キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

大人になりにくい時代

2013年01月31日 | Weblog
昨夜は九時に寝て今朝六時に起きた。一昨日「宵山 むらさき」から「らんぷ」へナイトクルージングしたのが効いたのだろう。
「宵山 むらさき」では小倉山を燗につけて飲んだが二人で12本ほどを飲んだらしい。正一合入っていないとはいえ少ない量じゃない。「らんぷ」ではホットバタードラム、マティーニを飲んだ。
若い頃なら何て事ないのに、年を取ると出来なくなったり、疲れがたまってどうしようもないことが多い、逆は無いのだろうかと考えてみるが直ぐに何も思い付かないところをみると多分無いのだろう。
そうしてみると世間では年寄りを意味ないものと見なしているが存外はずれてないのかもしれない。知識や経験や技術が集積されて優れたものになるのは一部の限られた人だけだとなると小人とは悲しいものだ。

村松友視「大人の達人」を読んでいるが、大人の風情を持った年寄りが如何に少ないか、また大人であることの困難さが書かれている。
多分、私は幼児性を多く残していて立派な大人になることは出来ないだろうが、せめてどうにか大人に認識される程度の大人になってみたいものだと思っている。
年を取ってから大人になるために体力や知力が要求されるとは思わなかったが、「大人の達人」には見事に大人の風情を備えた人たちが出てくるので、じっくりとその人たちが辿った道を視てみることにしよう。

さて、立春も近く光は強く日照時間も長くなってきた。


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春は貝が美味い

2013年01月30日 | Weblog
野毛の福家に出かけた。福寿の純米酒をぬる燗につけてもらい、芹の胡麻和え、赤貝、鯵のなめろう、泥鰌の柳川を喰った。清香楼へ梯子するので酒は二合で止めておいた。コーンスープと固焼き海老焼きそばを頼んで紹興酒を一瓶燗につけてもらった。

ここのところコーンスープを良くとるが、初めて飲んだのは小学生の頃で叔父が小田原の中華料理屋で奢ってくれた。こんな美味いものが世の中にあるのかと驚いた。その後コーンスープというのは在り来たりの料理になってしまった。年を取ると懐古趣味が高じてくるが、感動が薄れた部分を懐かしさが補っているのではないかと思う。この夜飲んだコーンスープも美味かった。いよいよ年を取ってきたきたのだろうか。

それ以上の梯子はせずに23時前に家に帰り着き直ぐに寝た。本当は風呂に入ってサッパリしたいのだが、死ぬ恐れがあるので顔だけ洗って風呂には入らない。4時過ぎに起きたが、起きて直ぐに風呂に入るのも良くないとのことで、少し時間を置いてから入るようにしている。「ワン・モア」の最終章を読んだ。

東海道線からの富士は見事だった。城山公園、大磯手前、平塚手前から馬入川、茅ヶ崎から辻堂に掛けてずっと眺めていた。雄大で崇高な姿を眺めていると、せこせこした世事を忘れるから富士の霊力は凄い。へぼな精神科医の下でカウンセリングを受けるよりストレスから開放される、信仰を集めたことも頷ける。

昼は天丼と蕎麦を喰ったが、中屋でもなく利休庵でもなく新しい蕎麦屋だった。ロバート・パーカーがワインに点数をつけることを、個性が多様なワインを単純に点数で評価するのはよろしくないと批判しているが、点数にすれば85点くらいであった。試験勉強で点数に左右された世代には思ったより深く点数が身体に染み込んでいる。蕎麦そのものの味は悪くなかったが、歯切れが無く、多分打ってから時間を置いてから茹でているのだと思う。酒のセレクションは多く、全て純米酒を扱っているところが大いに評価できる。肴も良さそうなのがあり、夜がお勧めの店であった。






