Go Hollywood!!映画れびゅう

今まで見てきた映画の覚え書き。(ネタばれ注意!)雑記録。

Easy A (2010) 日本未公開

2011-04-28 19:41:05 | 映画レビュー(アルファベット)
Easy A ( 2010)
Director : Will Gluck
Writer : Bert V. Royal
Cast : Emma Stone, Penn Badgley, Amanda Bynes, Dan Byrd, Thomas Haden Church, Lisa Kudrow, Patricia Clarkson, Stanley Tucci, Alyson Michalka


オリーブ(エマ・ストーン)は、親友リアノン(アリソン・ミショーカ)からファミリーキャンプへ一緒に行こうよと誘われるんだけど、どーにか彼女を傷つけないように断りたい。
というのも、リアノンの家族は筋金入りのヒッピーで食べ物もスタイルも意味不明。
前回の悪夢のよーな(?)キャンプが脳裏によみがえったオリーブは、断りの口実に「週末は大学生の彼氏ととデート。」と嘘をついちゃたりなんかして。

週明けになってリアに「で、彼氏とのデートは?Hした?」としつこく聞かれ、つい嘘のロストバージンストーリーをでっちあげて話してしまった。
運悪いことに、おしゃべりの敬虔な(ちょっと"度の過ぎる”)クリスチャンであるマリアンヌ(アマンダ・バインズ)にそれを聞かれ・・・。
あっという間に学校中に尾ひれ背びれのついた噂が流れ、皆に興味津々の目で見られるオリーブ。

ある日、同級生のブランドン(ダン・バード)に「ゲイだって皆にいじめられるのがいやだから、恋人のフリしてくれない?」と頼まれ、ハウスパーティーでわざと皆に聞こえるように大きな声でHしてる演技を。

これもまた噂が噂を呼び、オリーブには”尻の軽いふしだら女”のレッテルを貼られちゃう。

わざわざ疑惑を解くのも面倒になったオリーブは開き直って、ちょうど英文学の授業で習っていたゴシックロマン小説の”緋文字”のヒロインと同じように胸に赤の”A”を縫い付けた娼婦さながらの服を着て学校に通うことに。

ブランドンからコトの真相を聞いた、ちょっとイケテない男の子(ギーク)たちがお礼をするから僕ともHしたたフリをしてほしいと次々にオリーブのもとにやって来る。
冗談じゃないと一度は断った彼女、つい情にほだされてその役をかってでることに。
お礼はギフトカードやポイントカード。

そのうちどんどんオリーブの悪評が広がり、誰も彼女に近づかない。
いつも通りに接してくれるのは、幼なじみのトッド(ペン・バッジリー)だけ。
しかし、ついにはヤリすぎで性病をまき散らす悪女の噂までたっちゃった!!!


友達を傷つけまいと口にした嘘が嘘を呼び、ギークたちをほっとけなくて人助けしちゃったためにまた嘘を重ね・・・。
オリーブの嘘はジェンガのごとく積み上がって「いったい私、どうしたらいいの~~~~?!」





80年代に大ヒットしたジョン・ヒューズ監督のいくつかの青春映画をベースに、お人好しな女子高生を主人公にした映画。
当時の映画はどちらかと言うと男の子目線の映画、これはかなり女の子目線で描かれてますね。


そしてオリーブが赤い"A”の文字を胸元に縫い付けるエピソードの元ネタが、ホーソンの”緋文字”。
その昔、未婚の女性の姦通(いわゆる婚外交渉)がまだ重罰だったニューイングランドのピューリタン社会で、好きな男の子どもを身ごもった女性が相手の名前を明かすことを拒み、貫通の罪を一人で背負うことを決意。そんでもって、胸に姦通を意味する”A”の緋文字をつけて生きてゆく・・・っちゅう話です。
最近(と言っても15年くらい前)映画化されたのは、デミー・ムーア主演のヤツかな。


主人公の女子高生を演じるのはエマ・ストーン。
多分日本ではまだまだ知名度は低いんじゃないかと思うんだけど、実はわたくし好みの女の子。
いわゆるかわいい系じゃなくて、さばさば気っぷの言い、懐の深~い女の子役をよく演じてる。
で、イケテない、いわゆるギークな男の子たちにその懐の深さでに受け入れる役が多いんだよね。
代表的なのが最後に思わずエマにほろりとさせられておバカ映画を見てることを一瞬忘れさせられてしまった”スーパーバッド”。(相手役はちょっとぽっちゃり系のジョナ・ヒル)
あれで一気にファンになっちゃいました。



オリーブの両親を演じるのはパトリシア・クラークソンとスタンレー・トゥッティ。
物わかりのよすぎるお父さんと(いつも芝居がかってるとこが超ウケる)、「あたしがあなたくらいのときはそりゃ沢山の人とやりまくったのよね~。ほとんどは男の子だけど。」と自分の恋愛経験をセキララに告白しすぎるお母さん。ところでパトリシアってコメディエンヌだったかしら?ちがうわよね。
しかし、母親の恋の武勇伝・・・あんまり聞きたくないわね。
このふたりがいい味出してます。
実はこの家族、名前みんな食べ物なの。父ちゃんディルで、母ちゃんローズマリー。(ハーブね。)オリーブの弟はチップ。

国語の先生には“サイドウェイ”のトーマス・ヘイデン・チャーチ。その奥さんでスクールカウンセラーを演じるのは“フレンズ”のリサ・クドロー。
親友役のアリソンはディズニーチャンネルのアイドル出身。
いい子ちゃんぶって、実はオリーブを陥れる噂を流しまくるいや~~~~な女の子には、一昔前にティーンアイドルとして一世を風靡したアマンダ・バインズ。”ヘアスプレイ”に出てましたね。

こう見てもかなり充実した脇役陣。でも日本では彼らはマイナーかなぁ~~~。
どう?
もしかしたら、劇場公開はスルーしてDVDだけの公開になっちゃうかもね。
若い頃、80年代のちょっとシニカルな恋愛ものにハマったことがあるならぜひぜひ○○○TAYAとかで借りてみてみて下さいまし。



いい子ぶりっこの善人の顔して、実は腹黒~~~いマリアンヌ。
あーゆオンナがザマーミロ的な結末を迎えるのって、「あぁ~気持ちいいわ!!!」と思うワタシも相当腹黒い。ほほほ。
でも実社会ではそういう子は痛い目みないパターンが多いんだよね。
世渡り上手の罰当たりってか。あ~、面白くねー。



ワタシがつい好意的にオリーブに肩入れしちゃうのは、自分の昔を思い出して「こんなことあるある~~。」と思っちゃったから。
情け心を出してギークたちを助けちゃったあげくドツボにハマってしまっちゃうとことか、最後には「え~~いっ!お前らがそう思うなら勝手に思ってやがれ。」と開き直っちゃうとことかも。

