都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

森田電機店

2007-04-23 | 台東区  

言問通り沿いにあった個性的な看板建築

森田電機店
所在地:台東区谷中 1-2
建設年:大正末期
構造・階数:木・2F
解体年:2006.11
Photo 2003.12.7

 根津の交差点から少し坂を東へ上り、文京区から台東区に入ったあたり、天眼寺の門前にあった建物。

 店舗であるためか、三間半と間口が比較的大きく立派な感じ。特に、二階窓上部に付けられた、巨大な唐破風庇がなんといっても印象的だった。銅板貼りの看板建築は数多くあるが、このように大仰な庇デザインのものは他に記憶があまりない。改めて写真を見てもごっつい唐破風だ。こういうのって、誰がデザインしたんだろう? 持ち主がお店として目立つようにデザインを決めたのか、棟梁が良かれと思って勝手に造っちゃったのか?

 電器屋さんなので、上部と二階窓、両サイドに日立やナショナルの広告看板が付いていて、壁面全体の様子が見えないのだが、老朽化したそれらの広告と銅板貼りの壁面が、なんとも言えない味を出していて、何度か写真を撮った記憶がある。

 この写真の時点で、どの程度営業していたかは分からない。もしかすると既に廃業して仕舞屋だったのかもしれない。それでも最近まではそのまま残されていたのだが、昨年の秋に解体されたのだそうだ。

 根津あたりに行ったときに、ちょっと見て楽しんでいた建物も、もうない。こういう楽しみを与えてくれる建物が次第に減って、なんの変哲もないマンションが増えていくので、まちあるきも、もしかすると次第につまらなくなってしまうのかもしれないな。

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 台東区  #看板建築  #銅板張り看板建築 
コメント (5)
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