キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

鰆神経〆

2020年01月18日 | Weblog
朝から雨が降っている、温暖な冬の湘南と言えども氷雨が降ると日差しがなく寒い。
特にお吾妻さんと言われる吾妻神社の祭礼がかつて行われた小正月の15日前後は、この辺りで塩手陽気という雪や霙混じりの冷たい日が現れる時期で、やけに明るいこの地方でも冬の寂寥感が感じられる。
今日はそういった一日になるのではないか、ここの所夕方の散歩で日が長くなったのを実感し春の兆しを感じるが、寒さは今が一番厳しい時である。
地上では光と温度が1か月差で変化し、海は2か月差で変化する。

三日前に漬けた白菜が、昨日出してみるとすでに食べられるようになっていたが、暖冬の反映なのだろう。
30年前に先輩に連れられて岐阜の山奥の猟師宿で白菜漬けを食べ、納屋で凍ったのを輪切りにして供され鮮烈な味わいに感激し褒めたら、漬かるのに時間が掛かるが食べ頃が長いと宿のオヤジから説明を受けた。
暖冬の湘南では直ぐに漬くが、直ぐに酸っぱくなってしまう。

JA湘南へ自転車をこいでゆくが、往きはなだらかな登りになっていて、最近すごくきつく感じるようになった。
3年前に会社を辞め毎朝自転車をこいで脚の筋肉が付いて体力が増進したのを感じ嬉しくなったが、ここへきて同じことをしても体力が衰えるんだなあと実感して哀しい気分になっている。
散歩にしても同様で最初の頃は2時間くらい歩いたものだが、近頃は多少早歩きになってはいるものの1時間で疲れる。
よく言われるように幾つになっても運動をすれば筋肉が付くが、年を取るにつれその運動ができなくなるんだよなあ。
昔、河合隼雄が、年を取って夕日がイメージの中に出てくるのはいいが、朝日が出てくると問題で、思い残し症候群の傾向があり、若い頃できなかったことをやろうとして、肉体と精神共に無理があり病の形で現れるというようなことを書いていた。
年を取ったら登り坂のイメージを下り坂に変えないといけないってことだねえ。
世間は下り坂を悪いものとし、何もしなくても歩いてゆけるというプラスの面を考えないから、年寄りに頑張って坂を登れと叱咤激励するんだが、せっかく目の前に楽な下り坂があるのに振り返って坂を登れってのは馬鹿げたことじゃないのかね。

昼、ピザと菓子パンを牛乳とともに食べた。
何故か妻があなたにお土産と言ってナボナを大量に買って来たので、アールグレイを淹れて食べた。

夜、本当に久し振りに湯豆腐だった。
妻が小田原の神経〆した鰆があったので、高かったけど買ってあげたと、自慢げに前振りをして刺身を出してきた。
自分でも食べるから事実は違うんだけどね、ともあれ身が締まっていてじつに美味かった。
鰆は美味いが身が軟弱なのが欠点だが、直ぐに血抜きをして神経〆すると程よい状態が保たれるようだ。
「大山樽酒」をぬる燗にして呑んだのは言うまでもない。

コメント
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