西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

芸者

2015-06-25 | 浮世絵
これは磯田湖龍斎(1735~1790・享保20~寛政2年)の浮世絵
「風流十二支」だ。
掛け軸の絵が蛇なので巳年の図だろう。
1770(明和7)年の作とある。

芸者が三味線箱から三味線を出して調子を合わせているところで、
唄本を広げてている所を見ると、これから稽古をするのだろう。
黒い箱が三味線の箱だが、延べ棹の箱ではなさそうだ。
サイズ的には二つ折れの三味線か。
もう一人の女は前帯の遊女だろう。

それにしてもこの三味線、おっぱいのあとが6つもある!
おそらく八ツ乳(やつじ)というもので、
生まれたての猫の皮をまる一匹張ったものだろう。
皮が薄くて音量も小さい。


芸者

2015-06-24 | 浮世絵
これも磯田湖龍斎(1735~1790・享保20~寛政2年)の浮世絵だ。

1776~81(安永5~10)年頃の作で、
「今様妓女六歌仙」とある。

美人芸者六人を描いたもののうちの一枚で、
「思い出でて 恋しき時は初雁の なきてわたると人は知らずや」
と大伴黒主の和歌が書いてある。

不思議なことに、この絵の三味線にはネコのおっぱいが描かれていないのだ。
何でだ。

   

大阪芸大

2015-06-23 | 仕事関係
きょうは大阪芸大の日です。

時々キャンパスで過去の教え子に会ったりするのですが、
2年、3年になった彼らはどことなく成長した感じがします。

向こうから声をかけてくれるのも嬉しいものですよ。

       駅のそばにある、スクールバス乗り場。
       電車が着くと学生があふれ、バスはピストン運転になります。
       



芸者

2015-06-22 | 浮世絵
これも磯田湖龍斎(1735~1790・享保20~寛政2年)の浮世絵だ。
1768(明和5)年作で、「風流人倫十二想 妓婦」とある。
妓婦とは芸者のことで、風流な関係の客と芸者という意味だ。
もちろん吉原芸者ではなく、岡場所の芸者。

この絵の三味線の皮にも点が4つ描かれている。
同じ時期の他の浮世絵師の絵には見られないということは、
一体何を意味するのだろう。

遠目からは干からびたネコの乳首など見えないのだが、
「ネコの皮だぞ」とことさら強調して描いているように思えるのは、
やはりこの頃からネコを張るようになったのだろうか。
それにしてもこのおっぱいの位置はおかしい。

   

江戸芸者

2015-06-21 | 浮世絵
これは磯田湖龍斎(1735~1790・享保20~寛政2年)の浮世絵
「風流江都名所八景・新大橋中州四季庵晴嵐」だ。
1776(安永5)年の作とある。

中洲は安永2(1773)年に大川の中洲を埋め立てて造られた新興の町だ。
ここには多くの料理屋がありましたが、四季庵がもっとも大きな料理屋だった。

芸者の持っている三味線の皮にわざわざ黒い点が打ってあるのが気に掛かる。
これはネコ皮を意味するものだろうか。
ネコの皮は乳首が8つあり、それを半分にして三味線の表と裏に張るから、
片面に4つの干からびた乳首が残る。
それをわざわざ描いたとすれば、位置が変だがこの絵のようになるのだろ。
しかし、この時代には犬皮が主流だったはずなのだが、
もっと調べてみる必要がありそうだ。