その昔情け心を出してまんまとドツボにハマったことが何度もあるよなぁ。
あげくに今で言うストーカーまがいの災難に巻き込まれたこともあるし。
外見で誤解されて陰口言われても「勝手に思ってろ。」って、相手のご想像通りにわざと振る舞ってやったりしたこともある。
自虐的?やけっぱち?行くとこまで行ってしまえって感じ。(オリーブのセリフにある”Not with a fizzle,but with a bang."ってか。)
いやいや、面倒なのよね。
いちいちワタシは毒のない女ですよ~~~って振る舞うのが。
皆に好かれたいとも思ってないしええねんって思ってる方がラク。
・・・の割にガラスの心だったり、面倒な女ね、考えてみりゃワタシって。

でもね、この映画にもメッセージとして入ってるんだけどさ、ちゃんとフィルターを通さずに見てくれる人はちゃんといるものよ。
沢山はいないけど何人かは、ちゃーんとね。
ありがたいことです。



サイアクのシチュエーションも、エマ・ストーンが嫌みなくコケティッシュな表情で演じてくれるこの映画を見て元気が出ること間違いなし。
では、今時のアメリカの高校生活をちょこっと垣間みてみませんか?







GANTZ (2011) World Premiere

2011-01-21 07:34:20 | 映画レビュー(アルファベット)
GANTZ (2011)
監督:佐藤信介
脚本:渡辺雄介
原作:奥浩哉(週刊ヤングジャンプ掲載)
キャスト:二宮和也,松山ケンイチ、本郷奏多,夏菜、吉高由里子

死んだはずの人間が次に目を開けると、彼らはなぜか東京タワーの見えるマンションの一室に集められている。
何もない部屋にはなぞの黒い球体"GANTZ"が。
そして集められた人間は何の説明もなく、ただ“星人”をやっつけるのだという指示だけを受け、次々と星人のいる場所に転送されて行く。


玄野計(二宮和也)は駅のホームで偶然小学校時代の友人加藤勝(松山ケンイチ)を見かける。
ホームからおちた酔っぱらいを助けようと線路に降りた加藤とそれを助けにいった計は、電車にひかれ即死。
しかし、目を開けた瞬間、彼らは東京タワーの見えるマンションの一室にいた。
訳の分からないうちにガンツが開き、中から武器や黒いスーツが。
球体の表面に“ネギ星人”なるターゲットの写真と特徴が映し出され,考える間もなく次々転送されて行く彼ら。
メンバーの中には、今まで星人との戦い生き延びてきたらしい高校生西(本郷奏多)がいた。


計は、加藤は、星人との壮絶な戦いから生還できるのか???




日本の公開に先駆けて、1月20日に全米でワールドプレミアが行われました。
ニノと松ケンはLAのチャイニーズシアターで舞台挨拶。
それを中継してシカゴにいる私達もそれをオンタイムで見られると言うイベントなんです。

何ヶ月も前から松ケンファンの娘が「絶対いく~~~~!!!」と言っていたのでワタクシも付き添ってきましたよ~。
一応R指定だったんでね。親同伴で。
ジャパニーズカルチャー好きの娘の友達も連れて行ってきました~。


映画の前に二人の紹介、そして本編の終わったあとにインタビューという形式。
司会をしていたのがその名も『オタクUSA』という雑誌の編集者パトリック。
緊張していたのか妙なテンションではしゃぐパトリックに、娘とその友人たちが声をそろえて"Weired!!!!"と叫ぶ。
まさにアメリカンオタクの先頭を行くお方!!!
彼なら秋葉原のなんとか喫茶に行ってもきっと違和感なくとけ込めるわね。


さてスイッチが入っちゃった娘はもう目が♡である。
しかし今回の映画、全編吹き替え。
生の声が聞けないと娘たちはブーイング。
でも、ニノの声質は限りなくニノに近かったと母は思ったんですけど、いかが?
吹き替えの人、ちょー下手だったみたい。大不評・・・。
だけど、うちの娘たちだけでなく、日本の映画ファンにとって”吹き替え”っていうのはもう「ありえなくなくなくねぇ~~~~!!!!!」っていうくらいのがっかり度だったみたいです。
だいたいR指定なのに字幕が読めないお子ちゃまが来るわけでもない映画で吹き替えって許せないとか、映画が台無しだとか、コメントにはもうムチャクチャな書かれよう。
パート2はどうか生声、英語字幕でおねげーしますだ~~~。



映画本編中は、加藤の計に対する友情やはにかんだような松ケンの演技がアメリカ人の男どもには理解不能だったようで,しきりに後ろの若者団体が"He is gay~~~!"ヤジを入れる。
だんだん不機嫌になる娘・・・。
あはは、しょうがないわね~~~。
確かにゲイっぽい雰囲気を漂わせるシーンがあり、「監督はそれを狙ってるの?」とも思わせる。
監督、演技指導はあれでよかったの???
特に始めのうちは加藤君は妙に正義感に囚われすぎて、尻込みしてばかりの演技だったから余計にね,アメリカ人の目にははにかむゲイボーイにうつっちゃったのかも・・・。



日本映画の特撮がやっぱりハリウッドにはかなり見劣りしてがっかりすることが多いのですが、今回は結構イケテルんじゃないかと。
「冬の撮影にはかなり寒かった。」と松ケンが言っていたガンツスーツも、さすがお金がかかっただけあって原作に忠実で美しい。



さて、インタビュー。
二人には各々一名の通訳がつき、観客からあらかじめ寄せられた質問に答える。
ニノは、通訳付きのインタビューにかなり慣れてる感有り。
やっぱり”硫黄島”で経験済みだったからかもね?
さすが嵐の冠番組をいくつも持ってるだけあって、オチもちゃんとつけて優等生の受け答えでした。

が、松ケン・・・。
ナチュラルすぎるよ、君は。
日本のインタビューのときのように思いつくままに長々と喋ってしまうので、後ろの通訳さんの目が泳いでる~~~。
しかしさすが、通訳さん(一見ボディーガードみたいなガタイのいい日系人でしたが。)素晴らしく確実に英語に訳されて、思わず拍手。えらいっ!!!!
ずーっとこんな調子なので、松ケンが「えーっと。」とか「あのー」とかいう度に思わず「ほら、今だ!カットインするんだ、通訳さん!」と声を出して彼を応援してしまう私でありました。
ま、役者さんってのは(特に彼みたいな憑依型の役者は)あんなもんでしょう。
これから慣れていってちょーだい。


オタクキング(かってに命名)パトリックも食いついておりましたが、身体にぴったりのガンツスーツを着た岸本を演じる夏菜ちゃん。
ガンツがいうように「巨乳揺れすぎ」なのに、童顔ではたまた肉感的なぽっちゃりクチビル。
幼さと成熟した身体が合体した、まさにアニメオタク垂涎のナイスバディーもお楽しみ下さい。(???)

