都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

アルバート通り

1992-10-14 | ロシア  

1992.10.14(Wed) Moscow

 10:30 アルバート通りに到着。しばらくの間、ショッピングということになる。晴れて少し明るくなってくる。アルバート通りは国営の商店が建ち並ぶショッピングストリートだが、現在は露店が多く出る歩行者天国という方が雰囲気をよく表している。

アルバート通り   Google Map

 もちろん建物内では国営商店が今も営業しているのだが、モスクワといえども品物が少なく、サービスもいまひとつな状況に変わりはない。これに対して、露店の方は日本の縁日やフリーマーケットのような雰囲気で、様々な物が仮設の台の上に並べられている。ロシアに来てこれだけ多くの露店群を見たのは初めてだったので、やや興奮してあちこち見て回る。Tシャツ、バラライカ、マトリョーシカ等の人形、レザージャケット、毛皮の帽子(例のロシア帽子)、ジーンズ、スカーフ、レース、アクセサリー小物類、軍隊のバッジや勲章など、売り物は様々だ。

露天商の店が国営商店の前に盛大に立ち並ぶ

 面白い店はないかとターニャさんに尋ねたところ、彼女はとあるアンティークショップに私達を連れていってくれた。そこにはなかなか質の良さそうな物がいろいろガラスケースの中に収まっていた。しかしそこは目が利く人でないとちょっと手が出せない物が多く、やはり私達のような一般の観光客は、露店で交渉して物を買うのが、手っ取り早く満足する方法らしかった。

 ターニャさんは真面目な公務員なので、「露店はマフィアの収入源だから買っちゃダメです。」みたいなことを言うのだが、欲しくもない物を国営商店で買って政府が儲かるより、欲しい物を買った方が個人的にはみな満足して良いのではないかと思ってしまう。それほど国営商店と露店や自由市場の差は大きい。

 ウラジオでもそうだったが、露天商たちは国営商店で売るはずの物をなにかしらの裏ルートで手に入れて、多種多様な商品を揃えて売り捌いている。計画経済下でノルマを達成したらそれ以上は生産も販売もしない国営企業や商店と違って、需要があればどんどん手に入れて売るわけで、自ずと店頭の商品ラインナップも充実してくる。ただしもちろんマージンは取っているので、国営商店に比べればかなり高い。「安いですが今はありません。いつ入荷するかもわかりません。」と「いろいろなものがたくさんあります。でも高いです。」のちがいである。

マトリョーシカを売る露天商。国営商店よりも種類がかなり豊富。

 露店を出しているのは確かに流通ブローカー系が多い。しかし2~3割程度、一般市民もフリーマーケット状に私物を売っている。おばあちゃんがレース編みを一人で立ちっ放しで売っていたり、おじいちゃんが勲章を一つ右手に持って売っていたりする姿はややもの哀しい雰囲気があって、通りかかるこちらも気分的に落ち着かなくなってしまうが、アルバート通り自体は総じて活気があって面白い場所だ。

 歩いていると、途中に美術館とおぼしき建物も見られる。外側には垂れ幕が掛かっているが、意外におしゃれにデザインされておりこれも楽しめる。

レニンスキ計画道路近くの高層アパート   Google Map

 12:00 バスに集合して昼食に向かう。お土産をどうするか検討中だったが、結局この時は買い物はしないで終わってしまう。

ガガーリン記念碑   Google Map

 帰り道の途中に、銀色に輝く塔状の銅像があった。何かと思って聞いてみると、ガガーリン記念碑だという。まるで自らがミサイルのように飛び上がるイメージで建てられていてビックリする。また台座の足下にはサッカーボールのような、帰還船をかたどったモニュメントも置かれていた。一同、オオッと驚く。まるでアニメか何かのヒーローのようだ。

ホテルのレストラン

 13:00 ホテルに戻り昼食。天気が良くなって日が射せば少しは暖かくなるのだが、曇ってしまうと途端に寒くなってしまう。そこで部屋に戻った際にパジャマを重ね履きして防寒対策をする。

ホテルロビーのらせん階段
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