驕兵必敗
2024-05-01 | 法話
驕兵必敗
『漢書』魏相 丙吉伝
前漢十代の宣帝(B.C.74~B.C.49)が、匈奴の衰勢に乗じて出兵しようと計画したとき丞相の魏相の上表文があります。「無道の兵は必敗する」「驕兵必敗」ということです。
「乱を救い暴を誅する、之を義兵といふ、兵(いくさ)の義(ただ)しき者は王たり。
敵、おのれを加(おか)す、已むを得ずして起(た)つものを応兵といい、兵の応ずる者は勝つ。
小故(ショウコ:些細なこと)を争い恨み、憤怒に忍びざるもの、之を忿兵(フンヘイ)といひ、兵の忿(いか)る者は敗(やぶ)る。
人の土地財宝を利(むさぼ)るもの、之を貪兵(タンペイ)といふ。兵の貪(むさぼ)る者は破(やぶ)らる。
国家の強大を恃(たの)み、人民の衆多を矜(ほこ)り、威を敵に見さんとするもの、之を驕兵といい、兵の驕る者は滅す。
此の五つの者は但だ人事にあらず、乃ち天道なり。」