NINE (2009)

2010-11-09 10:47:11 | 映画レビュー(アルファベット)
NINE (2009)
Director : Rob Marshall
Writer : Michael Tolkin, Anthony Minghella
Cast : Daniel Day-Lewis, Marion Cotillard, Penelope Cruz, Sophia Loren, Kate Hudson, Judi Dench, Nicole Kidman, Stacy Ferguson


人気の映画監督グイド(ダニエル・デイ・ルイス)は新作映画『イタリア』の製作に行き詰まっていた。
頭にあるイメージは混沌としていて、脚本は遅々として一切進まず。
スランプにのまっただ中。
こんな状態なのに記者会見に引っ張りだされコメントを求められいよいよ追い込まれるグイド。

ついに追いつめられた彼は現場から逃亡した。
逃亡先の海辺のホテルからこっそり妻ルイザ(マリオン・コティリャード)に助けを求めるグイド。
しかし、製作プロデューサーたちは早速彼を見つけ出し、セットごと彼の逃亡先に運び込み撮影をせかす。

そこには愛人のカーラ(ペネロペ・クルズ)がやって来てグイドを部屋に誘う。
また、ヴォーグの編集者ステファニーもグイドを誘惑。
脚本が上がっていないことを隠している主演女優のクラウディア(ニコール・キッドマン)も現れ、彼を翻弄する。

グイドの頭の中には彼を翻弄する女たちや、愛する妻、彼を陰から支えるスタッフのリリー(ジュディー・デンチ)、幼い頃であった娼婦のサラギナ(ファーギー)、そしてママ(ソフィア・ローレン)のイメージが渦巻き、彼をいっそう悩ませる。

パーティーで愛人カーラの姿を見とがめたルイザは、今度ばかりは夫に愛想を尽かし別れを切り出した。
心の支えであるルイザを失ったグイドは映画の撮影中止を発表し、映画界を去って行く。

2年後、すっかり変わって魂を抜かれたような生活を送るグイドのもとにリリーが現れ、もう一度映画界に戻ってくるようにと彼を誘うのだが・・・。



フェデリコ・フェリーニの名作『81/2』をミュージカル化しトニー賞を受賞した作品を映画化したもの。
どのナンバーも素晴らしく、映画を見ていると言うより、レビューショーを見ているよう。

ワタクシ的に一番良かったのはファーギーの”Be Italian"。
彼女はBlack Eyed Peasで大活躍の正真正銘の歌手なので、お歌のうまいのは当たりまえなのですが、このナンバーは演出も振り付けもお気に入り!
砂の描く弧とタンバリンを有効的に使って、ダイナミックでもあり幻想的でもある・・・。
いいなぁ、ステキ。
これだけに限らず、歌って踊ってみたいとむずむずするようなナンバーが沢山出てきます~。


ワタクシ、もともとのフェリーニの映画は見ていないのですが。
この映画に関して率直に感想を言えば、マザコン男の甘えん坊がいやいやしてぐずってるおハナシだと言う感じなんだなぁ。
ママと妻には「いい子いい子、よしよし。」ってしてもらいたくて、ママに欲情は出来ないから(妻にも???)そーゆーのを満たしてくれる愛人や出演女優なんかと恋愛してさ。
いつもいつもいろんな女に囲まれて自分の都合でぼうやになったりオトコになったり、そりゃいい生活だよなぁ~・・・、みたいな?
そんな都合のいい生活してみてーよ!

男性がみるとまた違った印象かしらね?


大御所ソフィア・ローレン様は揺るぎない貫禄とオーラで登場。
あんな女性がマンマだったら・・・、マザコンになってもしょうがないわよねぇ。
そんじょそこらの女性には簡単に恋できない体質になりそう。マンマの影が大きすぎて~~~。
しかし、76歳であのお美しさ!!!お手本にしたいと思いマス。


もともとグイドのオファーは、ペネロペの旦那であるハビエル・バルデムに行ったらしいんだけど、彼が休暇に入るので仕事は受けませんとお断りしたことでダニエルに。
ハビエルのほうが、“女がほっとかない”感あるんちゃうかなぁと。
このグイドにはまり役なんちゃうかと思うんです。
残念ね。


ハリウッド映画ですが、イタリアの雰囲気も満載で気分はイタリアに飛べちゃう映画です。
あー、イタリア行きたいっ!!!

Adam (2009) 日本未公開

2010-07-14 05:59:51 | 映画レビュー(アルファベット)
Adam (2009)
Director & Writer : Max Mayer
Cast : Hugh Dancy, Rose Byne, Peter Gallagher


ベス(ローズ・バイン)が引っ越してきたNYのアパートメントの上の階には、ハンサムだけど少し変わった青年が住んでいた。
彼の名はアダム(ヒュー・ダンシー)。

空気の読めないところもあるし、なんだかいつもちょっとおどおどしているんだけど、天体のことを語らせると止まるとこなく彼の膨大な知識について語り始める。
そんな彼が気になったベスはアダムと友達になった。

ある日の夜中、アダムはベスを訪ねてきて「セントラルパークへ行こう。」と誘う。
突然の訪問、そして突飛な提案に躊躇するベスだったが、熱心に誘うアダムを断りきれなくて出かけることに。

公園の人気のないベンチに座ったアダムは息を潜めるように言うと、二人の前にラクーン(アライグマ)のつがいが現れた。
「こんな街中に野生のアライグマがいるのね!。」と感動するように言ったベスにアダムは、"they don't really belong there, but there they are."(本当はこんなところにいるべき動物じゃないんだけど、やつらはここにいるんだよね。)と。

アダムはベスに自分はアスペルガー症候群だと告白。
アスペルガーは、言葉の裏の意味を読み取るのが苦手なので言われたことを文字通りにしか受け取ることが出来ず、人とのコミュニケーションをとるのが苦手。
変化にも突然の予定変更にも柔軟に対応することが出来ないなど、彼はこの都会の社会の中で生きにくさを感じていた。
辛い時、アダムは時々ここにやって来て住みにくい都会でひっそり生きているアライグマに自分を重ねあわせていた。

二人の間に少しずつ恋が芽生え、二人で試行錯誤しながらその恋を育てて行ったのだが、ある転機がやって来た。
アスペルガーのため解雇され無職だったアダムに新しい仕事のオファーが。
それはNYから遠く離れたコロラドの天文台での仕事。
アダムにはぴったりの仕事なのだが、変化に順応するのが難しいアダムは、住み慣れたNY、大好きなベスのもとを離れることに悩む。
そして、彼とベスの下した決断は・・・?



