キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

小正月考

2020年01月13日 | Weblog
正月休みが終わり、一週間後に3連休があるのはいいねえ、もっとも毎日が休みの僕には関係ないんだけど、働いている人にとっては、いきなりエンジン全開で働くのはつらいから、この成人式の休みが月曜になったのは良かったんじゃないかな。
でも、以前の15日の休みは小正月に重なるから、伝統を維持するうえでは不都合な感じがするよね。
僕の住んでいる辺りでは、この女正月ともいう15日に「お吾妻さん」という吾妻神社の祭りがあって人寄せをしたので、父母とも兄弟が多かったから20人くらい親戚がやってきて酒を酌み交わし血縁の絆を確認し深めたんだなあ、親戚のオジサンからお年玉をもらうのもこの時で、新年の華やかな気分がこの日まで続いた。
女正月とは正月に忙しく働いた女の人を休ませる日で、お嫁さんが生家へ帰り息を抜いたとも言われているが、人寄せをするんじゃそうはいかなかったはずで、うちの母は前日から料理を作ったりと忙しくしていた。
この小正月の前の日に左義長、どんど焼きというのが行われて、お飾りや古い御札を炊き上げて年の神を送るから、お正月気分を払しょくする意味もあったのだろう。
下の息子が大磯の左義長に行き、8時ころ団子を持って帰って来たので、無病息災に暮らせるというから一つ二つ摘まもうとストーブに載せて温めて喰ったが、これが存外美味くてつい後を引き5,6個喰ってしまった。
上新粉をお湯で練って丸めたものだと思うが、焦げた風味があり噛んでいると甘みと旨味が出てきて、素朴な味わいがいいんだなあ。
ともあれこれだけ喰ったから今年は病気にならないだろう。

昨日の朝は10時に下の息子と七沢の母のところへ見舞いに行き、昼を作るのが面倒だから外で何か食って来てと妻に言われ、伊勢原の山間の蕎麦屋へ帰りに寄った。
これで3回目だが、最初に喰った10割蕎麦が美味く、二度目の鰊蕎麦はあまり美味くなかった。
再び10割蕎麦を食べたが最初の時より風味がなくボツボツと短く切れたので少しがっかりしたが、蕎麦はその日によって出来が違うから出来のいい日に当たるまで来るんだろうなあ。
息子は最初が鴨せいろ、今回が鴨南だったが美味いと満足していた。

午後は母の居間で暖房を点け、音楽を聴きながら丸谷才一のエッセイを読んだが、ぽかぽかしたところで心地よい音楽を聴いていたのでうとうとしてしまいほとんど眠っていた。
それでも70ページほど読み、丸谷節を愉しんだ。
この人とはずいぶん昔からの付き合いで、もちろん著書を通しての付き合いだが、野坂昭如の襖の下張り裁判の弁護人になったことで知り、日本語に関するエッセイを買って読んだのだが、40年くらい前の事だろう。
その後、目に付くと小説にしろエッセイにしろ買い求めたが、小説は1冊も読まず、エッセイと書評をことあるごとに読み続けてきた。
文章と内容の質が高く、しかも面白いから、質が高けりゃ当然面白いんだけど、何年か前に亡くなってしまい、新刊が出ないのを寂しく思っている。
同時代の人で面白い人が少ない、あるいは知らないので、近頃は国際政治と経済学に興味が移ってしまったのかもしれない。

4時になったので散歩に出たが、小雨が降り出してしまい、大磯の途中までで引き返してしまった。
相撲が始まっているので、早めに風呂に入り観た。
横綱2人に新鮮味がなく、またそこを切り崩すはずだった大関陣、栃ノ心にしろ高安にしろ陥落してしまったので盛り上がりに欠け、炎鵬一人でもっていたようなところがある。
今場所はその炎鵬が上位陣と当たるところまで上がってきているので、それが大きな楽しみだが、
ここの所、急に力をつけた朝の山と、怪我からだいぶ復帰してきた貴景勝が目玉か。
この3人いい相撲を取って勝った。

晩飯は日本海の寒鰤の刺身があり、これが実に美味かったな。
太平洋側の鰤と味の深みが違うねえ、「菊正純米辛口生酛」の燗で呑んだが最高だった。
他に、妻が誰かのレシピで試作した野菜と牛肉、野菜とチーズの二種のサラダ、カリフラワー、野菜と肉を煮込んだトマト味のスープがあった。

NHKスペシャル「あぶら」はオメガ3の脂肪が健康を維持するらしく、日本人の場合伝統的な、と言っても何時頃のことなのか分からないが、要は揚げ物や炒め物、養殖した肉を喰わなかった時代の食事が良いらしい。
確かに野生の猪の脂身はさっぱりして身体に良さそうな感じがするよね。
牛肉は牧草で育てた肉にオメガ3があるらしい、OGビーフがグラッシーで青臭くて不味いと言われていたが、あれが身体にいいわけだ。
「贋作 男はつらいよ」はあまり面白くなかったが、好きな松下奈緒は芸能界に汚れない感じがいいねえ。
「映像研に手を出すな」も1回目ほど面白くなかったが、今後の展開に期待しよう。
それでも色彩はいいねえ。

コメント
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