とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

稀代の相場師 荒れまくる場 --ドナルド・トランプ米大統領誕生に添えて(1)

2016-11-11 23:18:56 | 海外・国内政治情報等
世界というディール(賭場)の場で、あるプレイヤーは脂汗を流しながらカードを待っている。
他のあるプレイヤーはややクールに決めているが負けがこんでいる。
他のあるプレイヤーは勝負の場から降りてしまった。

この中でも、勢いは衰え気味とは言え、一人勝ちをし続けるビッグプレイヤーはいつでも勝負を制してきた。
膨大な富と決断力、情報量を背景に、いつでも果敢に攻めてきた。
情報はコンピュータから無尽蔵に手に入るらしいが、しかし他人からの情報網はかなり弱く、友好的には何も教えてもらえないらしい。
何かを教えてもらうのにも、小切手を切って「この金額でやってくれ」というような品の無い連中である。

ブラックジャックなどでは、ゲーム中、何度も無謀なヒットをしてバストを繰り返してきた。そのたびに盛り返してきた。
しかしそうとは言っても、今現在、相対的に勝ち続けている状況には変わりない。
そしてこのビッグプレイヤーが出すカードは、信じがたいほどの影響を他のプレイヤーに及ぼすのだ。


重要な勝負の折り目、このプレイヤーの出すカードに、皆の注目が集まった。
次のカードはクイーンか、ジョーカーか。


そのプレイヤー以外の誰しもが、クイーンの安全牌を出すのだと思った。
クイーンでも若干の悪手ではあるが、ジョーカーよりマシ。
そうでないと我々も破綻する。情報網は一気にクイーンへの期待値を押し出した。

そこに誤りがあるとするならば、それは冷徹なリアルの観測値ではなく、「こうであって欲しい」という主観の願望がかなり入ったものだったということになる。


結果、そのビッグプレイヤー--アメリカ--が出したカードはジョーカーだった。
アメリカの中でも葛藤はあっただろう。
しかしジョーカーを出さないと、場よりも自分の手持ち札が危ないという、かなりの危機感の反映だ。

ジョーカーを出すなどという大博打は、アジアの一国、例えばフィリピンなどだけがやっていいものだったはずだ。
かなりの労力は必要になるかもしれないが、フィリピンに強権政治が生まれようとも、国際的な地政学的変動は制御できないわけではない。
しかしアメリカは別だ。他国に影響を及ぼしすぎる。

しかしアメリカは他国の都合、場がどうであるか、ということには関心が無かった。
増大する移民に対する不満、現行の世界に対するアメリカの役柄を放棄したがっていたのである。
それまでの世界の方程式が、アメリカを権力者として定義し続けたが、アメリカは致命的にそれを嫌がるまでになってしまった。


世界に影響を及ぼしうるアメリカの大統領に、冗談のような人物が、冗談のような形でなってしまった。
彼はそれこそディール(取引)の世界でやってきた人物で、あまつさえは、名前すらも「トランプ」。

まるでアメリカのホームコメディの安直な設定が画面からそのまま飛び出してきたようなリアリティの無さを感じる。
だが紛れも無く現実である。


各国政府は、この場をひっくり返すほどの一手に対してディールの先を読み、シナリオを用意して、そのカードをカードの山にそっと差し込むつもりだ。
今後の世界はどうなる。これが読めない。


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