まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

4145. 楕円関数、複素平面、上級編

2023年07月30日 | 日記

 ヤコビの楕円関数の複素平面表示の改良版が一応の完成を見たと思いますので公表します。
 商品や論文ではありませんので徹底的な検証はしておらず、ですからソースプログラムを開示するのです。質問などには答える時間が取れないと思います。今から必要十分な説明をするつもりですので、それでご容赦下さい。
 わずかな改良ですが、多少ややこしくて、上級者編になってしまいました。そのため、初期のプログラム(4137.)はそのままにしておきます。

 楕円関数の母数k = √(1/2)の場合の図の印象は前回(4136.)とほとんど変わりません。
 最初の3図はk = √(0.9755)のものです。この不思議な数値は、「岩波 数学公式III」の264ページの表に載っている数値です。k = 1に近い典型値として採用しました。
 まずは基本となるsn(u, √(0.9755))の図です。
(sn)

 画面中央がガウス平面(複素平面/複素数平面)の中心(0+0i)の場所です。青系の灰色の楕円が収束しているように見えるのは、関数値の複素数の絶対値が0に近づいていることを示し、中央には少し明るい空色のドットが見えるはずです。ここが関数値0、つまり零点です。
 虹色の帯は関数値の複素数の偏角を示します。中央から右方向の紅色が0度付近で、白線は純実数(虚数部=0)の線です。中央から上には黄色の領域があって、90度付近です。黒線は純虚数(実数部=0)の線です。ヤコビの楕円関数では純実数と純虚数の線は水平線と垂直線になるようです。
 中央から左の草色は偏角が180度付近で、白線がありますから実数が負に進んでいることが分かります。中央から下の青色は270度付近です。

 再び、中央から右に進んで行くと、白線の十字路があります。ここが周期(K)、つまり定義域の(3.2547+0i)の位置です。sn(u)の値はちょうど1で、背景の青系の灰色と赤系の灰色がクロスしています。この灰色の領域は本来は複素数の絶対値の等高線なので線なのですが、ぐぐっと延びて面状になってしまっています。これは、kが1に近いsn(u)の値が±1付近は頭打ちとなって平らに近い、全体としてみると方形波に近づいていることを示します。

 そのままさらに右に進むと、再び関数値が減って零点が現れます。ここが周期の(2K)の場所です。水平線の反対側に、同じ模様の所があって、こちらも(2K)です。その右に関数値-1の(3K)があって、原点に戻ります。つまりsn(u)の実数方向の周期は4Kです。

 今度は中央から上に進むと、赤系の灰色の楕円が集中している場所があります。中央には極(無限遠点)を示す少し明るい土色のドットが見えるはずです。ここは関数の値の分母が0になる点(の近傍)です。ここが第2周期(K')、つまり定義域の(0+1.5806i)の場所です。
 その直上に再び青系の灰色の楕円が集中している場所があって、中央付近と同じ図柄になっています。つまり、虚数方向の周期は2K'です。4Kと2K'、これが楕円関数の二重周期と呼ばれる現象です。前回はk = √(0.5)だったのでK = K'でしたが、今回は異なっていて、結果として格子が正方形では無く長方形になっています。

 cn(u, √(0.9755))の図に移ります。
(cn)

 前回のcn(u, √(0.5))とずいぶん印象が異なります。しかし、周期性は同じで、横方向、つまり実軸方向が4Kで、虚数方向は斜め上下の(2K+2iK')であるのは同じです。また、k=1に近いcnは実軸に沿って奇数Kの場所で0となり、そのあたりはなだらかで、偶数Kの所でスパイク状に立ち上がって±1になる様子が、かなり想像の補強が必要ですが、見えると思います。極のドットはsnと同じ位置に打たれていますが、かなり小さいです。

 dn(u, √(0.9755))の図です。
(dn)

 (K)の位置(3.2547+0i)の関数値は0にはなりませんが、0に近づいていることは分かると思います。極の位置はこれも同じです。周期は2Kと4iK'です。基本周期平行四辺形(基本領域)が正方形に近い感じに見えますが、これはK/K' = 2.0592と2に近いためで、偶然です。

 以下は、以上の図と同時に出力されるテキストファイルです。楕円関数に関わる定数と、グラフの中心とドット間のピッチ、関数値の等高線(外縁)の値です。詳しい説明はプログラムの解説時にする予定です。

Jacobi elliptic function constants
k =    0.98767, k^2 =     0.9755, k' =    0.15652, k'^2 =     0.0245
1/k =     1.0125, k'/k =    0.15848
K =     3.2547, K' =     1.5806, K/K' =     2.0592
K/(pi/2) =      2.072, K'/(pi/2) =     1.0062
q  =    0.21749, te2(0) =     1.4306, te3(0) =     1.4395, te0(0) =    0.56949
q' =  0.0015503, tf2(0) =    0.39686, tf3(0) =     1.0031, tf0(0) =     0.9969
horizontal: WT =   1024, CT =    0.00125, D =     0.0025
vertical:   HT =   1024, CT =    0.00125, D =  0.0051481
northern hemisphere parallels: (degree) value
( 0.00)          1
(15.00)     1.3032
(30.00)     1.7321
(45.00)     2.4142
(60.00)     3.7321
(75.00)     7.5958
north polar (infinity) area =          4(deg)
southern hemisphere parallels: (degree) value
( 0.00)          1
(15.00)    0.76733
(30.00)    0.57735
(45.00)    0.41421
(60.00)    0.26795
(75.00)    0.13165
south polar (zero point) area =          4(deg)


 参考に、母数を補母数と入れ替えた、k=√(0.0245)のsn, cn, dnのグラフを掲載します。上図との類似性にご注目下さい。
(sn)

(cn)

(dn)

Jacobi elliptic function constants
k =    0.15652, k^2 =     0.0245, k' =    0.98767, k'^2 =     0.9755
1/k =     6.3888, k'/k =       6.31
K =     1.5806, K' =     3.2547, K/K' =    0.48562
K/(pi/2) =     1.0062, K'/(pi/2) =      2.072
q  =  0.0015503, te2(0) =    0.39686, te3(0) =     1.0031, te0(0) =     0.9969
q' =    0.21749, tf2(0) =     1.4306, tf3(0) =     1.4395, tf0(0) =    0.56949
horizontal: WT =   1024, CT =    0.00125, D =  0.0051481
vertical:   HT =   1024, CT =    0.00125, D =     0.0025
northern hemisphere parallels: (degree) value
( 0.00)          1
(15.00)     1.3032
(30.00)     1.7321
(45.00)     2.4142
(60.00)     3.7321
(75.00)     7.5958
north polar (infinity) area =          4(deg)
southern hemisphere parallels: (degree) value
( 0.00)          1
(15.00)    0.76733
(30.00)    0.57735
(45.00)    0.41421
(60.00)    0.26795
(75.00)    0.13165
south polar (zero point) area =          4(deg)

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