。二人はNYの小さなアパートに住んでいる。
こんないきさつもあって、ホリーの母(キャシー・ベイツ)はジェリーのことをイマイチ受け入れられないといった感じ。
「子供を生むかどうするか。」「子供を持てるほどの経済状態じゃない。」だの「職を転々と変えすぎる。」なんてことから大げんかをすることもあるけど、二人はものすごーく愛し合っている。

ところがある日、ホリーはジェリーを失ってしまった。
脳腫瘍でこの世を突然去ってしまったジェリー。
後に残されたホリーの心は、埋めようもない悲しみと絶望で真っ暗になってしまった。
仕事に出る気にもならず、身支度もできない、普段の生活をする気にもならない。
ただただ部屋に閉じこもってジェリーの遺品に埋もれて過ごすホリー。

葬儀から数週間後のホリーの誕生日、ジェリーから誕生日ケーキと手紙が届いた。
なぜ??ジェリーは死んだはずなのに!
それからジェリーからの手紙が度々届くように。
その手紙に書いてあることを考えたり、実行したりするうちにホリーは少しずつ悲しみだけにしばられている生活から抜け出してゆく・・・。
「まだ私の側にジェリーがいるのを感じるわ。」


悲しい始まりだけど、悲しい筋書きだけど、少しずつ少しずつ元気になっていくホリーをつい応援したくなるような映画です。
悲しみにうちひしがれて傷だらけで動けなくなってしまったような彼女が、昔の楽しかった思い出を一つ一つ反芻してゆくうちに傷が少しずつ癒えてゆく。
一通の手紙で食べられるようになり、次の手紙で歩けるようになる、次に外に目を向けることができて・・・。
なんて素敵なおとぎ話なんでしょう!

この映画の中で面白いなと思ったのは、キスシーン。
こちらの人のキスの意味することと日本人のは少し種類が違うから、馴染まないとは思うけど。
キスして「あ、ダメだー。あなたじゃない。」なんてシーンがちょこちょこ出てくるんだよね。
リトマス試験紙みたい。
「やっぱダメ、兄弟としてるみたい。恋人にはなれないわね。」なんて。
でもさー、こっちはイケテナイと思っても片方がいけてると思った場合どうすればいいんでしょうね??
これもおとぎ話かな。

若かりし頃、「素敵ー!」と思っていたハリー・コニックJr.。
おじさまになりつつありますー。
横顔になったときの、顎の下のたるみがー・・・。
「ショックだわ~!」と自分のことを棚に上げて思ってしまったアタクシでした。


邦題:ボルベール(望郷) Volver (2006)

2008-11-13 01:08:40 | 映画レビュー(ハ行)
Volver (2006) ボルベール(望郷)
Director & Writer : Pedro Almodovar
Cast : Penelope Cruz, Carmen Maura, Lola Duenas

スペイン映画です。
もう色彩がカラフル。
色彩って、お国柄が出ますね~。

ハリウッド映画ではあり得ない組み合わせの洋服をペネロペ・クルズが着ています。
彼女の雰囲気がね、もう熟れきって熟れきって甘い匂いが充満しているような感じ。
監督のイメージとしては彼女演じるライムンダはもっとおしりの大きいスペインの熟女だったらしく、ペネロペはスタイルがよすぎでおしりだけボディーダブルダそーです。

スペインマドリッド。ライムンダは、ティーンエイジャーの娘と再婚した夫と住んでいる。
夫は仕事を解雇されいつも家でクサって酒の日々。
彼女の父母は、10数年前に火事で死亡。
身内らしい身内は母方のおば。時々、妹ソーレとおばの面倒を見ている。
ところが最近、寝たきりの叔母の家が妙に片付きおばも身ぎれいである。
不思議に思っていたある日叔母が死亡。
近所の人から「あんたたちのおばさんの家で幽霊を見たよ。」と。

ある晩、家に帰ってみると血だらけで息絶えている夫が台所に。
飲んだくれの夫が娘に手を出そうとし、発作的に娘が殺してしまったのだ。
娘のために夫の死体を大型冷蔵庫に隠すライムンダ。

大きな秘密を抱えることになったライムンダだが、彼女の死んだ母親にも大きな秘密があった。
母子でリンクする大きな秘密とは?


