キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

魯山人の孤独

2020年01月31日 | Weblog
二日間春の日差しと高い気温で湘南らしい冬の天気だった。
冬至から日差しがぐんぐん強くなってくるが、月が開ければ節分で春になるわけだから,、気温は低くても光は既に春ってことだもんなあ、光に感応する生物にとって体内のホルモン分泌も変わり基本的には生殖活動が活発になるわけだから、それが抑圧されている人間にとっても今までとは違う感覚が芽生える。
ジジイが余り生殖活動に積極的になることは世間様が許さないのだが、ひそかにオネエチャンが発散するフェロモンに感応して回春効果をあげるくらいのことはしたいなあ。

昨日は午前中弟と待ち合わせて母を入れる施設へ出向き契約を行った。
渋沢の山際の畑のところに立つ施設で良さそうだと思い決めたが、入ってみない事にはいいか悪いかは分からない、施設の評価もさることながら、本人との相性や担当者が合うかどうかといった事が大きいと思うが、今こういった施設は混んでいて選り好みをしている場合ではない。
今日から入所できるのでほっとしている。

帰りに昼を喰おうと弟が知っているトンカツ屋に行ったら木曜定休で、近所に人気のパン屋があるというので見に行った。
外にテーブルがあり食べられるようになっていたので、コロッケサンドとソーセージサンドを買って食べた。
珈琲は美味くはないがフリーで、人懐っこい雀がやって来てパンくずを食べるので面白く、日差しが温かく、パンはすごく美味いって程ではないがまあまあ美味くていい時間を過ごした。
弟がこれが売りだという薩摩芋と大納言のロールを土産に買って夕方食べたが、ふわっとした感じで美味かった。

最近苦手な事務的なことをやっているが、ここ数か月見かけていない実印と母の診察予約が何処に在るのか分からず気になっていたので探してみた。
母の予約券は平塚市民病院に関する書類の中にきちんと保管されていて、我ながらきっちりした性格で流石だなあと感動した。
まあ、このくらい当たり前なんだけどね。
実印は銀行印を兼ねており、通帳と離して保管しなきゃと思いどこか別のところに入れたのだが、何のことはない書類入れの抽斗の3段目に入っていた。
この印鑑は輸出入サービスセンターにいたころ、総務部長を自称していたK氏が僕の書類を作成するときに印鑑が必要となり、文房具屋で買った高くても数百円の三文判である。
このK氏は九州帝大を出ているが、雄大で可笑しな性格、風貌怪異、じつに個性的な人だったが、書類作成した後不要になった印鑑を僕にくれ、楽天的で雄大稀有な人柄に肖ろうと実印にして顕彰したわけだ。
カネに困ったことが無いのもK氏のご利益に拠るところ大なんだろうなあ。
長く生きたが、その後K氏のような人に出会ったことが無く、神様がいるとしたらK氏のような人だろうなと思っている。

失せものが直ぐに見つかったので流石僕と自画自賛していたが、ものが失せるのは家の中が散らかっていて一向に整理整頓がなされていないからで、退職して4年目を迎えようとしているので、幾らなんでも猶予期間は終わった。
5度目くらいになるが、今度こそと事に当たる覚悟をしている。

夕方、大磯方面へ散歩に出かけ入念なストレッチとゆっくりした筋力トレを行った。
5時過ぎまで明るいのでのんびりと散歩して帰ってきたら、直ぐに晩飯だと言われた。
飲み過ぎで調子が悪いので酒を控えて食べたが、味気ないもので20分ほどで晩飯が終わった。
牡蛎汁、ブロッコリー、鰤の塩焼き。

母の居間でTVを観た。
「ラストトキョー」この番組は以前に観たような気がする。
歌舞伎町を自転車で疾走するタイガーマスク、妙な俳句集団、花園神社の劇団、パチンコ屋を3軒持っているオバサンが出てくる。
俳句は「赤い羽根 その胸推定 Fカップ」といった作風の人たちの集まりで素晴らしい。
演劇集団は舞台を自分たちで組み立て、こっちが本職だから実に鮮やかな仕事ぶりだ、1年に一度稽古も含めて花園神社を借りて演劇を行って、それぞれの工事現場に戻り一年後にまた集まる。
ビルが立ち並ぶ大都市新宿に人間が蠢いている姿をドキュメントした番組で面白いんだなあ。

9時からは観たいと思っていた「プロファイラー」北大路魯山人、司会の岡田准一が余り頭が良くないのにかっこつけるから嫌いで普段は観ないのだが、魯山人をやるので観た。
相変わらず岡田はかっこつけて底が浅いから観るに堪えなかったが、もう少し自然体でいたらいいのにねえ。
審美眼を身に付けるには若い頃から美しいものに囲まれていることが唯一の方法だと思うが、そんなことをやっていると人に疎まれるし、美に向き合うには凡人と妥協する訳にいかないから嫌われる。
孤高の世界で孤独に一生を過ごすのが宿命だが、美しいものが慰めてくれるんだろうねえ。
コメント
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