都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

萩原木材

2007-04-29 | 品川区  

 品川宿の旧東海道沿いに建っていた出桁造り商家。

萩原木材
所在地:品川区南品川2-7-6
構造・階数:木・2
解体年:1998〜2000(平成10〜12)頃
Photo 1994.2.6

 10年以上前に撮影した立派な出桁造り商家。昨年、再び品川宿界隈を訪れた際に、残っていることを期待して探してみたのだが、この木材屋さん自体が廃業したらしく、どこにあったのかさえ分からなくなってしまった。

 仕方がないので、都立中央図書館で昔の住宅地図を見て、ようやく旧所在地を確認。撮影時に無精をして所在地を記録せずにいると、後で却って厄介なことになる。

 長い角材や板が屋外に立てられた、昔ながらの木材問屋さんというのも、都内では次第に減っているような気がする。通りかかると木の香りがしたりするのが懐かしいのだが。

 掘り下げて資料探索したわけではないので、建設年までは知らない。二階建てで背丈が比較的高いところからすると、江戸期ではなく、明治〜昭和初期の建物だったのではないかと思う。

 品川宿にはまだ、出桁町屋や看板建築がいくつか残っている。旧東海道の宿場ということでPRしている面もある商店街で、休日ともなると、街道を歩く中高年の方々も少なからずいる。それだけに、古い建物を使いながら残せれば、観光的にも魅力的だと思うのだが、廃業したりしてしまうと、やはり木造の古い建物を残すのは難しいのだろうな。


2022.12.30追記
 1936(昭和11)年発行の火災保険特殊地図では「○○木材」もしくは「長浜木工所」と記されているようだが、文字が明瞭ではなく正確には読めない。1953(昭和28)年発行の同地図では、既に「萩原木材」になっている。また、1998年発行の住宅地図には掲載されているが、2001年の同地図では既になくなっており別の施設に建て替えられている。

Tokyo Lost Architecture  
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