夫殺害の証拠隠滅をはかる妻。
それでも日常はすぎて行く・・・。
そんな映画でした。

どんなつらいことや大事件があっても、生活しなきゃいけないし、自分を取り巻く日常はいつもと変わりなくすぎて行くんですよね。
その日常に非日常を抱えた自分をあわせていかなきゃいけない。
そのうち、あれは夢だったのか、と錯覚に陥る・・・。
でも、冷蔵庫の扉を開ければ消せない事実がそこに。


ペネロペ・クルズは、オスカーにノミネートされてましたね。

邦題:フリーダムライタース Freedom Writers (2007)

2008-10-15 04:02:25 | 映画レビュー(ハ行)
Freedom Writers (2007)  フリーダムライタース
Director & Writer : Richard LaGravenese
Cast : Hilary Swank, Patrick Dempsey, Scott Glenn

この映画は実話に基づいています。
ロス郊外のロングビーチにある高校の生徒たちが執筆した"The Freedom Writers Diaries"という本と彼らを指導した先生。

1994年のロス暴動直後、ロングビーチのウィルソン高校に配属されたエリン(ヒラリー・スワンク)。
彼女は、マイノリティー(白人ではない生徒)が大半を占める特別学級の担任となる。
彼らはいわゆる落ちこぼれ、そして荒れた生徒たち。
教師からも見放され、きちんとしたテキストブックも与えられずほぼ野放しの状態にされて来た子どもたちなんです。
そんな彼らにエリンは前向きで誠実な気持ちで彼らと向き合います。

彼女のクラスには、数名の白人生徒と黒人生徒、ラテン系生徒、アジア系(ベトナミーズと言われていましたが)生徒がおり、日々学校の内外で縄張り争いのような空しく壮絶な争いをしていました。
毎日が一発触発の状態。
家から一歩出れば、そこは彼らにとって戦場。
銃を手にしている子どもたちもおり、下手をすれば殺し合いにも発展します。

学校からも大した支援を受けられないこのクラスのために、エリンはアルバイトをしながらお金を稼いで生徒に自腹で教材をかって与えます。
彼らのやっている争いの空しさを教えるためにまず“アンネの日記”を。
自分の置かれた状況を重なり合う、迫害された少女の話に引き込まれて、彼らの向学心は想像以上に芽生え始めるんですね。

そして、彼らが荒れてしまった根底にある人種差別について深く考えさせられます。
そのきっかけになったのが、エリンが生徒たちに「何でも書きたいことを毎日書いてね。」と与えた宿題、日記帳だったのです。


えー話です。
先生の情熱、子どもたちが変わっていく様子、どれもこれも応援せずには見られません。
結局落ちこぼれていって、仕事にもありつけずにギャングかなんかになってくような行く末の子どもたちを大学に進学できるような学力に持っていくんだもの、先生。
生徒の親や同僚の先生たちにはこれっぽっちの期待もされてないのにだよ~。
ただただ、子どもたちのことだけを考えて突き進むんだー。
親も生きるのが精一杯で子どもにかまってられない、って感じなんだろうな。
無関心の親ばかりで誰もクレームを付けなかったから、エリンも好き勝手で来たって言うところもあるかも知んない。
モンスターペアレンツがいなくてよかった~。

DVDの表紙に大きく2枚目俳優パトリック・デンプシーのアップが写ってますが、彼目当てで借りないよーに!
大した出番もない上に一生懸命な嫁に愛想を尽かして出てゆく夫の役ですからね~。
自分の結婚の幸せと仕事の成功は両立しなかったようです。
でも、メイキングで見たホンモノのエリン先生はキラキラしてた。
仕事が充実してるんだな。良かった・・・。

邦題:パニックフライト Red Eye (2005)

2008-09-30 23:02:55 | 映画レビュー(ハ行)
Red Eye (2005) パニックフライト
Director : Wes Craver
Writer : Carl Ellsworth
Cast : rachel McAdams, Cillian Murphy

Red Eyeというのは夜間のフライトのことです。
うちのパパも昼は仕事をして夜は移動、というようなスケジュールを立てたときに利用するんだけど、疲れるフライトのようですね。寝不足で目が赤くなる・・・レッドアイ、なのかな?


