昨日の昼にトンカツを何枚揚げたか知らないが、今朝残ったトンカツでかつ丼を作って食べた。
朝のかつ丼は美味い、胃腸が頑健に出来ているからなのかもしれないが、朝のビーフステーキ、カレー、かつ丼はもっとも好むアイテムで、特に二日酔いの時には身体が欲する。
特に今朝のかつ丼は実に美味く作れた。
冷蔵庫の水出しの出汁に味醂と醤油を入れ、玉葱を少し煮込んでからトンカツを入れ、最後に溶き卵を回し、蓋をする。
この蓋をするのはプロの料理人から教わった。
丼飯の上にこれを載せて最後に三つ葉をトッピングする。
味噌汁はシメジと豆腐で白みそ仕立て、漬物は件の白菜づけを出した。
朝かつ丼は朝から贅沢な気分になれるし、何しろ敏感な舌と半日の絶食後の身体に染みわたるエネルギーを感じ取ることが出来て実にいいい。
それに朝からフライを揚げるのに抵抗があっても前日のトンカツを使って出来る。
まあ、揚げたてを丼にしたほうが美味いが、揚げたてはトンカツとして喰った方が肉の味わいを堪能できるような気がする。
もっとも妻が昼にトンカツを揚げるのは、かつ丼を喰いたい一心からなんだけどね。
そういった意味では、かつ丼フリークの妻の方がかつ丼の味を極めているのかもしれない。
僕がトンカツを喰っている時に、隣でかつ丼を食べようとする妻を見ると、丼飯の上にこれ以上盛ると崩れ落ちる状態までに、トンカツと卵と玉葱が積み重なっていて、その上に三つ葉が降りかかっている。
先ずは日本人の習性でご飯の姿を見ないと安心しないから、盛り上がった具の隙間から箸を突っ込み飯の姿を確認するんだが、触れなば落ちんの状態だから、そんな事をしたら脇からトンカツや卵や玉葱が落下するんだね、そいつをそうはさせじとするからとにかく慌ただしいこと凄まじきかなで、飯を喰っているんだかふざけているんだか良く分からない状態になる。
それを呆れかえって見ていいると、見ないでよと叱られるけど、こんな面白いものは無いからずっと見ているわけだ。
まあ、妻の事はともかく、結局は何時もと変わらない一日なんだけど、朝かつ丼はその日一日を希望に満ちたような気にさせてくれるし、実際ハイカロリーなので朝から全力で事に当たることが出来るから、一日を有効に使えるというわけでお勧めだ。
午前中全力を出し切って何かしたら、午睡を取ればいいわけで、小春日和のガラス窓越しの陽が快楽なんだなあ、一日に何度も場所を替えて快適さを追求しているマルの気持ち分かるなあ。
音楽を聴いていてうっかりJA湘南へ行く時間を過ぎて仕舞、慌てて自転車に飛び乗って出かけた。
既に一通りのお客が買い物を終わり、それでも野菜が残っていたので、長甘唐辛子、獅子唐、銀杏、小松菜を買った。
昼に「獅子舞」に行きラーメンを食べて、その後、娘の店「マーリモンターニュ」でシャッターを開けたり、グラスワインを注いだり、量り売りの訓練を受ける予定らしい。
僕の方は急に資金がいるとのことで、平塚の三井住友まで娘の車に乗って出かけ、カードでイナリヤトへ送金しようとしたら、100万円までしかできないとのことで、窓口に案内され待っていたら思いの外時間を喰ったが、無事に送金できたから良しとしよう。
振り込め詐欺の防止で不便も多いが、損害を少なくするにはこれも仕方ない。
娘に「獅子舞」へ送ってもらい、妻を待って拉麺と餃子を食べた。
獅子舞拉麺は500円で、ボリュームがあり、さっぱりしたストレート麺にキャベツと玉葱、茹でた鶏が入っていて、細切り唐辛子が載っている。
薄い味で胡椒、山椒、ラー油と足しながら味の変化を愉しむようになっている。
濃い味の好きな妻がこのラーメンは美味いと云って気に入った様子なのが意外だった。
例により妻は、女将から大盛は麺が二玉入っているから厳しいですよ、と言われたのに大盛を頼んだ。
隣で見ていても物凄い量で、さすがに最後は、あなた食べる?とか言って丼をこっちへよこしたが、並の拉麺でもかなりのヴォリュームで、しかも餃子をほとんど食べていたので、ほんの少し麺をいただいて丼を返した。
多分、化学調味料を使っていないと思うが、柔らかな味で、目一杯食べたのに水を飲みたくもならず、気分も悪くならない爽やかな食後感だった。
