9月18日最後の訪問は、陽気な還暦を迎えたオヤジ、ピメカヴァ副会長ジョルディさんのカーヴ、ボイーガスです。13世紀に建てられた家が残っており、ワイン造りは600年前からやっている歴史のあるメーカーです。セラーでアルガマサという古いセメントの一種で表面を固めた、竪穴式発酵穴を見せていただきました。木、セメント、鉄、ステンレスと発酵容器の素材の変遷を了解しておりましたが、その前に土があったとは吃驚です。貴重なものを見せていただきました。ちなみに出来たワインは地下道を通ってだいぶ先の森の出口まで行き、そこからは牛だか馬で村まで売りに運ばせたそうです。そのころのワインは白黒ブドウを混醸して、ボルドーのクラレットのようなものを造っていたとのお話しでした。
ここの特徴はエノツーリズムを積極的に行っている事です。1929年より敷地内に教会を持ち、結婚式と披露宴を行なえる設備を持っていて、年間15,000人を受け入れているそうです。そこで消費されるワインの量は馬鹿に出来ないですし、直売ですから利益率も高そうです。
メルロの畑で栽培方法を詳しく説明いただきました。ラボレオと言われる草生栽培、効果の程は既に皆さんご存知でしょうが、ブドウとの競合があり根が深くはる、土壌の流失を防ぐ、水分保持の効果がある等々。デスオバールと言われるキャノピーコントロール、風通しを良くし日光を直接果房にあてることで黴系の病気予防などの効果と農薬散布料を減らす効果があるといわれておりますね。アクラレオと言われる摘房、収穫量を調整して品質を高める効果があります。収穫の時期についてはタンニン量と色素を分析して、値が頭打ちになった時がそのタイミングらしいです。昔は種を齧り中が黒っぽくなってきたら完熟のサインと判断したとのことで、実際やってみると種の中は茶色っぽくなっており、今が収穫時期だとのことでした。
試飲ワインの中に昔ぺネデスの主流黒ブドウであった、スモイと言う今では珍しい品種で造られたロゼがありました。ここでは1964年に接木をしたために現存しており、我々の畑を見たいという強い要望で、薄暗くなったぶどう園に逆戻りして、この幻の品種を手にとって見る機会を得ました。株仕立てで古木になっているので見事な姿、果房は大きくびっしりと粒が詰まっており、本来農民が持っていた畑からどれだけ沢山収穫が出来るかが腕のいい農民の矜持であった時代、このブドウがどれほど農民の誇りを満足させたかと思いを巡らせるに充分豊満な房でした。私も大きな房を下から支えていると、何故か笑みがこぼれてきました。昔取り扱っていたヌードビールのキャンペーンで来日させた、モデルのアメリカ娘の巨乳を持ち上げた時の感覚に似ていました。ちなみにかつてのぺネデスの二大品種は、白がチャレロ、黒がこのスモイで、先程竪穴式醸造穴のところでお話したように混醸してワインとしていたようです。
このボイーガスは、ピメカバからいただいた資料の地図で下見をすると、加盟メーカーの中では一軒離れて最北端に位置しており、山の上、冷涼な気候、酸が強い、エレガントなスタイルと勝手に都合の良い想像を働かせておりました。また訪問メーカー最後にあたり、残り物には福なんて思ってみたりもしていました。さて実際に試飲をしてみると、今まで試飲を重ねてきていたメーカーのカヴァのスタイルとはかなり違い、ブルット・ナチュレ・レゼルヴァ、グラン・レゼルヴァ共に黄金色に輝く色合いをしており、味わいが深く奥行きがあり、グランレゼルヴァには古香がたち、期待通りのカヴァである事が分かりました。スモイは赤に醸すと核が熟れ切らず、グリーンなところが残るのでロゼに醸し、ちょっと変わった感じのスティルワインになっています。その希少価値で面白いワインなのですが、その面白さを楽しむには少し高いかなあと思われます。
メイドさんの手料理の夕食を楽しくいただきました。ここでもハモンが前菜に出されましたが、この辺りでは、いや世界中多分そうなんでしょうが、昔農家は食べ物は全て自給自足を旨としており、このハモンでさえも例外ではなく、豚を飼って初冬に殺し保存食としていたとの事です。実はこのの件は、前週受講したスペイン・グルメ・フェアのハモン・セラーノ・セミナーでもお聞きいたしました。家族みんなが集っての、お祭りのような高揚感を持った儀式だったようです。この夜テーブルに出されたハモンは肉屋さんで購入なさっているとは思いますがね。ぶどう園の周りに植わっているオリーブの収穫も、かつては一家総出の楽しい行事だった事でしょう。ブドウの収穫も同列なのでしょうが、量が量だけに喜びよりも苦痛の方が大きいのかも知れません。収穫とワインの仕込が終わり、新酒を楽しむころは、大変な労働の終わりだけに喜びも一入であろうことは、収穫祭の乱痴気騒ぎを見れば瞭然とします。
