桜は満開を過ぎていたが、桜トンネルに花吹雪が舞い最高の状態だった。
ここは車で艶やかな幻想の世界へ入り込むことが出来るトポスで、1年に一度その日を狙ってやってくるのに値する。
去年、この桜を母に見せたかったが叶わず、その後幾らも経たずに亡くなってしまった。
家に帰ると牡丹が咲いていた、この牡丹は昨年スマホの映像で母に見せることが出来た。
母が嫁いだ70年近く前から庭に牡丹があり、その株は僕が子供の頃は百数十の花を咲かせたが、今では数個の花を咲かせるだけだ。
母は新たに4株のボタンを植えたが、白の花を咲かせた2株は屋根から落ちた雪で枯れ、庭の東側に植えた2株が今でも咲くが、それも数十年経っていて既に盛りを過ぎ花は少ない。
父が生きていたころは庭の草取りを一手に引き受けていたが、最近は妻が庭の草取りに精を出していて、そういうことをやっていると庭に対する愛情が芽生え、牡丹にも執着が出てきたようで、庭の東にある1株がいわゆる牡丹色の花なのだが、それをやけに好んでいる。
残念ながら木が老いて去年今年と花を持たなかった。
昼は妻が何故かロシアの衛星国だったリトアニアの郷土料理のスープを作った。
昨日から何か煮込んでいると思ったが、要は牛肉のトマトソース味のスープで、スパイスにリトアニアの特徴があるらしい、じゃが芋と人参が入っていてスパゲティで食べた。
ライ麦パンで食べたほうが良かったような気がした。
サラダはホウレン草と玉葱のソース。
食後に自家製のスコーンを食べ、お茶はアールグレイ。
自転車で平塚まで行き、CD6枚と門田隆将の本を2冊借りた。
さくら書店で新刊を眺めたが、中公文庫に興味を引くのがあったが直ぐに読みそうにないので買わなかった。
地下の菓子屋で塩豆を買い、オネエサンのところへ行ったが木曜なのに休みだった。
2度連続で会えなくて残念だった。
帰りに大磯の店に寄って珈琲を飲んだ。
バリスタの男の子がアルバイトに来てくれることになって、その子に入れてもらったが実に美味かった。
同じ豆でも淹れ方によって随分違うもんで、苦みを出して濃く淹れていた。
晩飯は酢〆の鯵があったので「宮の雪」を燗して呑んだ。
胡瓜とシラスの酢の物、きゃら蕗、茶碗蒸し、塩豆、バタピーを肴にした。
途中で「菊正宗純米生酛」を冷で呑んでみたが、明らかに酒質が異なり、ここ数年呑んでいたので馴染みの味で美味かった。
グラッパを持って奥の8畳に行き、松原みきと中森明菜を聴いた。
部屋を暗くして聴いていたので読書はしなかったが、音楽を真剣に聴くのも読書に劣らず大いなる悦楽だね。
ベートーベン好きの妻には詰まらないと云われているが、本来歌垣が歌謡の原点だから、歌詞が無ければ恋心が伝わらない、インストの原点は戦い前の戦意の高揚や恐怖心を麻痺させるものだったので、トランス状態に入る手段だったからそれなりの効用はあるんだけどね。
いよいよクラファンも今日が最後だ、すでに一時目標は達成しているので気が楽だが、なるべく多くの人に知ってもらい開店後に来てもらいたいので、是非クリックして内容を見てください。
最近、大磯のお店には都内や千葉からのサイクリングの人たちやドライブで伊豆箱根にやってくる人が立ち寄ることが多く、直ちゃんがやっている「大磯落語茶屋」などは、もう一人では手いっぱいで、これ以上は無理だと嬉しい悲鳴を上げている。
実際、落語会も3か月先まで席が取れない。
商売っ気が無いのが人気の秘密でもあるが、イナリヤトも多少商売っ気を出さないと存続が危ぶまれるのでチョット真剣にハーフシリアスでワインを売らなくちゃね。