アスペルガー。
いろいろな文献で少し勉強したので知識があるのですが、コミュニケーションをとるのが苦手だけど知能はとても高いことが多く、天才肌で変わっていると思われる人にはアスペルガーの人が多いということです。
コミュケーションの面では、子供の頃から両親がこつこつと口で説明したり訓練することで随分改善されて本人も社会にうまく対応でき、生きやすくなると言われています。
この映画は、身近にアスペルガーのいる方はとっても気持ちが入って見ちゃうんじゃないかと。
それくらいヒュー・ダンシーは素晴らしい役作り、演技をしていると思うんだなぁ。

アダムは彼の気持ちをストレートに表現することしか出来ないので、二人がいい雰囲気になったときも「僕は性的に君と仲良くしたい気分なんだけど、君はどう?」なんて身もふたもないアプローチをしたりする。
でも、ベスはそんな彼にいつも優しい。
パーティーで好き嫌いをはっきり言い過ぎて場がしらけたときも、突然の予定変更にパニックになってしまいそうなときもいつもアダムの気持ちになって対処しようとする。
ちょっと優しすぎたんじゃないかと思ったりもするんだけどね、私は。
そんなんじゃ息切れしちゃうよ、なんてやきもきしながら見てしまったわ。


日本で公開になるかまだ良く分かりませんが、最近やっと認知され始めたアスペルガー。
もっとみんなに知ってもらうためにも公開になった方がいいかな~と。
主役はハンサムなヒュー・ダンシ―だしね、女性ファンも多いでしょうし!
アスペルガーは普通の人より飛び抜けて優れた部分を持っていることが多いので、特性を生かして自分にあった仕事に就いて成功していくことが出来るんですよね。
そんな彼らや彼らの親御さんたちが、世間の人々にアスペルガーの知識がなさ過ぎるために偏見の目で見られたり、生きにくい生活を強いられたりしているのも事実です。

やっぱり、この映画、日本でも公開してほしいなぁ。

日本未公開  New in Town (2009)

2010-03-23 09:50:52 | 映画レビュー(アルファベット)
New in Town (2009)
Director : Jonas Elmer
Writer : Ken Rance
Cast : Renee Zellweger, Harry Connick Jr., Siobhan Fallon, J.K.Simmons

マイアミに本社のある食品会社のエグゼクティブ、ルーシー(レニー・ゼルウィガー)は、地方工場のリストラのため、極寒のミネソタに赴任になった。
本社からボスが来るなんてどうせ人減らしに違いないと社員の団結をはかって、ルーシーを拒絶するステュー(J.K.シモンズ)たち。

分け隔てなくルーシーに接してくれる秘書のブランチ(ショーバン・ファロン)は、彼女の仕事がやりやすくなるようにと組合長のテッド(ハリー・コニックJr.)を紹介する。
単なるボーイフレンドを紹介されたと勘違いするルーシーは、第一印象から最悪のテッドに私はあなたなんかとつきあうような女じゃないのよと言わんばかりの高飛車な態度で威圧。

あとで組合長だと知って焦るが、もうそれは後の祭り。

ミネソタの冬は考えられないほど寒いわ、リストラはうまくいかないわで、落ち込むルーシーだったが、ブランチのおかげで少しずつここの生活にも慣れてきた。
なれるにつれてミネソタ工場に愛着を抱き始めた彼女であったが、本社は彼女に工場閉鎖を決行するように通達してきたのだった・・・。




ミネソタの冬なんかを舞台にするような映画はなかなかないわよ~。
ここもかなり寒いけど、ミネソタはそれより北だもんね。
友達家族も住んでるということもあって、親近感もあって借りてきたんだけど・・・。
ちょっとしたB級の仕上がりになっております。残念ながら。
でも寒いことをネタにした映画のエピソード一つ一つに「あるある~!」とうなづきながら見た私。


それにしても、ちょっと、これ~!!
レニー・ゼルウィガー、お直しのしすぎでないかい?!
この映画のために整形手術をしたとは聞いていたけど、ぷっくりクチビルもしかり、肌もプラスティックのような質感を醸し出す不自然さ。
ボトックスの打ちすぎか?

ちょっと検索すれば、セレブのビフォア・アフターの写真がいろいろ出てくると思うけど、おしなべてみんな不自然な顔になって崩れていっているのよね。
セレブだから決して安い整形じゃないと思うんだけど。
自然の摂理に逆らうのは良くないのかどれもこれも「これは、ちょっと~・・・。」と言う写真ばかり。
美しなるために整形するのに、この結果は皮肉なものねー。


さて相手役のハリー・コニックJr.
私にとっては、”P.S.I Love You" 以来になりますが、田舎のバツイチおっちゃんを好演。
あ!私と同い年だった。おっちゃんは失言だわ。
でもでも、昔の彼は”貴公子”のようでしたけどもいい感じにおっちゃんになっててよかよか。
セレブのなかには”貴公子”な自分が捨てきれなくて、おじさんになりきれてないひとも沢山いるもんね。

彼は音楽活動も勿論精力的にこなし、ハリケーンカトリーナで被害を受けた故郷ニューオリンズの復興に沢山の寄付をして尽力しているようです。えらいねー。

この映画では2006年にリバイバル公演で主役を演じた”パジャマゲーム”をインスパイアしてなのか、あのミュージカルと男女のシチュエーションが逆のパターンになってました。(前者は工場長/男と組合長/女のカップル)
キャスティングの方たちはやっぱりこの辺のこと考えたのでしょーか??

容貌が変わっていたのはレニーだけじゃなくて、驚いたのはJ.K.シモンズ。
そう、あのJUNOでジュノのお父さん役を演じた方ですが、見事なビール腹。
てっきり肉襦袢を着込んでいるのかと思いきや、40パウンド体重を増やして正真正銘の”自腹”だったそーです。
あれはすごい。
このあたりって、寒い上に内陸なので主食は肉といもとトウモロコシ。
暖かい西海岸とかに比べて、あーゆー体型の人が沢山いるんですよね。
でもいいのかな、身体はって太ったりして???


日本未公開 Bandslam (2009)

2010-03-13 00:23:54 | 映画レビュー(アルファベット)
Bandslam (2009)
Director : Todd Graff
Writer: Todd Graff, Josh A. Cagan
Cast: Alyson Michalka, Vanessa Hudgens, Gaelan Connel, Lisa Kudrow

いやー、机のすみから去年の夏見た映画のメモが出てきたよ。
覚えてるかな、詳細???


年のわりにはいけてる母(リサ・クドロウ)の仕事の都合で新しい街に越して来たのウィル(ゲイラン・コーネル)。
どっちかというとモテない君タイプのウィル。
新しい高校でもイマイチ馴染めず、でも、「まぁ、世の中そんなもん。」と諦め気分。
そんな彼が学校の元ポピュラーガール、シャーロット(アリソン・ミッシャルカ)と、エキセントリックなサム(バネッサ・ハジェンス)と出会う。

彼らの街では各高校からトップのロックバンドを選出して競い合う大きなロックイベント"The Battle of The Bands"があった。
去年のグランプリを射止めたのはシャーロットの元カレ。
それがちょっとやなヤツなわけ。

地味ーなウィルにプロデューサーの素質を見いだしたシャーロットは、元カレに対抗すべく新たなバンドの結成を計画。
学校中を歩き回ってマーチングバンドや、ヘビメタバンド、果ては一旗揚げたいモテない君たちから次々にものになるメンツを集めてくるウィル。
シャーロットの勘は大当たり!
バラバラだったメンバーもウィルのプロデュースと指導のもと、練習を重ねるうちに結構イケテきた!

