=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

城の反対は?赤なんです。赤山地下壕

2009年02月22日 | 【お出かけ】木のむくまま
今月初旬のほんの偶然のご縁から、本日はNPO 安房文化遺産フォーラムのボランティア活動に参加しています。
実はボランティアと呼ぶにはおこがましいくらいで、こちらのNPOはこの前知ったばっかりですし、今日行く遺跡も初めての場所なんです。
さらに、私はある遺跡の壁画の写真を館山市博物館で見つけ、その遺跡は普段は開放されておらず、許可を得た団体のツアーのみ参観が認められているということを知り、その団体がこちらのNPOだったのです。はっきり言って不届者です。

こんな不届き者を心良く受け入れてくれましたNPO 安房文化遺産フォーラムの愛沢さん、池田さん、そして本日のツアー参加者AAALAの皆様ありがとうございます。

今日のツアーは午前中に座学を受け、みっちりと館山の歴史を学び、それから各遺跡を巡るスケジュールです。

池田さんの講義はとても奥深く、多少の仮説を含めてとてもダイナミックに館山の歴史を勉強できました。

まずは逆地図。
いわゆる発想の転換で、普段見慣れている地図を逆にしてみましょう。
すると、なんと房総半島が太平洋に突き出ているのが一層はっきりします。つまり、海の仕事をするには、または外国が攻めてくる最前線は館山であることがわかります。昔からある逆地図ですが、現在は富山県がうまく活用して、環日本海地域における中心地をアピールしています。
この地図は、なんだかドラゴンクエストの世界観のようでとても面白いです。

それからもともと房総は、黒潮に乗ってやってきた四国や和歌山の地名や文化があり、他との融合が歴史的にある特殊性があると思うのですが、さらには外国船も昔から多く難破し、それを救助したことでロシアや中国、韓国との古いつながりもあったそうです。
現在の韓国の遺跡にもほとんど残っていないというハングル文字草創期の文字によって書かれた石碑が残っていたのは韓国人研究者も驚いていたそうです。

また大胆な仮説では、館山航空隊の基地は真珠湾攻撃の想定戦場だった?
というお話もありました。
それは航空隊基地としてはが通常よりは小さな敷地になっていて、ちょうど真珠湾の米軍基地のある島と同面積であることや山間を抜けて湾内の基地に達するという地形的な面を利用して多くの訓練がされていたという側面からです。
真珠湾攻撃は超トップシークレットだっただけに現在証拠は発見されていませんが、このような大胆な仮説には胸躍ります。

さて、午後からはいよいよ遺跡の見学です。
まずは赤山地下壕。館山には館山城というお城があり、私も小さな頃から「城山しろやま」と呼んでいました。そうなんです。この城山に程近く館山航空隊を見下ろす丘に作られたのがこの「赤山地下壕」なんです。
白に対して赤。わかりやすいですね。

私の実家の付近にも民間人の作った地下壕はいくつもあり、昔はそこを探検して遊んでいましたから馴染みはあたのですが、改めて壕の内側に刻まれたツルハシの跡ひとつひとつを手でなぞって見ると、当時の苦労を少しは感じることができます。

またこの地下壕は終戦の日まで掘り続けられていた証言もあり、本土決戦の本気さを伺い知ることができます。
人間特攻兵器の回天なども装備されていましたし民間においても、海ほたるという今やアクアラインの中継地点の愛称にもなっている発光する生物がいるのですが、その海ほたるを精製粉末にして夜間用の兵器にする研究がされていたそうです。
そのため館山の学生は海ほたるの採取命令を受けていました。

そして、いよいよお目当ての洲崎航空隊の指揮所跡に到着。ここが私の今日の目的地です。
観光用に整備された赤山地下壕とは違いひっそりとしていますが、中は思いのほか風通しがよく、指揮所の看板や内部の壁はまるで60年以上の時間を感じさせないものがあります。

長らく人が入ってこなかったこともあり内部は絶好のゲジゲジ虫の棲家と化しており、何百匹というものすごい量ですが慣れれば大丈夫かもしれません。
そして、歩み壕の奥に進めていくと、

「ありました」

天井に広く描かれた龍の彫刻。
整然と掘られた壕の中に突如として浮かび上がるこの天空の龍は、戦勝祈願で彫られたものなのか未だ不明な部分はあります。
私としては、平和を祈る民衆の様々な思いが浮き出てきたものと表現したい。
そんな情景です。


これらの歴史や遺跡をモチーフにした映画があります。
「赤い鯨と白い蛇」
ご興味ありましたら是非ご覧ください。
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