リサ(レイチェル・マクアダムス)は、離婚した母方の祖母の葬儀から自宅のあるマイアミに戻るためダラスの空港にいた。
彼女は、マイアミにある高級リゾートホテルの接客マネージャー。
翌朝から政府の要人がホテルに滞在する予定があり、彼女のいないレセプションはてんてこ舞い。
リサも深夜のフライトで少しでも早くマイアミに、と思っていたが、あいにく飛行機はディレイ(遅延)。

そんななか同じ飛行機に乗り合わせるという感じのいい男性が彼女に話しかけてきた。
彼の名前はジャクソン(キリアン・マーフィー)。
偶然にもやっと搭乗できた彼女の席の横にはジャックが。
しかし、この笑顔の青年は飛行機が離陸するや否や本性を現した。
彼は要人暗殺を企てるテロリスト。
「リサ、お前の父親の元には殺し屋を送り込んである。言うことを聞かなければ殺す。」と。
彼は要人の宿泊する部屋をかえるように要求。
リサに機内の飛行機からレセプションに電話をしろとせまる。
海からミサイル攻撃をし、要人家族を全て暗殺するのだというのだ。



飛行機のなかでなんとか危機を脱しようと助けを求める道を模索するリサとことごとくそれを阻止するジャクソン。
うーん、心理戦です。
ジャクソン役のキリアン・マーフィーの顔が怖い怖い!キモ怖い。
”悪者顔”しとります。
そしてマイアミに着陸してからは一転アクションシーンが増えます。
勇気あるリサが走る、逃げる、立ち向かう!

やたらと尖ったものが武器になってそれが刺さるシーンがえぐいの。
だから、リサの実家でのシーン、トロフィーやらランプやらが目に入る度、半分目を隠しながら見てました。
ちなみにトロフィーは武器になりませんでした~。良かった・・・。

ヒロインのレイチェル・マクアダムス。
張り出したおでことぽってりしたクチビルがかわゆいです。
トイレで脅されるシーンでは、頭の打ち所が悪くて本当に半時間ほど気絶してしまったらしい。
その次のシーンから、襲うほうのキリアンがビビって演技できなかったとか。
まさに、体当たり演技だったんですなー。




邦題:ファクトリーガール Factory Girl (2006)

2008-07-09 12:10:58 | 映画レビュー(ハ行)
Factory Girl (2006) ファクトリーガール
Director : George Hickenlooper
Writer : Aaron Richard Golub, Captain Mauzuer
Cast : Sienna Miller, Guy Pearce, Hayden Christensen, Jimmy Fallon

「アンディー・ウォーホルってこういう人だったんだー。」というのを知るのにはかなり面白い、いい映画でした。
いろんな美術館で彼の作品を目にしてはいたけど、私自身がそんなにお気に入りのタイプの絵じゃなかったので彼という人物や人生について知ろうと思ったことがなかった。
だからこの映画のおかげで当時の様子を理解できたし、映像の何もかもが新鮮で興味深いものでした。

育ちの良いお金持ちの家庭で育ったイーディー(シエナ・ミラー)は、美大の友人に連れられて行ったパーティーでアンディー・ウォーホル(ガイ・ピアース)に出会う。
ウォーホルは、ひときわ輝く魅力で人の目を釘付けにするイーディーを一目で気に入り、彼の”ファクトリー”(工房)に招待するのだった。
彼のインスピレーション通り、ファクトリーの中でも彼女はいつも輝いていてアンディーの創作意欲をかき立てる。
二人はたちまちアメリカ中の有名人となってアート界、ファッション界のトップを歩いてゆくことに。

片時も離れることがにほど仲の良かった二人に亀裂が入るのは、イーディーがロックスター(ヘイデン・クリステンセン)に出会ってしまった直後から。
二人が恋に落ちるのにさほど時間はかからなかった。
イーディーは自分だけのほうを向いてくれていると信じていたのに、と嫉妬するウォーホル。
ところがそのロックスターはアンディー・ウォーホルの芸術をそれほど認めてはなかった。
「ファクトリーから出なくては君はダメになる。」と彼女に忠告する。
彼に自分をとるかかアンディーをとるかをせまられたイーディーは彼への愛に苦しみながらも「アンディーは私のかけがえのない友達なの。」と背を向けてしまう。
しかしそんな彼女の気持ちを知らないウォーホルはすっかりイーディーを見放してしまい、友人も愛する男性も失ってしまった彼女に残されたのは孤独とドラッグと転落の日々だった・・・。

ロックスターってのは実はボブ・ディランなんだけどこの映画をとるにあたって彼の了承を得てなかったので、名前がだせないらしいよー。
映画の中ではとっても素敵な男性に描かれていたけど、彼にとっては触れられたくない過去なのかしらね。
そのヘイデン・クリステンセンがねぇー、もおぉぉキュート!!
ちょっと、やられたわー、アタシ。(おネえみたいになってますな、私。)
ちょっと前に見た”Awake"やスターウォーズシリーズではそんなに思わなかったのに、ボブ・ディランを演じるヘイデンにくらくらっときてしもたわ。
なぜでしょ?いやいや、この映画の中では純なボンボンじゃなくて、かなりせくすぃーな感じなんですもの!