俺様な元カレの鼻をへし折るために大会に出場するのだけど、大会当日リードボーカルのシャーロットが出場不可能に・・・。
急遽サムをボーカルにたたせてステージに上がるのだが・・・。




すかっと楽しい青春映画。
日本ではバネッサ・ハジェンスくらいしか知られてないようだからDVDになるかなぁ?
公開になったら若者にはぜひ見てもらいたいわね。

ディズニーチャンネルではおなじみのティーンスター、アリソン・ミッシェルカがでるっつーので娘たちと見に行った映画なんですけど。
期待してなかった分、「モテない君がオレ様を音楽でやっつけるなんて、面白いじゃん!」と、母の方がハマりました。

バネッサ、いつ見てもザック・エフロンにベタベタし過ぎであんまり好きちゃうけど、歌はよかった~。
こっちのティーンシンガーはみんなうまいよなぁ。
マイリー・サイラスもテイラー・スウィフトも、カラオケ聞いたら伴奏はほぼビートだけ。
素人にはなかなか上手に歌えないのよ、カラオケじゃ。
ちょっとやそっとのうまさちゃうでといつも感心しとるんですわ。


このバンドの話に平行してウィルがサムに恋して、奥手ながらなんとか少しずつアピールしていく様子も描かれてます。
キスもしたことないウィルにシャーロットがお姉様として手ほどきしたり。
習ったようにやっては見るけど、うまくいかなくて首に回そうとした手でサムを殴っちゃったり。
恋愛経験のないウィルには女心がさっぱり理解できてなかったり・・・。
なんかこういう恋愛って何十年もまえの(!)初々しい頃の(そんなんあったんか?!)自分を思い出したりして甘酸っぱいわね~。

最近疑問に思うんデス。
今の私にもドキドキできるようなシチュエーションがあったら、ちゃんとドキドキできるんでしょーか?
ちょっと若者が見るよーな映画見て、疑似体験して確かめとかなあきませんな。
まだまだ、イケルってことを。(????)

2012 (2009)

2009-11-25 10:30:11 | 映画レビュー(アルファベット)
2012 (2009)
Director & Writer : Roland Emmerich
Cast : John Cusack, Amanda Peet, Chiwatel Ejiofor

パニック映画の巨匠(?)ローランド・エメリッヒ監督による、人類滅亡の物語。
私は詳しくないんですけど、古代マヤ人が2012年の冬至の頃に地球が滅亡するという予測をしていたそうなんですね。


それに基づいて、地殻変動や地球のコアの温度の上昇に伴う火山活動、そして大規模な津波が起こり、世界中がパニックに陥ってゆく。
科学者エイドリアン(キウィテル・イジョフォー)は、何年にも渡って地球に起こりつつある異常を研究し、2012年には地球規模の大災害が起こりうることをアメリカの大統領に報告していた。
混乱を避けるため、この事実は各国の上層部だけに知らされる。
そして世界中の政府が共同で秘密裏にノアの方舟を思わせる巨大シェルターをチベットの近くに建設を開始。

ある日、SF作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は離婚した妻ケイト(アマンダ・ピート)のもとから、二人の子供を預かりイエローストーンにキャンプに出かけていた。
旅行の最中、ジャクソンはイエローストーンが立ち入り禁止となって軍関係の施設が建っていることに気づく。
その頃、サンフランシスコでは既に地割れや大地震などの災害があちこちで頻発・・・。




CGを駆使した大災害の数々!
ディテールにも凝っているので、地割れやビルの崩壊などそれはそれはすごいもんです。
見応えあるシーンが続出。
監督はこれを自分自身の最後のパニックムービーにしようと、あらゆるものを詰め込んだようです。


その大災害の中を主人公のジャクソンたちが車や飛行機を使って逃げまくるのですが、“危機一髪!”なシーンが何度も続くので、思わずつっこまずに入られませんでした。
「なんぼほど車の運転うまいねん!」とか「何年も操縦してないのに、なんでこんな飛行機操縦できんねん!それも曲芸飛行やん!」みたいな~。

そして箱船型シェルターはチベットにごく近い高地でのMade In China。
これが実際に起きたと仮定すると、誰がチベット自治区の人たちに中国軍に従いなさいと説得するのかなぁなんて思いつつ。(だって一般ピーポーには事実を知らせない方針だからねぇ。)
そのシェルターに乗れるのは各国の要人と莫大なお金を払ってチケットを買うことが出来る大富豪たちだけ。

カナシ~。
これが現実に起これば、一般ピーポーの私達は見捨てられちゃうのね。
それなら、覚悟して心安らかに最後のときを迎えたいわと思いましたです。

箱船に乗れる人たちの人選はどうなんやろねと一緒に見に行った旦那と話しました。
私「叶姉妹とか乗ってたりして?」
旦「あれって、セレブか?」
私「でもあかんわー、あの人たちじゃ子孫を残せないもん~。
日本では、天皇陛下はご辞退なさるような気がするー。(映画の中ではエリザベス女王らしき女性が2匹の犬とともに搭乗するシーン有り。)」
旦「じゃ、天皇家の孫たちだけ乗せるとか。」
なんてね。
いやぁ、でも人選はほんとに難しいでしょうね。
人間を何ではかるのか・・・?


ちなみにジョン・キューザック演ずる主人公の長男の名前がノア。
ノアの方舟ではなくて、ノアを方舟に乗せるためにお父さんが頑張る・・・話になってますね。

Bottle Shock (2008) 日本未公開

2009-08-21 08:34:29 | 映画レビュー(アルファベット)
Bottle Shock (2008)
Director : Randall Miller
Writer : Jody Savin, Raldall Miller
Cast : Chris Pine, Alan Rickman, Bill Pullman, Rachael Taylor, Freddy Radriguez

1976年、フランスで有名シェフを招いて行われたブラインドテイスティングで初めて、フランスのワインを差し置いて見事優勝を獲得したカリフォルニアワイン、シャトー・モンテレナのシャルドネ。
この実話に基づいてテンポよく仕上げられた映画です。


パリで”アカデミー・デュ・ヴァン”(ワインアカデミーとでも訳せばいいのでしょうか)というワインセラーショップを営むイギリス人スティーブン・スパリエ(アラン・リックマン)。
お店は繁昌してるんだか、してないんだか・・・。暇な昼下がり、いつものように冷やかしにやってきた2軒隣のセレクトデリショップの友達に「アカデミーなんていってさー、ほとんどフランスワインだけじゃない。アカデミーならもっと世界のワインがあってもいいんじゃないの?」と言われて気がついた!
「よし、私は新しいワインを開拓しに行くぞ!!!」
「どこへ??」
「カリフォルニアだ。」
さて、カリフォルニアに「自分たちが一番。」とふんぞり返っているフランス人の納得するようなワインがあるんだか・・・。