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いつか映画を観る日のために

2013年01月29日 | Weblog
日曜日の夜、「八重の桜」と「パッキャオ」をテレヴィを観て、慌てて風呂に入り桜木紫乃の「ワン・モア」を手に取ったのが22時過ぎ、吸い込まれるように物語に陶酔していたら眠れなくなり、ふと壁に掛けてあるミニーちゃんの時計を見たら0時を過ぎていた。
こりゃいかんと寝酒にアルマニャックソーダを飲んだが尚いけなかった。
二杯が三杯になり寝たのが午前2時、携帯の目覚ましが気弱に鳴っているのに気がついて、起きたら6時を過ぎていた。
寝過ごしちゃうじゃないかと携帯をみたらマナーモードになっていた、短期を起こして叩き付けなくて良かった。
朝飯の支那饅頭を蒸し器に入れ、風呂に入り髭を剃ったらもう6時40分、慌てていたので鉄観音を淹れる予定が緑茶を淹れていた。
濃い緑茶が良かったのか気分がわりとすっきりして、ブログをアップしてから何時ものように7時30分に家を出た。
電車の中で「ワン・モア」の続きを読み、桜木ワールドに浸っている内に横浜に着いた。

昼は「宵山むらさき」で穴子重を食べて、芳林堂へ向かう何時ものコースを辿った。
今年のような寒い冬にはあつあつの茶碗蒸しと出汁は救われる、ふっくらとした味わいのある穴子も美味かった。

芳林堂では川本三郎「美女ありき」七つ森書館を購入、よくも毎日何か買うものがあるものだ。
外国人女優賞賛録のような本だが、知っている女優といってもマリリン・モンロー、ブリジット・バルドー、ソフィア・ローレン、カトリーヌ・ドヌーヴ、マレーネ・デートリッヒ、オリビア・ハッセーくらいで、しかも映画を観たわけじゃない。
この本には見事に知っている女優が一人も出てこない、読んでみてもちんぷんかんぷんだろうが、写真が多く入っているのが救いで、見て楽しむことが出来るかもしれない。
川本三郎の名前を見てパックンと食いついてしまったが、退職後DVDでゆっくりと映画を観る時の道標になるかもしれない。

我がイナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます









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桜の季節だ

2013年01月28日 | Weblog
午前中はワクワク広場まで野菜を仕入れに出掛けたが、時間が遅く大したものが買えなかった。白菜が欲しかったが気に入ったものがなく諦めて、ホウレン草、大根、里芋、山芋を買った。山芋は夜とろろ芋にして喰ったが実に美味かった。自然薯に似てひねくれた形状だったが、味わいも割と近くまで迫っていてコクと粘りがあった。

午後は平塚のBOで桜木紫乃「凍原」小学館文庫2012年、団鬼六「檸檬夫人」新潮文庫 平成13年、村松友視「大人の達人」潮出版社の三冊を買い、茅ヶ崎まで歩きBOで桜木紫乃「ワン・モア」角川書店2011年を買い足した。

桜木紫乃が二冊買えたので充実した買い物だった。安心したのか茅ヶ崎BOの隣の焼鳥屋で散歩酒をした。会津ほまれを1杯に黒糖焼酎と泡盛を飲み、焼鳥を六本食べて、塩キャベツをつまんだ、2000円は安かった。若い人がやっている店だが、味も良く居心地も良い。二俣川に本店があり、神奈川県に10店舗程展開しているらしい、16日には関内に焼鳥ワインバーを開店するとのこと。ビールはサッポロ、ウイスキーは角を使っていた、納入の酒屋も聞いたので営業をかけさせなければ。

夜、「ワン・モア」を読んだが熱中し目が冴えて寝酒にアルマニャックソーダを飲んだ。効果はあまり無く、今朝は寝不足だ。面白い本は寝る間際に読むもんじゃない、西洋哲学の本なら次のページをめくる前に眠りにつける。







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梅の前に桜が満開

2013年01月27日 | Weblog
今朝の湘南も非常にいい天気で、光が強く春めいた陽気だ。またいそいそと散策に出かけ、読書も部屋の掃除も出来ないんだろうなと外を眺めている。

昨日午前中は東に向かい、スーパーマーケットで鯖の水煮、和牛ロース、麩菓子を買った。八戸で見た鯖の水煮の缶詰がどうにも美味そうでよっぽど買おうと思ったが、味噌、煮干、身欠鰊などを買って既にどうにも重くて、その上缶詰ではと思いとどまった反動だろうか、無意識に買い物籠に入れていた。