ジャンキーの役をさせたらピカイチやなーと思うのがシエナ・ミラー。
彼女にはなんだか退廃的な雰囲気があるんだよね。
そういえば“アルフィー”のときもジャンキーだったわね。
ファクトリーで輝いてるイーディー、転落後のイーディー。
どちらも素晴らしい演技でした。

ちょっとアレなんですが、どうしても書いときたかった・・・。
二人のベッドシーン、あるんですよ。
それがね、全身が写るようなカメラアングルなのよ。(鼻息荒くなってますね!)
そして、なんと下半身がむちゃくちゃ密着しているのが写ってるんです!!
ワタクシ、どのように撮影したのか、演技したのかすっごく興味があるんですけど・・・。
”ナントカ貼り”とかやっぱりしてるんですかねー。
アンダーヘアーは写ってたような気がするんだな、でも。
こんなこと考えてたら寝られしませんやん?

・・・話を本筋に戻しますが、1960年代のアメリカのファッションも堪能できます。
当時の幾何学模様のパターンって、今もまた流行ってません?
ファッションって繰り返すのねー。
スタッフには当時のファクトリーに出入りしていた方が監修にあたり、本物に忠実に作ったんだそうです。
実在した人物、それも近年に生きていた人物を演じるのは相当のプレッシャーがあると思うんだけど、ガイ・ピアースはそれは見事にアーティストを演じきってる。
なんか神経症で扱いづらい感じが見てるほうにもビンビン伝わってくる。
実際、本人のガイ・ピアースは全く陽気な人のようですけどね。


邦題:ヘアスプレー Hairspray(2007)

2008-04-25 12:20:18 | 映画レビュー(ハ行)
Hairspray(2007)  ヘアスプレー
Director : Adam Sharkman
Screenplay : Leslie Dixon, John Waters(1988年版)
Cast : John Travolta, Michelle Pfeiffer, Christopher Walken, Amanda Bynes, James Marsden, Queen Latifah, Zac Efron, Elijah Kelley, Nikki Blonsky

久々に心躍るミュージカル映画。
見ながら足がむずむず~。思わずリズムを取ってしまったよーん。

ボルティモアの地方局でティーンに大人気のダンスショー”コーニー・コリンズ ショー”
太めだけど、笑顔の可愛いトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)もこのショーの大ファン。
親友のペニー(アマンダ・バインズ)に「新ダンサー募集に応募したいの。」と。
番組を牛耳っている意地悪な元ミスボルティモアのベルマ(ミッシェル・ファイファー)と娘のアンバー。
まだまだ黒人差別の多い時代。
持ち前のオープンマインドな性格でトレーシーが仲良くなった黒人生徒シーウィード(イライジャ・ケリー)たちとの友情。
ショーの一番人気のイケメンダンサー、リンク(ザック・エフロン)とトレーシーのあまーい恋。
優しいママ、エドナ(ジョン・トラボルタ)はいつも娘とレーシーの味方。

こーんな豪華キャストでノリノリのナンバーが次々とでてきます!
ダンスも隅々まで楽しい!
そんでまた、リンクやらシーウィードがむっちゃキュートボーイなんだわさ。

トラボルタを口説き落とすのに1年かかったとのこと。
トラボルタとミュージカルと言えば“グリース”。
トラボルタは”シカゴ”のオファーもかたくなに断ってたらしい。
ミュージカル映画の出演は”グリース”があれだけ売れたために、カムバック作品にはかなりこだわっていた様子。
監督は「愛情深いママの役はカムバック作品としてはものすごく意表をついたもの!」と口説きに口説いた。

およそ30キロもする肉襦袢をおなか周りだけでなく足にも顎にもつけて、ヒールを履いてのダンス。
やりますなー、トラボルタ姐さん。
仕草、声、演技、何をとっても不自然さは全く無し!
娘思いで旦那一筋の純真なママを演じきっておりましたっ!