一方カリフォルニア、ナパ。
今でこそワインの聖地と呼ばれているが、まだまだ世界での認知度は低い。
弁護士をやめて、ワイナリーを営むジム(ビル・プルマン)という男がいた。
ワイナリーの名前はシャトー・モンテレナ。経営はあまりよくない。
銀行でも、今回の借金が返済できないようならワイナリーは人手にと釘をさされているような状態。
ぶどう畑で働く人夫たちの中にはヒッピーの息子ボー(クリス・パイン)や、その友人グスタヴォ(フレディー・ロドリゲス)、そして最近やってきたワイナリーとしては珍しい女性インターンのサム(レイチェル・テイラー)。
ジムは持ち前の几帳面さで、妥協を許さない丁寧なワイン作りをしてゆく。
そして、グスタヴォは主人のジムに内緒で自分なりの赤ワインを作っている。

そんなナパにやってきたスティーブンは、ナパ中のワイナリーでお金を払ってテイスティングにまわる。
テイスティングにお金を払うなんていう習慣のなかったナパでは、金を払ってくれるイギリス人がいるとの情報が回り、スティーブンの廻りにはワインボトルを抱えた人たちでいっぱいに!

そんな折、グスタヴォの手がけたワインも熟成して納得のいく味に仕上がった。
彼もそのボトルを抱えてスティーブンのもとへ。

「なんてことだ、ここのワインはどれもうまいじゃないか!」
スティーブンは20数本のワインを選んでフランスへ・・・。




ま、実話なので結末が分かっているからその課程を見るのが面白いわけで。
スティーブンがナパにいるあいだのエピソードや、ブラインドテイスティングでの気取りまくったシェフたちの姿とか、ネタバレになるのであんまり書けないけど面白いわけです。


グスタヴォのワイン。
サムに「飲んでみて。」と彼女の家に持ってゆくんだけどね、あまりのおいしさに感動したサムは感動のあまりグスタヴォとベッドをともにしちゃうんです。(彼女の本当に好きなのはボーなんだよね。)
そんなワインって、すごすぎない!!!!
素晴らしいって言葉で言い尽くせなくて、ベッドでなんてさー。
飲んでみたいじゃん、GustavoThrace!!!
ネットだと手に入るようですが、なかなか入手が難しそう。既に売り切れのワインもあるし。

勿論シャトー・モンテレナも実在のワイナリー。
こちらもネット販売はされているようですが、なかなか入手困難。
いつかは入手したいと思いますっ!

いやぁ、カリフォルニアワインっておいしいんですよ、皆さん。
日本ではまだまだどのワイン売り場に行っても8割がたがフランスワインでしたけど。
もっと普及して日本の皆さんもカリフォルニアワインを飲めるようになるといいなと。
あのね、安くっても美味しいのいっぱいありますからね。
高級なオーパスワンばっかりじゃないんだもんねー。




Miss Pettigrew Lives For a day (2008)  日本未公開

2009-03-13 01:28:24 | 映画レビュー(アルファベット)
Miss Pettigrew Lives For a Day (2008)
Director : Bharat Nalluri
Writer : David Magee, Simon Beaufoy
Cast : Amy Adams, Shirley Henderson, Frances McDormond, Lee Pace, Tom Payne, Ciaran Hinds

ハリウッドでは今インド人が熱い!・・・て感じかなぁ。
インド人の優秀な監督も結構増えてます。
この映画の監督もインド人。
すごいね。


この映画は本当にミス・ペティグリューの一日の出来事を描いたものなんです。
ストーリーはちょっと古典チックだし、日本の脚本家でいえば、そうね、三谷幸喜が書きそうな雰囲気。
でもでも、やっぱり日本人の彼には描ききれないウィットとコケティッシュでキュートなストーリー。

時は1939年。
戦争の足音が聞こえているロンドン。

まじめと堅実が洋服を着て歩いているようなミス・ペティグリュー(フランシス・マクドーマンド)。
ある日彼女は突然、住み込み家庭教師の仕事を解雇されてしまった。
その上、働いた分のお給料ももらえない。
住み込みメイドの斡旋事務所でも、ちっとも下手にでない態度に「あなたに回せる仕事は無いわ。」とけんもほろろ。
あまりの空腹と絶望感に、事務員の机の上にあった顧客の名刺をこっそり持ち出してしまうミス・ペティグリュー。

まじめな彼女がちょっぴり罪悪感と後悔の念を持ちつつ向かった先はデリシアという女性の家。
尋ねた家のドアからでてきたのは、金髪のキュートでセクシーなデリシア(エイミー・アダムス)。
彼女は女優の卵で、自分の夢のために打算でつきあっている男が二人、本命の彼一人がいる。
その3人のボーイフレンドが今にも鉢合わせしそうで、トラブル真っ最中!
それを機転を利かせて3人をそれぞれ家から追い出したミス・ペティグリューを大いに気に入ったデリシアは、彼女を秘書として雇うことに。

かわゆいけどちょっとおバカなデリシアとお固いミス・ペティグリュー。
絵に書いたようなでこぼこコンビ。
二人は、お互い人生の大きな転機となる一日を迎えることになるのでした!


一日で友情と、愛と、夢を手にする素敵なおとぎ話です。



Under The Same Moon (2007) 日本未公開

2008-11-12 06:06:13 | 映画レビュー(アルファベット)
Under The Same Moon (2007)
Director : Patricia Riggen
Writer : Ligiah Villaloobos
Cast : Kate del Castillo, Eugenio Derbez, Adrian Alonso

メキシコでおばあちゃんと暮らしているカリトス(エイドリアン・アロンソ)、9さい。
お母さんのロザリオ(ケイト・デル・ダーベス)は4年前からロスに出稼ぎに行っている。
でも彼女はアメリカに不法入国しているため、自分の息子には住所すら教えられない。

この4年間、二人をつなぐものは毎週日曜日の朝10時に決まった公衆電話からかかってくる母の電話だけ。
「まま、今どんなところで電話しているの?」少しでも母と一緒にいることを感じようとするカリトスは尋ねる。
「ドミノピザがあってね、コインランドリーとそれから・・・。」母の声を聞きながら目を閉じると、カリトスは母の立つ公衆電話の風景が頭に広がる・・・。

母からの電話があった翌日(月曜日)、病弱だったおばあちゃんが突然死んでしまった。
彼の面倒を見ようという親戚の夫婦は明らかにロザリオの仕送りをあてにしている悪そうなやつ。
「僕、ママに会いに行く。ママが心配しないように今度の日曜日の電話の時間までに会いに行かなくちゃ。」
カリトスは国境を越えるアメリカ人姉弟の車の座席の下に隠れてアメリカに入国。
住所も分からないお母さんの元へ急ぐのだった。