我々の食事は乱れる事無くオルホをあおって終わりを告げ、一気藹々と帰りのバスに向かい、一日の日程を無事終了いたしました。
ここの特徴はエノツーリズムを積極的に行っている事です。1929年より敷地内に教会を持ち、結婚式と披露宴を行なえる設備を持っていて、年間15,000人を受け入れているそうです。そこで消費されるワインの量は馬鹿に出来ないですし、直売ですから利益率も高そうです。
メルロの畑で栽培方法を詳しく説明いただきました。ラボレオと言われる草生栽培、効果の程は既に皆さんご存知でしょうが、ブドウとの競合があり根が深くはる、土壌の流失を防ぐ、水分保持の効果がある等々。デスオバールと言われるキャノピーコントロール、風通しを良くし日光を直接果房にあてることで黴系の病気予防などの効果と農薬散布料を減らす効果があるといわれておりますね。アクラレオと言われる摘房、収穫量を調整して品質を高める効果があります。収穫の時期についてはタンニン量と色素を分析して、値が頭打ちになった時がそのタイミングらしいです。昔は種を齧り中が黒っぽくなってきたら完熟のサインと判断したとのことで、実際やってみると種の中は茶色っぽくなっており、今が収穫時期だとのことでした。
試飲ワインの中に昔ぺネデスの主流黒ブドウであった、スモイと言う今では珍しい品種で造られたロゼがありました。ここでは1964年に接木をしたために現存しており、我々の畑を見たいという強い要望で、薄暗くなったぶどう園に逆戻りして、この幻の品種を手にとって見る機会を得ました。株仕立てで古木になっているので見事な姿、果房は大きくびっしりと粒が詰まっており、本来農民が持っていた畑からどれだけ沢山収穫が出来るかが腕のいい農民の矜持であった時代、このブドウがどれほど農民の誇りを満足させたかと思いを巡らせるに充分豊満な房でした。私も大きな房を下から支えていると、何故か笑みがこぼれてきました。昔取り扱っていたヌードビールのキャンペーンで来日させた、モデルのアメリカ娘の巨乳を持ち上げた時の感覚に似ていました。ちなみにかつてのぺネデスの二大品種は、白がチャレロ、黒がこのスモイで、先程竪穴式醸造穴のところでお話したように混醸してワインとしていたようです。
このボイーガスは、ピメカバからいただいた資料の地図で下見をすると、加盟メーカーの中では一軒離れて最北端に位置しており、山の上、冷涼な気候、酸が強い、エレガントなスタイルと勝手に都合の良い想像を働かせておりました。また訪問メーカー最後にあたり、残り物には福なんて思ってみたりもしていました。さて実際に試飲をしてみると、今まで試飲を重ねてきていたメーカーのカヴァのスタイルとはかなり違い、ブルット・ナチュレ・レゼルヴァ、グラン・レゼルヴァ共に黄金色に輝く色合いをしており、味わいが深く奥行きがあり、グランレゼルヴァには古香がたち、期待通りのカヴァである事が分かりました。スモイは赤に醸すと核が熟れ切らず、グリーンなところが残るのでロゼに醸し、ちょっと変わった感じのスティルワインになっています。その希少価値で面白いワインなのですが、その面白さを楽しむには少し高いかなあと思われます。
メイドさんの手料理の夕食を楽しくいただきました。ここでもハモンが前菜に出されましたが、この辺りでは、いや世界中多分そうなんでしょうが、昔農家は食べ物は全て自給自足を旨としており、このハモンでさえも例外ではなく、豚を飼って初冬に殺し保存食としていたとの事です。実はこのの件は、前週受講したスペイン・グルメ・フェアのハモン・セラーノ・セミナーでもお聞きいたしました。家族みんなが集っての、お祭りのような高揚感を持った儀式だったようです。この夜テーブルに出されたハモンは肉屋さんで購入なさっているとは思いますがね。ぶどう園の周りに植わっているオリーブの収穫も、かつては一家総出の楽しい行事だった事でしょう。ブドウの収穫も同列なのでしょうが、量が量だけに喜びよりも苦痛の方が大きいのかも知れません。収穫とワインの仕込が終わり、新酒を楽しむころは、大変な労働の終わりだけに喜びも一入であろうことは、収穫祭の乱痴気騒ぎを見れば瞭然とします。
我々の食事は乱れる事無くオルホをあおって終わりを告げ、一気藹々と帰りのバスに向かい、一日の日程を無事終了いたしました。