大磯ロングビーチに出て富士を眺めようとしたが生憎雲に隠れていた。そのまま海へ下ろうとしたが南西風が強く、海岸段丘の北側を走る葛川に沿って歩いた。冬に入って小魚の群れを見なくなっていたが、今まで見た中で一番小型の魚体の群れがもやっと泳いでいた。これが昨年生まれた魚の群れなのだろうか。

二宮の裏山に吾妻山がありその頂上で菜の花が咲いている。二月上旬まで菜の花祭りをやっていてかなり多くの人を集めるらしい。駅裏の昔公民館だったところに二宮の産物を集めて「にの屋」という販売所を設けている。馴染みのパン屋の奥さんが店を出しているとのことを聞いたので寄ってみた。菜の花パンを買ったら、餡パンとチョコレートパンをおまけにくれた。どうもパン屋の女性は気風がいい。他に醤油と鯵の開きを買った。

午後は平塚まで歩き、途中楽しみにしていた高麗神社近くの梅を観たが、56輪だけの開花に留まっていた。平塚市民ホールの出張所で、障碍者の作品展をやっていたので、ペン立てに良さそうな面白い形をした陶器のコップを買った。パン屋のオネエサンのところで食パンとメロンパンを買ったが、やっぱりまけてくれた。

BOで守屋洋「中国古典 一日一言」PHP文庫2008年を買った。1987年1刷でこれは76刷のロングセラーだ、単行本は1984年に出でている。戦後民主主義の進歩派文化人の陰に隠れて読みつがれた名著だ。守屋さんの他の本を読んでいて、読みやすそうだったので「君こういったものを読んだら」と人に勧めたが、「あなたこそこれを読んで、もう少し人間を磨いたら」と逆襲された。

さくら書店には生憎知的美人はいなかったが、仕事がやけにてきぱきとしたお気に入りの店員さんがいて、多田富雄「残夢整理」新潮文庫と桜木紫乃「誰もいない夜に咲く」角川文庫にすばやくカバーをかけて精算してくれた。この女性仕事が早いだけでなく丁寧なんだよね、こういう人が日本を支えてるんだなあとつくづく思う。

昨日今日で、桜木紫乃の「氷平線」と「誰老いない夜に咲く」を読了した。久し振りに好みの小説を堪能した。舞台はすべて北海道、酪農家、漁師村などの地縁に縛られた生活者、床屋、仕立て屋などの職人、ストリッパー、歯医者、売春婦などさまざまな人間模様が描かれているが、頭が優先の女ではなく身体が自然に動く女たちの強い生き方が余韻を残す。

さて今日も何処かの街へ桜木紫乃を探す散策に出るとしよう。









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読書か散歩か

2013年01月26日 | Weblog
みちのく出張に持っていった佐伯啓思さんの「日本の宿命」が帰りの東海道線藤沢手前で読み終わった。実に示唆に富む本だったので面白く読めた。

最近規範を何に求めるかで考えた末に儒教に興味を持って加地さんの本などを読んでいるが、「日本の運命」では戦後民主主義を声高に叫んだ人たちを批判しているところから、明治維新前夜まで遡ってその発想パターンの由来を考察している。そこまで視野に入れるとすんなり合点できることが多いのに驚いたが、明治維新前夜の規範が儒教であったことを思うと、戦後民主主義で毛嫌いされた儒教を学ぶことに大きな可能性を感じる。しかし戦後民主主義を唱えた進歩的な学者が援用した理論が西洋発の輸入物だった点に問題があったとすれば、儒教も支那発の到来もので他所の理論を援用するといった点ではなんら変わらない。何事も完全なオリジナルというものは無く、すべて模倣から始まり如何に自分のものにしてゆくかが問われるとすれば、数百年かけて日本で咀嚼された儒教は生な思想では無く生活に密着したものになっているのではないか。