「母を尋ねて三千里」みたいな話かなと思って見始めたんだけど、あんなに暗くないのよね。
なぜかと言うとカリトスにちょっと陽気な雰囲気が漂っているから。(?)
どこでも愛されちゃう、ちょっと助けてやろうかと言う気分にさせられる魅力を持った少年なんです。
旅の半分以上は、やはり同じく不法入国者の男エンリケ(ユージーニョ・ダーベズ)が一緒。
彼は、無防備に懐に飛び込んでくるようなこのガキが大嫌いだったんだけど一緒にロスまでつきあってあげちゃう。
その過程も面白いので見てみて下さい。

母となってからは、こういう母子ものにはめっきり弱いんです~。
いろんなポイントで涙させられます。

題名は、遠くはなれて暮らす息子に「寂しくなったらお月様を見なさい。ママも必ず同じお月様を見ているから。」と言ったというエピソードから取られたものです。
ベタですけど、これもウルウルポイントですね~。


The Dead Girl (2006) 日本未公開

2008-11-11 12:24:53 | 映画レビュー(アルファベット)
The Dead Girl (2006)
Director & Writer : Karen Moncrieff
Cast : Toni Collette, Giovanni Ribisi, Rose Byrne, James franco, marcia Gay Harden, Brittany Murphy

連続殺人犯に殺され、野原に捨てられた女性クリスタ(ブリタニー・マーフィー)。

彼女の死体を偶然見つけた女性(トニ・コレット)の物語。

若き検死官ルディー(ローズ・バーン)の物語。

夫が連続殺人犯だと知ってしまった年老いた妻の物語。

家出したクリスタの死を知らされた母(マルシア・ゲイ・ハーデン)の物語。

そして、義父に犯されて家を飛び出し身体を売りながら娘を育てているクリスタの物語。

死んだ女を巡ってそれに関わる女たちをオムニバス形式で綴った映画です。






Talk To Me (2007) 日本未公開

2008-09-12 03:41:49 | 映画レビュー(アルファベット)
Talk To Me (2007)
Director : Kasi Lemmons
Writer : Michael Genet, Rick Famiyiwa
Cast : Don Cheadle, Chiwetel Ejiofor, Martin Sheen, Taraji P. Herson

実話に基づいたお話です。

ピーティー・グリーン(ドン・チードル)は窃盗罪で捕まって監獄にいたが、そこではちょっとした有名人だった。
彼は監獄内のファンキーなDJ。
とにかく喋る、喋りまくる。
そのぎりぎりの毒舌も交えながらの話術で監獄中の受刑者だけでなく職員をもファンにしてしまい、ちょっとした特別扱いをうけていた。

ある日、巧みな話術で自殺しようとしていた受刑者を見事断念させた見返りに放免されちゃったピーティー。
GFのバネール(Taraji P. Herson)を伴って、AMラジオ局に乗り込み「DJをやらせてくれ。」とドゥエイン(チワテル・イジョフォー)に直談判。
アポなしの訪問、その上、元受刑者のDJなんてとあっさり断るドゥエイン。
しかし、諦めない彼はラジオ局の前で演説を始め、見る見るうちにあたりの歩行者の足を停めちゃって、盛り上がっちゃう。
彼のそのすんごい才能を見せつけられたドゥエインは上司のサンダリング(マーティン・シーン)の許可を得ず、ピーティーを連れて放送室へ。

サンダリングは放送室にカギをかけ立てこもって放送を強行したドゥエインにに激怒するが、ピーティーを支持する電話がじゃんじゃん局にかかって来たことでピーティーを採用せざるをえなくなってしまった。

ピーティーの人気はうなぎ上り。
彼の生まれ持った才能は,歴史を生むことにもなる。
マーティン・ルーサーキングJr.が暗殺された日、ワシントンでは黒人による暴動がおこった。
騒動のさなか、ピーティーは沈痛した面持ちでマイクの前に座り、「兄弟たちよ、家に帰ってキング牧師の冥福を祈ろう。君たちが今やっていることは、彼の望むことではない。」と訴え続けた。
かくして、彼のこの放送で黒人たちの気持ちは一つとなり最悪の事態をおさめることが出来たのだった。

しかし、彼が想像もつかないほど人気はあがり、全米進出を夢とするドゥエインはいやがるピーティーをテレビの世界に引きずり出した。
仲の良かった、二人の気持ちはずれ始める。
そして、お化けのような人気に自分を見失いそうになりながら、アルコールに頼って放送を続けるピーティー。
アルコールは次第に、彼の身体を蝕みはじめていった・・・。



いい映画だった~。
チワテルちゃんが目当てで借りて来たんだけど、「ドン・チードルは、ごっついええ役者や。」ということを思いっきり実感できました。
もう、圧倒される演技やで~。
暴動をなだめる彼の演説なんて、ちょっとしびれるくらいよかったわ。

ピーティーのGFのアフロな頭のバネールちゃん。(ソウルトレインの世界そのもの!!)
ヒップでファンキーでキッチュ!(映画終わった後に仕草がうつりそうになったわ。)
見てもらったら分かるけど、こんな女の子がいつも自分の味方やったら怖いもんなしやなーって思える。
いつも側にいて彼を支えてるんだけど、日本人の”支える女”とはちょっと違うんだよね。
耐えてない。自分を犠牲にしてもない。うん。自分にはいつも正直に生きてる。
そして、気持ちの切り替えがとっても上手で、前向き。ええ女やで、まったく。
アタシでも欲しいわ、こんな彼女。

”つらい酒”を飲むと身体も壊すし、何よりアル中になってしまうって知ってる?
中毒って、心が冒されてるうちはまだ正常に戻せるけど、身体が中毒になってしまった場合、ほぼ元に戻ることは出来ないの。
わたしも経験有りだけど、社会人時代につらいお酒を一人で(この一人も良くないねん)飲んでてさ。
ある日「今日は飲めへん。」と言う日があったんやけど、そしたらもう無性につらくなって落ち着かない気分になってしまってん。「どうやってこのしんどい気分をおさめて寝たらいいんやろう、今日は。」って。
そしてそのとき「あ!ダメだ。わたし、こんなこと続けてたらほんまもんのアル中になってしまう。」って。
はい、そこから自力で戻りましたよ、こっちの世界に。あっちに行ってしまわんでよかった。
まだ、身体が冒されてなかったんやと思う。
だいたい物の本によると、ケミカルだって、気分の落ち込んでるときにやるとひどい妄想をみてしまうと言うし。
明るい人はパラダイスをみて、後ろ向きな人の場合、化けもんに追いかけられるような幻想をみるらしいよ。

ピーティーの身体が壊れてしまったんも、つらい酒のせいちゃうかなって、思った。
こういう世界の人って(例えば芸人さんとか、トップスターとか)端で見てるより、繊細で臆病でアガり性やったりするもんです。
毒舌で有名なたかじんも緊張のあまり倒れて救急車で運ばれたこともあるくらいやし。
ピーティーも例外ではない。
彼は自分のコントロール不能なほど大きくなった自分の人気に押しつぶされてしまったんだろうか・・・。