昔の芝居仲間で演じるなら、「この役はあの子で、この役はあの子だなぁ。」なんて考えながらみるのも楽しかったっす。
さしずめ私は意地悪ベルマでしょ?
どう?みんな?



邦題:ペネロピ Penelope(2006)

2008-03-04 00:14:33 | 映画レビュー(ハ行)
Penelope(2006) ペネロピ
Director: Mark Palansky
Writer : Leslie Caveny
Cast : Christina Ricci, James McAvoy, Catherine O'hara, Reese Witherspoon, Peter Dinklage, Simon Woods, Richard E. Grant

ペネロピ(クリスティーナ・リッチ)は豚の鼻と耳を持って生まれて来た女の子。
彼女のひいひいひいおじいさんが使用人に無責任に手を出した結果,その女性は悲しみの末自殺。
彼女の母が魔女となってこの家に呪いをかけちゃった。
「この家に次に生まれてくる女の子を豚にしてしまえ。」と。
名家に奇怪な子供が産まれたと好奇の目にさらされるのを恐れた母ジェシカ(キャサリン・オハラ)はペネロピをお屋敷の奥に隔離して大事に大事に育てたのだった。

この呪いを解くには、彼女の”お仲間”の誰かがありのままを彼女を受け入れること。
ジェシカは「ペネロピが結婚できれば呪いが解けるんだわ!!」と上流社会のご子息とのお見合いを血眼になってアレンジ。

一方、ペネロピを子供の頃からおい続けて来た記者のレモン(ピーター・ディンクレージ)。
ペネロピの姿を何が何でも写真に収めようと、貴族崩れでギャンブルに狂ってお金に窮しているマックス(ジェイムズ・マカボイ)を雇いお屋敷に送り込む。

7年間、姿を見せる度に相手に逃げられ続けたペネロピはお見合いなんてもう飽き飽き!
最近じゃ、わざと姿を見せつけて相手を追っ払っちゃう始末。
ところがマックスは他の男の子たちとちょっと違ってた。
気があうというか、偏見なしにペネロピを見てくれそうな予感がするというか・・・。
3日間壁越しにお見合いを続けたペネロピとマックス。
ついに彼女はマックスの前に姿を現す。
「私と結婚してくれない?そうすれば呪いが解けるの。」
「もし解けなかったら?」
「死ぬわ。お願い、結婚して。」
「・・・それは・・・出来ない。」
最大の失望を感じたペネロピは家出。
初めての外の世界で彼女は・・・?


大人のための素敵なおとぎ話。
衣装もセットも素敵!!とってもアーティスティックです。
家出したときのペネロピのコートがかわゆい!!
ボタンがぜーんぶ違うの。
カラータイツもメリージェーン風な靴もヒールの形も高さもむっちゃかわゆい!!
女の子はペネロピのファッションと部屋のコーディネートにきっとトリコになってしまうんじゃない?

そうそう、ドル箱スターのリース・ウィザースプーンがえらいしけた役で出てんねんなぁと思っていたら、彼女はこの映画のプロデューサーでした。
初のプロデュース作品なのでしょーか。
スト―リーやセット、衣装のなかなかのセンス、感心いたしました。

この男の子、どっかで見たことがある・・・と思っていたマックス。
"The Last King of Scotland"でしたねー。
キュートですよ、彼。
バッサバさのヘアーに、ジャンキーみたいな疲れた目をしてたけど、それを差し引いてもキュート。
これからの注目株かなぁ?

リース・ウィザースプーン自ら、主役に押したと言うクリスティーナ・リッチ。
彼女はこういう現実離れしたお話にぴったりの女優さんだと思う、あたし。
あらすじだけを文章にしたら、かなり悲劇のヒロインチックな女の子のはずなんだけど。
彼女がクールでコケティッシュに演じるととっても清々しいんだよね。
呪いを説くカギも多くの人が初め想像していたこととはどんでん返し的だし、マックスがなぜ他の男の子たちみたいに逃げなかったか、どうして結婚を断ったかをじっくり考えながら見て下さい~。
いろんなことが見えてくるよ~ん。
私の気持ちもちょっぴり明るくしてくれた映画でした。

ところでクリスティーナ・リッチ、「豚鼻の時のほうがなぜかかわいい!!!」と思ったのはワタクシだけでしょうか?