今朝の湘南は快晴、大寒が過ぎ日の光が更に強くなって散策にうってつけの日だ。湘南に住むものはこの日差しに誘われて海山に出かける時間が多くなる、そのため勉強の時間が削られ大人物が排出しない。しかし生活苦もあまり無いので、愛すべき陽気でお気軽な人物が多くなり加山君や桑田君の軽い乗りの歌などがもてはやされる。人生を謳歌する場所としては最高だね。







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八戸から

2013年01月25日 | Weblog
水曜日の昼のことだが、物を考えなくなった脳が身体だけは今のところ無意識に動かしてくれて、気がつけば鮨屋に座ってチラシを喰っていた。しかも首振り暖房機の前で暖かい。鮨、蕎麦、支那料理の繰り返しの昼だが、それでも穴子重が新しい昼飯のレパートリーに入っただけでも良しとするか。

喰い終わると脳が足を無意識の内に芳林堂に向けてくれる。次は自覚的に目を使うことだ、中公文庫の新刊が出ていた。しかもやけにそそるラインナップじゃないかと目を見張ったが、中公文庫40周年と銘打ってある、どうりで。
武田泰淳「淫女と豪傑」、深沢七郎「庶民列伝」、正宗白鳥「文壇50年」の三冊をとりあえず押さえたが、まだそそるものが数冊ある。これが毎月続いたらウハウハだが、中公文庫気合が入っているからやりそうな気配が濃厚である。
佐伯啓思「日本の宿命」新潮新書を前にどこかで見て買おうと思ってそれきり忘れていた。
永田和宏「近代秀歌」岩波新書も先日書評で見たので押さえておいた。

武田さんと深沢さんの本はここのところちょくちょく色々なところで出ている。こういった人たちのものが気軽に読めるのはあり難い。市場調査で採算が取れるだけの読者がいると見込んでいるんだろうが、どういった人が読むんだろうね。やはり俺のようなオヤジか、若い人が読むようなら日本の未来も明るいんだが。正宗白鳥はあまり読む機会が無い、岩波文庫に僅かにあるだけだなのであり難い。日本の文学の特徴は歌にあると思うが、戦後はあまり人気が無い、もっとも我々のような戦後教育を受けたものだけで根強い人気があるのかもしれないが、少し心を込めて読んでみようと思った。

今回のみちのく出張には「日本の宿命」をもってきた。新幹線の中、ホテルのベッドで読み進めたが、最近の佐伯さんは良い。既存の経済学の限界が見えてきたんだろうね。

今日はこれから仙台に向かう。



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萬里の餃子と八戸の雪

2013年01月24日 | Weblog
火曜日の夜、野毛の「萬里」で焼きそば、海老とグリーンピースのうま煮、麻婆豆腐、水餃子を喰いながら紹興酒を飲んだ。

肴なので固焼きそばを頼んだら柔らかいのを持ってきたので、替えてもらおうと思ったが、あまりにも美味そうなので置いていってもらった。
案の定、太目の麺に味が染み込んでいて味わい深い一皿であった。
海老とグリーンピースのうま煮は、この日半額の目玉メニューで、周りのテーブルでも皆さん頼んでいた。
グリーンピースが缶詰だったのでその分味が落ちた。
麻婆豆腐はあまり辛くなかったが、これが支那料理だという香辛料豊かな一皿であった。
ここが日本における焼き餃子発祥の地であるが、近頃何処でも水餃子を食している。
皮が水気を含んでふっくらもちもちとし、餃子はやっぱりこれだなと思う。
ちなみに若い頃はもっぱら焼き餃子を食した。しかも二皿三皿と喰ったものだ。

何時も二軒目か三軒目に来るのでボトルで頼む紹興酒が飲みきれず、持ち帰って叉焼を作るときの下味として使うのだが、この日は見事に飲み切り、少し足りないくらいであった。
飲みきれないならボトルで頼まなきゃ良いじゃないかと思うでしょう。ところが紹興酒はボトルで1,000円と革命的に廉いので、お銚子で頼むより格段に廉い。