大磯の友人から噂を聞いて10年前から何度もトライしたが、何時も休みで食べられず、長年の念願がかなった。
噂通りのいい拉麺だったし、女将の人柄が実にいい。
開店日がはっきりしたので、今後は空振りなく通うようになるだろう。
娘の店へ行くと未だ閉まっていた。
お歳暮のオーダーが入り倉庫で包装をしてから店を開けると云っていたので、待っている間に、大磯図書館に入って利用カードを作ってもらい本1冊CD5枚を借りた。
油井正一「ジャズ昭和史」DU BOOKS 2013年 3,800円+税は、670頁の大冊で、油井さんは最初、髭を生やしたジャズ愛好家にありがちな感じの人かと思っていたが、背広を着た固い感じの人で驚いたが、Jazzの解説も学研肌で、持っていたJazzのイメージを根底から覆した。
12月10日までに返却だが、それまでに一度目を通しておきたい。
helen merrill 1955
これはクリフォード・ブラウンとのアルバムで、名盤中の名盤、Jazzに関心のある人なら、ヘレンがマイクの前で歌っているブルーのジャケットが脳裏に焼き付いている。
松原みきのアルバムで「You'd be so nice to come home to」を初めて聴いていたが、このアルバムにも収められているコール・ポーターの名曲だ。
The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco 1959、Cannonball Adderley SOMETHING' ELSE
キャノボール・アダレイは何故か持っていなくて、2枚借りた。
サムシングエルスは有名な盤でジャケットを何度も見ている。
収録曲の「Love for Sale」も松原みきのアルバムに入っていて馴染みがある。
Art Blakey and The Jazz Messengers
モーニンが入った有名なアルバムで、「美の壺」のテーマになっているから耳馴染んでいる人が多いと思う。
「美の壺」の初代のナビゲーターが谷啓だったので、ジャズを使ったんだろうなあ。
初めてこの曲を認識したのは小雪と浅野忠信の「ロンググッバイ」で繰り返し流された時だった。
Wilhelm Furtwangler Beethoven Symphony No,9 Berlin 19.4.1942
フルトヴァングラーに興味を持っていて探したが、これしかなかった。
持っているのが1951年録音のやつで、各楽章の演奏時間を比べたらほとんど同じなので、正確無比な指揮をしているんだろなあ。
まあ、絶対音感は当然として、リズムも98とか105とか正確に刻めるのが当たり前なんだろうけどね。
マーリモンターニュでイタリアのオレンジワインをアーモンドとクランベリーを摘まみにして飲んだ。
家に帰ると
Artur Rubinstein RACHMANINOFF Concerto No.2が来ていた。
4時過ぎに大磯方面へ軽く散歩に出て、5時過ぎから相撲を観た。
阿炎のツッパリが貴景勝に通用して、どん底から這い上がってきた男の強さを観た。
落ちる前はどうしようもないやつだと云っていた錣山も、この姿を見て悦に入っているんじゃないかな。
風呂に入って晩飯。
小田原のメジマグロの刺身、同じく小田原の鯖のマリネ焼きと、もう一品酷く凝った料理を作っていたが、何故朝獲れた鯖を塩で焼かないのか疑問だな。
新鮮な鯖の美味さをそのまま味わう贅沢っての分からないのかなあ。
「菊正宗純米山廃」を燗にして刺身と風呂吹き大根、炒り銀杏で2合徳利2本呑み、ティーチャーズのソーダ割りでポトフを食べた。
9時からの「新日本風土記」奥静と「ドキュメンタリー72時間」新大久保の24時間営業290円弁当店を観た。
「ドキュメンタリー72時間」にはあらゆるタイプの人が出て来るので酷く興味深いし面白い。
その余韻を感じながら、今日借りたジャズアルバムを聴いた。
イナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます