キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

「鳥」は美味い

2020年01月17日 | Weblog
七沢リハビリセンター病院にいられるのは2月10日までで、その後老人保健施設へ変わらなければいけないのだが、何処もいっぱいで空きがなくこの二週間ほど担当の女性に探してもらっていたが、可能性のある施設が渋沢にあり、妻と一緒に面談と施設見学に行って来た。
日本は老人社会になり急速に対応する施設が増え、うちの近所にも有料老人ホームや介護の支援をする会社などがいくつも出来たが、それぞれ役割が違い一貫した施設が無いので都度行く先を探して移動しなければならない。
しかし、ここの担当者から頻繁に環境が変わると高齢者はそれについてゆけず病や機能が悪くなってしまうことが多いと聞いた。
実際、この老人保健施設も基本的な入所期間は3か月で、その後特別養護老人ホームへ移らなければならないから、母のように大腿骨骨折をして緊急入院した場合、短期間で4か所を回らなければならない。
母の場合、今のところ頭はしっかりしているので自分でトイレが出来れば家に帰って介護が可能だが、24時間365日トイレの度に介添えしなければならないとなると家族が参ってしまう。
オムツだと本人も不快だろうし急速に衰えることが分っているので嫌なんだよなあ。
芸能人が親の介護の事を書いたものがあるが、読んだことがなく、知人の経験も大変だとは聞くが具体的なことを詳しく聞いていないので他人がどのように対処しているのか良く分からない。
こういったことは個人的に対応して、行き詰まったらケースワーカーや各施設に相談員がいるから都度解決していこうと考えているが、そういった専門家は年寄りと家族の間に発生する多くの問題に遭遇しているから臨床の知というべきものを持っていて頼りになる。
多分薄給なのに全身全霊で対応してくれる人が多く、こういった仕事に従事している人たちに国や自治体がが予算を割いて倍くらいの給与を出したらいいのになあと思う。
例えばAトリエンナーレも不必要だとは思わないが、左巻きが助成金に群がる構造をいい加減に止めさせ、予算配分の優先事項を見直したらいいと思う。

昨日は朝からZARDを聴きながらワイナリーの設計の基本的なことを考えていて、湿度が高い日本でブドウを栽培するときには海外の乾燥地帯の垣根方式より、日本で行われている棚方式のほうが良いんじゃないのかと思ったりしていた。
午後に出かけた施設がある渋沢はZARDの坂井泉水(蒲池幸子)の出身地で、小田急渋沢駅に流れるメロディは「負けないで」と「揺れる思い」だ。
ファンというのは楽曲を聴いているだけでは飽き足らず、生家を訪ねてみたり、通った小学校や中学、高校などを訪れてみたくなるものだ。
内気で大人しい美貌の女の子が500枚の紙片に言葉を書きつけ、それを曲にはめ込んで153曲の楽曲を発表し、その内3曲はミリオンセラーとなった。
その美意識を育んだものはきっと渋沢界隈の風土と交友にあったのだと思うし、大人になってからの恋もそこに大きく左右されている筈だからねえ。
せっかく近所にいて時間があるのだから、その辺のことを調べてみたいと思っている。
現代詩を口ずさむ人を知らないが、多くの人がはやり歌の歌詞を口ずさむ。
J-popや歌謡曲の詩が人々に親しまれているのに比して、現代詩人は現代を捉えられていないということで、如何に深淵な詩論を語ったところで虚しい。
坂井泉水の詩句にはおかしなところもあるが、こんな言葉がここで使われるのかとの驚きや、曲に合わせて本来のアクセントと異なる発語や意識的にそうしているんだなあと思われるアクセントがあり、これって昔山口昌男がロシアフォルマリストの理論から援用して文学を論じた時に使った異化作用てやつじゃあないかと思い当たり、でも高度な技術を駆使していたわけじゃなく、それを無意識にやっていて、やっぱり美意識がなせる作詞であったと思う。

昨日の昼は何時ものように妻がマサに行き、かき揚げと烏賊の天婦羅を買って来て、昼は天婦羅蕎麦にすると宣言した。
昨日の晩飯は肉豆腐で、牛肉がたっぷり入っていたうえに絶対量も多く、じつは朝、残った肉豆腐を牛丼にして食べたのだが、昼には揚げ物となると痩せる暇がないわけで、脳が脂肪摂取による快感物質に完全に中毒していて禁断症状を乗り越えないとあっさりとした食事に戻れそうにない。
鰹と干し椎茸で出汁を取ったので、50%蕎麦粉の乾麺であったが、出来合いの天婦羅とは云いながらそれなりに美味かったから困りもんだよなあ。
食前に肉まんを喰い、食後にキウイフルーツを喰ったので過剰カロリー摂取は妻のせいばかりとは言えない。

渋沢から帰ったのが4時過ぎだったので慌てて大磯方面へ散歩に出た、何時もストレッチを行う公園に就学前の女の子が3人砂場で遊んでいたが、大磯は子供に見知らぬ人でも挨拶をさせるいい習慣を持っていて、3人と親しく挨拶をし仲良くなったので、別れ際お見送りをしてくれた。
うちの娘もこの年頃の頃は目に入れても痛くないくらい可愛かったことを思い出した。

相撲は炎鵬と遠藤が勝ち実に良かったなあ。
炎鵬は何れ疲れや無理がたたって今のような動きが出来なくなるだろうが、怪我をしないようにして当分相撲の愉しみを味あわせて欲しい。
遠藤は怪我の具合がいいのか、ここの所相撲の巧さを発揮して愉しませてくれているが、30になる前に三役から大関を狙うくらいのつもりでいて欲しいもんだ。

晩飯はマサから帰った時に妻が自慢げに鰤、鯛(養殖)、鱈を見せびらかしたが、鰤は煮つけ、鯛と鱈は揚げ物になり酢醤油と刻んだ分葱がかかっていた、豚のひれ肉とバラ肉のワイン漬けグリル、ブロッコリーとカリフラワー、叉焼とセロリ、レモンの蒸しご飯、鮭と大根、人参、ジャガイモの汁などがあり、ディエゴの赤ワイン「鳥」を開けて飲んだが、肉のグリルと鰤煮には良く合って美味かったが、この赤はワインそのものが実にしみじみと美味いなと思う。
ディエゴとは知り合って10年以上になるが、最初はモンペリエのワイン展示会で会ったと思う。
彼がコンサルタントをしていて造った赤が、ピノ・ノワールが持つ優雅さがあり感心し取引を始めたが、その赤を持って東京の展示会に出ていたのはディエゴの親友で、その赤の造り手と会えて嬉しかった。
その後、ワインの売り上げが伸びないことを責めることなく、どんなワインが造りたいんだと言ってくれて、一緒に日本向けのワインCuvee Takaを造ったのだが、コストを絞り込んだため彼の力量を生かしきれず残念だった。
会社勤めの頃の売り上げ至上主義を反省し、今はまず満足できる品質のワインかどうかを優先してワインを取り扱うことにしている。
それにしても「鳥」は僕らの目指したワインにおおよそたどり着いていて美味い。
コメント
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