毎度書いているが、30年前にここに通っておだをあげていた頃には、小さなグラスになみなみ注がれた白酒に、水に晒していない白髭葱と味噌が添えられていたが、今は無い。
いかにも胡散臭い横浜野毛の支那料理屋に来た感じがしたものだが、残念に思う。
仮に復活しても白酒を飲む客もいなけりゃ、生葱を肴にするなんて粋な客もいなくなってはメニューにするだけ無駄か、嫌な世の中になったもんだ。

この夜はひじょうに珍しく、ここ一軒で帰った。
お陰で寝る前に少し読書が出来、アルコールでどんどん悪くなってゆく脳に少しだけ刺激が与えられたのではないかと思う。
早朝読書で阿佐田哲也の「怪しい交遊録」が卒読できた。84円で買ったにしては実に中味の濃い本で、得した気分が一日続いた。

今日はこれから八戸へ出張だ、今年は例年になく雪が積もっているとかで現地での動きが制限される。
震災後、職人がみんな仙台へ出張って八戸の補修工事が後回しになっていたが、グランドホテルの配管工事は終わっているだろうか、折角だから先回クローズだった最上階のレストランから雪の八戸を眺めたい。




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久し振りに友人に会う

2013年01月23日 | Weblog
昨日は千駄ヶ谷の古い友人とところへ行って久し振りに話しをしたが、実に8年ぶりくらいだった。もう30年近く前に独立して広告代理店のようなことをやっていたが、千駄ヶ谷にビルを買い昨年末に新事務所としてオープンした。千駄ヶ谷駅から歩いて5分ほどの閑静な住宅街の中のひっそりとした佇まいの社屋だった。入り口の前にそこそこの大きさの楠があり、それが目印になっているのだが、社屋の周りにも色々な植物が植えられている。雪が多く残っていたが、湘南や横浜との違いを感じた。

年を取ると大きな樹木が懐かしくなり好きになると、川本三郎さんのエッセイにあったが、私の場合は子供の頃から大きな樹木に懐かしさを感じていた。特に楠は小学校の校庭にあり、古木で巨木1メートルくらいのところで枝分かれしており、そこへ上って遊んだ。

前置きが長くなったが、仕事を通じて知り合った友人というのは、友人のままでいるのが中々難しいところがあり、同じような境遇でないと付き合いにくいものだ、友人といえども人間なので妬み嫉みが親しかった間柄を引き離す。この友人も、若い頃から一国一城の主で、好きな仕事をして自社ビルまで持ったわけで成功者といえる。私のほうもやりたい事をやって、雇われではあるが社長になったので、ある種の成功者であろう。ただし、貧乏であるのであまり他人から羨まれない。

昨年、事務所開きにワインを送ったら、暮れの進物にうちのワインを使ってくれて行き来が再開し、この日会おうという事になった。お互い小さいながらも会社の経営者、しかも同じ昭和30年生まれという事で抱えている悩みや課題が似ている。孤立感を深める立場の同年令の二人が話をすれば、共感するところが多い。昔話だけでは話が後退してゆくだけだが、仕事の集大成として、今までの全ての経験と英知を投入して、何か最後の仕事を達成したい気持ちをお互い持っていたので、楽しい話が出来た。

会社の帰りに桜木町の紀伊国屋によって、読んでみたかった桜木紫乃「水平線」文春文庫金田一秀穂「お食辞解」清流出版を買った。

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春雨にはまだ早いが

2013年01月22日 | Weblog
昨夜茅ヶ崎で下車して酒を飲んだ。
肴は葱、芹、豆腐、椎茸の鱈ちり、残った汁に牡蛎を入れて食した。
酒は太平山生もと純米、美山錦で造られているが、この米の特徴が未だ良く分からない。
飲みが足りないのだろう、身体が覚えてしまうまで飲まなきゃいけないが、果たしてそれまで身体が持つだろうか。
詰まらんことを気にしなきゃいけない年になってしまった。

だいぶ遅くまで飲んでしまい、帰りに小雨が降りだした。
二宮の駅で久し振りで会った若い女が二人、嬉しそうに言葉を交わし、寄り添って雨の中に消えて行くのを見送った。
ひどく良いものを観た気がして楽しくなった。

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