The Mistress of Spice (2005)  日本未公開

2008-09-09 11:31:22 | 映画レビュー(アルファベット)
The Mistress of Spice (2005)
Director : Paul Mayeda Berges
Writer : Gurinder Chadha, Paul Mayeda Berges
Cast : Aishwarya Rai, Dylan McDermott

このインドの女優さん、アイシュワリヤ・ラーイが、うつくすぃー!
なんだか、少女漫画から抜け出したような瞳とクチビルなわけ!
映画の内容よりも、彼女の瞳を見続けていたような気がする。

ティロ(アイシュワリヤ・ラーイ)は少女の頃から不思議な力を持っていた。
人に降り掛かる災難を予知したり、失せものがどこにあるか言い当てたり・・・。
こういう能力を持つ人にありがちな、始めはもてはやされるが次第に気持ち悪がられ憎まれる・・・という少女時代を送るのね。
その力が災いして両親を惨殺されたティロ。
行き場を失った彼女を引き取ったのはある老婆。
その老婆は、不思議な能力を持った少女たちを集め、その力を高めて世に送り出す巫女だった。
人と必要以上に関係を深めてはいけないときつく戒められ、自分の一生を悩める人々のために捧げる契約を天と交わしたティロは老婆の占いにより、サンフランシスコへ送り出された。

街の一角に小さなスパイスの店を開き、悩める客のためにスパイスを調合するティロ。
彼女は老婆の言いつけ通り孤独を守りひっそり生きていたのだが、彼女の一生を大きく変えてしまう男性ダグ(ディラン・マクダーモット)が現れる・・・。


大筋は、いわゆる男を取るか仕事を取るかってことなんだけど。(ひねりがないでしょ?)
その筋に絡み合うスパイスのくだりが面白いの。
ティロはスパイスがあたかも生きているもののように話しかけ、「力を貸して。」と身を委ねている。
彼女が自分の意志で調合しているのではなくて、スパイスの意志に従って彼女は動かされている・・・といった感じ。

"その名にちなんで"にもあったけど、悪いもの(病気や災害)から身を守ってくれるのはどうやら唐辛子らしい。
唐辛子をネックレスのようにつないだものを首にかけたりして厄払いをしてたのね。
私も作ってキッチンにかけとこうかしら???

もっと詳しく、スパイスの効能を知りたくなる映画です。

映画”ショコラ”でもチョコレートにスパイスを仕込んでたしねぇ。
そうそう、昨日おいしいトリュフを食べたのね。
私って外見に似合わずガラスの心を持ってるわけ。
よく傷つくのよ、それが。
そんでもってローだった気分がそのチョコレートでちょっと癒されたんだよね。
私、絶対信じるわ、カカオのパワーを。
お酒もケミカルもいらない。
おいしいチョコレートがあれば。






The Heartbreak Kid(2007) 日本未公開

2008-04-28 02:43:00 | 映画レビュー(アルファベット)
The Heartbreak Kid (2007)
Director : Bobby Farrelly, Peter Farrelly
Writer : Scott Armstrong, Leslie Dixon
Cast : Ben Stiller, Malin Akerman, Michelle Managham

友達がスティーブ・カーレルの“Dan in Real Life"と間違えて、こっちを見に行っちゃったらしくて。
ま、ステーブとベン。似てると言えば、似てる・・・。
「ちょっと、あきれるくらい下品な映画だったよ。」だって。
それを聞いて私のほうは「???」だったんだけど。
私もここまでお下劣とは知らず、最近DVDで見て、「これとあっちと間違えてみちゃったなんて・・・」と絶句。
そりゃ期待してた内容と違いすぎて、顎が外れそうだったやろなーと苦笑しました。

はい。かなりなC級映画です。
ワイルドなエッチシーンもあちらの毛も大放出の。・・・げんなり・・・。


いい年なのにまだ独り者のエディー(ベン・スティラー)。
親戚の結婚式でも「本当はゲイなんじゃないの?」なんてからかわれたり。

ある日、スリに財布をすられた女性(マーリン・アカーマン)を助けたことがきっかけでつきあうことに。
彼女の名前はライラ。
意気投合した二人はすぐにラブラブ、スピード結婚へと。

ところが、新婚旅行の道中から本性を現し始めたライラに戸惑うエディー。
彼女、実はとってもワイルドでゴーイングマイウエィの女性だった。
それも許容範囲外!!!
最初は合わそうと努力してたエディーも、我慢の限界に。

そんな旅行先のメキシコで理想の女性に会っちゃった!
気持ちは冷めかけてるとはいえ、こっちは新婚旅行の最中。
でも、ここで彼女を諦めては一生後悔する気がする。
どうする、どうするの、エディ???


ま、ざーっとこういった内容です。
この手の映画にありがちな、嘘をつく度にその嘘を上塗りする嘘をつかねばならず、それでにっちもさっちも行かなくなるパターン。
黄金のパターンでんな。

小脇に大きめのクッションを抱えて「なんでやねん。」とツッコミを入れつつ見て下さい。
ツッコミの練習が思う存分出来る映画です。



邦題:ZODIAC ZODIAC(2007)

2008-03-11 10:58:53 | 映画レビュー(アルファベット)
ZODIAC(2007)
Director : David Fincher
Screenplay : James Vanderbilt
Novel : Robert Graysmith
Cast : Jake Gyllenhaal, Mark Raffalo, Robert Downey Jr., Chloe Sevigny

1960年代後半に実際に起こった連続殺人事件を題材にした作品。
犯人はまだ捕まっていない・・・、つまり迷宮入りした事件である。

1968年12月、車に乗っていたカップルが襲撃され女性は即し、男性は重傷を負う。
しかし、犯人を特定できるものを何も得られなかった警察。
そうするうちに次々とカップルが狙われ殺されてゆく。

大胆な犯人はサンフランシスコ・クロニクル社(新聞社)に犯行声明文と暗号を送りつける。
その声明文で犯人は自分のことをゾディアックと名乗ったのだ。

犯人と警察しかしり得ないことが書かれた声明文。
そして奇妙な記号で綴られた暗号文。
クロニクル社で働くロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は暗号の解読に興味を示す。

三度目の犯行時に送られた暗号をついに解読するロバート。
そこには殺人を楽しむような歪んだ犯人の言葉が綴られていた・・・。
「俺は人殺しをするのが好きだ。俺が死んだら、俺の殺したやつを全部を奴隷にしてやるんだ。警察に俺の奴隷収集の邪魔はさせない。」と。



実話に基づいている分、奇想天外なストーリー展開をするわけにはいかないのよね、きっと。
結末は、やっぱり実話に基づいて造られた映画「ブラックダリア」を見た後みたいにあっけなさを感じてしまった私・・・。
うーん、でもそれはしょうがないのかもね。実話なんだから。

どこかの映画紹介に書かれていたようにこの映画は犯人をおい続ける、主人公や刑事たちの過程をじっくり見るための作品なのかもしれない。
ネタばれになるからこれ以上かけませんー。
とにかく、年月を経て追うもの追われるものの過程をじっくりお楽しみください。