とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

仕事の恨み節

2023-08-27 17:01:36 | 会社での出来事
学問のすすめ 福沢諭吉

諺にいわく、「天は富貴を人に与えずして、これをその人の働きに与うるものなり」と。


と言う言葉に感銘を受けたが、実は現実の世界はそうではなかった。

私がとある会社を離職して後、別の会社に転職した。
入社当時は全く事情が分からなかったが、構造としては、日本の大企業における三階層下の会社であった。
大企業があり、その下に子会社があり、更にその下に協力会社がある構図であり、その場所に私が入った会社があった格好になる。

私はその時の仕事を一生懸命に頑張った。
一番上位の会社の課長の代わりでの打ち合わせの代打にも出た。
が、金や評価は私の方に回ってこなかった。
原因は、様々である。

まず、ミクロの私個人の視点で見れば、上位の会社での頑張りや成果と言うのは、下位の会社の評価対象にならないと言うものがある。
いくら私個人が頑張っても、親会社→子会社→協力会社の関係の中で、「あなたはこの範囲内で仕事をしてね」と言うことでしか認識はされない。一方において、仕事ができる人間にはバンバンに仕事が振られる(そしてそれは評価されない)。

マクロの視点で見れば、構造的な問題がある。
トリクルダウンが金銭の流れ的に起きないのである。
具体的な金額はここには記載しないが、私が仕事をすることによって発注できる金額が120だったとして、その取り分が親会社が30,小会社が30、その協力会社が30取って、税金やら年金やら保険で引かれて、私に回ってくるのが20くらいである。
と言うかITでの事業が〜みたいな感じで政府が統計を出しているけれども、あれって8割くらいが構造で搾取している金額なんであって、こっちに回ってくる金額は実質2割以下よ? それみんな分かっているのか。

さて、親会社においては、給料が良い、昇進も確実と来て、古くからある企業なので労働組合がしっかりしている。
一方において、一番下の会社は給料が安い、昇進要件も決まっておらず、気分でそれがなされる(私が聞いた驚愕の昇進要件は、「上の会社から天下りで降ってきたおじいちゃんといかに何回酒を飲むか」と言うのと「経理に便利エクセルマクロを渡すか」の2つで決まっていたと言う。無論それだけではないと思うけれども・・・)。
そして労組もない。労働をなんとかして従業員の人生を成り立たせたいとして奔走していたのは、当時の社長のAさんであるという逆転現象さえ起きていた。

別の形で言い換えれば、親会社は何があっても給料保証、昇進もそこそこにできるという共産主義体制の旨味と、搾取の上位構造にいるという点において資本主義の旨味を享受しており、一方において最下位の会社と言えばその逆、何かあったら解雇問題へと繋がり、搾取に搾取を重ねた金しか流れてこないと言う意味において、共産主義体制での疲弊と資本主義社会の疲弊の汚泥とカスと、金属片とガラス片が流れてくる津波の中に瀦滞するしかなかったのである。

改めて冒頭の引用文を書くと、「天は富貴を人に与えずして、これをその人の働きに与うるものなり」と言うことだが、これは現代日本社会においては嘘の部分がある。
少なくともこういう形でないことは私は経験した。
企業は労働を搾取する。これが私が得た絶対的な人生訓だ。

現在においては、同一賃金同一労働と言う面においてそれらが政府筋・官僚筋から改善して貰って大変ありがたいことであるし、この御礼はどこに言えば良いのかやきもきしている。
が、この網の目をかいくぐって、大企業はまだこうした問題を問題とせずに、腐敗した労働状況において蓋をし、世間の目から逃れることをしているだろう。

私は普通に生きたいだけなのだ。なぜそうさせてくれないのだ。
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