電脳筆写『 心超臨界 』

悲しみは二つの庭を仕切るただの壁にすぎない
( ハリール・ジブラーン )

人間通 《 恋愛——谷沢永一 》

2024-05-13 | 03-自己・信念・努力
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恋愛は一時の興奮にすぎない。結婚においては出発点の経緯(いきさつ)など問題ではなく、一日一日の過程を賢明に生きる心働きに左右されるのである。


◆恋愛

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p64 )

明治25年、北村透谷が「恋愛は人世の秘鑰(ひやく)なり、恋愛ありて後(のち)人世あり」と書いた。秘鑰は秘密の庫を開ける鍵(かぎ)、人世は人の世の中を指す。人が何を言おうと書こうと勝手であるが、この一句に代表される恋愛至上主義が近代日本では多くの男女を金縛りにして悲哀の底に沈ませた。結婚に至る経路としてはほぼ三通りが考えられる。第一は親切な誰かの計らいによる紹介結婚、第二は遠縁や幼な馴染(なじみ)や近くに住んでの顔見知りや職場を同じうするなど、特に惚(ほ)れたとか夢中になったのではないが好意を抱き冷静に人柄を見定めての縁故結婚、そして第三が大騒ぎ逆上(のぼ)せての恋愛結婚である。この前二者の経過で結婚した男女は絶対に絶対的に絶望的に生を終えるまで人の世の実相を把握できないと透谷は曰(のたま)うのであるが、そういう言い立ては背理であり人を貶(おと)しめ蔑(さげす)むための傲慢(ごうまん)で排他的な特権意識の発作である。

世には人の心を安らかに落ち着かせ幸せな気分を齎(もたら)す激励の論理があり、逆に人を悲しませ嘆(なげ)きに沈ませ己れを不幸と思いこませる侮蔑(ぶべつ)の論理がある。紹介や縁故により相性(あいしょう)をよく見定めた上で平穏な結婚生活に入り互いに敬愛の情を抱いて偕老同穴(かいろうどうけつ)に至る幸福な夫婦をして、自分たちは遂(遂)に人の世の奥に潜む人情の秘密を知り得なかったのだと深く気落ちさせる言い募りは人間世界に限りなく不幸と嘆きを生じさせる悪魔の論理である。恋愛は一時の興奮にすぎない。結婚においては出発点の経緯(いきさつ)など問題ではなく、一日一日の過程を賢明に生きる心働きに左右されるのである。
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