ううむ、年度末のどさくさに紛れて会社にさんざん働かされたような気がしますが、まあ、元気に働ける内が花と思うことにします。
ブロック玩具のLaQ (ラキュー)は随分昔からあったと思いますから、よく続いていると思います。日本製は精度は良いもののすぐにオワコンになる傾向があると思いますが、これは違います。プラレールやリカちゃんみたいになれるかどうかはもう少し見ないといけないと思います。
同梱の説明書がものすごく良く出来ていて、しかし、数学的背景を知りたい方は公式ガイドブックの「はじめてのLaQ」を手に入れると良いと思います。言葉遣いやイラストは小学校高学年~中学生向きの感じなのに、しっかりと設計意図が書いてあります。
基本パーツはNo.1の正方形のプレート(板)とNo.2の正三角形の板です。これらを接続して形を作って行きます。
ジョイントパーツ(接続部品)は5種あって、No.3が180°、つまり平面に接続する部品で、上から見ると正方形、つまり幅と厚みが一致しています。おそらく、No.1の幅の1/5です。
No.4は幅がNo.3の1.73倍の平面接続部品で√3ですから当然、sin 60°と関係していて、4個のNo.2を3個のNo.3で接続した2倍の正三角形の板と、4個のNo.1を4個のNo.4で接続した2倍と少しの正方形の板がぴったり接続できます。
No.6は90°接続の部品で、No.7は接続部が3個あって90°と180°です。
No.5の120°の接続部品がくせ者で、120°が本来の角度ですが、(公式の)解説ではいきなり正5角形のリング(腕輪みたいなの)と、多面体の正20面体と立方八面体が出てきます。正五角形の内角はもちろん108°(180-360/5)です。正20面体の二面角は約138°で、立方八面体の二面角は約125°です。最小のボールとして紹介されている正八面体の二面角は約109°です。
当然ですが、正6角形のリングを組まないと120°になりませんし、そうしないとNo.2の6枚とNo.3の6個で作った正六角形の蓋とNo.6でぴたっと接続できません。作例では、正5角形、正6角形、正7角形、正8角形のリングが紹介されています。
つまり、プラスチックの柔軟性を利用してある程度のユニバーサルジョイントとして機能していて、こうした変形はLaQでは普通に利用されています。
どおりで幾何学マニアでは話題にならないはずです。変形や隙間をうまく利用するといろいろな半正多面体が出てきます。が、なんだかうまくはぐらかされた感じ。
いっそのこと自在の角度を許容するヒンジにするとすっきりすると思いますが、多分、事態をさらにややこしくするだけでしょうし、実用性があるのならとっくにやっていると思います。